西表石垣国立公園
119件の記事があります。
2016年05月26日西表島の野鳥の傷病のはなしと羽毛を使った小物作り
西表石垣国立公園 西表 アクティブレンジャー 日名
2016年の愛鳥週間の企画として、ミニ講座
『西表島の野鳥の傷病のはなしと羽毛を使った小物作り』をおこないました。
5/13(金)18:45~20:00と5/14(土)13:45~15:00の2回開催し、それぞれ16名と5名の参加者が集まりました。
【開会の挨拶・趣旨説明】
【西表島の野鳥の傷病の話し】
前半は、西表野生生物保護センター(IWCC)で情報を集めている、西表島での野鳥の傷病についてお話しをしました。
野鳥の死体発見と救護は、1996年からこれまで2000件以上あり、その年変化や季節変化などを紹介しました。また、死亡・救護原因の多くが交通事故とガラス衝突で、IWCCで取り組む交通事故対策やガラス衝突対策について説明しました。
【材料】
【作業の様子】
後半は、残念ながら死んでしまった野鳥の羽を使って小物を作成しました。
体の位置ごとに羽毛の形状や模様が異なる。
鳥の体全体では鮮やかな色をしているけれども、羽毛の1枚1枚を見てみるとそうでもない・・・
体の表面に見えている部分は、羽毛のほんの一部だった!
なんてことが分かってもらえたと思います。
【作成した羽毛の瓶詰め】
このビンは治療に使った注射薬の入っていたを再利用したものです
【参加者からの感想発表】
大人も、子どもも、私も夢中になって作成していました。
とても楽しかったです。
2016年04月01日カンムリワシよ、大空へ!
西表石垣国立公園 関東準之助
みなさん、こんにちは!西表自然保護官事務所の関東です。
今回は、西表野生生物保護センターに先日まで保護されていたカンムリワシたちを紹介します。
今年2月に県道でカンムリワシの交通事故が2件発生しました。2羽とも一命を取留め、1羽は保護から1週間後に、もう1羽は先日放鳥することができました。
2月上旬に保護された個体は、左翼手根部(人間の手首にあたる部分)を骨折、また事故の影響なのか右翼の風切羽も診察時にぽろぽろと抜け落ちてしまいました。獣医さんに骨折部分が動かないよう翼を固定してもらい様子見となりました。
(怒っていても御飯はしっかりと食べます。)
2羽目は2月下旬に道路上であお向けに倒れて気絶しているところを保護されてきました。目立つ外傷や骨折などもないため、室内ケージにはなして様子見となりました。両個体とも自力採餌はしないもののよく食べる個体で順調に快復していきました。
治療が進み放せるようになったカンムリワシたちは、個体データを取ります。翼や尾羽の状態を記録し体長や翼長、爪の長さなどを記録していきます。
保護された2羽を比べてみると御覧の通り羽の模様が違いますね。羽の模様で、おおよその成長段階がわかります。左の個体は幼鳥の羽がまだ混じっていますが、右の個体は成鳥羽になっています。
さまざまな部位を計測し、個体識別のためにリングや翼帯(ウイングマーカー)などを装着します。
写真は、放鳥前日の両個体。調子の悪かった時期と比べれば立ち方も堂々としています。左が2月上旬に保護した個体で、右が下旬に保護した個体です。下旬に保護した個体は、特に悪い部分がなかったため、すぐに放鳥できましたが、上旬に保護した個体は骨折か所の治癒後にリハビリを行ったため放せる状態になるまで約2か月かかりました。
それぞれ、保護された場所の近くで放鳥し野生へと帰っていきました。西表島を訪れた際に見かけたカンムリワシが翼帯や金属リングを付けたら、それは何らかの原因で一度保護されている個体です。個体の生存情報も収集していますので、西表野生生物保護センターへ御一報いただければ幸いです。
2016年03月22日【満員御礼】ショウヤマキマワリ発見記念!西表島の昆虫
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 日名
西表野生生物保護センター ミニ講座
「ショウヤマキマワリ発見記念!西表島の昆虫」
を3月14日に開催しました。
【庄山さんの講演】
ミニ講座では、船浦在住で日本昆虫学会の庄山 守さんから、甲虫全般の説明やイリオモテと名の付く甲虫、さらにゴミムシダマシの魅力などを、所蔵の昆虫標本を使って説明いただきました。
