アクティブレンジャー日記 [九州地区]
九州地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。 九州地区 アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの教務を担う環境省の職員です。 管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島屋久、西表国立公園があります。

2012年2月7日

寒波の草原へGO! 【阿蘇地域】

著作者:アクティブレンジャー 日高 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇
こんにちは、阿蘇自然環境事務所の日高です。

先週末は、日本全国を寒波が襲い、阿蘇も寒くて寒くて仕方がありませんでした。
(最低温度-13℃!)
こんなに寒いのならば、“国立公園内の様子はどうなっているのだろう?”と、着込めるだけの防寒着を着込み、パトロールに出かけました。

!!!!!!!
こんなに寒いのに、草原に牛がいます!
上に6枚(肌着にババシャツとロングTシャツとYシャツとフリースとジャケット!)、下に4枚(パンツに股引とズボンと雨合羽!)も着込んでいる私が、寒くて震えているというのに…

牛は寒くはないのでしょうか?
なんでまた、こんな寒い時期に外にいるのでしょうか?


私がガタガタ震えていたからか、「なにをこんな寒いときに、僕らを見に来たの?」といわんばかりの視線を牛たちから投げかけられました。

事務所に戻り、なぜ厳冬の草原に牛がいるのかをいろいろと調べてみました。実際に牛を飼っている農家のかたにお話を聞いてみると、だんだんと理由が分かってきました。

まず第一に、牛たちは寒さにとても強いそうです。
なんでも、寒さを感じる季節になると、俗に「冬毛」と呼ばれる「密集し体温を保つ毛」が生えてきて、少々の寒さなんてへっちゃらなんだそうです。

それから、寒波が来ていても牛を草原に放牧しているのは、「周年放牧」に取り組んでいるからだそうです。
本来、阿蘇では「夏山冬里(なつやまふゆさと)」といって、夏に草原に放牧して冬は屋内(畜舎)で牛を育てるのが伝統的な飼育形態なのですが、「周年放牧」とは、文字通り、一年中ずっと草原で放牧するという、最近新しく始まった飼育形態なんだそうです!! 


餌をやるついでに牛の調子を見に来たという、牛の管理をしている方。

特に冬季に放牧することは、飼い主には畜舎での飼養管理にかかる労力の削減、 冬を越すための飼料収穫作業の軽減など、飼育作業の負担や生産コストの低減につながり、牛にとっては自然の中でストレスをためずにのびのびと暮らせる、ということで、人と牛の両方にとって良いことづくめだそうです。

そんなに良いことづくめなのであれば、“すべての牛を周年放牧すればいいのではないか?”という話になりそうですが・・・
実際には「水の確保」と「えさの確保」、特に水の確保が(阿蘇はすぐに凍ってしまうため)難しいので、周年放牧ができるかどうかは牧野の状況による、ということでした。

冬の寒空の下、阿蘇では凍った滝や霧氷だけではなく、草原には元気に活動する牛がいることがよく分かった1日でした。

2012年2月2日

九州の東北と呼ばれる飯田高原 【くじゅう地域】

著作者:アクティブレンジャー 指原 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
ゴォォーーーーーー!!!!という風の音とともに、雪煙に包まれている長者原からこんにちは。
2日(木)は、昨日と比べまた一段と雪が積もっています。


正午で積雪は20cmを超えました。


行き倒れではありません。雪中の植物を観察中です(笑)。


モミの木も雪の帽子をかぶっています。

今シーズンは例年に比べて雪が少なかったそうですが、この大雪で長者原もようやく飯田高原らしい冬景色になったのではないでしょうか。
実は飯田高原は、年平均気温が東北地方とほぼ同じだそうです。
それゆえ「九州の東北」とも呼ばれると、地元の方にお聞きしました。

来週の2月10日(金)~12日(日)には、長者原にて「氷祭り」が開催されます!
準備含め、期間中に雪像や氷像が溶けないように…と、このまま寒い日が続くのを切に願います。

2012年2月1日

北千里ヶ浜の静寂 【くじゅう地域】

著作者:アクティブレンジャー 指原 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
1月31日(火)、長者原~坊ガツル~北千里ヶ浜~諏蛾守越(すがもりごえ)ルートの巡視に行ってきました。


長者原~坊ガツルの登山道。

登山道を確認しながら歩いていると、アイゼンの形跡があまり見られませんでした。
私も雪の影響はそれほど感じませんでしたが、所々、装着しないと危険な箇所もありました。冬のくじゅうでは、軽アイゼン程度は携行してくださいね。


法華院温泉から北千里ヶ浜への登山道には、約40cmの積雪を確認

さて、アイゼンを履き、法華院温泉から谷沿いを登った先に、今回の巡視ルートでもある「北千里ヶ浜(きたせんりがはま)」があります。



ここは四方を山々に囲まれ、見渡す限り広大で平らな世界が広がっています。
目の前には硫黄山の噴煙がモクモク出ていて、迫力も満点!
なのですが、私が感じるここの魅力と言えば、「音のない世界」です。

歩くのを止めると、しーん … …。
心臓の鼓動を感じるほどの静けさに、なんだか自分が自然の中に溶け込んだような気がしてきます。
音がないっていうのも新鮮で気持ちのいいものです。
ぜひ、北千里ヶ浜を訪れた際は、歩を止めて体験してみてください!

2012年1月27日

雪化粧の朝 【くじゅう地域】

著作者:アクティブレンジャー 指原 | 配置:阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
写真は、保護官事務所のある長者原を撮影した26日(木)の朝の様子です。



25日から降り続いた雪で、積雪は10cmを超えました。
道路も除雪されておらず周囲はまっ白!
朝からよいお天気だったので、太陽の光が差すと、目がくらむ眩しさです。

「このまま、まっ白な雪景色が続くといいな」とは思うのですが、この程度の積雪で一日晴れると、案外早く溶けてしまいます。
また、溶けた後はツルツルのアイスバーンになりやすいので、今朝もさっそく雪かきをしました。





小学生の時に廊下で雑巾がけ競争をしたのを思い出します。

みなさんは雪かきしたことありますか?
九州育ちの私としては、雪かきでさえ楽しくなります。

雪が降れば長者原周辺で雪遊びが体験できます!。
長者原ライブカメラで雪の様子について、チェックしてみてください。
↓ライブカメラ↓
http://www.pointscope.jp/cgi-local/env/env2/imageview.cgi

2012年1月26日

徳之島調査報告【奄美地域】

今月初め、5日間の日程で徳之島のアマミノクロウサギ調査に行ってきました!

今回のモニタリング調査では、沢にあるフンの新鮮度や個数を調べます。
なぜ沢で調査するのか?というと、アマミノクロウサギは林道や沢などの開けた場所にフンをする習性があるからです。

胴長・ヘルメット着用で水対策・安全対策ばっちりで、いざ出発!
フンを数えながら沢を登っていきます。

幼獣フンも発見!!

沢の上流部の景色は、とても神秘的でした。


フンを数える石川自然保護官


なんとアマミノクロウサギの姿を見ることもできました!

小さい体で、ゴツゴツした岩を飛び越えて行く姿には、野生の力強さを感じます。
夜行性のアマミノクロウサギに出会えたことは、とてもラッキーな出来事でした。

水深が深いところや滝などに悪戦苦闘しながらも、無事に全日程を終えることができました。
アマミノクロウサギの巣穴を発見したり、いろいろな生き物との出会いがあったりと内容の濃い素敵な5日間となりました。