西表石垣国立公園
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2020年02月20日カンムリワシ交通事故防止の注意喚起活動【石垣地域】
西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本
カンムリワシは、冬から春先にかけて繁殖期を迎えるため、求愛や巣作りで行動が活発的になります。例年この時期はカンムリワシの交通事故が多発しています。
カンムリワシの交通事故を防ごうと、新たな取り組みとして近年交通事故が発生している地点付近の交差点で、通行するドライバーさんに注意喚起する活動を2月16日(日)に実施しましたので、お伝えします。
▲横断幕やのぼりを持ってカンムリワシの交通事故防止をPR
今回は、石垣自然保護官事務所とカンムリワシの自然保護活動を行っているカンムリワシ・リサーチが主催して、警察署、市教育委員会、西表石垣国立公園パークボランティア、地元の小学校の児童や先生、保護者のみなさんにご協力いただき実施しました。
子どもたちは、「カンムリワシをひかないで」「カンムリワシのエサをひかないで」と思い思いに作成したメッセージボードを掲げて、ドライバーさんに注意を呼びかけました。
▲児童が作成したメッセージボード
今年は、元旦にカンムリワシの交通事故が発生し、事故のダメージが大きく、残念ながら数日後に死亡が確認されました。現在、「カンムリワシ運転注意マップ」を作成し、市や関係団体等の協力を得て、交通事故の注意喚起を呼びかけています。
▲カンムリワシ運転注意マップ
カンムリワシは、森の近くの水田など見晴らしのよい樹木や道路脇の電柱によく止まり、エサとなる小動物が出てくるのをじっと待ち伏せしています。
エサを求めて、車に轢かれた小動物を食べに道路上に度々出現することや低空飛行で道路を横断することもあるため、車を運転されるドライバーのみなさんは法定速度を守ってスピードを控えていただき、野生動物の急な飛び出しがあっても安全に事故を避けることができるよう、余裕をもった運転にご協力お願いします。
これからも地域のみなさんに石垣島の生き物の現状を知ってもらうため、普及啓発に取り組んでいきたいと思います。
2020年01月20日おやこグラスボート観察会@白保
西表石垣国立公園 神保彩葉
あっという間に1月も中旬。
遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。
さて、12月の話ですが、
石垣島の白保沖でグラスボートの観察会を行いましたので、当日の様子をご紹介します。
白保の海は国立公園!
世界最大級のアオサンゴ群集などが観察できるとても貴重な場所です。
そんな魅力溢れる白保の海をたくさんの人に知ってもらいたい!という
地元の方の想いから生まれたこのイベント。
まずは参加者の方へ、国立公園のこと、サンゴのこと、白保の海のことを
レンジャー&講師からのレクチャーで、知ってもらいました。
▲講師からのレクチャー
▲たまたま前日に捕獲した生きたオニヒトデも観察!
レクチャーを終えたら、船着き場へ移動し、いよいよ観察スタートです。
▲いざ乗船!
▲間近に見えるサンゴに釘付け!
▲もう一隻の船では、水中スタッフが生き物を探します。
▲私も生き物探しに加わりました。
▲オオイカリナマコを発見!
▲ナマコやヒトデ、クモガイなど、海の生き物に夢中な子どもたち!
