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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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阿蘇くじゅう国立公園

161件の記事があります。

2021年06月02日パークボランティアとオオキンケイギクの駆除活動を行いました!

阿蘇くじゅう国立公園 姥原悠

阿蘇くじゅう国立公園管理事務所の姥原です。

例年6月に行っているオオキンケイギク駆除活動を今年も実施しました。

オオキンケイギクは北アメリカ原産の多年草で、とても繁殖力が強く、在来植物の生育に影響を及ぼすおそれがあるため、特定外来生物に指定されています。

阿蘇地域では、草原で繁殖しないよう、積極的に駆除活動を行っています。

詳しくは、以下リンクから確認してください。

(参考リンク:九州地方環境事務所 外来生物-オオキンケイギクについて

http://kyushu.env.go.jp/wildlife/mat/m_2_3.html

綺麗な花ですが、繁殖力が強いため根気よく駆除を行なわなければなりません。

オオキンケイギクの花

コスモスやアラゲハンゴンソウ(花の中央部分が茶色い)などがよく似ています。

クワなどを使って根から駆除します。

190kgのオオキンケイギクを駆除しました。

今後も地域の方々に協力してもらいながら駆除活動を続けていきます。

阿蘇地区パークボランティアの会の皆さん、どうもありがとうございました。

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2021年05月31日タデ原湿原野焼きとその後【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 宮本靖之

アクティブレンジャー日記をご覧の皆様、はじめまして。

今年度41日よりくじゅう管理官事務所に着任しました、

アクティブレンジャーの宮本靖之といいます。

今回の日記では着任後はじめての活動となった、

「タデ原湿原野焼きとその後」についてお伝えしたいと思います。

雨天により延期が続きましたが、今年も4月に飯田高原の野焼きが行なわれました。

事務所のそばにあるタデ原湿原も、飯田高原野焼き実行委員会とその協力者たちの力で野焼きが行われ、一面黒に染まりました。

地域に住む方々とお話した際には、

「くじゅうの春の色は黒」、「野焼きが終わってやっと1年が終わり」などの言葉を聞くことができました。

▲野焼き中のタデ原湿原

▲野焼き後のタデ原湿原木道沿い

数日後、植物たちは無事だろうか...

気になって草原に向かいましたがなんのその、

黒い草原からは立派なキスミレが咲いていました。

▲野焼き後の野原に咲くキスミレ

(レッドデータブックおおいた絶滅危惧Ⅱ類)

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ここで少し野焼きのお話です。

野焼きを行わなければ草原はどうなってしまうのでしょうか。

下の写真はタデ原湿原内の一画でみられる光景です。

▲タデ原湿原内の一画

写真左側に見られる林は野焼きで火が入っていない場所です。

このように野焼きを行わない場所は背の高い植物に覆われていきます。

野焼きには低木や樹木が繁茂することを抑制する役割があるのです。

次にお見せするのは林床の写真です。

▲林床の様子

上の写真から分かるように林床には草原に生えているような植物は見られません。

これは低木が繁茂することによって地面に光が届かなくなるからです。

草原で見られる植物は林になると減少してしまうということです。

以上のことから、野焼きは草原を維持する役割を担っているとともに、

草原を生息地とする植物を守ることにも繋がっているのです。

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約1ヶ月後、タデ原湿原の同じ場所で写真を撮影してみました。

見事な緑です。

▲5月に撮影したタデ原湿原木道沿い

また、草原を飾る花にも変化が見られました。

空に向かって一直線に伸びる黄色い花はサワオグルマです。

▲木道沿いに生えるサワオグルマ

野焼きから約1ヶ月。

「野焼きの黒」は「植物たちの緑」となって、季節を繋いでいるように思えます。         

拙い文章ではありますが、これからもくじゅうの大自然とそこに生きる人々の魅力や輝きを伝えていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

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2021年05月18日阿蘇中岳火口1キロメートル範囲内立入り禁止看板を設置しました。

阿蘇くじゅう国立公園 姥原悠

阿蘇くじゅう国立公園管理事務所の姥原です。

5月2日に阿蘇山に火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が発表され、火口から概ね1キロメートル範囲の立入りが禁止になりました。

