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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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やんばる

26件の記事があります。

2016年06月01日夏の渡り鳥「アジサシ」の子育てを守るために【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは。

やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

 

沖縄・奄美地域は516日に梅雨入りしました。

この梅雨入りを境に、様々な生き物が夏支度を始めます。

 

夏の渡り鳥である「アジサシ」たちも、梅雨入り前後に子育てのために沖縄へやってきます。

やんばる地域では「ベニアジサシ」と「エリグロアジサシ」の2種類のアジサシが繁殖します。

20130620日の日記もご覧下さい。)

▲左:ベニアジサシ、右:エリグロアジサシ

 

2006年から繁殖状況調査を続けている国指定屋我地鳥獣保護区(以下、屋我地)では、

今年は梅雨入りの少し前の59日に最初のエリグロアジサシがやってきました。

ベニアジサシは例年より少し遅れて528日頃から飛来し始めました。

 

さぁいよいよこれからアジサシ達の子育てが始まります。

屋我地では主に海の岩礁の上で繁殖するのですが、

このような岩礁は、釣りやレジャーをする人達にとっても良い場所になっているようで、釣り竿を固定するパイプや足場が設置されている事があります。

▲エリグロアジサシの繁殖岩礁

 

▲釣り竿を立てる塩ビパイプ

 

岩礁の上は夏の太陽の強い日差しが当たります。

親鳥は卵やヒナが熱で死んでしまわないように日陰を作るのですが、この時に人が近づいてしまうと親鳥が警戒して飛び去ってしまい子育てに失敗してしまうことがあります。

これまでの調査でも、繁殖を放棄した岩礁を調べてみると釣りの餌や蚊取り線香のゴミが落ちていました。

別の岩礁では生まれたばかりのヒナが死亡していました。

そして残念なことに、年々アジサシ達のヒナの巣立ち数や、飛来してくる親鳥の数が減少していて、特にベニアジサシの数が急激に少なくなってきています。

 

 死んでしまったヒナ

▲岩礁に残っていた釣り餌(小エビ)のゴミ       ▲死亡していたエリグロアジサシのヒナ

 

これまではパンフレットや、海岸沿いに看板を立てて注意喚起をおこなっていましたが、昨年からの新たな取り組みとして、繁殖岩礁に簡易看板を設置しています。

  

今年は、屋我地島のひるぎ学園(旧屋我地中学校、小学校が統合)の5年生と一緒に看板を設置しました。

 

 

▲看板設置の様子                   ▲5年生手作りのポスター

 

そして、今年は国内初の試みでベニアジサシのデコイを設置しました。

デコイとは、本物の鳥とそっくりに作った模型の事です。

群れで行動するタイプの鳥は、仲間の姿を見つけると同じ場所に集まる習性があります。

集団繁殖をする希少な鳥たちの繁殖をうながすなど、保全対策の為に使われます。

 

このデコイの色づけも、ひるぎ学園の4~6年生のみんなが協力してくれました。

色づけ デコイの設置

▲デコイの色づけ                  ▲デコイの設置

 

自然や生き物の保全対策をおこなう時、私たち職員だけでは出来ない事がたくさんあります。一番大切で必要なのは、地域の人達の理解と協力です。

今回のベニアジサシの保全対策も、野鳥の専門家からアドバイスをもらったり、地域の人々、学校の協力のもとにおこなう事ができました。

 

6月になるとアジサシ達は産卵を始めます。

初めてのベニアジサシのデコイを使った対策がうまくいくように、みんなでドキドキしながら見守っていきたいと思います。

 

皆さんが海へ遊びに行くときも、海鳥が近くで営巣してないかどうか気を付けながら夏の海を楽しんで下さいね。

 

いつまでも美しい海に、アジサシ達が舞う姿が見られますように...。

 


今月の一枚「アジサシが食べる小魚の群れ(おそらくキビナゴ)」

まるで川の流れの様に形を変えながら泳いでいきました。

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2016年04月08日ヤンバルクイナの集落プレイバック調査について

やんばる 藤田雄

 みなさん、はいさい(こんにちは)。

 やんばる野生生物保護センターから藤田です。

やんばる地域は急に暖かくなって参りました。これからの季節、寒暖の差で体調を崩さない様気をつけたいと思います。

 本日は2月4日から23日に、国頭村と東村の小学校で行われた、ヤンバルクイナの集落プレイバック調査についてお話しします。

佐手小学校にて、プレイバック調査のための用具の準備。

(佐手小学校にて、用具の準備をするNPO法人どうぶつたちの病院沖縄の皆さん)

