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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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奄美

71件の記事があります。

2013年03月14日アマミノクロウサギ調査in奄美大島【奄美地域】

奄美 アクティブレンジャー 伊藤

うがみんしょ~らん!
奄美大島では、鳥たちがさえずりはじめ、新芽が芽吹き、すっかり春らしくなってきました。たくさん渡来していた冬鳥たちも、だんだんと少なくなってきたように思います。

さて2月に奄美大島で、アマミノクロウサギの生息状況モニタリングを行いました。
徳之島と比べると大きな沢が多く、水量が多かったり、流れが速かったり、調査距離が長かったりと、少し大変な調査となりました。
奄美大島は、近年生息数の増加傾向が確認されています。私が担当した沢では、今年もフンの確認数が大幅に増えている沢があり、幼獣のフンがたくさん確認された沢もありました。結果がまとまるのが楽しみです。

↑調査地の様子

↑この橋の上だけで1000個を越えるフンがありました。


3月に入り、オオトラツグミの調査も始まりました。オオトラツグミは奄美大島だけに生息している固有種で、環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類とされています。夜明け前の数分、「キョローン」と澄んだ美しい声でさえずります。姿を見ることは難しいですが、この声を聞くと春が来たことを感じます。
奄美大島でこの時期限定の美しいさえずりを、是非一度、聞いていただきたいと思います。

今日の一枚:【シリケンイモリ】


奄美で最も普通に見られるイモリですが、環境省レッドリストでは準絶滅危惧種とされています。分布は奄美諸島・沖縄諸島となっていますが、徳之島では生息は確認されていません。今の時期はちょうど繁殖期となっており、池や沼などでたくさんみることができます。


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2013年02月05日アマミノクロウサギ調査in徳之島【奄美地域】

奄美 アクティブレンジャー 伊藤

うがみんしょ~らん!
今日は、かなりの盛り上がりをみせている最新の話題からお伝えします。
「奄美・琉球」が世界自然遺産の登録候補地として暫定リストに掲載することが正式に決まりました!登録に向けて一歩前進です。

先月、徳之島でアマミノクロウサギの生息状況モニタリングを実施したのでご報告いたします。
この調査は、2007年から毎年行っています。決められた沢沿いを歩きながら、両岸で発見したアマミノクロウサギのフンを数え、新鮮さなどを記録します。今年は、生息数推定のために新たに11本の沢を追加し、合計31本の沢を調査しました。

↑フンを数えて、位置情報を記録します。

立て続けに島を襲った大きな台風の爪痕が残っており、倒木や土砂崩れが多く確認されました。沢が見えないほどに倒木が積み重なっていた場所もあり、くぐったり、乗り越えたり、斜面を登って迂回したりして、調査を行いました。
そんな酷い状況だった沢でも、アマミノクロウサギのフンを確認することができました。

↑根元の付近から折れた木

全体の印象として、昨年より確認できたアマミノクロウサギのフン数は少ない気がしました。近年全くフンが確認できていないエリアもあり心配です。きちんと結果がまとまりましたら、またご報告いたします。

今月は、奄美大島で同様の調査を行います。
こちらも台風の影響が残っていると思われますが、安全第一!でがんばりたいと思います。

今日の一枚:【オリイコキクガシラコウモリ】


沢沿いの防空壕あとと思われる穴で発見しました。フワフワの毛に覆われた体はゴルフボールくらいの大きさで、とても可愛いコウモリでした。
鼻から超音波を出すため、特徴的な形をしています。


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2013年01月30日大活躍!マングース探索犬 【奄美地域】

奄美 アクティブレンジャー 牧野

 現在、奄美大島で行われているマングース防除事業では、3頭のマングース探索犬が活躍しています。平成20年度にニュージーランドから奄美大島にやってきて、ハンドラー(奄美マングースバスターズのメンバーで探索犬の訓練士)とともに訓練を続け、平成21年4月には探索犬認定試験※1に合格、現在ではマングースの生息を確認するために実戦配備されている、我々の大事な仲間です。
3頭ともテリア系の雑種で、マングースの生体の痕跡を探索することに長けています。本国のニュージーランドでは外来種対策で活用され、イタチ類やネズミなどの駆除に大きな成果を挙げているそうです。
※1 ニュージーランド保全省が定めている探索犬の認定基準に則した試験