【渡辺さんの講演】
続いて、元八重山高校生物部顧問の渡辺 賢一さんから、チョウ類出現数の周年変化や西表島で見られる珍しいトンボ についてお話しいただきました。
【顕微鏡で小さな標本を観察】
お二人の講演のあと、参加者には庄山さん所蔵の珍しい標本を実体顕微鏡と虫眼鏡を使って観察してもらいました。庄山さんが発見したショウヤマキマワリは1個体しか見つかっておらず、研究者に送ってしまい現物は見ることができず、残念でした。
しかし、なかなか見る機会が少ない標本が多く、特にみんなの興味を引きつけていたのが、小さいツノを左右に2本を持ちそれらが真ん中でねじれているゴミムシダマシでした。
大きさは5mmくらいで、顕微鏡でやっと2本のねじれを観察することができて、見られた瞬間みんな「本当だ~!!」と歓声を上げていました。
【珍しい標本たち】
西表野生生物保護センターにも昆虫(特にトンボやチョウ)の標本が収蔵されています。
ご覧になりたい場合は、受付で声をかけてください。
2016年03月22日さわって、あそんで、学ぼう!イノーのいきもの観察会【石垣地域】
西表石垣国立公園 神保彩葉
3月5日は"サンゴの日"として、毎年石垣島では、3月5日を含む1週間を「石垣島サンゴウィーク」とし、その期間中は様々な団体がサンゴに関するイベントを開催しています。
石垣自然保護官事務所も石垣島サンゴウィークの企画として、3月12日(土)に、「さわって、あそんで、学ぼう!イノーのいきもの観察会」を開催しました。
イノーとは沖縄の方言で、「サンゴ礁に囲まれた浅く穏やかな海」、つまり礁池のことを指します。
当日は、国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターで開会式と事前学習を行った後、真栄里にある多田浜海岸という場所へ向かい、生き物観察を行いました。
▲開会式:国立公園について説明する齋藤保護官
この日は春の大潮で、海に到着すると、すでにアーサ(あおさ)を採りに来ている多くの人たちの姿がありました。このように、昔から島の人たちは、生活の場として海を利用しています。
▲アーサを採る島民の方々
いざ観察を始めると、みなさん生き物探しに夢中で、なかなか先へ進まない!といった様子でした。
箱メガネや網、スコップなどのアイテムを使って、フトユビジャコやタカラガイ、ナマコやヒトデ、中にはウミウシを見つけた参加者もいました。
▲見つけた生き物(クモヒトデ、フトユビジャコ、ハナビラダカラ)
普段見慣れている生き物たちでも、「口の位置はどこ?」「足はあるの?」「性別は?」「何食べているの?」等、ふと考えてみれば不思議なことでいっぱいです。観察中は、子どもから大人まで、「これはなに?!」「なんで〇〇なの?!」と興奮気味にあらゆる質問が飛び交っていました。
▲アオヒトデの管足について説明
海の生き物には、未だに分かっていないことが多くあります。
こういった好奇心や探求心を、たくさんの人に持ち続けてもらえたらいいなぁと思いました。
サンゴ礁の海はまさに学びの宝庫です。みなさんも是非、干潮の時間を狙って、お散歩がてら、海へ出かけてみて下さい。季節ごとに見せる海の顔、様々な生き物との遭遇、そして新しい学びがきっとあるはずです。
2016年02月19日西表島クイズラリー 終了
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 日名
11月10日から1月31日まで開催していた西表島クイズラリーが、無事に終了しました。
完走された方は、12名しか現れず・・・
そのおかげで、完走者が応募できるヤマネコ賞は完走者全員に行き渡りました。
よかったですね~
ヤマネコ賞の賞品は、
ガソリン券が、西表島交通グループさまから、
イリオモテヤマネコぬいぐるみと生サブレが、リゾナーレ西表島さまから、
ピカリャークリアファイルと缶バッジが、竹富町観光協会さまから、
図書カードが、イリオモテヤマネコ発見50年事業実行委員会さまから、
頂きました。
また、対馬野生生物保護センターと生物多様性センターからも、参加賞を提供していただきました。
賞品提供にご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました!