そのため、阿蘇中岳・高岳への登山をされる方は、迂回ルート(すずめ岩迂回ルート・皿山迂回ルート)をご利用ください。

▲青線の登山道は現在利用いただけません。

火口1キロメートル範囲に立入らないように看板を設置しました。

地面が固く、杭が刺さりにくいため、標柱や岩に引っ掛けるなど工夫しました。

雨と霧が濃く視界が悪い中での作業でしたが、悪天候(降雨時など)で登山道がどの様になっているか状況確認できた、貴重な機会となりました。

中岳山頂付近では風がとても強く、身の危険を感じました。山では突風が吹く場合がありますので、崖には近づかない様にしましょう。

晴れていれば、火口から上がる噴煙や阿蘇カルデラなどが見渡せます。

運が良ければ有明海も見えます。

 

▲4月26日(月)登山道整備に行った際に撮影

立入規制を守りつつ、阿蘇山の登山を楽しんでください。

※噴火警戒レベルがレベル3以上となれば、入山禁止となります。

最新の阿蘇火山火口規制情報はこちら

http://www.aso.ne.jp/~volcano/

阿蘇山登山情報はこちら

http://www.city.aso.kumamoto.jp/tourism/spot/mountain-climbing/

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2021年05月18日猪の瀬戸湿原の保全活動 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 神代拓馬

こんにちは。

5月下旬になり、くじゅうでも暖かい日が多くなってきました。

今回は、猪の瀬戸湿原の話をしたいと思います。

猪の瀬戸湿原は、由布岳と鶴見岳のふもとにある湿原です。ここでは、「猪の瀬戸湿原保全の会」という保護団体が希少な植物が残っている湿原を後世に引き継ぐことを目的として、湿原の維持活動や観察会などをおこなっています。

     猪の瀬戸湿原と由布岳             観察会の様子

私は、約1年この保護団体さんとともに活動に参加していただきましたが、その中でも主な活動を紹介しようと思います。

猪の瀬戸湿原は、人の手が常に入らないと維持できない環境で、放置するとあっという間に森林化して、湿原に生える希少な植物はいなくなってしまいます。そのため、湿原を維持するために野焼きを毎年行っています。野焼きをすることで、森林化の元となる植物や草丈が長い植物がなくなるため、希少な植物が生えてくる環境が整います。

 

                 野焼きの様子

また、この湿原周辺はシカが多く生息しており、サクラソウなどの希少な植物が食べられてしまう被害が発生しています。そのためにシカ防護柵を希少植物が生えている場所に設置し、被害を抑えています。また、冬季を除いた月1回植生調査を行い、シカの食害を調査しています。

      植生調査の様子            シカ防護柵設置の様子

その熱心な長年の保全活動のおかげで、サクラソウやチョウセンスイランなどといった希少植物が毎年見られています。さらにその活動が功を奏し、令和2年に別府市の生物環境保護地区に指定されました。今年度最初の観察会でもサクラソウ群落を見に来る方が多く訪れました。

      サクラソウ              チョウセンスイラン

                サクラソウ群落

今後も野焼きなどの活動が続き、この先も今と同じような景観が見られるように、環境省としても活動に参加してサポートできたらと思います。

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2021年05月12日阿蘇地域のミヤマキリシマ開花状況  【阿蘇地域 藤田】

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 藤田

○ミヤマキリシマってどんな花?

ミヤマキリシマは、九州の標高の高い火山地帯に限定して生育するツツジ。

霧島、雲仙、阿蘇、くじゅう地域の火山活動が活発で植物が育たないような場所に生育しています。国立公園の重要な景観要素のひとつでもあります。

花の時期は、おおよそ5~6月で、ピンクのじゅうたんを敷き詰めたように山肌を染めます。花の大きさは2~3cmのものが多く、ひと枝に2~3個花をつけます。形は、ツツジの花を小さくしたような形です。

色は紫色、紅色、朱色やショッキングピンクなどがあり、また斑点があるものなど株ごとに違いがあります。

【オススメスポット】

◆仙酔峡

およそ5万株あり、見頃は5月上旬~中旬くらいまで。5/10時点の状況は、ほぼ満開で、色鮮やかに咲いています。

まだ蕾みがついている株もあるので、もう少し楽しめそうです。

◆阿蘇山上(古坊中周辺)、烏帽子岳、杵島岳

およそ30万株あり、見頃は5月20日前後~6月上旬頃になります。阿蘇山上は、駐車場から遊歩道を歩いて見て回れます。烏帽子岳や杵島岳は、毎年多くの登山客がミヤマキリシマを見に来られます。

