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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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奄美

76件の記事があります。

2018年02月16日用海岸(笠利)で漂着油の海岸清掃を実施!

奄美 髙橋周作

うがみんしょ~らん。奄美自然保護官事務所の髙橋です。

奄美群島に漂着している油について

奄美自然保護官事務所では、職員が交代で奄美大島の海岸を

巡視し、環境省の他事務所の応援も受けながら回収作業を行っております。

今日は、笠利地区の用海岸で行った回収作業を紹介します。

写真1.砂浜に漂着している油(⇒で示している黒い物)

漂着油は、黒色や焦茶色で、粘着性があります。油が靴や衣類などに付くと、なかなか取れません。そのため、油を回収する際は、手には軍手とゴム手袋を、足には長靴や運動靴の上からビニール袋を履いて作業します。

写真2.漂着油の回収作業の様子

回収作業は、火鋏や熊手を使って油や油付着物(漂着ゴミ等)を拾っていきます。職員が横一列に並び、慎重に見落としがないように拾います。

写真3.回収した漂着油や漂着ゴミの一部

今回の作業は2時半から5時までの作業で、ゴミ袋30個ほどの油と油付着物を回収しました。奄美自然保護官事務所では今後も、巡視や回収作業を続けていきます。

海岸で油が付着して弱っている動物や死体等の情報がありましたら奄美自然保護官事務所(0997-55-8620)までご連絡ください。

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2017年04月27日ケガをしたアマミノクロウサギを発見!

奄美 木元侑菜

うがみんしょ~らん。奄美野生生物保護センターの木元です。

奄美野生生物保護センターには毎年60件前後の

アマミノクロウサギの死亡個体が搬入されてきます。

またごくまれに、まだ生きている状態で保護されることがあります。

今回はなんと、奄美野生生物保護センターの職員が調査中に

ケガをしたアマミノクロウサギに出くわし、保護しました。

発見したのは3月27日(月)夜20時30分頃、

アマミヤマシギのセンサス調査(奄美AR日記3月24日「アマミヤマシギ調査!」参照)中のことでした。

ヤマシギを探すために前方をライトで照らしながら車をゆっくりと走らせていると

突然、林道の脇から車の真ん前に向かって、1匹のアマミノクロウサギが滑り出てきました。

車の窓から顔を出してのぞくと、地面をごろごろと転がり回っており、

さらに悪いことに、顔のあたりに血がついているのが見えました。

急いで車を降りて駆け寄ると、首の頬から首にかけての出血がひどく、

荒い息づかいで苦しそうにもだえています。

◆発見直後、苦しそうに地面を転がりまわっていた

◆左の頬から首にかけて特にひどく出血している

これはもう、だめかもしれないと思いながら見守っていると、

少しして様子が落ち着いてきたので、一か八か、動物病院へ連れて行くことにしました。

◆発見から少しした時の様子

急いで山から下ると、ゆいの島どうぶつ病院の伊藤圭子獣医師が発見地点と病院との

中間地点まで駆けつけてくださり、ケガをしたアマミノクロウサギをなんとか病院へ

搬送することができました。

ケガの様子から、おそらくネコに襲われたものだということがわかりました。

◆伊藤獣医師へ無事に受け渡した

奄美大島ではつい先日も、地元の研究者により巣立ち間近のアマミノクロウサギが

ネコに襲われる瞬間の映像が撮影されたばかりです。

本来は山奥にいないはずのネコが、島にもともと暮らす生き物をおそっています。

人が持ちこんだ動物や植物は、場合によっては本来の地域の生態系に大きなダメージを与えます。

島の大切な独自の自然を後世へ残し続けていくためには、行政や地域住民が一丸となって

こうした問題と向き合っていかなければなりません。

奄美野生生物保護センターでは、山でくらすネコを増やさないために

ペットの適正飼育を呼びかけています。ご協力ください。

◆犬やねこを飼うときは、お家の中で最期まで責任を持って飼うようにしましょう。

◆ペットの確実な身元証明になるマイクロチップを装着しましょう。

また、ケガや死亡したアマミノクロウサギなどを見つけた際は

◆奄美野生生物保護センター(電話:0997-55-8620)までお問い合わせください。

24時間対応しています。

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2017年03月26日アマミノクロウサギ特別講演会を開催しました!