 プレイバック調査というのは、スピーカーなどで鳥の鳴き声を周囲に響かせ、鳥たちがその鳴き声に反応して鳴き返す声を聞き取り、いつ、どこから、どんな風に鳴いているかを記録する、という調査方法のことです。

やんばる野生生物保護センターではこのプレイバック調査をやんばる地域の各集落で、2005年からNPO法人どうぶつたちの病院沖縄の皆さんと、各集落の小学校および小中学校の教師と生徒の皆さんの協力のもとで行っております。今年は国頭村の佐手小学校、奥小学校、安田小学校、北国小学校、安波小学校と、東村の高江小中学校の皆さんに協力していただきました。

 奥小学校の渡り廊下にて、アクティブレンジャー藤田が生徒の皆さんと教師の皆さんにプレイバック調査の事前説明をしています。高江小学校の正門前にて、アクティブレンジャー藤田が生徒の皆さんと教師の皆さんにプレイバック調査の事前説明をしています。

(生徒と教師の皆さんへの調査手順の説明 左:奥小学校 右:高江小中学校)

 この集落内でのプレイバック調査では主に各集落に設置されている放送用のスピーカーからヤンバルクイナの鳴き声を再生し、集落内の4から5地点に分かれた各班が再生された音声に鳴き返す声を聞き取り記録します。

 班員の役割は、時計を持っていつ鳴いたかを調べる時計係、地図を持ちながら鳴き声に聞き耳を立ててどこからどんな風に鳴いたかを聞き分ける聞き取り係、時間と場所と聞こえ方を紙に書き留めて記録する"記録係"の3つに分かれます。

そうして記録したヤンバルクイナの鳴き声を、最終的に1枚の地図に纏めて調査結果を記録する。これが集落プレイバック調査の流れとなっています。

辺戸集落にて、プレイバック調査中の北国小学校の皆さんがヤンバルクイナの声を聞き取っています。安田小学校の理科室にて、調査に参加して下さった皆さんがプレイバック調査の結果をまとめています。

(左:辺戸集落でヤンバルクイナの鳴き声を聞き取る北国小学校の皆さん 右:調査結果をまとめる安田小学校の皆さん)

安波小学校にて、まとめ終わったプレイバック調査の結果を発表中。

(安波小学校にて、調査結果の発表)

 本年度は全ての小学校での結果を合わせて、47羽のヤンバルクイナの鳴き声が確認されました。これは昨年の結果と比べると10羽以上増えており、特に辺野喜や安波といった、国頭村の南の集落では数が増えているという結果が得られました。少しずつヤンバルクイナの生息域が回復している、ということかもしれません。

 協力していただいた各校生徒の皆さん、教師の皆さん、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄の皆さん、どうもありがとうございました!!

 それでは、やんばるより藤田でした。

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2016年03月31日国頭村 産業祭り

やんばる 藤田雄

 みなさん、はいさい(こんにちは)。

 やんばる野生生物保護センターから藤田です。

やんばるでは最近、暖かい日が続いています。春が、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。

 本日は2月13日と14日に道の駅ゆいゆい国頭で開催された、国頭村産業まつりとヤンバルクイナの交通事故防止の取組についてお話しします。

産業祭りのオープニングセレモニーにて、スタッフの皆さんと参加者の皆さんが取り囲む中でくす玉が割られる瞬間。

(国頭村産業まつりのオープニングセレモニー)

 このお祭りのテーマは、地産地消。出店された数々の屋台はもちろん、農作物の収穫体験など、このテーマに則った様々な出し物が行われます。

美野定雄さん、菊田一朗さんの二人展"山原の風"の開催、熱帯魚を観察できるスペースの設置や、これとは別に魚の掴み取り大会などの開催もありました。

様々な種類の熱帯魚が参加者の皆さんに見て貰うために集められ、プールの中で泳いでいます。生け簀の中で泳ぐ魚のつかみ取り大会の為の魚が、生け簀の窓から見えています。

(左:熱帯魚の展示スペース 右:魚の掴み取り大会のために運搬されてきた魚 )

 そんなお祭りに我々やんばる野生生物保護センターはNPO法人やんばる・地域活性サポートセンターのみなさんと一緒に参加し、ヤンバルクイナのマスコット達を登場させて貰いました。クイちゃん、キョンキョン、くーやんです!