良い天気で無事に終了!小さな子どもから大人まで、大盛り上がりでした。
白保の海の魅力、楽しさをみんなで共有できたことと思います。
▲集合写真。楽しかったね。
2019年11月08日希少種の持ち出しに関する普及啓発活動 その2
西表石垣国立公園 関東準之助
みなさん こんにちは 西表自然保護官事務所の関東です。
10月27日に希少種の持ち出しに関する普及啓発活動を西表島へ来島した採集者向けに関係機関と合同で実施しました。
近年、10月はヤエヤママルバネクワガタの採集者が非常に多く来島します。それは、マルバネクワガタ類の採集規制が進んでおり、生息する島で採集ができるのは西表島のみとなっているためです。
マルバネクワガタ類の規制状況
・アマミマルバネクワガタ 市町村による条例
・ウケジママルバネクワガタ 国内希少野生動植物種
・オキナワマルバネクワガタ 国内希少野生動植物種
・ヤエヤママルバネクワガタ(石垣島個体群)市の条例
・ヨナグニマルバネクワガタ 国内希少野生動植物種
上記の通り、西表島の個体群について採集規制はかかっていませんが、一部の採集者による他の生き物の持ち出しや採集できる場所のほとんどが国有林で西表島森林生態系保護地域にもなっているため、規制区域内で採集等の問題も見られます。このことから規制区域の周知も含め採集者の多く集まる5地点で行いました。
周知の様子
結果、ピーク時は過ぎていたものの25名近い採集者へパンフレット類を配布することができました。西表島は全島が国立公園に指定されているほか大部分が国有林となっています。調査等で来島される方は各機関の規制等について今一度ご確認をお願いいたします。
2019年10月28日台風とサンゴ
西表石垣国立公園 神保彩葉
みなさん、こんにちは。
石垣自然保護官事務所の神保です。
今年は台風が多いですね。
台風被害に遭われた方、心よりお見舞い申し上げます。
さて、今回は9月末に石垣島に接近した台風18号とサンゴのお話です。
舞台は米原海岸。
米原海岸は、石垣島内で手軽に美しいサンゴ礁が観察できる場所として、
人気のスノーケリングスポットであり、国立公園に指定されています。
10月上旬、そんな米原海岸礁池内において、サンゴの白化現象が確認されました。
白化前 (9月17日撮影)
白化中
(10月2日撮影) JELLY FISH 提供
(10月5日撮影)
今回の白化は、
○台風18号の影響で大雨が続いたこと
○大潮の干潮と重なったこと
によって、礁池内が一時的に淡水にさらされてしまったことが要因のひとつではと考えています。
地元関係者の人たちと、米原海岸の現地確認をしたところ、
今回白化した範囲は、以下のように、河口域に集中していることが分かりました。
また、別件の調査で米原海岸を泳いでいた地元関係者の方が、
白化直前、こんなものを撮影したそうです。
9月28日夕方撮影 提供:エコツアーふくみみ 大堀健司氏
この日、水面には、上の写真のような大量のぬるぬるとしたものが浮いていたそうです。
サンゴはストレスを受けると、自分の身を守るために、粘液を出すことがあります。
水面をただよっていたものは、サンゴたちが出した粘液ではないかと推測しています。
「台風は、海水をかき混ぜる効果があり、水温が下がってサンゴにとって良いこと」
という印象を持っている方も多いと思いますが、
サンゴの棲んでいる環境によっては、一概にそうとは言えないようです。
また、よく勘違いされがちですが、サンゴの白化=死亡ではありません。
今後の海の環境次第で、サンゴの体内に残った褐虫藻が復活し、健全な状態に戻ることもあります。
無事に元気な姿に復活しますように・・・。
今後も地元の人たちと協力しながら、サンゴたちの様子を随時、観察していきたいと思います。
2019年10月23日与那国島の希少な動植物たち
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本
これから全国各地では、葉が色づき始め、紅葉シーズンが到来しますね。沖縄は年間を通して温暖な気候が続くため、紅葉を楽しむことはできないですが、ちょっとした秋の訪れを感じられる絶滅危惧種のイソマツの開花が与那国島の鳥獣保護区で観察することができました。
▲イソマツの開花〈環境省RDB:絶滅危惧Ⅱ類(VU)〉
▲海岸一面に開花したイソマツ
