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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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やんばる

38件の記事があります。

2017年08月29日お散歩観察会ダイジェスト~春・夏編~【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは。

やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

 

楽しい夏休みももう終わりですね。みなさんはどんな夏を過ごしましたか?

   

8月のお散歩観察会は、夏休みシーズンなのもあって、キャンセル待ちの予約をいただくぐらい申し込みがありました。毎月定員御礼の開催で案内役の私はとっても嬉しいです。

今日は、春から夏にかけてのお散歩観察会の様子を紹介します。

 

4月のやんばるの森

▲4月のやんばるの森。新緑も落ち着き、さわやかな緑に変わっていきます。 

観察会を行っているエリアは昨年9月に「やんばる国立公園」に指定されました!

 

長尾橋 

 

◀橋の上から森を眺めて...

 

 

アマミアオジョウカイ 

◀春の昆虫「アマミアオジョウカイ」

 

 

イイギリ 

 

4月に咲く「イイギリ」の雄花

 

イルカンダの花 

 

◀イイギリの奥には「イルカンダ」が咲いていました。 

 

 

5月の森 

▲5月のやんばるの森。曇り空で森の緑がさらに濃く感じました。

 

アカメガシワの実 

 

◀「アカメガシワ」の実が膨らみ始めていました。

 

シリケンイモリ 

 

◀「シリケンイモリ」が路上に出てきていたので、観察した後に森の中に返しました。

 

 

6月のやんばるの森 

▲6月のやんばるの森。

 

ヤンバルアワブキの花 

 

◀「ヤンバルアワブキ」の泡のような花がとても目立ちます。

 

 

アゲハの幼虫 

 

◀ハマセンダンの葉にアゲハチョウの仲間の幼虫を見つけましたが、なんとアシナガバチがやってきて目の前で連れ去っていきました...。 

 

リュウキュウアオヘビ 

 

◀おとなしい「リュウキュウアオヘビ」の幼体を手に乗せて観察したり... 

 

リュウキュウルリモントンボ交尾 

  

◀「リュウキュウルリモントンボ」の交尾もみられました。 

 

 

▲7月の森。夏の青い空と緑の森がまぶしかったです。

イタジイの木をのぞく 

 

◀イタジイの木をよく見てみると...

 

 

イタジイの実 

 

◀今年の秋に落ちるシイの実がたくさんついていました。

 

8月の森 

8月のやんばるの森。朝一番にカタブイしたので湿度たっぷりな観察会でした。

 

イルカンダの実 

 

◀4月に咲いたイルカンダに立派なマメの鞘が出来てました。

 

 

ジムカデ 

 

▲落ち葉をひっくり返すと可愛らしい「ジムカデ」の仲間がいました。ジムカデはおとなしくて咬む力も弱いので触っても大丈夫です。

 

 

ドングリ眺める 

 

◀「早くドングリ拾いたいな~」とイタジイの木を見る子ども達。

 

 

春から夏にかけてのお散歩観察会の中で、ここでは紹介しきれないくらいの生き物と出会えました。

4月に咲いた花が実になったり、クワガタを見つけたり、季節が移り変わって毎回ちがうやんばるの森を感じられました。

まだまだ暑いですが、これから少しずつ涼しくなって、もうじき秋がやってきます。

9月の観察会も楽しみです。

みなさんもこれから来る秋を探しに身近な自然へお散歩に出かけてみてください。

記事の最後になりますが、ただ今「やんばる写真展2017」の作品を大募集中です!

やんばるでお写真を撮られた方は是非、ご応募ください。

 

やんばるの自然に親しむ作品であれば、いつ撮影されたものでもご応募出来ます。

ぜひぜひ、よろしくお願いいたします。

やんばる写真2017

詳細はこちら↓

http://www.ufugi-yambaru.com/news/event29.html#event17shasinten

 

 

ヘビに親しむ

今月の一枚「ヘビに親しむ」(リュウキュウアオヘビ(無毒でおとなしい))

 観察したり、ものまねしたり、親しみ方は人それぞれですね。

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2017年08月25日「ヘビと仲良くなろう!」イベントを開催しました【やんばる地域】

