ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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西表石垣国立公園

75件の記事があります。

2017年12月18日みんなで守ろう、カンムリワシ!【石垣地域】

西表石垣国立公園 神保彩葉

みなさん、こんにちは。石垣自然保護官事務所の神保です。

ここ数日、南の島の石垣島でも北風が吹き、寒い日が続いています。

さて、先日石垣島北部子どもパークレンジャーのみんなと一緒に、

カンムリワシの交通事故防止のための看板づくりを行いました。

  1. 【まずは知ろう!カンムリワシって、とても希少な生き物なんだよ。】

  1. 【カンムリワシがよく出現する場所に行ってみよう!】

  1. 【分かりやすくて、目立つ看板を考えて作ります。】

  1. 【看板が完成しました!】

  1. 【カンムリワシの事故が多い場所に設置します。】

  1. 【設置完了。なかなか考えさせられる言葉ですね。】

【寒い中、みなさんお疲れ様でした!】

子どもパークレンジャーのみんながつくった個性豊かな看板を見に、

ぜひ北部地域までドライブに行ってみてくださいね。(全部で15種類あります。)

12~2月頃の寒くなる時期、カンムリワシは子育てシーズンに入り、動きが活発になります。

交通事故が発生しやすい時期でもありますので、みなさん、よんな~(ゆっくり)運転でお願いします!

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2017年12月07日カンムリワシ放鳥とミサゴ救護中

西表石垣国立公園 関東準之助

みなさん、こんにちは。西表自然保護官事務所の関東です。

 11月22日に長らく救護していたカンムリワシ西17-03を放鳥しました。この個体は、9月6日に交通事故に遭い瀕死の状態で救護されました。救護時は体へ触れても目を閉じたままグッタリとしており、呼吸が浅く耳からの出血も見られるなど、とても助かりそうもない状態でした。また、収容し搬送している途中に意識を回復しましたが診察中に吐血するなど数日間、予断を許さない状態が続きました。

救護後、意識を回復した西17-03

 数日かけて体調は改善傾向にあったものの、事故の影響で右翼の初列風切り羽をほぼ失うという鳥にとっては致命的な状態に・・・。過去の救護例から初列風切り羽は先端部分が4枚なくても飛翔に問題はありませんでした。しかし、西17-03のように9枚もなくなってしまうと上昇に必要な推進力を得られずピョンピョンと地面を飛び跳ねることしかできませんでした。

正常な翼(左)・初列風切り4枚無(中央)・西17-03の右翼(右)

飼育中に羽が伸長していく様子

それから2か月半あまり飼育した結果、上写真のように羽が生えそろったため放鳥できました。箱からさっと飛び立ち近くの立ち木へ留まって周囲を確認したのち大空へ・・・。上昇気流に乗って旋回を繰り返し無事にもとの生活圏へと戻っていきました。

放鳥の様子

 ・・・と、カンムリワシの飼育で四苦八苦していた1021日にカンムリワシではない鳥が水田にいて飛べないとの連絡が入りミサゴを1羽救護しました。

 救護個体は、翼や尾羽にオイル(廃油)がべっとりと付着していました。これが原因の衰弱か?と思いましたが収容して各部の状態を確かめると右翼内側を負傷していることがわかりました。

救護・飼育中のミサゴ

オイルで汚れた翼と負傷箇所

 負傷箇所は、皮膚が裂け筋肉が露出していました。考えられる原因としては、魚を捕らえるため着水したときに海面をただようオイルに突っ込んでしまい、うまく飛べなくなったところでどこかに引っ掛けて負傷というところでしょうか。負傷箇所については、いつもお世話になっている野生動物救護獣医師の飯塚先生(NPOどうぶつたちの病院沖縄)に手術をお願いしました。

患部を治療した写真(NPO法人どうぶつたちの病院沖縄 飯塚獣医師提供)

患部は壊死した筋組織を取り除いて縫合、翼や尾羽、脚などに付着していたオイルも洗い流してきれいになりました。

オイルが取れてきれいになった翼や足

 鳥の筋肉がどのように使われているのかは謎ですが、術後も翼をきれいに広げることができ室内である程度の飛翔は可能なことから、現在は広い外のケージへ移して元の生活へ戻れるよう訓練中です。

休憩中のミサゴ 

※ミサゴは主に魚を狩って食べるワシの仲間です。西表島では夏の終わりから冬に目撃が多くなります。

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2017年10月17日石垣島北部子どもパークレンジャー!吹通川たんけんたい★

西表石垣国立公園 神保彩葉

こんにちは。石垣自然保護官事務所の神保です。

今年度もやっております、

石垣島北部子どもパークレンジャー!