奄美 木元侑菜

うがみんしょ~らん。奄美野生生物保護センターの木元です。

今年度のワイルドライフセミナーは、奄美群島国立公園の指定決定を記念して、2017年2月25日(土) にアマミノクロウサギ特別講演会を開催しました!

会場は130人のお客様でいっぱいになりました。

アマミノクロウサギのなぞに満ちた生活や不思議な子育てについて講演してくださったのは、奄美大島出身の写真家で、30年以上にわたりアマミノクロウサギを観察し続けてきたクロウサギ研究家でもある浜田太さんです。浜田さんはこれまで子育てなど貴重な映像を撮影されてきました。

今回の講演会では、クロウサギ同士がけんかをする様子や、お母さんクロウサギが一生懸命子育てをする様子のほか、浜田さんが観察してこられた様々な生き物たちの見たことない生活の様子をたくさんご紹介くださり、講演中はお客さんから驚きの声があがっていました。

また奄美大島の大和村立大和小中学校では、昭和38年から平成3年までアマミノクロウサギが飼育されていました。

当時児童として飼育していた中山昭二さん(現大和村中央公民館館長)に、アマミノクロウサギが、一体どんな様子で飼育されていたのか、当時の新聞記事や写真とともに紹介していただきました。

イベントの最後に私から、アマミノクロウサギの生息状況を報告しました。最近、嬉しいことにアマミノクロウサギの生息状況が回復し始めています。しかしその結果、私たちが生活する集落周辺や道路にも頻繁に姿をあらわすようになり、これまで交通事故が起きていなかった場所でも交通事故が起きるようになりました。

講演会を行った大和村内でも2016年の年末から県道上での交通事故が立て続けに起こっています。事故が起こっている場所を説明しながら、事故を防ぐために気を付けてほしいポイントを説明しました。また、ケガや死亡したアマミノクロウサギを見つけた際にはすぐに奄美野生生物保護センターへご連絡いただくよう、住民の皆様へ呼びかけました。

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2017年03月24日アマミヤマシギ調査!

奄美 アクティブレンジャー 牧野

 うがみんしょ~らん!(こんにちは!)奄美野生生物保護センターの牧野です。

 奄美群島は、豊かで多様な自然景観と固有で希少な動植物が生息していることから、3月7日に国内で34カ所目の国立公園に指定されました。

 指定日には、保護センターの前に職員みんなで大きな横断幕を掲げました!

▲[センター入り口前の横断幕]

 今回は調査地の一部が国立公園にも指定されている『アマミヤマシギ調査』についてご紹介します。

 アマミヤマシギとは、奄美大島から徳之島の間の島々でのみ繁殖している鳥類であり、国内希少野生動植物種に指定されています。キジバトほどの大きさで長い嘴を持っており、夜にミミズなどの餌生物を探して開けた場所に出てきます。

▲[路上に出てきたアマミヤマシギ]

 個体数、分布域が限定されている事から、奄美野生生物保護センターでは繁殖状況や育雛状況を把握するため、3月と6月にモニタリングを行っています。

 夜間の林道を車でゆっくりと走行しながら、車のヘッドライトと手持ちライトで調査ルート上を照らし、アマミヤマシギの出現数をカウントします。

▲[センサスの様子]

 3月は繁殖期のため、ペアと思われるアマミヤマシギを見かける事も多々あります。

▲[寄り添うアマミヤマシギ]

 アマミヤマシギはライトを当てると『ピタッ』と静止する事があります。県道など広い道路に出現する事もあるので、奄美大島や徳之島で夜間道路を走行する際はお気を付けください。

▲[広い道路に出現]

 地上に居る姿を目撃する事が多いですが、木にとまっている事もあります。1匹も見逃すことのないように、調査中は注意深く探します。

▲[樹上のアマミヤマシギ]

 国立公園指定によって、アマミヤマシギなど貴重な生き物が生息する奄美の自然をずっと未来に残していけるよう目指していきたいですね。

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2016年08月05日マングースバスターズ!