やんばる 皆藤琢磨

やんばる自然保護官事務所の皆藤です。

814日に「ヘビと仲良くなろう! ~やんばるのヘビをもっと詳しく知ろう~」というイベント開催しましたので、その模様をお伝えします。

やんばるのヘビと言えばハブですが、実は7種類ものヘビが生息していることは、意外に知られていません。ハブやヒメハブ、ハイなどのクサリヘビ・コブラの仲間にはもちろん注意が必要ですが、無毒の種類は必ずしもそうではなく、中にはとても触れ合いやすい種類のヘビもいます。

今回のイベントでは、生きたアカマタ、ガラスヒバァ、リュウキュウアオヘビを用意し、ヘビの正しい取り扱い方、触れ合い方に関する講座を開きました。合計で60名以上の参加がありました。犬猫と違い、ヘビは人に触れられるのが好きではないことや、あくまで自衛のために攻撃してくるなど、子供たちにも理解できる内容となるよう努めました。

アカマタを手に取りながら解説している様子(2017年8月14日撮影)

▲アカマタを手に取りながら皆藤が解説している様子(2017年8月14日撮影)

講座の最後には、固有種としてのヘビの一面についてお話ししました。やんばるに生息する7種類のヘビは、その全てが奄美・沖縄地域に固有の種で、その多くの進化的起源は、実はヤンバルクイナよりもずっと古いことがわかっています。遥か昔、琉球列島がまだ大陸の一部だった頃からそこに生息していたヘビが、大陸から陸地が切り離された後も、今日までずっと島で命の繋いできた結果として、固有種へと進化したとされています。ヘビといえば、しばしば害獣というイメージを持たれがちですが、その進化的背景からは、やんばるの森を長らく支えてきた、欠かすことのできない一員であることをうかがい知ることができます。

少し難しい話になってしまいましたが、子供たちに少しでも伝わればいいなと思いました。

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2017年07月11日交通事故における野生動物へのダメージ【やんばる地域】

やんばる 皆藤琢磨

やんばる自然保護官事務所の皆藤です。

梅雨が明けました!!ここ最近やんばるでは、本格的に暑い日が続いており、早くも夏真っ盛りという印象です。

先月、6月22日に県道2号線にて交通事故に遭い救護されたヤンバルクイナが治療を受け回復したため、627日に放鳥(ほうちょう)を行いました。交通事故にあったヤンバルクイナを放鳥するのは今年で2件目になります。今年はヤンバルクイナの交通事故が現時点で合計17件発生していますが、残りの15件は死亡13件、治療中2件となっており、放鳥までこぎ着けられる個体は非常にまれです。

猛ダッシュで森へ帰っていく救護されたヤンバルクイナ(2017年6月27日撮影)

▶猛ダッシュで森へ帰っていく救護されたヤンバルクイナ(2017年627日撮影)

あっという間にやんばるの森の中へ消えていきました(2017年6月27日撮影)

▶あっという間にやんばるの森の中へ消えていきました(2017年627日撮影)

実は今回の交通事故、野生動物のロードキル被害の防止を考える上で、学ぶことが非常に多い1件でした。この個体は、「ヤンバルクイナを轢いてしまった!」と、ドライバーから直接連絡を受けて救護されました。この方は自然関係のお仕事をされている方で、普段からロードキルに気を付けて低速で運転されていたそうです。しかしながら、このときはヤンバルクイナが車に向かって飛び出してきて、避けきれずにぶつかってしまったそうです。

▶事故現場。向かって右手側からヤンバルクイナが飛び出してきたとのこと(2017年7月8日撮影)

▶事故現場。向かって右手側からヤンバルクイナが飛び出してきたとのこと(2017年78日撮影)

ヤンバルクイナの交通事故現場は、道路に血や羽、ときには内蔵が散乱しており、個体はすでに手遅れ、というケースが大半です。しかしながら、今回のケースの場合、現場にはそれらが何もありませんでした。轢かれた個体はというと、車にぶつかった後、路上でジタバタしているところをすぐに保護され、2時間後には動物病院で治療が開始、5日後には放鳥となりました。こうした状況は、交通事故発生時のヤンバルクイナへのダメージがとても少なかったことを物語っています。

一口に"交通事故"といっても、個々のケースの実態は千差万別です。ここが大変重要なポイントで、安全運転を心がけるべき真の意義が見いだされてきます。すなわち、

"衝突する時の車の速度が遅ければ、ヤンバルクイナへのダメージを大幅に減らせる"