※この事業は、石垣島北部地域の子どもたちを対象に、

自然に親しむ機会をつくるために行っている事業です。

今回の舞台は・・石垣島野底地域にある「吹通川(ふきどおがわ)」です!

写真のように、吹通川にはヒルギ群落が広がり、

西表石垣国立公園に指定されているだけでなく、石垣市の天然記念物にも指定されている場所です。

「そんな貴重な場所が、みんなのお家の近くにはあるんだよ。」

藤田保護官からの説明を聞く子どもたち。

さて、今回のタイトルは吹通川たんけんたい!

カヌーに乗って、川を歩いて(泳いで?!)、上流部にある滝を目指して進みます。

出発進行!

奥まで入ると道が狭くなり、進むのにテクニックが必要です。

途中でカヌーを降りて、地元ガイドの方から、

枯渇してしまったマングローブのお話を聞きました。

ここからは歩いて上流へ。

腰まである水位を、助け合いながら、じゃれあいながら進みます♪

しばらく歩くと、岩場が出現!

ひとつの川で、こんなにも風景が変化するのも、

吹通川の面白いところです。

着きました!ゴールの滝です!

滝で修行中だそうです(笑)

たくさん遊んで、みんなびしょ濡れ!

これからも身近な自然とたくさん遊んで、自然が大好きな大人になってね~。

以上、「石垣島北部子どもパークレンジャー!吹通川たんけんたい」の報告でした!

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2017年10月03日交通事故に遭ったカンムリワシを放鳥【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本

八重山地域の週間天気予報は、おひさまマークが並び、まだまだ暑い日が続きそうです。

さて、8月下旬に交通事故に遭ったカンムリワシ(若鳥)が救護されました。幸い大きな外傷もなく、迅速な救護対応のおかげで順調に回復し、元気になったことから、9月に自然界へと放鳥することができましたので、お伝えしたいと思います。

近年、交通事故に遭ったカンムリワシは重傷個体が多く、元気に回復するまでに至らないケースや死亡した状態で発見されることが増えていました。今年の救護件数(石垣島)は、今回の放鳥個体で9件目となり、その内7件が交通事故、2件が衰弱という内訳となっています。交通事故に遭った個体を放鳥するのは、約1年半ぶりのため、うれしい限りです。

▲放鳥したカンムリワシ

今回放鳥したカンムリワシは、海沿いを走行していた車のフロントガラスに衝突して、軽い脳しんとうを起こしたところを救護されました。このように道路上を低空飛行しますし、生き物や轢死体などを食べようと道路上にしばしば出てくることも多いので、ドライバーのみなさんはお気をつけくださいね!

▲力強く羽ばたいていったカンムリワシ「渚」

放鳥した個体には、左脚に黒のNと刻印された足環を装着し、愛称はNの頭文字から「渚」と名付けられました。「渚」は少し臆病な性格で放鳥時はうずくまってなかなか飛び立っていかなかったですが、少し様子を見ていると立ち上がり、「ふたたび交通事故には遭わないでね!」と願い、元気よく大空へと飛び立っていきました。

<カンムリワシの救護連絡先>

○石垣島

環境省石垣自然保護官事務所 0980-82-4768

石垣市教育委員会文化財課  0980-83-7269

○西表島

西表野生生物保護センター  0980-85-5581

カンムリワシの救護情報はカンムリワシリサーチHPをご覧ください。

http://kanmuriwasi.web.fc2.com/

また、9月下旬に「西表石垣国立公園の生き物たち」と題して、今回放鳥したカンムリワシをはじめとする八重山諸島に生息する希少な生き物や外来生物の問題を紹介したパネル展示を行いました。場所は、八重山の島々をつなぐアクセス拠点となっている石垣島離島ターミナルの中央フロアーです。