国立公園内のクイズ(周りの景観に配慮しました。)
完走者は12名だけ。
初めてのクイズラリーと言うことで張り切ってしまい、設置場所の到達難易度がかなり高かったようです。問題も、各職員の肝いりで凝った問題になりました。
各クイズの設置場所と問題、回答を載せるのでどんなのやったか確認してみてください。
参加者からは、「どこにクイズがあるのか探してまわるのが楽しかった」「普段の島の生活ではなかなか行かないところに行けて良かった」「初めて知った場所もあった」などの感想が聞けました。
今回の反省点を活かして、またクイズラリーを開催したいなぁと考えていますので、その際はぜひぜひご参加ください。
|
ポイント |
問題 |
答え |
1 |
南風見田海岸展望台 |
南風見田海岸展望台から少し西の沢で、1965年に大原中学校の生徒が、タイプ標本となるイリオモテヤマネコを保護しました。何月何日だったでしょうか? |
5月5日 |
2 |
波照山展望台 |
竹富町のイリオモテヤマネコの日は何月何日でしょう? |
4月15日 |
3 |
大原港なかまりん |
西表島では日本に自然分布する純マングローブ植物が全て見られるといわれています。全部で何種類でしょうか? |
7種類 |
4 |
仲間川サキシマスオウノキ |
サキシマスオウノキの種は、下の写真のA,B,Cのうちどれでしょうか? |
B |
5 |
大富林道展望台 |
ここから見える「ウブンドルのヤエヤマヤシ群落」は国の天然記念物に指定されていますが、天然記念物は国のどの機関が管轄しているでしょうか? |
文化庁 |
6 |
西表亜熱帯樹木展示林 |
ここ西表亜熱帯樹木展示林は 国有林ですが、 国有林はどこの機関が管理しているでしょうか? |
林野庁 |
7 |
西表熱帯林育種技術園 |
多くの生物の生息場所になっているマングローブですが、その代表的な種であるオヒルギは染料にも使われます。どのような色に染まるでしょうか? |
赤茶色 |
8 |
西表野生生物保護センター |
イリオモテヤマネコはどれでしょうか?
|
B |
9 |
由布島レストラン |
西表野生生物保護センターで1996年から2011年まで飼育されていたイリオモテヤマネコの愛称は何でしょう?
|
よん |
10 |
野原崎展望台 |
西表島を通る白浜南風見線 (県道215号線)は約53㎞ですが、沖縄県で1番長い県道は何号線でしょうか?
|
215号線 |
11 |
大見謝ロードパーク |
大見謝ロードパークの「マングローブ遊歩道」から見れるマングローブで、一番多く見られる種類は何でしょうか? |
オヒルギ |
12 |
上原港デンサーターミナル |
西表島がある竹富町は複数の島々から構成されています。有人島と無人島を含めていくつ島があるでしょうか? |
16 |
13 |
星砂の浜 |
戸川幸夫氏によってイリオモテヤマネコが学術的な発見を された年は何年でしょうか? |
1965年 |
14 |
西表島エコツーリズムセンター |
八重山民謡に「鷲ぬ鳥節」が ありますが、何の生き物について 唄った民謡でしょうか? |
カンムリワシ |
15 |
浦内川観光船乗り場 |
西表島を通る浦内川は沖縄県で一番長い川ですが、沖縄県で一番落差のある滝は何滝でしょうか? |
ヒナイサーラの滝 |
16 |
子午線ふれあい館 |
子午線館は東経123度45分6.789秒と数字が並ぶ珍しい場所で、同じようなモニュメントが島内にあと2か所あります。1か所は白浜小学校の近くですが、もう1か所はどこでしょうか? |
浦内橋の近く |
17 |
祖納ふるさとの森公園 |
祖納岳から見える島の名前は何でしょうか? |
内離島、外離島 |
18 |
白浜港休憩所 |
1992年6月完成した「西表トンネル」の出入口(白浜側・祖納側)に書いてある生き物の絵は何でしょうか?(すべて答えてください。) |
ヤエヤマヤシ、アカショウビン、イリオモテヤマネコ |
19 |
船浮港休憩所 |
沖縄の方言では東を「あがり」、西を「いり」と言います。 これはあるものが上がったり、入ったりすることに由来していますが、それは何でしょうか? |
太陽 |
20 |
路線バス内 |
西表島には豊原から白浜まで県道が通っていますが、 この道路が完全に開通したのは 何年でしょうか? |
1977年 |
通常のクイズ
2016年01月29日大寒波!サンゴの海からSOS?!【石垣地域】
西表石垣国立公園 神保彩葉
1月24日~25日は、全国的に大寒波が到来し、
雪かきなど、みなさま急遽対応されたのではないでしょうか。
亜熱帯性気候の石垣島にも大寒波、やってまいりました。
雪は降らなかったものの、冬でも晴れると夏日になってしまう石垣島が、
24日~25日は最低気温が10度を下回り、観測史上最低気温となりました。
めったに着ない冬物のコートを引っ張り出し、珍しく着込んだ2日間。
人間も急な対応が必要ですが、生き物たちはどうでしょう?