という紛うことなき事実が、今回の1件から改めて示されました。

野生動物が時として車に向かって猛スピードで飛び出してくることがある以上、どんなに見通しの良い道路で、どんなに気を付けていても、誰でも希少野生動物との交通事故を起こしてしまう可能性があります。速度を落としたからといって交通事故に遭うリスクをゼロにすることはできませんが、少しだけ速度を落として運転するだけで、交通事故から救われる命がたくさんあります。希少野生動物を不可抗力で轢いてしまっても罪に問われることはありません。万が一、轢いてしまったら、お手数ですが、すぐに野生生物保護センターへご連絡ください。

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2017年06月12日ヤンバルクイナの繁殖期【やんばる地域】

やんばる 皆藤琢磨

やんばる自然保護官事務所の皆藤です。

夏の足音が聞こえてきている昨今、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

ここやんばるは、梅雨入りから一ヶ月が立ち、夏らしい強い日差しがさす日も増えてきました。

現在、ヤンバルクイナは子育ての真っ最中です。例年この時期は、野生のヤンバルクイナに頻繁に出会うことができます。親鳥はもちろんのこと、ヒナを連れたヤンバルクイナ一家と路上で遭遇することも珍しくありません。

子育てが始まるこの時期は、やんばるの森で元気に暮らす野生のヤンバルクイナを目にすることができてとても嬉しい反面、ヤンバルクイナの交通事故がもっとも増える悲しい時期でもあります。ここ数年、年間通して30~40羽の交通事故が確認されていますが、毎年456月には交通事故が続発します。交通事故に遭った個体が生きた状態で発見されるのは、年に1件あるかどうかです。路上にて発見・回収される死体の多くには、頭部を強打した痕跡(打撲痕、擦過傷)や、頭蓋骨や足の骨に粉砕骨折が見られ、自動車との衝突、あるいは道路に打ちつけられる衝撃が、直接の死因であることをうかがい知ることができます。

今年の繁殖期には、現在までに合計で6羽の交通事故が確認されていますが、そのうちの1件は、幸いにも生きた状態で発見・救護されました。発見時、この個体は右翼を骨折し衰弱しており、起立・歩行ができない状態でしたが、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄にて治療を受けて快方に向かい、発見から14日後には、発見場所付近にて放鳥することができました。放鳥する際には、番号を振った足環を取り付け、ヤンバルクイナの生態解明のための研究に役立てます。

治療が終わり、発見場所付近にて放鳥されるヤンバルクイナ(2017年5月26日撮影)

▲治療が終わり、発見場所付近にて放鳥されるヤンバルクイナ(2017年526日撮影)

また、この時期は、地元の方々から、草刈り作業中にヤンバルクイナの巣を見つけた、という報告がときどき寄せられます。巣が発見された場合、すぐには保護せず、まずは親鳥が戻って来る可能性を考慮し、ビデオカメラを設置して様子を見ます。

▲草刈り作業中に発見されたヤンバルクイナの巣(2017年5月23日撮影)

▲草刈り作業中に発見されたヤンバルクイナの巣(2017年523日撮影)

▲巣が露出してしまった場合、カラス等の捕食者に見つからないよう草木で隠します(2017年5月23日撮影)

▲巣が露出してしまった場合、カラス等の捕食者に見つからないよう草木で隠します(2017年523日撮影)

▲離れたところにビデオカメラを設置して、親鳥が戻って来るか確認します(2017年5月23日撮影)

▲離れたところにビデオカメラを設置して、親鳥が戻って来るか確認します(2017年523日撮影)

今回は、残念ながら親鳥が戻って来なかったため、放棄されたと見なし、やむを得ず卵を回収し、人工孵化を行うことになりました。卵の救護の場合、卵が冷たいまま放置されるリスクや、カラス等に捕食される可能性を考慮しながら、どのタイミングで卵を回収するか判断しなければならないため、冷静かつ順応的な対応が必要となってきます。

もし、生きたヤンバルクイナを間近でじっくりと観察したい!と思った方は、ぜひ国頭村安田にあるヤンバルクイナ生態展示学習施設を訪れてみてください。人に対してまったく物怖じしないヤンバルクイナのキョンキョンを、ガラス越しではありますが、心ゆくまでじっくり観察できます。

▲ヤンバルクイナ生態展示学習施設で展示されているヤンバルクイナ「キョンキョン」(2017年4月3日撮影)