与那国島は、ヨナグニカラスバトやキンバトなどの希少な鳥類や動植物が生息し、野生動植物が生息しやすい環境を保全するため、国指定鳥獣保護区に指定されています。今回は、与那国鳥獣保護区を巡視し、また、国内希少野生動植物種(種の保存法)の自生地を確認してきましたので、与那国島の希少な動植物についてご紹介をしたいと思います。
まずは、ウスイロホウビシダと呼ばれるシダ植物。国内希少野生動植物種に指定され、採集や譲渡などは法律で禁止されています。国内で与那国島のみに分布し、石灰岩の岩上などに生えます。葉の平らな部分を葉身(ようしん)と呼び、ウスイロホウビシダの葉身は鳥の翼のような形なのが特徴的です。
▲ウスイロホウビシダ〈国内希少野生動植物種:平成29年指定〉
ヨナクニトキホコリは多年草で、与那国島と石垣島のみに分布し、国内希少野生動植物種に指定されています。うす暗い湿った環境を好みますが、近年の台風によって、林内が明るくなり、環境の悪化によって、生育する環境もかぎられ、絶滅が心配されています。
▲ヨナクニトキホコリ〈国内希少野生動植物種:平成29年指定〉
鳥獣保護区内にある東崎灯台付近からの景色は雄大です。岬は断崖絶壁で風が強く、度々大きな白波が岸壁を打ち付け迫力があります。岬は放牧地となっているため、子を連れた馬や牛がのんびりと草をむしゃむしゃと食べている姿は癒やされ、すてきな風景が広がっていました。
▲東崎灯台付近からの眺め
今回は、国内希少野生動植物種に指定されているヨナグニマルバネクワガタの密猟防止合同パトロールも実施しました。ヨナグニマルバネクワガタは、法律で禁止する以前は、乱獲によって数が減少しましたが、最近では、度重なる台風の接近によって、立派に成長して大きくなった生息木が倒れるなどして、林内が明るくなり、林内の乾燥化が進み、生息環境の悪化が心配されています。
▲ヨナグニマルバネクワガタ(メス)
また、保護区内の小川には国内では与那国島のみに分布しているアオナガイトトンボを観察できました。春から秋にかけて観察することができます。オスは鮮やかなコバルトブルーの体色が特徴的です。メスの体色は、薄オレンジ色です。
▲アオナガイトトンボ〈環境省RDB:絶滅危惧Ⅱ類(VU)〉
与那国島は面積28.95㎢と大きな島ではないですが、世界にここだけの生き物がたくさん生息している自然豊かな島です。自然環境をおびやかす要因はさまざまですが、たくましく生息している希少な動植物を確認することができ、改めて与那国島の生物多様性の高さを感じ、これからも私たちみんなで生息地に目を向けて大切に守っていかなければならないと感じました。
2019年09月09日今年のサンゴのモニタリング調査
西表石垣国立公園 神保彩葉
こんにちは。石垣自然保護官事務所の神保です。
6月~8月が一瞬で過ぎていきました。
もう9月という事実が信じがたいですが、石垣の夏はまだまだ続きそうです・・・。
さて、今年もサンゴのモニタリング調査を行っております。
コドラート内のサンゴを調べる調査員
今年は、どの地点も調査は長期戦。
なぜなら新しい小さなサンゴがたくさん加入しているからです。
とても嬉しいことですね。
ただ、1つのポイントを平均2時間以上、水中でじっとしていると、
さすがの夏場でも、体が冷えるようです。
ところで、サンゴも病気にかかるということを知っていますか?
近年、石西礁湖ではサンゴの病気が増えています。
病気にも様々なものがあり、詳しい原因は、未だ分かっていないのですが、
地球規模の環境悪化、それに伴うサンゴの免疫力の低下、
そして、私たち人間の活動とも無縁ではないと言われています。
(サンゴの病気:例)
病気①ホワイトシンドローム
病気②腫瘍
病気③ブラックバンド
上の3つ以外にも、サンゴの病気はいくつかあり、いずれもまだまだ解明されていないことばかりです。
さて、調査中に真っ白な赤ちゃんサンゴを発見。
調査員に肩を叩かれ、指を指した岩場の裏をのぞいてみると、
真っ白サンゴのすぐ近くに、サンゴの天敵、オニヒトデを発見しました。
白かったのは、オニヒトデが食べた跡でした。
見つけたオニヒトデ
こんなに小さなサンゴも食べてしまうとは、恐れ入りました。
今年は台風も定期的にきているためか、海水温はさほど上がらず、
大規模な白化現象は起きていませんが、サンゴを脅かすものは、
単に白化現象だけではないようです。
八重山周辺の気になるサンゴの情報等がありましたら、
