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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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霧島錦江湾国立公園 えびの

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2012年12月06日冬の霧島山 【霧島地域】

霧島錦江湾国立公園 えびの アクティブレンジャー 日高

今朝も普段どおりに7:30頃に家を出て、えびの高原に向かっていたところ、
林田温泉を過ぎたあたりのカーブであっさりと滑ってしまいました。
幸い壁に激突することもなく、冷や汗をかくだけですんだのですが、
「南国育ちで雪道に慣れていない私は、なおさら注意して車の運転をしないといけない」という事を思い知らされた一日の始まりでした。



そうこうして事務所にたどり着くと、事務所周辺も真っ白。
温度計を確認してみると外気温はマイナス5℃!!
どうりで道路が凍りついていたわけです。



お昼から巡視で登った韓国岳も真っ白。
歩き慣れた韓国岳の登山道が、まったくの別世界に様変わりしていました。



韓国岳山頂は風が強く、ものすごい寒さでした。
奇跡的に新燃岳の火口と高千穂峰も望め、樹氷もたっぷりみることができました。

つい先日までの枯れ木だらけで寂しい様子だった韓国岳5合目から上の景色が、白一色のイルミネーションで飾り付けられたのではないのかと錯覚を起こすような、自然が生み出した美しい世界となっていました。

登山道の様子は、まだまだ雪が積もっていなかったので普通の登山靴で登り切ることができましたが、用心のために軽アイゼンの準備が必要だと思います。
車道についても、9時頃には解氷剤が撒かれるそうですが、早朝にえびの高原を訪れる際は、スタッドレスタイヤやチェーンをつけるなどして、十分にお気をつけてください。

一見の価値ある風景が広がっていることと思います。
それでは、今回はこの辺りで。

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2012年11月30日霧島の魅力体験フェスタ in えびの高原 【霧島地域】

霧島錦江湾国立公園 えびの アクティブレンジャー 日高

えびの高原にも、寒い寒い冬がやってまいりました。
フリースとダウンが手放せない日々が続いています。

さて、ちょっと前の話になりますが、去る11月4日(日)、霧島山の恵みと魅力について知ろうというイベント「霧島の魅力体験フェスタ in えびの高原」が開催されました。野外では“えびの高原マーケット”が設けられ、霧島山のふもとの市町村で活躍している様々な団体から出展されていました。



出展団体を列挙していきますと、
【市町村の枠を越えた広域的な連携組織】
  霧島ジオパーク活性化会議
【えびの市】えびの市有機農産物生産グループ、えびの市観光協会、
  えびの市物産振興協会、えびの市鹿皮協会、明石酒造株式会社
【小林市】北霧島ふるさと物産振興協会
【霧島市】西製茶工場
【高原町】極楽温泉、陶園 和、NPO法人たかはるハートム
と多彩です。

その中で、「えびの市鹿皮協会」と「NPO法人たかはるハートム」については、出展者の方にお話を伺ったので、ちょっとご紹介します。



左上の写真は「えびの市鹿皮協会」の展示コーナーです。霧島山に数多く生息しているニホンジカを利用して作られた鹿皮製品の数々。とにかく皮の手触りがよかったです。来場者のみなさんも、珍しそうに鹿皮でできた財布などを手に取って、そのスベスベとした独特の手触りを確かめていました。

右上の写真は「NPO法人たかはるハートム」の展示コーナーです。近年の新燃岳噴火により甚大な被害をうけた高原町において、降り積もった火山灰を利用して調理した「灰干し肉」が、無料にて振る舞われていました。あっという間に長蛇の列ができていました。私も少し食べさせていただきましたが、濃縮されたうまみが食欲をそそる絶品でした。

同じころ、えびのエコミュージアムセンターの中では、“「霧島KIRISHIMA」を考える~みんなで見つけた魅力を活かす~”と題したシンポジウムが開催されていました。
国立公園とニホンジカとジオパークについて、各専門家の講演から始まり、活発な意見交換が行われました。



森林総合研究所九州支所の矢部さんの講演の中で、「毎年、雄シカの角は抜け落ちますが、えびの高原にシカの角が溢れてないのは、シカ自身がカルシウムを補給するために食べてしまうからなんです。」という話には、驚きました!!
(どうりで、藪の中をいくら探してもシカの角が見つからないわけです…)