▲ヤンバルクイナ生態展示学習施設で展示されているヤンバルクイナ「キョンキョン」(2017年43日撮影)

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2017年06月02日アジサシの季節がやって来ました!【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは。

やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

沖縄・奄美地域は5月13日に梅雨入りしましたが、やんばる地域ではあまり雨が降りません。

晴れの日が長く続いたあと、集中豪雨のように短時間で降るという変わった天気です。

その梅雨入り前日に屋我地島周辺で今年最初のエリグロアジサシが観察されました。

最近ではベニアジサシも来ているとの情報を聞いています。

エリグロアジサシ(真壁さん) 

◀今年のエリグロアジサシ(撮影:真壁さん)

 綺麗な写真の提供ありがとうございます!

 

 

さぁ、今年も"アジサシ"の季節がやって来ました!

私が書く日記のテーマはアジサシがダントツ一位です。

20130620 夏の海の渡り鳥 アジサシが飛来しています。

20160601 夏の渡り鳥「アジサシ」の子育てを守るために

20160915 続編:夏の渡り鳥「アジサシ」...子育てを終えて...

そして、アジサシたちの一大繁殖地の1つになっているのが屋我地鳥獣保護区。

この鳥獣保護区内にある屋我地ひるぎ学園とは、昨年からアジサシの繁殖注意看板を設置しています。

なぜ、看板を設置しているかといいますと、アジサシの繁殖失敗の原因の1つに、

私たち人間が関わっているからです。

 

釣りやレジャーで繁殖している岩礁に上ってしまうと親鳥が飛び去ってしまい、ヒナや卵が夏の強い日差しで熱せられ死んでしまったり、親鳥が繁殖を放棄してしまうことがあり、アジサシの飛来数が減少しています。

間違って人が上らないように、繁殖する可能性が高い岩礁に看板を設置をしています。

今日の日記は、今年も看板を無事に設置できましたので、そのご報告です。

最初の設置予定日は5/9でした。雨は降っていなかったのですが雷注意報が出てしまったので、教室での「屋我地に来るアジサシのお話」に変更になりました。

子ども達は設置を楽しみにしていたので、延期になってがっかりしていましたが、アジサシの話を始めるとみんな真剣に聞いてくれました。

私から屋我地島のアジサシたちの繁殖する様子や、数が減っている原因を説明して、どうして看板を設置するのかをより詳しく知ってもらいました。

「アジサシの体重はどれくらい?」「ベニアジサシはオーストラリアから何日かけて沖縄に来るの?」

などいろいろな質問が出てきました。

 

鳥獣保護区調査員の渡久地さんが質問に答えてくれました。 

◀鳥獣保護区調査員の渡久地さんが質問に答えてくれました。 

 

 

「ベニアジサシは体重100gしかない小さな体でオーストラリアから6,000キロを旅して来るんだよ。」

「詳しいことはまだ分からないけど、予想は1週間ぐらいかな。これから調査が進んで分かるかも知れないね。」と優しく教えてくれました。

そして延期した翌週も雷注意報が出てしまい、さらに延期...。

3度目の正直で5/22にやっと看板の設置が出来ました。

看板設置 

◀繁殖する可能性が高い岩礁に設置します。

 

ぐるっと回したトラロープに設置 

◀ぐるっと回したトラロープに注意看板を付けます。

 

イラスト看板 

◀今年の看板は昨年度の5年生が心を込めて書いてくれたイラスト付き!

 

 

 アジサシ看板 

◀どの看板も素敵な絵に仕上がっています。

 

設置した岩礁 

◀看板を設置した岩礁の1つ

 

 

 

夏のような日差しの中、無事に看板設置が出来ました。

(日焼け止めを塗らなかったので半袖の日焼け跡がついてしまいました...。)

6月後半にはアジサシたちが岩礁におりて子育てをはじめるはずです。

海へ釣りやレジャーで遊びに行く方は、もしアジサシたちが繁殖していたらそっと

その場を離れてあげてください。

 

最近の2年間は良い繁殖結果が続いています。

今年もみなさんに良いお知らせが出来るように、アジサシたちを見守りたいと思います。

アジサシについて興味を持たれた方は、ウフギー自然館HPにパンフレットを掲載しています。

是非読んでみてください。

ウフギー自然館HP 各種資料

・沖縄のアジサシ ・アジサシが繁殖に来ています

http://www.ufugi-yambaru.com/shiryou/panfu.html

 