奄美 アクティブレンジャー 牧野

うがみんしょ~らん!(こんにちは!)奄美野生生物保護センターの牧野です。今日は『奄美マングースバスターズ』についてご紹介します。

特定外来生物フイリマングース(以下、マングース)は、ハブや農作物を荒らすクマネズミの駆除を目的として、1910年に沖縄島へ移入された後、1979年には何者かにより奄美大島に持ち込まれました。しかし、人々の期待に反して、ハブやクマネズミではなくアマミノクロウサギやアカヒゲなどの希少種も食べます。

そのため、マングースを奄美大島から完全排除し、奄美の生きものたちを守ることを目的として、2005年に環境省がマングース防除事業を開始し「奄美マングースバスターズ」が結成されました。

結成した当時は12名でスタートし、2016年現在では41名の方とマングース探索犬で防除事業を行っています。

[マングースバスターズの集合写真]

今回はバスターズの皆さまが行っている、マングース捕獲わなの点検についてお話します。

マングースの捕獲わなは主に『筒わな』を使用しています。わなにはマングースを誘う餌として塩豚(豚の脂身を塩漬けしたもの)を付けています。そして筒わなが奄美大島全域を覆うネットワークの様に配置されています。

ですが、奄美大島の森林内で筒わなを見かけても触ってはいけません!不用意に触るとケガをする恐れがあります。

[森林内に設置してある筒わな]

バスターズはマングースが捕れているか確認を行う為、筒わなを点検してまわります。

[点検の様子]

私も実際に点検してみました。わなを近くで見て、触ってみると各部が緻密にできていました。

[点検に挑戦]

バスターズの皆さまと共に山に入ったことで、バスターズは時に雨にうたれ、毒蛇と遭遇しつつも、日々奄美の森の中で業務を遂行しており、奄美の生き物を守る事に対する気持ちの強さを感じました。

またバスターズは、山歩きに長けており、過酷な状況でも冷静な判断を行える方々ばかりです。そして、何より奄美の自然が好きな方が多いです。

[仕事を終えて滝で一休み]

奄美マングースバスターズはマングースの根絶を目指してこれからも頑張ります!

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2016年06月28日アマミノクロウサギ分布域確認調査

奄美 木元侑菜

うがみんしょ~らん(こんにちは)!

このところ、アマミノクロウサギの生息分布域が少しずつ拡大してきています。

奄美野生生物保護センターではそんなアマミノクロウサギの生息域を確かめるための調査を

2週間に1回程度行っています。

マングース捕獲用のワナルートや林道、沢沿いの道を歩いて痕跡を探したり

自動撮影カメラを設置したりして生息地が拡大している地域を調べます。

これまで生息が確認されていない場所で痕跡を探すため、調査地選びもなかなか難しいです。

IMGP2117 

昨年度の調査では、島の南西部にあたる宇検村でアマミノクロウサギの糞や葉を食べた痕を発見し

生息地が拡大していることを確かめることが出来ました。

葉を食べた痕は、写真のように不自然にちぎられたようになります。

このほかにも地元の方からの目撃情報や、残念ながら車に轢かれてしまった死体の発見位置から新たな分布を確認できることもあります。
マングースの数が減ってきたこともあり、奄美の生きものたちの数や分布域が少しずつ回復してきています。

多くの生きものが安心して暮らしていける奄美の森がこれからも残されていくと嬉しいですね。

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2016年06月13日夏はウミガメの産卵シーズン

奄美 木元侑菜

うがみんしょ~らん(こんにちは)!