石垣島北部の海岸線には、魚、カニ、ナマコ、ケヤリムシ等、
様々な海の生き物が打ち上がっていました。
温かい海で住む生き物にとって、急激な水温低下には耐えられなかったようです。
▲打ち上げられた生き物たち
また、低海水温によるサンゴの白化がないか、米原海域公園地区の巡視もしてきました。
造礁性のサンゴが適している水温は、18度~30度ほどと言われており、
水温が高すぎても低すぎても生きていくことができません。
今回の寒波の日は、ちょうど大潮だったため、余計にサンゴの白化が心配されました。
地元で長くガイドをされている方のお話では、2009年にも同じような寒波が訪れ、
今回と同じように大潮と重なり、表層付近のサンゴの白化が確認されたそうです。
条件としてはかなり心配な状況でしたが、
結果として米原のサンゴは白化していませんでした。
一安心です。
ガイドの方が2009年に白化したサンゴを案内してくれました。
まるでベルトのように一直線に死んでしまっているサンゴの上から、
また新たなサンゴが成長しています。
▲2009年に白化したサンゴ
海中を泳いでいると、多くのサンゴが根元から折れていました。
また、海岸には大きな丸太が漂着し、かなりの強い波だった事が分かります。
しかし、逆に考えると、この強い波のお陰で海水が上手に混ざり、低海水温から免れたのかも知れません。
▲根元から折れたサンゴ
地形や風向き等によって、状況は変わってくるとは思いますが、
ひとまず石垣島北部の海岸線及び米原海岸における報告でした。
人間も大寒波で大変でしたが、生き物や自然にも目を向けてみると、新たな発見があるかも知れませんね。
2016年01月25日開催案内ー「世界湿地の日」名蔵アンパル自然観察会ー【石垣地域】
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本
こんにちは。最近の石垣島は雨模様で、野外での活動が中止なるなど困ったものです。今年も名蔵アンパルでの自然観察会を実施しますので、当日は、晴れることを祈りながら、開催案内をします。
2月2日は、ラムサール条約が締結された日にちなみ「世界湿地の日(World Wetlands Day)」に指定され、毎年この時期は、世界各国で催し物やイベントが開催されています。この日を記念し、石垣島でもラムサール条約湿地に登録されている名蔵アンパルの干潟で自然観察会を2月6日(土)に開催します。
自然解説時の様子
ラムサール条約には、「保全・再生」・「ワイズユース(賢明な利用)」・「交流・学習」の3つの基盤となる考え方があります。「ワイズユース」は聞き慣れない言葉ですが、将来にわたって湿地を保全していくためにとても重要な考え方です。観察会に参加することで、名蔵アンパルと私たちの暮らしとのつながりについて理解し、楽しく自然とふれあっていきましょう。
生き物探しの様子
今回の観察会は、石垣島エコツーリズム協会会長の谷崎樹生氏を講師にお招きして、名蔵アンパルのマングローブの紹介や名蔵アンパルの環境変化など、いろいろな方面から名蔵アンパルについて解説していただきます。ぜひ、この機会に名蔵アンパルの自然を楽しんでください。ご参加お待ちしています。
なお、参加をご希望の方は環境省石垣自然保護官事務所まで電話かFAXでお申し込み下さい。比較的水深の浅い場所で観察会を行いますが、川を渡る場所もありますので、お子さんの長靴だと浸水してしまいます。マリンブーツ等濡れてもよい靴を必ずご持参ください。
ヤエヤマヒルギの樹上に住むタマキビ(葉の表面の汚れを食べてくれるお掃除屋さん)