今月の一枚 「今年もたくさん繁殖してくれますように!」

ひるぎ学年5年生と集合写真 

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2017年05月10日0.1%の中に...【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは。

やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

春も落ち着き、うりずんの季節となりました。

沖縄では、暖かくなった春から梅雨入りする5月中旬頃までのさわやかな季節を"うりずん"といいます。

("うりずん"については皆藤アクティブレンジャーの日記で詳しく紹介しています。)

4月下旬のやんばるの森 

 

◀鮮やかな新緑もだいぶ緑に

変わってきました。

 

 

 

 

ちょうどこの季節は、渡り鳥が移動する季節でもあります。

 

さて、ここで問題です。

日本では何種類の鳥が観察されているでしょうか。

 

「日本鳥類目録改訂第7版」を読んでみますと、633種の野鳥(外来種を除く)が記録されています。

ではやんばる地域では何種類かといいますと、そのうちの半分以上(約300種以上!)もの野鳥が観察されています。

 

面積で比較してみると、やんばる地域は日本の0.1%ほどしかありません。

どうしてこんなに狭い範囲でたくさんの野鳥を観ることが出来るのでしょうか?

 

0.1%の中に野鳥は半分、カエルは4分の1◀センターの館内展示

 

カエルの仲間も日本に生息する種類の約1/4(10種/41種)もの種類が生息していて、そのほとんどが沖縄や、やんばるだけに生息する固有種です。

 

ではなぜ鳥類は300種以上もの種類がみられるのでしょうか。

その秘密が渡り鳥にあります。

 

ちなみに渡りをせずに、1年を通して同じ場所にいる鳥を留鳥といいます。

やんばる地域に固有の鳥であるこの3種も留鳥です。

 

 

◀ヤンバルクイナ

 

 

 

ノグチゲラのオス 

 

◀ノグチゲラ

 

ホントウアカヒゲのオス 

 

◀(ホントウ)アカヒゲ

 

※この3種は環境省の法律 "種の保存法" で国内希少種に指定されています。

(詳しくはコチラhttp://www.env.go.jp/nature/kisho/hozen/hozonho.html

  

 

その他の留鳥は30種ほどです。

 

 

(オキナワ)シジュウカラ 

◀(オキナワ)シジュウカラ

 

 

(リュウキュウ)キジバト 

 

◀(リュウキュウ)キジバト

 

 

イソヒヨドリ 

 

◀イソヒヨドリ などが留鳥

 

 

 

 

 

つまり、やんばる地域でみられる鳥の90%、270種以上は渡り鳥なのです!

 

 

冬鳥のサシバ 

◀毎年冬にやってくるサシバ

 

 

リュウキュウアカショウビン 

 

◀春になると子育てのために南方からやってくる(リュウキュウ)アカショウビン

 

 

 

 

そして、今年の春の渡りの季節では、ちょっと珍しいお客さんが渡りの途中でやんばるに立ち寄ってくれました。

 

ソリハシセイタカシギ 

◀ソリハシセイタカシギ

  

ムラサキサギ 

 

◀ ムラサキサギ

※渡り鳥ではなく日本では八重山諸島の留鳥です。

稀に離れた場所まで飛んで行くことがあります。

 

 

 

 

やんばるの森や畑、水を張った田んぼは、季節を変えて長距離を渡る鳥たちの大切な生息地や休憩場所になっています。

 

4月も終わり、サシバの"チンミー"という声が聞こえなくなってさみしいですが、今は入れ変わるようにアカショウビンやサンコウチョウの賑やかな声が聞こえています。

 

皆さんの地域にも、きっと春の渡り鳥が来ているはずです。

私は昔、東京都内の緑地が残っている場所でオオルリを見たことがあります。

何気ない小さな森や草地も渡り鳥たちにとっては旅の途中のオアシスなのかも知れません。

0.1%のやんばるで沢山の野鳥が観察出来るように、都会の小さな緑地でも楽しい出会いがあるかも知れません。

 

やんばるはGWが明けてもうすぐ梅雨入りですが、皆さんの住む地域の梅雨入り前のお天気の日には、身近な緑地へお出かけしてはいかがでしょうか。

 

 今月の頑張った一枚 「ヤンバルじゃない"クイナ"」

ヤンバルじゃないクイナ 

 

 