アクティブレンジャー 木元です。

ウミガメの産卵シーズンがやってきました。

奄美大島には毎年たくさんのアカウミガメとアオウミガメが、産卵のために砂浜に姿を現します。

奄美野生生物保護センターでは、ウミガメの産卵時期にあたる5月中旬から8月中旬に

週2回の頻度でセンターの位置する大和村の海岸を歩きます。

砂浜のあちこちに残されたウミガメの足跡と産卵跡を探し

どの種類がどのくらい上陸し、産卵しているのかを調べます。

 

さて、どちらがアカウミガメでどちらがアオウミガメの足跡でしょうか。

正解は

歩幅が広く、ぼこぼこと左右交互に残る足跡は、アカウミガメです(左写真)。

歩幅が狭く、左右対称できれいに細かく残る足跡は、アオウミガメです(右写真)。

ある浜で、石の間をたくさん歩き回った跡がありました。

産卵にちょうど良い砂地を見つけられず、この日は産卵できずに海に戻ってしまったようです。

別の浜では無事に産卵を終え、まっすぐ海へ帰っていった跡を確認しました。

夏場の日中に日陰も無い浜をひたすら歩くのには、気力と体力が必要ですが

今年は一体どのくらい上陸し、産卵してくれるのか、楽しみです。

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2016年05月20日外来種オオキンケイギク!

奄美 アクティブレンジャー 牧野

 うがみんしょ~らん!(こんにちは!)4月から奄美自然保護官事務所にアクティブレンジャー(AR)として着任しました牧野孝俊と言います。よろしくお願いします!

 私は主に奄美大島の外来種対策とアマミヤマシギの保護増殖事業を担当しています。第一回目のAR日記では外来種オオキンケイギクと駆除イベントについてご紹介します。

 オオキンケイギクとは、キクの仲間で高さは40~60cmほど、5~7月にかけて鮮やかな黄色の花をつける植物です。ですが、キレイだからと言って自宅のお庭や道路の法面に植えてはいけません!オオキンケイギクは生態系に重大な被害を及ぼすおそれがあることから、栽培・運搬・野外に放つことなどが禁止されている『特定外来生物』に指定されています。

〈写真1〉奄美大島では5月から黄色の花をつけるオオキンケイギク

 オオキンケイギクは北米原産の植物で、観賞用や緑化用として1880年代に導入され、その後、野生化しました。他の地域の環境に適応し、道路や河川敷に大群落を形成する力が強いため、奄美大島でもオオキンケイギクによる在来種への影響が危惧されています。

 そのため、オオキンケイギクが群生している龍郷町の番屋で駆除イベントを行いました!

 今回集まったのは地元の中学校生徒会の皆様・大島支庁の皆様・センター職員です。活動の前に、龍郷町で熱心に外来種対策に取り組んでいらっしゃる方と私からオオキンケイギクの除去方法や、外来種についての説明を行いました。

 〈写真2〉作業について説明

 いよいよ、全員でオオキンケイギクの駆除です!花が付いていないオオキンケイギクも葉の形で見分けながら根元から引っこ抜きます。

 中学校生徒会の皆様はだんだんと目が慣れ、小さな株まで見つけて「あった!」と喜びながら駆除を行っていました。


〈写真3〉次々に見つかるオオキンケイギクを駆除

〈写真4〉オオキンケイギクが目立っていましたが・・・

〈写真5〉駆除後はまったく見あたりません

 龍郷町番屋は7年間駆除を継続しており、群生していたオオキンケイギクが激減した地域です。継続的な外来種対策を行い、みんなで奄美の景観を守って行きたいですね。これからも私たちの業務や奄美の野生生物について紹介していこうと思っています。よろしくお願いします。

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2015年06月11日外来植物の駆除 【奄美地域】

奄美 木元侑菜

うがみんしょ~らん!(こんにちは!)奄美野生生物保護センターの木元です。

今年の4月に来たばかりで奄美の自然についてまだまだ知らないことばかりです。

蒸し暑い日が続きますが、暑さに負けぬよう気合いを入れて楽しく働いていきたいと思います!