下記センターまで、是非お寄せ下さい。よろしくお願いします。
【国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター】
住所:沖縄県石垣市八島町2-27
TEL:0980-82-4902 FAX:0980-82-0279
2019年08月22日第4回パークボランティア定期活動@白浜地区
西表石垣国立公園 光森 康祐
こんにちは。
西表自然保護官事務所の光森です。
西表島では、キセキレイやシギチの渡り、カンムリワシの幼鳥が見られるなど、秋の気配を感じられる様になりました。
なんとなく夏に置いて行かれてしまった気がしている光森です...。
今年度より、西表石垣国立公園パークボランティアで行っております、定期活動について8月10日に第4回活動を行いました。
6月、7月に引き続き、白浜地区のツルヒヨドリの駆除です。
ツルヒヨドリについては第2回の定期活動のAR日記に特徴を載せていますので、参考にしていただけたらと思います。(第2回活動のAR日記)
○過去2回の活動
6月、7月の過去2回の活動でこのようになりました。
6月の作業後と7月の作業前との写真を比較すると、ひと月で水路を覆いつくすほどの繁殖力がわかると思います。この驚異的な繁殖力によって再生してしまう前に、きちんと根まで除去する必要があります。
第4回活動は、前日まで台風9号の影響で実施できるか定かではありませんでしたが、被害も少なく、なんとか実施することができました。
これまでと同様、駆除のための木酢液を散布できない水路での作業となります。
水路に繁茂しているツルヒヨドリはゴミ袋へ、水路の底に溜まっている泥は水路から出して除去しました。
今回の作業でおおかたの水路で生育しているツルヒヨドリを駆除し、根が堆積している泥を除去することができました。
この場所でのツルヒヨドリ除去はひとまずひと段落つきそうです。
なんとか花がつく時期の前に終わらせることができてよかったと思います。
今回の作業で水路に生育するツルヒヨドリはすべて除去できましたが、水路には土砂が堆積している場所があり、埋土種子や残った根茎から再生する恐れがあります。
今後、この土砂の除去と定期的なモニタリングが必要です。
2019年08月07日希少種の持ち出しに関する普及啓発活動
西表石垣国立公園 関東準之助
みなさん こんにちは 西表自然保護官事務所の関東です。
8月6日に関係機関と合同で希少種の密猟や盗掘などを防止するため、西表島の玄関口である大原地区と上原地区にある港、島の最高峰古見岳へ登るための登山口、仲間川沿いにある遊歩道でチラシ配布とパトロールの普及啓発活動を行いました。希少な野生動植物は、その種自体であったり保護地域であったりと様々な法令にわたって保護されています。今回は観光客や採集者による無意識の持ち出しや密猟、盗掘を防止するため、どのような規制をかけているのか分かるように配布物へ各機関のホームページを閲覧できるようQRコードを示しています。
台風接近中でしたが、入島してくる観光客はまだ多く両港でチラシ300枚程度を配布できました。また、仲間川沿いの遊歩道には昆虫を採集するためのトラップ(F.I.Trap)が放置されていました。設置型のトラップは回収を怠ると壊れるまでの長い時間無用な殺生を続けてしまいます。島内では未回収の放置トラップが目に付くため持ち込んだものは持ち帰るという最低限のマナーは守りましょう。国立公園の特別地域内に工作物を設置する場合は許可申請が必須です。
今回、配布したチラシにも環境省の国立公園の範囲、林野庁の森林生態系保護地域の範囲を示してありますので、来島される方は参考にしてください。
遊歩道に放置されていた昆虫採集用のトラップ
2019年08月05日中学生のお仕事体験【石垣地域】
西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本
最近の石垣地域は、晴れ間が続き、真夏の到来といった感じでさわやかな青空が広がっています。子どもたちは、夏休みに突入。今回は、地元中学校の生徒がお仕事体験にやってきたので、その様子をご紹介したいと思います。
2016年の夏にアメリカザリガニが石垣島の某所の池で確認され、駆除対策などを実施し、最近まで確認されることはなかったのですが、再び同じ池でアメリカザリガニが確認されるようになり、現在、池の水を抜くなどして駆除対策を実施しています。