沖縄へは冬鳥としてやってくるのですが、見つける事が難しい鳥。顔が草で隠れてしまいました。

ヤンバルクイナとどこが違うのか、調べて比べてみてね。

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2017年05月09日やんばるにおけるロードキル発生防止に関する様々な取り組み【やんばる地域】

やんばる 皆藤琢磨

皆さんはじめまして。

今年度からやんばる野生生物保護センターに着任いたしました、皆藤(かいとう)と申します。出身は栃木県、沖縄で生活し始めて七年目になります。どうぞよろしくお願いします。

沖縄は現在、寒い冬が終わり、"うりずん"と呼ばれる春の季節にさしかかっています。沖縄に寒い時期なんてあるのか、と思われる方もいるかもしれませんが、北風が強く吹きつける沖縄の冬は、北関東出身の私でさえ意外に堪えます。そんな寒い時期が3月下旬には終わり、長い長い梅雨が始まる5月上旬までのつかのまの一ヶ月は、一年のうちで最も過ごしやすい時期になります。やんばるの木々は新緑美しく、動物たちも活動的になります。"うりずん"とは、そんな春うららかな季節です。

例年、暖かくなってくるこの時期から、ヤンバルクイナを始めとする希少動物種の交通事故が増加してきます。今年のヤンバルクイナの交通事故は、1月から4月上旬までの間に1件しかありませんでしたが、4月中旬~下旬にかけて4件も発生し、今後ますます増加してくるのではないかと心配しています。ちなみに去年は、年間通して合計で34件のヤンバルクイナの交通事故がありました。

やんばる地域では、希少動物種のロードキルを減らすために、自治体・企業が様々な取り組みを行っています。その成果を発表するための会議が、4/27に国頭村ふれあいセンターで開催されました。今年度は、北部国道事務所、沖縄県北部土木事務所、国頭村世界自然遺産対策室、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄、JAL・JTAセールス(敬称略)からロードキル発生防止に関する成果報告がありました。

国頭村ふれあいセンターで行われたロードキル発生防止連絡会議の様子(2017年4月27日撮影)

▲今年度のロードキル発生防止に関する連絡会議の様子

環境省やんばる野生生物保護センターでは、ロードキル個体の救護・回収の他に、ロードキル発生防止に関する普及啓発活動を行っています。特に、交通量が増えるゴールデンウィーク期間中には、運転者に配慮して頂くための様々な取り組みを実施しております。過去にロードキルが頻発している道路区間には、例年通り、クイナ注意の看板を設置いたしました。

通行車両に減速を呼びかける看板を路肩に設置(2017年5月1日撮影)

▲やんばるの道路に合計7カ所設置しました

また、5/3、5/4には、奥ヤンバルの里で開催される鯉のぼり祭りにて、ヤンバルクイナ交通事故防止キャンペーンを実施いたしました。本キャンペーンは、県内・県外問わず、やんばる地域を行楽する方々に、野生動物の交通事故防止のための安全運転について注意喚起を行うことを目的としています。今年度は、お祭りの間、ロードキル発生防止連絡会議のメンバーが、リーフレット・チラシの配布や、マスコットキャラクター「クイちゃん」の紹介、展示ブースにて交通事故に関する情報の提供等の活動を行いました。

鯉のぼり祭りでの環境省職員によるチラシ配布の様子(2017年5月4日撮影)

▲鯉のぼり祭りでのチラシ配布の様子

やんばるの道路では、路上への動物の飛び出しを防止するフェンスや、道路下に横断トンネルを設置し、できるだけ道路へ立ち入らないよう動物たちにご遠慮頂いています。人・動物双方の安全のためにも、車を運転する際には、運転者側からも、動物たちに寄り添ったご配慮を頂きますよう、よろしくお願いいたします。

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2017年04月24日季節の生き物を探しにお散歩に来ませんか?【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは。

やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

やんばるの森に春がやってきました。

皆さんは春と言えば何をイメージしますか?ソメイヨシノの桜の花をイメージする人も多いのではないでしょうか。

しかし、やんばる地域を含め沖縄県に住む私たちにとって、桜は春ではなく、冬の花。

沖縄の桜は"カンヒザクラ(ヒカンザクラとも言う)"といって、冬に開花する早咲きの桜なのです(1-2月)。

ソメイヨシノの花が咲くためには冬の寒さが必要なのですが、暖かい沖縄では寒さが足りず、花が咲かないのであまり植えられていません。

▲冬(2月)に咲くカンヒザクラ 鮮やかなピンク色

 

