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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

あらためましてツシマヤマネコ~その2~

2023年06月05日
対馬 金子 涼太朗
こんにちは!対馬自然保護官事務所の金子です。
前回に引き続きツシマヤマネコの特徴などを改めて皆さんにご紹介したいと思います。
今回は第2弾です。
※まだ第1弾を見ていない方は先ずはこちらをチェック!!
<前回記事リンクhttps://kyushu.env.go.jp/blog/page_00164.html
※現在の展示個体の「かなた」
ツシマヤマネコの大きさは普通のイエネコとそれほど変わらず、体長50~60㎝で、体重は3~5kgほどです。基本的にはオスのほうがメスよりも大きいです。 野生下での寿命の確認は非常に困難でデータが乏しく詳しくはわかっていません。飼育下だと寿命は約13年位(但し1歳までの死亡率が高いので、一歳以上まで育った個体の平均値で算出)です。(過去最高齢は福岡市動物園のふみでなんと推定20歳といわれています!!)
※日が暮れてから活発になるヤマネコ
ツシマヤマネコの1日の行動は、日の出や日没前後の数時間にかけてが最も活発です(薄明薄暮性:はくめいはくぼせい)。なので、「夜行性」。と思われることも多いですが、実は本当の真夜中は休んでいたり、逆に日中でも目撃されることもあります。
 
1年を通してのツシマヤマネコの動きは、冬がツシマヤマネコの繁殖期で、オスはメスを求めて広範囲を移動します。春に出産でメスは一回に1~3頭子供を産み、夏には子育て、そして、秋は親離れ・独立の時期です。
なので、秋の稲刈りの時期には田んぼで、若い個体(亜成獣:あせいじゅう)が目撃されることもあります。
※いろいろな場所で目撃されたヤマネコ
ツシマヤマネコは、山だけに住んでいるのではなく、山、水辺、田んぼのある人里など広大な範囲で生活しています。これは、餌となる生物を求めて、季節ごとに狩りがしやすい場所を変えているため。と考えられています。行動範囲はメスで1~2kmほど、オスでは繁殖期には、メスの7~8倍にもなるといわれています。
そんなツシマヤマネコですが、なぜ今こんなに数が減ってしまっているのか!?・・・は次回第3弾「あらためましてツシマヤマネコ~その3~」をお待ちください!

対馬自然保護官事務所 金子