午前中は何とかもってくれた天気も、午後からは土砂降りとなり、すこし早めの解散になりましたが、霧島地域で行われていることを来場者のみなさんに少しでも伝えることができた、いい一日だったと思います。

今回のイベントは、鹿児島と宮崎の県境に位置するえびの高原での開催であったため、両県から多数の出展があり、来場者にとっては霧島山麓での活動を網羅的に知ることができる機会となりました。
鹿皮に鹿肉、灰干し肉、焼酎に焼き物、野菜や花にいたるまで、ありとあらゆる生産物が霧島山の恩恵にあずかっているということを実感しました。
今後は、えびの高原に訪れた方々に折に触れて今回見聞きしたことを紹介していきたいと思います!!

それでは、今回はこの辺りで。

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2012年04月19日霧島錦江湾国立公園の入り口 【霧島地域】

霧島錦江湾国立公園 えびの アクティブレンジャー 日高

こんにちは。皆様、お久しぶりです。
昨年度までは、阿蘇自然環境事務所のアクティブレンジャーでしたが、今年4月から、えびの自然保護官事務所のアクティブレンジャーとなりました、日高裕太です。
改めまして、よろしくお願いします。

前任者の柳田さんは、えびの保護官事務所のすぐ目の前にある「えびのエコミュージアムセンター」の解説員となられました。
早く仕事を覚えて柳田さんのようにバリバリ仕事をしたいと思います。

さて、霧島に赴任して最初にわいた素朴な疑問は、「霧島錦江湾国立公園の霧島地域の境界線は、現場でどこを通っているんだろうか?」というものでした。
阿蘇では、カルデラの内側がほぼ国立公園の区域だったので、境界線の位置が非常に分かりやすかったのですが、一方、霧島は多くの山々が連なる山岳の国立公園なので、境界線がどこを通っているのか、なかなかピンときませんでした。

それが、先日の現場パトロールの際にようやくはっきりとわかりましたので、写真でレポートします。
まずは、鹿児島県側からの入り口です。

鹿児島県側のエントランス標識

霧島市牧園町から国道223号線をえびの高原方向に少し進んだところにある、霧島温泉郷付近に設置されています。
まだ「霧島屋久国立公園」という以前の表記のままですが、この標識から先が、国立公園の区域内となります。

私は、この車道を毎日通勤に利用しているのですが、慣れない運転に集中しているせいか、森川自然保護官から教わるまで、全然気づいていませんでした(反省)。

続いて、宮崎県側の入り口です。

宮崎県側のエントランス標識と石碑

宮崎県小林市からえびの高原へと続く県道1号線沿いに設置されています。
わりと新しい「霧島屋久国立公園」の標識(平成21年度設置)と、苔むしたどこか歴史を感じる「霧島国立公園」の石碑(昭和37年設置)が対照的です。

この石碑に刻まれた【霧島国立公園】という名称は、霧島地域が初めて国立公園に指定された昭和9年から戦時中を含め、30年間にわたって用いられていた名称です。その後、昭和39年に屋久島や錦江湾が編入されて【霧島屋久国立公園】となり、今年の3/16には【霧島錦江湾国立公園】と【屋久島国立公園】に再編されています。

私は、雄大な時の流れを感じて、しばし立ち尽くして魅入ってしまいました。

ちなみに、地元の方の話によると「霧島新婚旅行」が流行していた時代には、この石碑は新婚ホヤホヤのカップルたちが記念写真を撮影する名スポットになっていたそうですが・・・いつの頃からか忘れ去られて雑草に埋もれた状態で放置され、昨年の夏に森川自然保護官が自然公園財団の方々と共に周りの雑草や鉄柱を取り払ってようやく見える状態にしたのだそうです。

かつて新婚カップルが並んだであろう場所には、おそらく太陽光が当たるようになって生えてきたスイセンが、とってもきれいに花を咲かせていました。

どこからが国立公園なのか気にとめながら、ぜひ霧島ドライブにお越しください。
「霧島国立公園」の石碑前での記念写真撮影はおすすめですよ!!

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