▲やんばるの春といえば一足早いイタジイの新緑

 

こんなふうに、やんばるは本土よりも暖かい亜熱帯気候なので季節の植物や生き物の様子が少し違います。

 

やんばる野生生物保護センターでは、独特な季節の移り変わりや生き物の様子をゆっくりじっくり感じてもらえるように、毎月1回"お散歩観察会"をおこなっています。

 

 

 

▲今月は4/23(日)開催でした。

 

この観察会は2014年から毎月欠かさず続けています。

 

過去の観察会の様子をご紹介します。

 

◀4月は橋の上から新緑を観察

 

◀5月 ヘリグロツユムシの幼虫が

 

◀ 7月には成虫になったり...

 

 

◀6月に咲いたノボタンは...

 

 

 

 

 

 

 

 

◀秋になると実がはじけて食べられます!

 

  

◀嫌われ者になりがちな毛虫も...

 

 

 

 

手に載せる 

◀ほとんどの種類は毒が無く手に乗せても大丈夫です。

 

 

 

 

500mほどの距離をゆっくり歩くだけで、いろいろな生き物と出会うことができ、毎月季節が移り変わる様子が感じられます。皆さんも身の回りの生き物の様子を観察してみたら、面白い発見があるかもしれませんよ。ぜひお出かけしてみてください。

 

センター主催の観察会やイベントはホームページで紹介していますので、やんばるへお越しの際は是非、お散歩観察会にも遊びに来てくださいね。

 

やんばる野生生物保護センター「ウフギー自然館」

http://www.ufugi-yambaru.com/index.html

 

 

今月の一枚「センダンの開花」

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2017年03月07日やんばる国立公園指定記念行事が開催されました!【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは。

やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

3月に入りやんばるでは暖かい日が少しずつ増えてきました。

皆さんの地域はいかがですか?

事務所まわりの芝生を見ると、気温が上がり始めて最初に咲くチクシキヌランがたくさん顔を出しています。

 

▲お米粒の様な小さな花のチクシキヌラン

春がもうすぐやってきそうな気候の中、やんばるでは去る226日(日)に"やんばる国立公園指定記念行事"がおこなわれました!

昨年の915日にやんばる国立公園が指定されたことを皆さんとお祝いしました。

当日午前中は、東村慶佐次のふれあいヒルギ公園にてやんばる国立公園標識の除幕式を行いました。しかし、直前までまさかのどしゃぶり。

 

▲雨の中、除幕式の準備

どうなることやらと心配しましたが、ご参加の皆様の日頃の行いが素晴らしいおかげか開始前には雨が止み、とても良いお天気の中で進行する事が出来ました。

 

比嘉政務官

▲比嘉環境大臣政務官と慶佐次に広がるマングローブ林

 

序幕前

▲いよいよ除幕です。

 

除幕後

▲ジャーン♪

やんばる国立公園の標識は写真のモニュメント型の他に、オーバーハング式、路側式合わせて10基設置されています。これからの日記で紹介していきたいと思いますが、皆さんもやんばる国立公園に来た際は探してみてくださいね。

 

 

無事に除幕式を終えた後は、記念式典会場である大宜味村農村環境改善センターへ!

 

式典会場

▲記念式典会場

満席になるほど大勢の方にお越しいただきました。

 

山本環境大臣

 

▲山本環境大臣より挨拶

山本環境大臣、翁長沖縄県知事、宮城大宜味村長からご挨拶した後は、新しく制作したやんばる国立公園の紹介映像を初公開しました(映像は今後、ウフギー自然館でご覧いただけます。)。

その後は、やんばるで学ぶ児童生徒達の研究発表でした。

大勢いる大人の前でみんな立派に発表してくれて、私は思わず感動してしまいました。

記念式典閉会の挨拶をした比嘉環境大臣政務官も、素晴らしい取り組みと発表にとても感銘を受けた様子でした。

大宜味小発表

 

▲大宜味村立大宜味小学校の野鳥と蝶の観察発表

 

 

▲沖縄県立辺土名高等学校環境科発表(クロサギの色について)

 

 

▲沖縄県立辺土名高等学校環境科発表(やんばるの川のエコツアー)

 

さあ、いよいよ締めくくりの祝賀会です。会場は国頭村民ふれあいセンターでした。

 

祝賀会

 

▲幕開けの"かぎやで風"

沖縄でお祝い事があるときに踊る琉球舞踊です。踊り手も三味線も太鼓も、みんな地域の方々です。

 

記念楯

 

▲国頭村・大宜味村・東村から、環境省と沖縄県に記念楯をいただきました!