去年に登場した新たなヤンバルクイナのマスコットキャラクターイベントでエイサーを踊っていた子供達が踊りを終え、登場したキョンキョンとクイちゃん、二羽のマスコットキャラクターを取り囲んでいます。

(会場に登場したヤンバルクイナのマスコット達 左:くーやん 右:キョンキョンとクイちゃん)

 やっぱりみんな、子供達には大人気。くーやんへ駆け寄って抱きついたり、クイちゃんとキョンキョンにチューしてとおねだりしたり、いろんな質問をしたりもしていました。

でもヤンバルクイナがどんなものを食べているかについて、どんな風に成長して大人になっていくかについて、交通事故の重点区間について、どんな時に交通事故が起こりやすいかについて、そしてやんばる野生生物保護センターや国頭村安田のクイナの森でもっと詳しい展示がされている、と説明すると、真剣に聞いてくれました。みんな、ちゃんと聞いてくれてありがとうね!

 それでは、やんばるより藤田でした。

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2016年01月21日林道パトロール ~忘れて欲しくない忘れ物~【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

明けましておめでとうございます。

やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

2016年がスタートし、気持ち新たに頑張りたいと思います。

今年もよろしくお願い致します。

今日のタイトルは、「林道パトロール ~忘れて欲しくない忘れ物~」。

昨年は、森の中にはあって欲しくない"忘れ物"が例年よりも沢山ありました。

その写真の一つがこちらです。

昆虫トラップ1

これはいったい何でしょう?

正体は昆虫トラップです。

ストッキングに果物を入れて、クワガタやカブトムシなどを誘引するために主に使われます。

けれど、このトラップを見つけたのは昨年2015年12月14日です。もうクワガタやカブトムシは活動していません。中に入っている果物らしき物も黒く変色し、カピカピに乾燥していました。

よく見ると、オキナワヒラタクワガタのメスがストッキングの繊維に絡まって死んでいました。

ストッキングに絡まるヒラタクワガタ

おそらく、採集者がトラップを放置した後に絡まって死んでしまったのだと思います。

このようなトラップを放置すると、森のゴミになるだけでなく、他の生き物が誤って絡まり死んでしまうこともあります。

昆虫採集に使われるトラップはこれだけではありません。

昆虫トラップ2

電池式のライトを使ったトラップもありました。

光が漏れるので、林道から見えないように大木の陰に設置されていました。

このトラップは秋に見つけたものですが、金具のサビ具合や、落ち葉、雨水の溜まり具合を見ると、長い間放置されているようでした。

この場所は希少生物が多く生息する地域です。長時間放置すれば混獲され、死んでしまう可能性があります。ライトには単三電池が8本ほど使われており、このまま放置すれば土壌汚染にもつながります。

やんばる地域ではこのような事をふまえ、2011年度から地域の人たちと連携協力し、希少種の密猟・盗掘防止のための林道パトロールを実施しています。

パトロールのミーティングの様子

パトロールのミーティングの様子

「林道パトロール実施中!!」チラシ

http://www.ufugi-yambaru.com/shiryou/panfu.html

※過去の林道パトロールの紹介記事(ウフギー自然館HPニュースレターNo.22)

http://www.ufugi-yambaru.com/shiryou/documents/NL22.pdf

研究や調査目的で設置する器具には、必ず調査者の名前と連絡先のラベルを付けていただくようお願いします。

昨年の夏は、特にたくさんの採集者無記名の昆虫トラップが見つかりました。

パトロールでは他にも、姿や声が確認された生き物や、外来生物の情報などを記録しています。記録を重ねることにより、季節によってみられる自然の移り変わりや、その地域のどんな場所に生き物が生息しているかどうかが分かってきています。

ハロウェルアマガエルの抱接

パトロール中に見られたハロウェルアマガエルの抱接の様子

やんばる地域だけでなく、南西諸島の島々には世界中でそこにしかいない生きものたちが生息していますが、中には過剰に採取(密猟・盗掘)され、数を減らしているものもたくさんいます。

島の自然は地域の宝物です。

昆虫採集は自然に親しむ最もポピュラーな手法の一つですが、採集方法のマナーやモラルについて見直さなければいけないのかも知れません。

そしてどんな地域や場所でも、必ず自然と繋がりがあり、

たくさんの方々が身近な自然の素晴らしさや大切さに気づくことが、宝物を守る重要な鍵になります。

みなさんの地域にはどんな自然との出逢いがありますか?