以前、アメリカザリガニが初確認された際に投稿したAR日記はこちら↓
http://kyushu.env.go.jp/blog/2016/08/post-229.html
今回も池の水を抜き、池の水は枯渇しましたが、池の流出口の沈殿槽に水がまだ溜まっており、そこで残存個体のアメリカザリガニを発見!!お仕事体験の中学生と捕獲作業を行い、中学生に1個体のアメリカザリガニを捕獲して頂きました。
▲中学校生の捕獲作業の様子
▲池内で捕獲したアメリカザリガニ
再び池で確認された経緯はわかりませんが、また誰かが逃がした可能性も考えられるため、アメリカザリガニが確認された池の入口付近などに野外にアメリカザリガニを逃がさないように呼びかける注意看板を作成して設置しています。
▲アメリカザリガニの注意看板
また、その池の下流には、ダムがあります。そこには生態系被害防止外来種リストの総合対策外来種に選定されているマダラロリカリア(呼称:プレコ)が生息しているという情報があり、ザリガニの捕獲作業後に、その現場を確認してきました。橋の上からダムの放流口を確認すると、全長40cm程の大型のプレコが数匹悠々と泳いでいました。
マダラロリカリアとは・・・
日本では、1989年に沖縄本島の牧港川で増えているのが初確認され、現在では沖縄本島の各地の川で増えてしまっている外来種。ペットとして飼われていた個体が放流されて野生化して増えたと考えられています。汚れた川でも生息できることや鎧(よろい)のような堅い鱗(うろこ)があり、天敵となる生き物がいないことなど、繁殖力が強いため、在来種の魚類と争ったりして生態系へ悪影響を与える恐れがあると懸念されています。
▲ダムの放流口に生息しているマダラロリカリア
ペットとして持ち込まれた生き物が野外で増えて、侵略的外来種となることがあります。興味本位でペットを飼うのではなく、ペットを飼う前には、しっかりとその生き物のことをよく知り考え、ペットは最後まで責任を持って飼う心構えがとても大切です。
西表石垣国立公園の第3種特別地域になっている屋良部岳(標高:216m)の巡視に中学生と行ってきました。屋良部岳は西表石垣国立公園の主要な展望地になっています。林道から入れる登山道を利用すれば、片道約15分で頂上に着き、八重山のすばらしい景観を一望できる人気スポットです。
▲八重山の景観を眺める中学生
▲屋良部岳頂上の眺め
屋良部岳の頂上には、突き出た岩があり、そこからの眺めは最高です!石垣島を訪れた際には、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
みなさんこんにちは。西表自然保護官事務所の光森です。
西表島では「うりずん」(潤い初め)の訪れを告げるアカショウビンが渡ってきました。
もう冬も終わりのようですね。
3月14日に西表石垣国立公園パークボランティア(PV)のみなさんと一緒に「アンダーパス」の清掃活動を行いました。
アンダーパスとは、イリオモテヤマネコなどの野生動物が道路によって生息地が分断されるという悪影響を軽減する目的に作られ、道路を横断せず安全に道路の向こう側へ行くことができる、野生動物のためのトンネルです。このアンダーパスは西表島内には123基が整備されています。
しかし一部のアンダーパスは維持管理されておらず、繁茂した草木によって動物が通りづらくなっているという現状です。
▲作業前
上の写真は今回清掃活動を行ったアンダーパスの一つです。
この場所のアンダーパスには「ネコ走り」と呼ばれる、トンネルから周辺林内への導線が整備されています。
(どこがアンダーパスでどこがネコ走りかわかりますか?)
作業にあたっては、ヒトのにおいを残さないよう短時間、ヒトの気配を残さないようにきれいにしすぎない、県道への導線を作らない、を意識して作業を行います。
▲作業後
▲ネコ走りから山への導線作業前 ▲ネコ走りから山への導線作業後
▲作業のようす
また、アンダーパスの出入口周辺が日向になっている場所の木本類やアダンは地上部のみを刈ります。これによって、動物の通行を阻害せず、将来的には日陰となるよう保全します。
▲アダンの保全
今後もパークボランティアのみなさんと一緒にアンダーパス清掃や道路の草刈り活動などを続けて、ヤマネコの交通事故を少しでも減らしていけたらと思います。