 

※開花状況について

毎年、ミヤマキリシマの葉や花芽を食べてしまう「キシタエダシャク」の発生状況調査を、仙酔峡地区と阿蘇山上地区で実施しています。

今期、阿蘇山上地区の一部では、葉も蕾みも食害が進んでおり、ピンク色の蕾みもあまり確認できない状況でした。調査結果でも開花に影響を及ぼす個体密度を確認したため、開花前に薬剤散布し、駆除を行いました。

今後、散布効果を検証していく予定です。

蕾を食べるキシタエダシャク

食害を受けたミヤマキリシマ

◆阿蘇山上のミヤマキリシマ(令和2年度)の様子

◆高岳(1,550m~)

東峰にはおよそ3万株のミヤマキリシマがありますが、見頃は5月下旬~6月中旬頃の予定です。まだ、蕾みも小さいので、様子を確認しながら、お知らせできればと思います。

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2021年05月10日Aso Nakadake New trekking routes newly opened on April 28th, 2021!

阿蘇くじゅう国立公園 髙江由佳

Hello, I'm Yuka from Aso-Kuju National Park Office.

Mt. Aso Nakadake new trekking routes opened on April 28th, 2021 and the opening ceremony was held at Mt. Aso Visitor Center (Aso Volcano Museum).

Mt. Nakadake is one of the few volcanos in the world where observers can directly look inside the crater, the mountain attracts a constant stream of tourists. On the other hand, when there are restrictions on Mt. Nakadake crater, some trekking routes to Mt. Nakadake and Mt. Takadake are not accessible. Since we now have 2 new trekking routes to Mt. Nakadake and Mt. Takadake, it'll be accessible anytime even under volcanic alert level 2. ※Volcanic alert level 2 means the area within 1km from the crater is off-limits.

Important note: Mt. Nakadake crater can be temporarily closed depending on the volcanic activity. If the volcanic alert level goes up to level 3 and above, you cannot approach the volcano and access to Mt. Nakadake and Takadake will be prohibited.

■Suzumeiwa detour route

On this trekking route, there is a valley called "Suzume no Jōdo" and the rocks nearby look like Suzume (Sparrows). That is how we named this route.

There are rope fences in dangerous areas for you to safely enjoy your walk.

▲Suzumeiwa (Do they look like 2 sparrows?)

▲Rope fences

■Sarayama detour route

Through this route, you will be passing the ridge of Sarayama side. You'll be able to enjoy the whole view of Sunasenri-ga-hama and even see Miyama kirishima (azaleas) bloom during the season.

▲Starting point for detour route

The view from Sarayama detour route

Enjoy trekking Mt. Aso following the restrictions.

Please check the latest restriction information here.

http://www.aso.ne.jp/~volcano/

The latest trekking information on Mt. Aso is here.

http://www.city.aso.kumamoto.jp/tourism/spot/mountain-climbing/

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2021年05月10日阿蘇中岳新規登山道ルートが開通しました!

阿蘇くじゅう国立公園 姥原悠

阿蘇くじゅう国立公園管理事務所の姥原です。

4月28日(水)、阿蘇山上ビジターセンター(阿蘇火山博物館)にて、阿蘇中岳新規登山道ルートの開通式典が行われました。

阿蘇山は火山活動が活発化すると噴火警戒レベルが高くなり、火口周辺の1キロ圏内が立入り禁止になります。規制がかかると周辺の登山道が通行できなくなり、阿蘇中岳・高岳へのアクセスが妨げられます。そこで、規制範囲に立ち入らず中岳・高岳の山頂に登ることが出来る新たな迂回ルートを2本整備しました。

■すずめ岩迂回ルート

  1. ルートの途中にすずめの浄土と呼ばれる谷があり、その周辺にあった岩がすずめに似ていることから、この名前が付けられました。危険箇所にはロープ柵が設置されているので安心して登山を楽しんでいただけます。

▲「すずめ岩」

▲危険箇所にはロープ柵が設置されている。

■皿山迂回ルート

 皿山方面の尾根を経由するためこの名前が付けられました。

砂千里ヶ浜を俯瞰でき、ミヤマキリシマの群生地も通過するため、開花時期には一面ピンクの景色を楽しめます。

▲迂回ルート入口

▲皿山迂回ルートからの景色

立入規制を守りつつ、阿蘇山の登山を楽しんでください。

※噴火警戒レベルがレベル3以上となれば、入山禁止となります。

最新の阿蘇火山火口規制情報はこちら

http://www.aso.ne.jp/~volcano/

阿蘇山登山情報はこちら

http://www.city.aso.kumamoto.jp/tourism/spot/mountain-climbing/

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2021年04月28日パークボランティアと大観峰(だいかんぼう)で春の清掃活動!!!