写真左から、探索犬ハンドラーの喜岡さんと「リム」、後藤さんと「タワ」、山下さんと「ラタ」です。

それぞれの探索犬を紹介します。
・「ラタ」:平成19年11月、ニュージーランド生まれ、5歳、オス
・「タワ」:平成19年11月、ニュージーランド生まれ、5歳、オス
・「リム」:平成20年7月、ニュージーランド生まれ、4歳、オス



山中での探索の様子です。林内を探索する「リム」。
探索を開始しマングースの臭いを嗅ぎつけると、その臭いをたどってマングースの居場所をハンドラーに伝えます。その情報を基にハンドラーはマングースを捕獲します。探索犬とハンドラーが連携して捕獲した例が昨年度は11件、今年度は1月現在までに12件あり、着実に結果を残しています。
奄美大島ではワナによる捕獲数が昨年度は261頭と、ピーク時の10%以下となり、マングース生息密度が低下しています。このような状況において、探索犬の重要度は今後更に高まっていくことが予想されます。

これからも更なる活躍を期待しています!

【今日の一枚】


・「オオアマミテンナンショウ」
・徳之島の固有種。アマミテンナンショウに比べ全体的に大型で、徳之島南部の石灰岩土壌に自生しています。昨年の8月に公表された環境省の第4次レッドリストでは、絶滅危惧IA類に指定されています。

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2013年01月15日希少種調査シーズン突入【奄美地域】

奄美 アクティブレンジャー 伊藤

うがみんしょうらん!
奄美野生生物保護センターは、希少種の調査シーズンに突入しました!
毎年1月から3月は、アマミノクロウサギ、アマミヤマシギ、オオトラツグミの 保護増殖事業に関わる調査をたくさん実施します。

簡単にスケジュールをご紹介します。
1月:アマミノクロウサギの生息状況モニタリング (徳之島)
2月:アマミノクロウサギの生息状況モニタリング(奄美大島)
3月:アマミヤマシギ全島調査、オオトラツグミさえずり調査

アマミノクロウサギの生息状況モニタリングは、沢沿いのフンの数を数えます。山の奥深くまで入るため、ハブの少ない冬期に調査を実施しています。胴長を着用して沢を登りながら、ひたすらウサギのフンを数えます。

↑沢沿いでウサギのフンを探します。

そして3月は寝不足月間です。オオトラツグミは早朝にしかさえずらないため、調査は日が昇る前から開始します。アマミヤマシギは夜の林道を調査するため、調査が終わるのは深夜になります。調査担当者は、寝不足になること間違いなし!なのです。

↑車に驚き、林道から近くの木に避難したアマミヤマシギ

それでも奄美大島や徳之島の自然を知るためには、とても大切な調査です。普段なかなか行けない場所なので、どんな環境なのかと期待もしつつ、しっかり調査していきたいと思います!

次回は徳之島のアマミノクロウサギの調査報告をさせていただきます。


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2013年01月07日徳之島希少動植物調査② 【奄美地域】

奄美 アクティブレンジャー 牧野

 みなさま、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 昨年末に徳之島で希少動植物の調査を行ってきました。昨年の8月から9月にかけて南西諸島を3つの大きな台風が通過しましたが、2か月以上経過した調査時点でもガケ崩れや倒木などが島内随所で確認され、被害の深刻さを物語っています。
 前回の7月の調査時とは打って変わって、今回は天気に恵まれ、沢調査や林道調査などすべて予定通りに進みました。アマミノクロウサギにも2回出会え(しかも北部の生息確認エリア外でした)、とても充実した5日間でした。

 今回は調査で出会った生き物たちを紹介しようと思います。



 2日目の沢調査で出会った【オキナワテイショウソウ】です。10メートルほどの滝を迂回して登り、沢に戻ったところで5株ほど、ひっそりと咲いていました。奄美大島から沖縄にかけて分布するキク科モミジハグマ属の多年草。別名マルバハグマとも呼ぶそうです。白い風車のような可憐な花が印象的です。



 こちらは徳之島の固有種【チリメンマイマイ】です。沢沿いの笹の葉っぱに付いていました。比較的大型のカタツムリで、殻に縮緬状の突起があることからこの名前が付いたようです。あやうく見逃すところでした。



 こちらは【アマミアカガエル】です。2011年にリュウキュウアカガエルだったものが、別種ということで新種記載されました。奄美大島・加計呂麻島・徳之島に分布します。昨年の8月に公表された環境省の第4次レッドリストでは、準絶滅危惧(NT)に指定されています。