賑やかな音楽と歌に囲まれながら、閉会まで皆さんの嬉しそうな会話が途切れることはありませんでした。

一生に一度立ち会えるかどうかの行事に参加することができて、緊張しながらも貴重な時間を過ごせた一日になりました。

国立公園に指定されたこれからも引き続き、奄美大島・徳之島・西表島とともに4地域で世界自然遺産の登録に向けて地域のみなさんとがんばっていきます。多くの人にその価値の素晴らしさを伝えつつ、やんばるらしさを失わない魅力あふれる場所であるように私もお手伝いしたいです。

これからもよろしくお願いします。

 

イタジイの芽生え 

 

今月の一枚「春の芽生え(シイノミ)」

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2017年01月23日ツルヒヨドリについて

やんばる 藤田雄

皆さん、はいさい(こんにちは)。

やんばる野生生物保護センターの藤田です。

本日は皆さんに沖縄県に定着している外来種、ツルヒヨドリについてお話しさせていただきます。

ツルヒヨドリ、という名前だけでは鳥の様にも思えますが、このツルヒヨドリは北アメリカと南アメリカの熱帯地域を原産とする、外来の植物です。ヒヨドリバナという日本在来の植物とよく似た花を付ける蔓性の植物であるため、この名前が付けられています。

沖縄県では1984年にうるま市の天願川河口付近で発見され、沖縄本島中部一帯で繁茂し、西表島にも侵入が確認され、急速に分布をひろげています。そのため、平成28年8月に特定外来生物として新規指定されました。

ツルヒヨドリの遠景。沢山の葉っぱと白く粒々とした花が、地面を覆っている。

▲ツルヒヨドリ(遠景)

ツルヒヨドリの近景。細い蔓にたくさんの葉と白い花が付き、画面手前には花がアップで映っている。花はラッパ状だが、花弁の先端には細いひもの様なものが数本ついている。

▲ツルヒヨドリ(近景)

このツルヒヨドリはやんばる地域にも侵入しており、大宜味村田嘉里の田嘉里川と、やんばる野生生物保護センターがある国頭村比地の比地川の川沿いで発生が確認されたため、地域住民のみなさんと一緒に防除活動に取組み始めました。

ツルヒヨドリが繁茂している場所の全体図。護岸のコンクリートから川の中までが、ツルヒヨドリに覆われている。

▲比地川沿いの、ツルヒヨドリが繁茂している場所。コンクリートからススキの生えている場所にかけてツルヒヨドリに覆われている。

また比地川では駆除の際に、山の一部にもツルヒヨドリの繁茂が確認されていたので、こちらでも防除を行いました。

ツルヒヨドリが林の木々に覆い被さっている。

▲ツルヒヨドリが枝の上に繁茂している林。画面中央付近、左上と右下の白っぽい花がツルヒヨドリのもの。

ツルヒヨドリはとても繁殖力が強く、放っておくと森一つを丸ごと覆ってしまう程にも増えてしまうおそれがあります。そうなれば、

在来の植物の生育だけでなく、生態系全般に悪影響が出る可能性があります。

 また、農地に入れば農作物にも被害を及ぼすでしょう。

このため駆除が必要なのですが、その際にも注意が必要になります。というのも切り落としたツルから根が張って再生していってしまうためです。このため防除の時にツルが散らばったりするとかえって広げてしまうこともあり、駆除した後には散らばらない様に気をつけなくてはなりません。

ただ、ツルヒヨドリは特定外来生物にあたります。この特定外来生物は、飼育、栽培、保管や生きたままの運搬等が原則として禁止され、これらを行う場合は許可が必要になります。適切な方法で防除しないと、かえって広げてしまう可能性もあるため、駆除を検討される際はまずは、環境省へお問い合わせください。

もし、国頭村、大宜味村、東村の前述以外の地域でツルヒヨドリを見つけた場合は、やんばる野生生物保護センターにご連絡をお願いいたします。

それでは、やんばるより藤田でした。

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