誰かに紹介したくなるような、素敵なところを探してみて下さい。

センダンの実を頬張るシロハラ

今月の一枚「センダンの実を頬張るシロハラ」

右下のシロハラの大きな口にご注目。

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2015年12月03日やんばる地区新ゆるキャラ 「くーやん」

やんばる 藤田雄

みなさん、はいさい(こんにちは)。

やんばる野生生物保護センターより、アクティブレンジャーの藤田です。

本日は皆さんに、9月17日(...917、つまりクイナ...に近い)に開かれる安波ダムクイナ祭りにて命名が行われた、ヤンバルクイナゆるキャラ界の超新星、くーやんを紹介いたします。

くーやん、キョンキョン、クイちゃんの三羽が並んでいる写真

▲くーやんの命名式にて。向かって一番左がくーやんです

くーやんは村公認の、リアルタイプのキョンキョンと対を成すバルーンタイプのゆるきゃらです。兼ねてから名前の募集がなされており、全195件の応募の中からこの「くーやん」という名前が選ばれました。"く"は国頭の"く"で、"やん"はヤンバルクイナの"やん"だそうです。

モチーフも勿論ヤンバルクイナ。その大きな頭とくりくりとした瞳が実に愛らしいですね。この命名式の時にも、その大きな瞳で子供達を見守っていました。

因みにくーやんという名前は、命名してくれた方が森の中で走るヤンバルクイナの姿を見たときに思いついたものだそうです。たくましく生きるヤンバルクイナの姿は、人のインスピレーションを刺激してくれるのかもしれません。

先輩ゆるキャラのクイちゃん、キョンキョンとの共演で、大きく注目を引くデビューを果たしたくーやん。今後の活躍からも目を離せません。最近では伊是名小学校にも訪れ、子供達と仲良く遊んでいたそうです。

......でも僕としては、クイちゃん(*写真の向かって一番右の環境省キャラクター)が一番かわいいかな?

それでは、やんばるより藤田でした。

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2015年09月24日沖縄県の県鳥、ノグチゲラ

やんばる 藤田雄

みなさん、はいさい(こんにちは)。

やんばる野生生物保護センターより、アクティブレンジャーの藤田です。

皆さんは沖縄県の県鳥をご存じですか? それは先に紹介したクイちゃんたちヤンバルクイナ......では、実はありません。

沖縄県の県鳥、それはノグチゲラです。

放鳥され、林の木に飛び移ったノグチゲラ(2015年8月21日撮影)

ノグチゲラはキツツキの一種で、オスと幼鳥は頭が赤いのが特徴です。まるで赤い帽子を被っているようですね。キツツキですので、当然木を突っついて巣穴を掘ります。また、やんばるの森で耳を澄ますと、彼らが木を叩く、ココココココココ......という音が聞こえてきます。これはドラミングです。キツツキは、縄張りを主張したり、求愛のためにこのドラミングをします。木を楽器にしてラブソングを奏でるわけです。

先月、そんなノグチゲラが民家の窓にぶつかってしまいました。住民の方が、そのノグチゲラが飛べない様子を見てやんばる野生生物保護センターまで搬送して下さり、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄で治療を行っていただきました。その結果何とか命を助けることが出来ました。上の写真はその個体を放鳥した時のものです。

退院して放鳥現場に運ぶときはもうすっかり元気になっていましたが、むしろ元気があり余っているといわんばかりで、搬送用の段ボールが突かれて穴だらけにされていました。

同様の事故は今年6月にも発生しています。窓ガラスは透明ですから、鳥たちは風景が映り込んでいると、窓ガラスがそこにある、ということが分からなくなってしまい、ぶつかってしまうと考えられています。

これを防ぐには窓ガラスに鳥を描いたシール(バードセーバー)などを張っておくことが有効です(ポスターなどでも効果があります)。もし事故などが起こりましたらやんばる野生生物保護センターへのご連絡をお願い致します。

それでは、やんばるより藤田でした。

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2015年08月03日やんばるの国立公園(仮称)指定に向けて【やんばる】

やんばる アクティブレンジャー上開地

みなさんこんにちは!

今年のやんばるの梅雨は雨が少なく、期間もとても短く明けてしまったので、夏の水不足が心配でしたが、その後台風がいくつかやってきてかなりの降水量です。

じとじと湿度が高いのでカビ対策として我が家でも除湿器がフル稼働していますが、この湿度あってこそ維持されているのがやんばるの亜熱帯照葉樹林とそこに生息・生育する多種多様な動植物です。

↑長尾橋から望む雨の中の亜熱帯照葉樹林

↑長尾橋から望む雨の中の亜熱帯照葉樹林

さて、今日はやんばる地域の国立公園についてご報告です。

やんばるは、奄美・琉球世界自然遺産候補地の対象区域の一つに選定され、国立公園の指定と世界自然遺産の推薦について検討を行っています。7月16日、地元の国頭村・大宜味村・東村の3村長が環境省那覇自然環境事務所長に対して「国立公園素案に同意」という記事が地元紙に掲載されました。!!