先月は、地域の方や役場の方と協力して外来植物であるオオキンケイギク、ボタンウキクサ、シンテッポウユリの駆除作業に励みました。

もともと奄美大島に生育していなかったこれらの植物が、人為的に持ち込まれ定着してしまうことにより、奄美に生育している在来の植物に悪影響をもたらすことが懸念されています。

鮮やかな黄色い花が目立つ、特定外来生物のオオキンケイギク

道路の路肩にまとまって咲いているのをよく見かけます。

今回駆除作業を行った場所には、まだつぼみのものや、草丈が数センチの未熟な株が多く、見た目以上にたくさんのオオキンケイギクを見つけ出し駆除することが出来ました。

根っこから慎重に、時にはスコップを使って丁寧に抜き取りました。

目が慣れてから、一度取り除いた場所にもう一度戻るとたくさんの取り残しがあることに気がつきます。なるほどこういうものがまた来年に大きくなってしまうのだなと、思い知らされます。

同じく特定外来生物のボタンウキクサ(別名:ウォーターレタス)

小さい時はなんだか可愛らしい印象ですが、今回のような田んぼや川、沼といった水のある環境で根っこを枝分かれさせ、どんどん増えてしまいます。放っておくとすぐに大変なことになりますので、油断はできません。

駆除作業の様子

3枚の田んぼに突如として現れたボタンウキクサを踏みつぶさないように気をつけながら一つずつ丁寧に駆除しました。実際に田んぼに入るとまだ数ミリのボタンウキクサも見つかり、太陽がさんさんと降り注ぐ中それらを見つけ出し駆除するのはなかなか骨の折れる作業でした。

総合対策外来種のシンテッポウユリ(別名:タカサゴユリ)

在来種のウケユリとの雑種や病気の媒介が懸念されており、まだ花が咲く前に除去します。

細くてツヤのある葉が特徴的で、テッポウユリなどとは簡単に区別をすることができます。こちらも狭い範囲に思っていた以上に生育していました。

深く根がついているものは周囲からスコップで彫り上げるようにして抜き取ります

外来植物は、1度駆除作業を行っただけではとても根絶はできません。数年間の駆除の成果がようやく見えてきたと思える場所もあります。

外来種は「入れない、捨てない、広げない」ようにすることが大切です。これからも根気強く駆除を続けることで、奄美の在来植物がのびのびと生育できる環境を作っていきたいと思います。

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2015年04月27日加計呂麻島における自動撮影カメラ調査 【奄美地域】

奄美 アクティブレンジャー 牧野

うがみんしょ~らん!(こんにちは!)奄美野生生物保護センターの松田です。例年、GW前には夏鳥のアカショウビンが渡ってきます。「キョロロロロー」という特徴のある鳴き声とその姿から、島民に馴染み深く、奄美大島では「クッカル」という名前で呼ばれています。

奄美野生生物保護センターでは、アマミヤマシギの生息状況を把握するため、加計呂麻島での自動撮影カメラによる調査を平成25年9月より行っています。現在、同島内に20か所自動撮影カメラを設置し、アマミヤマシギを始めとする野生生物の情報の収集に努めています。カメラは地元の民間団体に委託し、維持管理を行っています。今回は撮影された画像の一部を紹介します。

アマミヤマシギは18地点で105回撮影されました。年に2回行っている夜間センサス(時速10km程度で走行し、生き物をカウントする調査)で本種の確認の少ないエリアでも撮影があり、自動撮影カメラによる調査の有効性が示唆されています。

こちらはアカヒゲです。この自動撮影カメラ設置地点では、1年を通して、オスだけでなくメスのアカヒゲも繰り返し撮影されています。

鹿児島県の県鳥で国の天然記念物であるルリカケスです。奄美大島と加計呂麻島、請島にのみ分布しています。過去には帽子の羽根飾りを目的とした乱獲などで、個体数が減少しました。その後、天然記念物の指定などにより個体数が増加し、2008年に国内希少野生動植物種の指定が解除されました。

一番多く撮影されているのが、リュウキュウイノシシです。なんと、19地点で972回も撮影されています。

 この他にも、オシドリやキビタキ、カラスバトなどの撮影があり、ぞくぞくと情報の蓄積が進んでいます。アマミヤマシギなどの希少種に関しては1年を通した調査結果を取りまとめ、「奄美希少野生生物保護増殖検討会」で報告しています。

 今後も引き続き調査を継続し、加計呂麻島における野生生物の情報の収集と蓄積に尽力していきます。同島における初記録種などが確認され次第、また報告いたします。

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