離島ターミナルは、観光客だけでなく、地元住民の生活としても非常に多くの人々が行き交う場所のため、たくさんのみなさんに希少種の重要性や外来生物の問題について知ってもらう目的で実施しました。また、第2弾となるパネル展示も行いたいなと思いますので、その際は、ぜひお立ち寄りください。よろしくお願いします。

▲「西表石垣国立公園の生き物たち」パネル展示(石垣島離島ターミナル)

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2017年10月02日サンゴのモニタリング調査【石垣地域】

西表石垣国立公園 神保彩葉

風が少し涼しくなり、石垣島でも秋を感じています。

(と言っても気温は32度。まだまだ日差しは強く日焼けします・・。)

さて、石垣自然保護官事務所では、

例年、石西礁湖にてサンゴのモニタリング調査を行っています。

石西礁湖調査地点(35地点)

今回はそんな調査の一部をご紹介します。

コドラートを使った調査

この調査は、タンクを背負っての作業となります。

調査地点に1m×1mの枠(コドラートと呼ばれています。)を並べ、

枠の中のサンゴがどのくらいあるか、どんな種類なのか等、サンゴの状態を把握する調査です。

赤ちゃんサンゴ、発見!

それぞれの調査地点には、下の写真のような板が沈めてあります。

サンゴ幼生の定着量調査

この板は「定着板」といって、サンゴの産卵シーズン(初夏の満月あたり)が始まる前に

海底に沈め、板にどのくらいのサンゴの赤ちゃんが着床したかで、その年のサンゴの加入量を知る手がかりとしています。

白化調査

こちらの写真は、サンゴの白化調査の様子です。

この調査は、15分間のスノーケリング遊泳から、サンゴの白化率を記録しています。

去年に引き続き、残念ながら今年も白化現象は起きてしまっているようです。

色が薄いコモンサンゴ(6月撮影)

調査結果を詳しく知りたい方は、下記のURLをご覧下さい。

<石西礁湖自然再生ニュースレターVol.21>

http://sekiseisyouko.com/szn/entry/newsletter21.html

石西礁湖のサンゴはもうないの?とよく聞かれますが、

そういう訳ではありません。

調査地点によって、まだ良好なサンゴたちが残っている場所もあります。

地点S27の海中景観

こうして毎年サンゴの状態をモニタリングすることで、

見えてくるものがあり、それがサンゴを守る手がかりになるかも知れません。

守るには、まず知るところからですね。

【本日の一枚】

夢中でサンゴの写真を撮っていると、

じっと動かず隠れている(つもり)のヒトヅラハリセンボン君を発見。

バレてないという自信があったのか、かなり近付くまで、じっとしていました。

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2017年08月28日今年も実施しました人工島オオヒキガエル捕獲活動【石垣地域】

西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本

台風シーズンになりましたが、昨年に引き継き、今年も八重山諸島はなかなか台風がやってこない年となっています。これからたくさんやってくるのか心配になる今日この頃です。

さて、平成24年度から石垣港にある人工島でオオヒキガエル捕獲活動を行っており、今年も西表石垣国立公園パークボランティアや港湾工事関係者のみなさんにご協力いただきながら活動を実施しましたので、報告したいと思います。

▲ご協力いただいたみなさん

この活動は、八重山諸島の離島交通などの中心である石垣港において、まだ周辺離島には分布していないオオヒキガエルが、資材等に紛れて西表島をはじめとする各離島へ侵入するリスクの高いエリアであることから、少しでもオオヒキガエルが侵入するリスクを減少させようと取り組んでいる活動です。オオヒキガエルは、現在も石垣島全域で多く生息しています。

▲フェリー等が行き交う石垣港(左下:人工島)

2017年5月には、西表島東部においてオオヒキガエルのメス1個体が捕獲され、2007年に捕獲されて以降、約10年ぶりに西表島で確認されました。侵入した経路は不明です。

こういった現状を踏まえて、今年はオオヒキガエルが活発的になる7月~8月の2ヶ月間に月2回のペースで集中的に、計4回の捕獲探索を行い、延べ人数75名のみなさんにご協力いただき、実施することができました。