【とき】平成28年2月6日(土)10時00分から12時30分ごろ(9時30分受付開始)
【集合場所】 名蔵小橋北側へ約200m海側駐車スペース
【参加料】100円(保険料)
【定員】20名(定員になり次第締め切り)
【対象】小学生以上(小学生の参加は保護者同伴)
【服装】防寒着、帽子、濡れても良い服装とマリンブーツ等濡れてもよい靴
【持ち物】着替え、飲み物、タオル、履き替え用の靴、手洗用の水(ペットボトル等)
【荒天時】荒天の場合は、当日朝8時00分までに判断し、参加者に連絡します(延期日:2月7日)
【申込締切】2月3日(水)17時00分
【申込先】環境省石垣自然保護官事務所(担当:仲本)
電話 0980-82-4768 (平日9:00から17:00)
干潟について興味のある方や身近な自然について理解したい方など、どしどしお申し込みください。なお、定員になり次第締め切りとさせていただきますので、ご了承ください。みなさんのご参加をお待ちしています。
2016年01月20日年末年始交通安全県民運動(2015年~2016年)
西表石垣国立公園 西表 アクティブレンジャー 日名
2月21日から1月4日まで年末年始交通安全県民運動が実施されていました。
「ヒトもヤマネコも交通安全」ということで、西表野生生物保護センターでも各所で安全運転の呼びかけに参加しました。
まずは、12月14日~12月18日に古見小学校前で朝の注意喚起。
古見小学校の児童・先生、大原駐在の具志堅さんと一緒に。
北風に負けず朝から元気いっぱい!
12月21日に大富共同売店前。
八重山地区交通安全協会西表島東部支部のみなさん、竹富町消防団大富分団のみなさん、大富婦人会の皆さん、大富集落の子どもたち、大原駐在の具志堅さんと一緒に。
夕方、売店に買い物に来るみなさんに注意を呼びかけました。
【大富共同売店前の様子】
【みんなで記念撮影】
12月22日に浦内橋(昼間)と美原(夕方)で。
上原駐在の宮里さん、白浜駐在の仲間さん、大原駐在の具志堅さんと一緒に。
ヤマネコが頻繁に目撃されていて、特にスピードが出やすい区間です。
【浦内橋の様子】
【浦内橋の展望台から手を振るまーや】
冬のまーやはスタミナがあり、よく動きます。
冬になりイリオモテヤマネコも目撃情報が増えています。
島の命を大切に!
2016年01月08日西表島クイズラリー 大富林道展望台&西表亜熱帯樹木展示林
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 日名
明けましておめでとうございます。
西表島は年末年始から雨がよく降るお天気です。
西表島クイズラリーは1月31日まで。
残り1ヶ月をきりました。
今回は、Q5大富林道展望台の紹介です。
大富林道とは、大富集落の外れから西表島の内陸に向かって続く歩きやすい林道です。展望台はその途中の約3kmにあります。
仲間川サキシマスオウノキに向かう船が眼下に見えます。
船に向かって手を振ってみるけれども、向こうからは見てくれてるのかなぁって思いますね。
私が発見した大富林道展望台の素敵なところは、ここまで歩いてくる大富林道です。
歩きやすいとは言いましたが、周りにいろんな動植物が観察できます。
林道を歩いていると、ヤマネコを見つけることもあります。
日なたで昼寝しているヤマネコを西表野生生物保護センターの職員が目撃していますよ。
↓詳細はこちら
http://iwcc.seesaa.net/article/391711310.html
クイズラリーの途中で、ヤマネコを見られたらラッキー!