3村からはそれぞれ「公園制度について引き続き丁寧な説明を行うこと。」や「エコツーリズム等の推進について村とともに取り組んでいくこと。」などといった意見も同時にいただきました。

国立公園の指定や世界自然遺産の登録に向けて解決すべき課題はまだまだ多いですが、地元の方たちによって守り育まれてきたやんばるの豊かな自然を、みんなの宝物として将来にわたって受け継いでいけるよう、地域の方々や関係者のみなさまにご協力いただきながら、より一層がんばっていきたいと思います!

↑渡嘉敷島とやんばる固有のホルストガエル

↑渡嘉敷島とやんばる固有のホルストガエル

ただ今繁殖の真っ盛り!

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2015年06月10日「国頭村奥区での鯉のぼり祭りと、ロードキル防止キャンペーン」

やんばる 藤田雄

みなさん、はじみてぃうがなびら(はじめまして)。

今年の4月からやんばる野生生物保護センターでヤンバルクイナの保護増殖事業を担当しています、藤田雄です。

ご挨拶が遅くなりましたが、今後ともよろしくお願いいたします。

早速ですが、やんばるには数多くの固有種......ここにしかいない生き物が住んでいることは、皆様ご存じのことと思います。私が担当するヤンバルクイナもその一種で、本日お伝えしたいのは、それらの生き物が、しばしば交通事故(ロードキル)に遭っているということです。

道路を移動するヤンバルクイナ

ヤンバルクイナについては5,6月には特に事故が多くなる傾向があるのですが、これは今がヤンバルクイナの繁殖期、つまり子育てのシーズンだからです。道路上に餌を採りにやってきて、車にぶつかることも多くなってしまうのです。

そのため、環境省では毎年ロードキル防止を訴えるキャンペーンを開催しています。今年は国頭村の奥区で行われた「奥ヤンバル鯉のぼり祭り」で、ロードキルについてのパネル展示やクリアファイルの配布などを行いました。反響は大きく、多くの来場者が興味を持って下さいました。何より活躍してくれたのはヤンバルクイナの「クイちゃん」です。

鯉のぼり祭りに参加したクイちゃん

クイちゃんはこのお祭りのためにやんばるの山から降りてきてくれ、3日間、舞台に上がってはお客さんに手を振って挨拶したり、自然保護官の話に相づちを打ったりと、アガチャー(ヤンバルクイナの別名。働き者、もしくは慌てん坊という意味)らしくせわしなく動き回っていました。

クイちゃんのかわいらしさのパワーか、今年のGWではなんと1件の事故も発生しませんでした。山に帰ったクイちゃんも、きっと喜んでいることでしょう。

しかし、残念なこともあります。GWでは1件の事故も発生しなかったのですが、5月の後半は事故が頻発していました。

5月を通して見ると16件のヤンバルクイナの死体が回収されました。

まだ原因が交通事故かどうか断定できない現段階でも、今年は15件の交通事故が確認されています。これではクイちゃんも悲しんでしまいます。

6月に入り、ヤンバルクイナのヒナも道路に出てくるようになります。やんばるの道を運転する際は気をつけて走行して下さい。特に国道58号線、県道2号線、70号線でヤンバルクイナの交通事故が増えています。また、昨年は東村でも初めて事故が確認されました。これまで事故が無かった地域でも、事故が発生する可能性がありますので十分注意をお願いします。

皆様、子供のために餌を集めるヤンバルクイナの親や可愛いヒナたちを、どうかそっと見守ってあげてください。よんな~(ゆっくり)安全運転でお願い致します。

それでは、やんばるから藤田でした。

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2014年08月07日いきものゆんたく会

やんばる アクティブレンジャー比嘉

みなさん、はいさーい!(こんにちは!)
やんばる野生生物保護センターの比嘉です。

今回は、当センターで現在行っている、地元の方との「いきものゆんたく会」の様子についてご紹介します。
「ゆんたく」とは沖縄の方言で、数人でおしゃべりをする、という意味です。
これまでに当センターで行ってきた、ヤンバルクイナの保護の取り組みや、調査から分かってきた生態についての紹介と、地元の方と“ゆんたく”しながらヤンバルクイナについて改めて考えてみよう!というのが今回のゆんたく会の主旨です。