【今日の一枚】



・天城町当部の「オキナワウラジロガシ」
・板根と呼ばれている根が特徴的なブナ科コナラ属の常緑高木です。果実は日本最大のドングリ(直径2.5㍉~4㍉)として有名です。奄美野生生物保護センターがある大和村には国指定の天然記念物のオキナワウラジロガシがあります(2008年3月28日指定)。

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2012年12月13日第13回やせいのいきもの絵画展【奄美地域】

奄美 アクティブレンジャー 伊藤

うがみんしょ~らん!12月に入り、奄美大島でもストーブやこたつが恋しくなる季節となってきました。

12月8日に「第13回やせいのいきもの絵画展の賞状授与式」が行われました。
毎年この時期に行われるこの絵画展は、年末の一大イベントです。
今年のテーマは「奄美の夜の森・夜の海」。
なんと奄美群島内24校の小中学校から350点もの作品が集まりました!

今日は見事「いきもの大賞」に選ばれた作品のご紹介をしたいと思います。

↑「あまみの生き物全員集合」
いきもの大賞 低学年の部 
瀬戸内町立薩川小学校3年生 牧野 敬さんの作品
この作品の中には、奄美を代表とする生き物たちがたくさん描かれています。とても賑やかな夜の森を描いてくださいました!私はイノシシがとても気に入っています。

↑「夜の砂浜に集まるオカヤドカリの家族」
いきもの大賞 高学年の部 
大和村立名音小学校6年生 登喜 龍生さんの作品
この作品は、オカヤドカリや満月が輝く夜空、それを映し出す海などがとても丁寧に描かれています。構図もすばらしいと大好評でした。


↑賞状授与式の記念撮影
すべての応募作品は、奄美野生生物保護センター内で2月3日まで展示されています。
子どもたちのすばらしい作品を是非ご覧ください!

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2012年11月26日在来種の回復を確認するセンサーカメラ 【奄美地域】

奄美 アクティブレンジャー 牧野

 島で「ミーニシ」と呼ばれる北寄りの風が吹き、亜熱帯の島奄美大島も秋から冬へと季節が変わろうとしています。サシバだけでなく、ハクセキレイや昨年飛来数が少なかったシロハラなどの渡り鳥たちも最近増えてきました。このような渡り鳥や留鳥たちで、この季節の森は意外と賑やかです。

 奄美大島では平成17年から外来生物法に基づいて、マングース防除事業を進めています。昨年度のわなによる捕獲数は261頭(事業が始まった平成17年度の捕獲数は2,591頭)となり、生息密度の指標となる捕獲努力当たりの捕獲数は大幅な低下を示しています。マングースを捕獲することも重要ですが、同時に希少な在来種が回復しているかどうかを確認することも非常に重要です。その確認手法の一つがセンサーカメラによるモニタリングです。奄美大島に設置されているセンサーカメラの数は、なんと200台近くです!

 まずは「センサーカメラ」について説明しましょう。



上の画像は実際に野外に設置してあるセンサーカメラです。白線で囲んだ部分が赤外線モーションセンサー部です。このセンサーが撮影範囲に動物が侵入したことを感知し、カメラの電源をオンにして撮影するという仕組みです。最新の機種だと動きを感知してからシャッターが切れるまでの時間はなんと、「0.5秒以内」というスグレ物です。ケモノ道や開けた尾根道など、動物たちが通りそうな場所を選んで設置します。点検頻度はおおよそ一カ月に一回です。
 フィルム式と違ってデジタル式センサーカメラの良い点は、バッテリー残量がある限り撮影し続けること。そして、すぐに画像を見ることができるので種の判別が比較的容易であるという点です。

 では、実際に撮影された画像を見てみましょう。



「アマミヤマシギ」です。平成5年4月に施行された、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づき捕獲・譲渡などが禁止されています。また今年の8月に公表された環境省の第4次レッドリストでは、絶滅危惧Ⅱ類に選定されました。



こちらは雛を連れて歩いています。

 このような調査で、アマミヤマシギ以外にもアマミノクロウサギやケナガネズミなど希少な在来種が確認されています。

 これからも、貴重な画像や珍しい生き物などが撮影されたら紹介していきます。お楽しみに!

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2012年11月10日生きもの掲示板【奄美地域】

奄美 アクティブレンジャー 伊藤

うがみんしょ~らん!(こんにちは!)
今日は、奄美野生生物保護センターの一押しコーナーをご紹介したいと思います。

私の一押しコーナーは、エントランスホールの右裏にある「生きもの掲示板」です。
これは、センタースタッフや奄美マングースバスターズなどが出会った生き物たちを紹介しているコーナーです。


今の時期にどんな生き物がどこで観察できるのか、わかるようになっています。
また奄美大島の大きな地図は、島の主要な施設や山や河川の名前などが記載してあり、奄美大島の全体が一度に見ることができるので、観光客の方に人気です。

過去に集めた生き物情報は大きなファイル6冊分!!


