2021年10月
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2021年10月25日熊本市動植物園のアフリカゾウと阿蘇の草原 【阿蘇地域 藤田】
阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 藤田
こんにちは、つい先日まで真夏日が続いていましたが、急に冷え込み始めたため、週末には冬物を出したり、こたつを出したり寒さ対策をしている阿蘇事務所の藤田です。
10月14日に、阿蘇中岳が中規模噴火し、火口2km以内への立入り規制(レベル3)になりました。
しかし、阿蘇山上ビジターセンター(阿蘇火山博物館)や草千里へは行くことができます。居住地
などへ降灰した地域もありますが、生活には影響ありません。
さて今回は、草原環境学習プログラムを紹介します。熊本市動植物園さんに協力いただき、阿蘇地域の小学校を対象に平成28年から体験学習に取り組んでいます。今年も、阿蘇西小学校4年生28人の子ども達を対象に体験学習を行いました。
事前学習は教室で、環境省より阿蘇くじゅう国立公園の特徴や草原について紹介し、動植物園の獣医の徳重さんと飯冨さんより、H28年度の熊本地震で大きな被害にあって、水の大切さを実感したこと。阿蘇と熊本市は地下水で繋がっていること。動植物園と阿蘇の草原の関わりなどを動物の映像などを交えながら紹介いただきました。
日本中でも、野草を食べているゾウはめずらしく、茅場(草原)が近くにあるからできることです。
ゾウのふるさとのアフリカには約600種類の植物があり、野生のゾウは多様な植物を食べているそうです。阿蘇の草原にも約600種類の植物があり、できるだけ自然に近いものを食べさせてあげたいという飼育員さんの熱意と、阿蘇の牧野組合員さんのご協力の元、草原の野草を約30年以上前から収められています。
阿蘇の野草を食べるゾウ
アフリカゾウのマリーとエリは、普段は、乾燥した野草をたべているので、生の新鮮な野草を食べてもらうために、校区内の草原に移動しました。
特別に許可をもらって草原に入りました。植物観察では、リンドウやウメバチソウなど、約20種類の草花を見つけることができました。
その後は、熊本動植物園に野草を収められている跡ヶ瀬牧野の組合長さんより、草原を維持するために、放牧や野焼き・草刈りなどをしていること。今の時期は、春の野焼きの時に火が森などに燃え移らないように、輪地切りや輪地焼きをしているなどのお話しがありました。
カマの使い方を教わって、草刈りする人・運ぶ人と役割をもって活動しました。
トラックいっぱいの草を積込み、約1aの野草を収穫することができました。
2021年10月25日平戸市若宮浦のカブトガニ【平戸・九十九島地域】
西海国立公園 溝口恵美
こんにちは!佐世保自然保護官事務所の溝口です。
10月6日に、パークボランティア活動で、平戸市若宮浦の干潟で、環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅰ類に指定されている、「カブトガニ」をテーマとして学習会を行いました。
カブトガニという名前を皆さん一度は聞いたことあるのではないかと思いますが、その姿を見たことはありますか??
古代からほとんど変わらぬ姿で生き延びてきた、生きた化石と呼ばれるカブトガニの姿がこちらです。
▼流れ着いていたカブトガニ(死骸)
固い甲羅を身にまとい、ノソリノソリと地を這い、干潟の泥のたまった海底に生息します。
別の成体(おとな)を裏返してみると。。。
お!!!まさに映画に出てくるエイリアンそのものです!!笑
この成体は生きていました!!生きた生体が見つかることはなかなかなないようで、ボランティアの皆さん大興奮!!
恐竜がいる前から生きてきたカブトガニですが、生息地の環境変化により、生息地・生息数共に減少し、絶滅の危機に瀕しているのです。
平戸・九十九島地域の海域はカブトガニにとって、残された、貴重な生息地のひとつなのです。
今回の活動では、カブトガニの幼生(こども)がどのぐらいいるかを調査しました。
カブトガニは、7、8月の大潮の満潮時につがいで卵を生みにやってきます。
卵は、約50日後に孵化し、幼生は引き潮に乗り河口干潟へと移動します。
干潟で脱皮を繰り返しながら成長し、大きくなると沖へと生活の場所を移動させるそうです。
ズブズブと沈んでしまうと抜け出せなくなる、干潟を用心しながら探しました。
私は見つけることが出来ませんでしたが、パークボランティアの方が、5匹の可愛らしい幼生を発見しました。
少し前までは、もっとたくさんの幼生が見られていたらしく、この若宮浦の干潟でもどんどん減っていっているのが現状だそうです。
カブトガニが生きて行くためには、河口域から沿岸の多様な環境が必要とされています。
カブトガニをとおして海の環境を守ることは、そこで生活する様々な生き物を守ることにも繋がっていることを改めて痛感し、まずは多くの方に「カブトガニ」やそこで生活する生き物のことを知っていただくことが、保護活動の一歩だと感じました。
2021年10月19日〈~AR写真展開催 IN 足湯の駅えびの高原~〉
霧島錦江湾国立公園 池田美樹
みなさん、こんにちは。
えびの管理官事務所AR池田です。
すっかり、秋模様になっているえびの高原【霧島錦江湾国立公園霧島地域】。
ススキがとてもきれいです。今年は夏の長雨のおかげなのか?ススキの勢いがすごいですよ!