阿蘇くじゅう国立公園 姥原悠

阿蘇くじゅう国立公園管理事務所の姥原です。

4月18日(日)阿蘇市の大観峰(だいかんぼう)周辺で阿蘇地区パークボランティアに協力いただき、春の清掃活動を行いました。

大観峰(だいかんぼう)は、阿蘇カルデラや阿蘇五岳を一望することができる展望所で、

多くの観光客が訪れる場所であるため、残念なことに周辺の道路沿いではポイ捨てが少なくありません。

風が強く寒い中での清掃活動でした。

拾ったゴミは、種類ごとに分別します。ビンや、あき缶、弁当ガラなどが多くありました。

1時間半ほどかけて、約30kgのゴミを回収することができ、大観峰に訪れる人が快適に過ごせる場所になったと思います。

パークボランティアの皆さま、本当に有難うございました。

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2021年03月30日くじゅうARの仕事についてAPU留学生を案内しました【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 大島 将貴

こんにちは。くじゅう事務所の大島です。

環境省のオフィシャルパートーシップでもある立命館アジア太平洋大学(APU)の留学生に、ARの仕事について説明を行いました。

くじゅう事務所は、上を見れば三俣山、見下ろせばタデ原湿原と最高ロケーションとなっていますので、事務所周辺を散策しながらAR業務について、4つのポイント(見る、学ぶ、歩く、話す)を元に話しました。

当日は天気も快晴で散策日和。

まず始めに、タデ原湿原へ。

とその前に、橋の前でSTOP!ここで1つ目、よく見る!

「ふむふむ。いい橋ですね」という話しではなく、阿蘇くじゅう国立公園には、環境省が管理する構造物や管理道等があり、長者原VC、また園地やトイレ、タデ原の木道などもこれにあたります。細かく言うと管理する物はまだまだたくさんあるのですが、こういった物に危険箇所がないか点検が必要となってきます。日々の巡視でもそうですが、特に大雨や台風後には壊れていないか、危険ではないかと点検が必要です。危険な箇所を発見した際には、管理官に報告、その後の対応を検討しています。これが1点目よく見る!

次はタデ原湿原へ。

タデ原湿原は毎年春に行われる野焼きによって維持されています。

この草原の景色は、3月末に行われる野焼きによって、真っ黒な大地へと変わります。

野焼きを続けていくことで維持される草原ですが、野焼きを行う準備として、延焼を防ぐため森林や建築物との境界に防火帯を作っています。この作業では、斜面の草刈りなどだけではなく、輪地焼きと呼ばれる防火帯に火を入れる作業もあり、多くの労力が必要となります。今後こうした人材をどう確保し、維持していくかという課題があります。

また、昔は、牛馬の餌や敷藁、茅葺き屋根等に使われてきた草原ですが、現在は茅葺き屋根や牛馬を飼う農家の方も減少し、この草原をどう利用するかは草原の保護と平行して草原維持の課題の一つとなっています。

熊本市内出身の私自身こういった事情は、くじゅうでARをするまで全く知りませんでした。日々仕事をしていく中で、学んだことがほとんどです。こういった事を知った上で、国立公園の保護と利用について、業務の中で関わっていくことが多かったので、まずは地域についてよく学ぶことが大切です。2点目のよく学ぶ!

タデ原湿原を抜けると坊ガツルに向かう登山道の登山者カウンターが見えてきました。ここでは環境省の管理する登山道について話しをさせて頂きました。

この先、坊ガツルに向かう登山道含めて、環境省が管理する登山道がくじゅう連山にはあります。日々巡視をおこない、不具合があれば管理官と相談して対応していくというのも大きなくじゅうARの仕事です。

山に行くとなると1日がかりですので、事務所で何か聞かれたときにすぐに現場に行ってみてくるということが出来ません。ですので、私の場合は、何か聞かれてもその場で応えられるように、巡視時に頭と感覚、戻ってからの報告書で、しっかり覚え、書き残すように意識していました。

特に今年は7月に豪雨もあり、くじゅう連山でも被害がでた登山道がありました。この際に地域協議会と連携をして情報収集のために山に入ったのですが、直轄路線を含め普段、登山道を歩いていたため迅速に危険箇所の抽出が行えたかと思います。3つ目はよく歩く!