月ごとにまとめてあるので、何月にどんな生き物が観察できるかがわかります。
このコーナーは毎月、1回更新されます。
他のスタッフがどんな生き物に出会ったのかを知ることができるため、私は毎月の更新日がとても楽しみです。
スタッフそれぞれ自然の見方や好きな生き物が違うため、新たな発見をする事ができます。

もちろん皆様からの情報も大募集中です。専用の記入用紙をご用意してありますのでそちらにご記入ください。皆様が出会った生き物たちの情報をお待ちしています。

奄美大島にお越しの際は是非この掲示板を参考にして、たくさんの奄美の生き物を観察してください!


今日の一枚:【メジロ】

事務所からみえるシマサルスベリにメジロの群れが来ていました。
緑色の小さい体に白いアイリングかとても可愛らしい、とても身近な野鳥です。


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2012年10月29日あまみエフエムに出演! 【奄美地域】

奄美 アクティブレンジャー 牧野

 奄美大島にはコミュニティラジオ局「あまみエフエム(周波数77.7MHz)」があります。NPO法人ディ!が「シマッチュの、シマッチュによる、シマッチュのためのラジオ」を合言葉に、運営しています。
なお、「ディ!」は奄美大島のことばで「さあ、~しよう!」何か次の行動を促す、かけ声です。発音は 「dei」ではなくて「di」です。

 先日、夕方の生ワイド番組「ゆぶぃニングアワー」内の夕方フレンドというコーナーへ伊藤アクティブレンジャーと一緒に出演しました。




 生放送が行われた、あまみエフエムのスタジオ内の様子です。右がパーソナリティーの上野さん、真ん中はアマミノクロウサギの剥製です(これが結構スタッフの方に人気でした)。

 今月1日~31日まで奄美野生生物保護センターでは、「アマミノクロウサギ交通事故防止キャンペーン」を行っています。詳しくは伊藤アクティブレンジャーの前々回の記事をご覧になって下さい。今回はキャンペーンの広報のための出演でした。
 アマミノクロウサギの交通事故が少しでも減ってくれることを願い、「夜間の運転には十分注意してください」と呼びかけました。

【今日の一枚】



・「アマミハンミョウ」
・奄美大島と徳之島のみに生息。林道での調査中に出会いました。奄美大島の個体は写真のように赤緑色ですが、徳之島の個体は濃い青色をしています。

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2012年10月23日奄美の風だより【奄美地域】

奄美 アクティブレンジャー 伊藤

うがみんしょ~らん!(奄美の方言で「こんにちは」という意味です。)
奄美大島では、キセキレイやサシバなどの冬鳥が観察されるようになり、秋の収穫を祝う豊年祭などが各地で行われています。

↑センター上空を飛翔するサシバ

奄美の人は、この時期になると「ぴぃーっちばひゅー」と言って海へ向かいます。
「ぴー」とはサシバの鳴き声を表しており、「ひゅー」とは魚のシイラの事だそうです。
「ぴぃーっちばひゅー」は、サシバが渡来する時期になると、美味しいシイラがたくさん捕れる、という意味だそうです。
奄美大島も、秋が深まって来ています。

さて、今回は奄美野生生物保護センターのニュースレター「奄美の風だより」についてご紹介したいと思います。



○今の時期に見られる動植物
○奄美群島市町村ニュース
○いきもののふしぎ
○センター・協議会News
という4つのコーナーからなる当センターのニュースレターです。奄美自然体験推進協議会が編集し、年3回発行しています。現在までに44号まで発行しました。センタースタッフが撮影した写真も多く掲載され、眺めているだけでも十分楽しめます。

「いきもののふしぎ」コーナーは、毎回とても気合いをいれて作成しています。使用するイラスト等もセンタースタッフが手書きやPCで描いています。

↑スタッフが描いたサンコウチョウ
前号ではウミガメを特集し、今年行った調査の報告も行いました。

毎号、奄美の生き物情報が盛りだくさんです。
館内では無料配布も行っており、過去の号も読めるようになっています。

奄美野生生物保護センターのニュースレター「奄美の風だより」で奄美の自然を感じて、学んでみてはいかがしょうか?

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