続きまして、Q6西表亜熱帯樹木展示林の紹介です。
西表亜熱帯樹木展示林は、その名の通り西表島で育ついろいろな樹木が展示されており、林内の小道を歩きながら植物を観察できる場所です。
私が発見した、西表亜熱帯樹木展示林の素敵なところは、樹名板です。
小道に沿って生えている樹木に樹名板がかけられており、その木を見てすぐに名前が分かるので、西表島の植物を勉強するのにもってこいのフィールドです。
こんにちは。梅雨の時期に入り、最近の石垣島はジメジメとした湿気の高い日が続き、カビの発生が心配な季節になりました。
さて、今回はグリーンイグアナのテレメトリー調査について報告したいと思います。
▲イグアナのテレメトリー調査の様子
グリーンイグアナは、最大で全長1.8mにもなる大型のトカゲです。
ペットが逃げだしたり、飼いきれなくなって飼い主が放したりするなどしたのか、石垣島では1994年ごろから野生化したグリーンイグアナが目撃されるようになりました。現在、環境省では重点対策外来種に指定し、対策の必要な種になっています。
グリーンイグアナは、花や果実などの植物質を好んで食べますが、幼体のうちは昆虫なども食べるため高密度に増えてしまうと、植生や昆虫類に影響が及ぶ可能性があります。また、野生化した個体は気が荒く、捕まえようとすると尻尾で叩いたり、鋭い爪でひっかいたり、噛みつくこともあるので、発見した場合は、近づいたり捕獲しようとはせずに、石垣自然保護官事務所(TEL:0980-82-4768)までご連絡ください。
▲グリーンイグアナ
イグアナのメスは繁殖期となる4~6月頃、地面を歩き回り、産卵しやすい砂地に穴を掘って、約50個もの卵を地中に産み落とします。このため、繁殖期のイグアナのメスは目撃例が多くなりますが、繁殖期以外の時期は目撃する機会も少なくなり、日頃どこで、どのように行動しているのかがわかっていないことも多くあることから、テレメトリー調査を今年の3月から行っています。
今回行っているテレメトリー調査とは、主に海岸沿いや海岸林の中を歩き、発信器の付いたグリーンイグアナを探し、どこにいるのかを特定してポイントに落とす調査です。定期的に調査を行うことで、グリーンイグアナの行動範囲や集中的に利用している場所、好む環境を知る基礎的な情報を得ることができます。こうした情報がわかることで、効果的な防除対策のヒントが得られるのではと考えています。
調査では、発信器の付いた個体を広いエリアで探すため時間がかかるうえ、日中の真っ白な海岸は、照り返しがすごく日差しもガンガンに照りつけるため非常に暑く、ものの20~30分で汗だくになります。海岸を歩いていると、イグアナのものと思われる足跡が数カ所で見つかりました。おそらく産卵のために歩き回るメスの足跡だと思います。足跡は、一本線を引いたような尻尾の跡ができ、その両側に足跡が残っているのが特徴です。
▲イグアナの足跡(赤い矢印部分が一本線に伸びた尻尾の跡)
調査中に希少なキシノウエトカゲにも出会うこともあります。キシノウエトカゲは、八重山諸島や宮古島に分布しているトカゲ類の中で最大のトカゲで約40センチにもなります。最初に見たときは、その大きさにびっくりしました。天気の良い日は、ひなたぼっこをしている様子を目にすることができ、かわいらしい顔をしています。
▲落ち葉の中から顔を出すキシノウエトカゲ
最近はハイアワユキセンダングサ(外来種)の花のまわりで、たくさんのオジロシジミが飛び回っています。オジロシジミをよく見てみると、羽の後ろに2つの突起物が付いています。その2つの突起物は、触角に見立てた羽、羽の付け根の丸いまだら模様を目に見立てて、天敵の目をあざむくようにできているようです。身近な生き物でも観察してみることで、生きるために必要な知恵が備わっていることに気が付くことができ、とても面白いですね。また、日々の調査で面白い発見がありましたら、アクティブレンジャー日記で発信していきたいと思います。
▲オジロシジミ
調査は、まだ始まったばかりなので、これから少しずつデータを蓄積していくことで見えてくる情報を整理しながら、防除対策に役立てられるよう、今後も調査を頑張っていきたいと思います。