最後にタデ原湿原内のオオハンゴンソウ(特定外来生物)が繁殖していたエリアに行きました。

写真ではタデ原湿原の他の場所と変わらないように見えますが、数年前まではオオハンゴンソウが繁茂していました。この場所からタデ原湿原にこれ以上オオハンゴンソウを入れないように、地元自然保護団体の方々が駆除を行っており、近年植生が戻りつつあります。駆除については、こちらに過去記事があります。

https://kyushu.env.go.jp/blog/2017/08/post-359.html

なんとこの日は、この自然保護団体の方が、野焼き前のオオハンゴンソウエリアの作業に来られていて話しを伺うことが出来ました。業務を行っていく上で、地域の方々と協力して行っていかなければ出来ないことはたくさんあります。このオオハンゴンソウは、根絶が難しいと言われる中、地域一体となって取り組んだ結果、少しずつ効果が見えてきました。4年前の着任した夏、黄色の花が咲いていたあの風景からすると見違えるようです。

ARは地域の方と現場で共に汗を流す機会が多いので、活動を通して地域の方々と交流を持ち、話しを伺い、今後の課題など管理官と検討していくことはARの大事な仕事の一つです。4つ目は地域の人や管理官とよく話す!

天気にも恵まれ、あっという間に時間となりました。

今年でARの仕事は最後となるのですが、4年間を振り返ると、毎日通勤して、くじゅう連山のそばにいたからこそ見られた景色がたくさんありました。

通勤途中に出会ったフクロウやオオルリ、雲海。大船山から見渡すくじゅうの山々。野焼き後の新緑に包まれる草原。紅葉色づく黒岳。荒天後の澄んだ空気に広がる阿蘇くじゅうの景色。

4年間くじゅうにいて、振り返り、ここは自分にとって好きな場所なんだなということを改めて感じました。ですので、1度来た方も季節を変えて、時間を変えてまたきてもらえたらいいなと思います。

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2021年02月12日やまはくうみはく 【若僧と歩く鎮守の森】

阿蘇くじゅう国立公園 神代拓馬

皆さんこんにちは!

間が空いてしまいましたが、以前話した「やまはく うみはく」の続きを話したいと思います!

次に話すイベントは、【若僧と歩く鎮守の森】です。

このイベントは、国東半島にある両子寺の法嗣、寺田さんから国東の歴史や魅力と両子の山になにを残していくべきなのかを語って頂きながら、両子寺境内を散策しようというプログラムです。

▲最初に寺田さんからの国東の歴史や自身の経歴などを聞きます。

両子寺がある国東半島は、約1300年前に「六郷満山」という宇佐・国東半島の中央にそびえる山々から海岸へ向かって続く、6つの郷一帯にある寺社が開かれ、神様と仏様、自然信仰をどちらも大切にした「神仏習合」という文化を現在まで地域住民が大切にその文化を受け継いでいることを聞きました。

寺田さんは、海外に仏教の伝導師として行ったことも話されて、英語に翻訳されたお経を皆さんで読みました!

話が終わり、寺田さんの案内で両子寺境内を回って行きました。

 

       ▲仁王門                 ▲奥の院

 

     ▲針の耳           ▲鬼の背割

境内を歩くと、針の耳や鬼の背割といった自然景観がある中に、奥の院などの人工物が洞窟にはまって一体化している様を見て、全く違和感がなく神聖な雰囲気を感じました。


 

▲地域住民の皆さんに作って頂いたイノシシ汁と両子米のおにぎり

最後に地元住民の皆さんが、食事を作って待っていてくれました!

イノシシ汁は、地元の方の田畑を荒らすイノシシを地元の猟師さんが捕まえたものです。塩こしょうだけの味付けでしたが、臭みがなく、とてもおいしく頂きました。両子米のおにぎりもお米に甘さがあり、おいしかったです!

寺田さんは、本来の自然林に戻す「両子の森プロジェクト」や自然観察会など、地域を活性化する活動を積極的におこなっており、両子寺を人と人が繋がる交流の場にしたいと話されていました。

その中で環境省としてできることがあれば、一緒に国東半島をさらに良くして行きたいと思います!

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