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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

あらためましてツシマヤマネコ~その1~

2023年05月24日
対馬 金子 涼太朗
こんにちは!対馬自然保護官事務所の金子です。
最近、TVや雑誌などで対馬が紹介されることが多くなり、ツシマヤマネコの知名度がUPしたことが関係しているのか、よく業務中にいろんな方からお声がけしてもらえるのですが、地元の人、観光などで対馬に来ている人の両方からよく聞かれることがあります。
 
それは、、、「ツシマヤマネコってどんなネコなの?」です。
 
そこで今回から数回に分けて、ツシマヤマネコの特徴などを改めて皆さんにご紹介したいと思います。
これを読めばあなた貴方もツシマヤマネコに詳しくなること間違いなし!
※過去に保護された「妃」です
ツシマヤマネコは、日本では長崎県対馬のみに生息している野生のネコであり、「国指定天然記念物」(1971年)、「国内希少野生動植物種」(1994年)、そして「絶滅危惧ⅠA類」に指定されている動物になります。
※過去の展示個体の「福馬」です。
1960年代には対馬全域に250~300頭程生息していたといわれていますが、平成30年度~令和元年度にかけて実施した最新の生息状況調査(※1)では、90~100頭ほどしか生息しておらず、絶滅が危惧されています。                                                                                                                                           地元の方々からは、山に住み虎の様な模様をしているから「とらやま」、よく田んぼでみかけるから「田ネコ」とも呼ばれていたりします。  
※ヤマネコの特徴一覧
 体の大きさはイエネコと同じぐらいですが、「体に黒褐色の不規則・不鮮明な模様(まだら模様)がある」、「額の縦じま模様」、「耳の後ろに白い斑点がある(虎耳状斑:こじじょうはん)」、「耳の先が丸い」、「しっぽが長くて太い」、「胴長短足」といった特徴があり、ツシマヤマネコかどうかを見分けるポイントになります。
特に「虎耳状斑:こじじょうはん」はツシマヤマネコかイエネコかを一発で見分けるポイントになっているので、見かけたネコがツシマヤマネコかどうか迷ったら、まずは耳の後ろをチェックです!
※過去保護された「妃」に馬肉を与えているところ
ツシマヤマネコは肉食の動物なので、対馬ではネズミや鳥、カエル、ヘビ、昆虫類などさまざまな動物を食べて暮らしています。どの動物をたくさん食べるかは季節やなわばりにしている場所の環境、狩りのしやすさに応じて変わります。 また、肉食動物ではありますが、おなかの調子を整えるため、イネ科の植物も食べます。
長くなってしまいましたので、今回のツシマヤマネコのご紹介はここまでにしたいと思います。ツシマヤマネコの暮らしなどについては、次回の「あらためましてツシマヤマネコ~その2~」をお待ちください!
(※1)最新の調査結果は環境省HPにて公開されておりますので、ぜひご覧ください!
対馬自然保護官事務所 金子