配布チラシ


6月に国頭村の宜名真区、7月に同村の安波区でこの会を開催しました。
2区がどういう場所かと申しますと…
宜名真区は西海岸に面しており、目の前は海、裏手には山があり、自然豊かな集落です。
安波区は東海岸に面し、安波節(沖縄では、三線の古典音楽の入門曲とされてます。)の歌でも有名ですね。山の斜面や川沿いに家があり、どこか懐かしい風景が広がります。
文章では、集落の魅力をなかなかお伝えしきれませんが、国頭村には20の集落がありそれぞれに素敵な特徴があります。
宜名真区と安波区は、ヤンバルクイナの生息数が少しづつ回復してきた地域です。早朝や夕暮れ時にはヤンバルクイナが活発に鳴き交わし、集落内ではその声がこだまします。地元の方は、集落内で姿をみることもあるそうです。

ゆんたく会の様子

宜名真区

安波区


ゆんたく会の当日は、地元の子供達がたくさん集まってくれました。会の最後の感想では、「いつも、声をよく聞いたり、姿をよく見るヤンバルクイナが、初めてこういう生態だと分かった」、「ヤンバルクイナの生態にもっと興味がわいた」などの声があがりました。
おじぃやおばぁからは、昔体験したヤンバルクイナのエピソードなども…!また、現在行っている取り組みについて、「さらにこんなことも行ってはどうか」などの提案もいただき、私達にとっても貴重なお話を聞ける場となり、また励みになりました。
参加していただいた皆さん、ありがとうございました!!

やんばるには、ヤンバルクイナだけではなく、様々な生き物が生息しています。これらの生き物や自然を遠い将来にまで残していけるよう、これからも地元の方と一緒に取り組んでいければと、この会を終えて改めて強く感じました。
今後も色々な集落を回り、ゆんたく会を開催したいと思います。「ぜひ、開催して欲しい!」という声がありましたら伺いたいと思いますので、センターまでご連絡をお願いします。


そして、最後に当センターからのお知らせです!!
今年もヤンバルクイナの交通事故が多発しています。交通事故の注意を呼びかけるため、今年も6月1日から安全運転宣言キャンペーンを実施中です。キャンペーンにご協力いただいた方には、オリジナルマグネットを差し上げています。
詳細は当センターのHP↓をご確認下さい。
http://www.ufugi-yambaru.com/news/whatsnew26.html#news140603
(8月11日現在、マグネットは残りケナガネズミのみとなっており、無くなり次第終了とさせていただきますのでご了承下さい。)

それでは、やんばるから比嘉でした。

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2014年03月04日新緑は何色??【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは!
やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

全国の天気予報を見ていると、まだまだ冬のような寒さが続く地域が多いようですが、
やんばるでは一足早く、春が訪れようとしています。
今回はやんばるの春の一部を紹介します。


やんばるの春の森の様子と言えば、イタジイの新緑で輝く森が印象的です。


イタジイの森はモコモコしていて「ブロッコリーの森」と言われることもあります。

明るい黄緑色。まさに新緑色ですね。

しかし!
皆さん、「新緑=黄緑色」だと思っていませんか?

やんばるの森の中にはイタジイ以外にも様々な樹種の木が生えていて、新緑の色も様々です。

たとえば…

①赤色

ハマセンダンの新緑


左上から時計回りに、イジュ、アデク、タブノキ、アカメガシワの新緑や新芽

まるで紅葉しているみたいです。(※やんばるの森は照葉樹林なので、紅葉する樹種はごくわずか。1年中緑の森です。)

②白色

シロダモの新芽
細かな毛でおおわれていて、ビロードのような手触りです。

③紫色

実は、これもイタジイの若葉。強い光が当たらない林内の根元から伸びる枝の新芽はこんな色をしている事があります。


どうでしょう?
新緑のイメージが少し変わったのではないでしょうか。

様々な色をした新緑ですが、これらも日に当たるうちに、だんだんと明るい黄緑色へと変化していき、やんばるの眩しい森の一部となります。

冬芽の殻から出てきたばかりのほやほやの新緑の色は、春の初めにしか味わえません。
皆さんの周りの新緑はどんな色をしていますか?
暖かくなって来たら、新たな新緑の色を発見してみてください。

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