この写真は、えびの高原のつつじヶ丘で撮影したススキです。
とってもきれいですよね。
日頃お仕事等で忙しい日々を過ごしていらっしゃる方々にも、休みの日は気分転換にこのきれいな景色を見に来ていただき、心のエネルギーチャージをしていただければと思います。
「えびの高原つつじヶ丘」ススキ♪の様子
【雲、秋空、赤松、ススキ】
写真は、10月8日(金)に撮りました。
時間帯は、お昼時間の12時。
撮影時間約10分程度でした。
ここ最近は、天気が良いのでピクニック広場の利用も
みられます。
つつじヶ丘は、周回できるので良い散歩コースに
なりますよ。
車は、えびのエコミュージアムセンターの駐車場に
駐車して、ゆっくりと散策してみませんか?
心も体もリフレッシュ!!
【韓国岳をバックに撮影】
さて、さて、タイトルにも書いていますが、今回は環境省九州地方環境事務所主催の
【2021環境省アクティブ・レンジャー巡回写真展】についてご紹介いたします。
8月に佐世保の九十九島ビジターセンターからスタートしたアクティブ・レンジャー写真展は、
ただ今、宮崎県えびの市のえびの高原内にある【足湯の駅えびの高原】にて開催中です。
約30点の写真を展示しております。
えびの高原での開催期間は、10月31日(日)までです。
【足湯の駅えびの高原で展示している様子を一部ご紹介♪】
みなさんこんにちは。石垣自然保護官事務所の江川です。
10月に入り、長らく出ていた緊急事態宣言がやっと解除になりました。
宣言下の5月中旬から9月の末までは当事務所の施設、国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターは閉館していました。その間は遠足などでの施設見学やインターンシップの受け入れを中止していましたが、再開できるようになりました。
10月初旬に早速、九州大学よりインターン生がやってきて、10日間の研修を終えました。今回はインターン研修の様子をご紹介していきます。
▲国立公園巡視中のインターン生
久しぶりのインターン生ということもあってか、とても充実した研修となっていました。
ここで、石垣自然保護官事務所で行っている業務について簡単にご紹介します。
・国立公園の巡視
・希少種の保全(希少種の救護、パトロール等)
・外来種対策
・ビジターセンターの管理(当事務所で管理しているのは、竹富島と黒島にある施設)
・サンゴの自然再生事業
・ウミガメの繁殖地となる砂浜保全のための海岸清掃
・普及啓発活動(子どもパークレンジャー事業等)
・イベントの開催や施設内での企画展 ...など
研修に関わっていたのは、この中でほとんどではないかというほど多くの現場を経験されていました。
インターン生は生き物の中でとりわけ鳥とトカゲが好きなのだそうです。幸運にも研修期間中に、1週間ほど前にケガにより保護されていたカンムリワシが回復し、放鳥の場面に立ち会うことができました。カンムリワシは石垣島、西表島にしかいない希少種で交通事故による傷害や死亡が問題になっており、救護活動を行っています。
また、10月は昆虫採集がさかんなシーズンのため、地元の方々と協力しながら希少種の出現調査と利用者に対しての普及啓発を行う夜間の希少種パトロールを定期的に行っていますが、こちらにも参加。積極的に参加しつつ、夜に生き生きと活発に動くハブやコウモリに出会うことができ、ナイトサファリのようだと楽しんでいる様子でした。
マングローブ林と干潟が特徴的な名蔵アンパルでは、カヌーに乗って外来植物であるナガエツルノゲイトウの現地確認を行いました。残念なことに、新たに繁茂している場所が確認されたようです。インターン生も現場での緊迫した雰囲気を肌で感じているようでしたが、今後早急な駆除対策が必要となります。
国立公園の巡視として、石垣島島内、離島の黒島にも行きました。石垣島島内だけでもマングローブ林や山頂、海岸など景観が美しい場所が様々あります。中でも川平湾の景色に感激している様子でした。インドネシアからの留学生で故郷にも似た観光地があり、それを思い出したそうです。(秘境のため実際に足を運んだことはないようなのですが、観光ガイドブックなどでよく目にするようです。)
その他、研修期間中に開催された北部地域の地元の子どもたちを対象とした自然にふれあう活動や、現在開催されている特別展示「外来カエル展」の設営などにもお手伝いいただきました。様々なタイミングが重なり充実した内容となりました。
私が印象に残っているのは、最後に行われた実習のふりかえりの発表会です。
10日間というわずかな期間で様々な現場に行き、目にしたことを自分なりに消化し、自然保護のために自分には何ができるのかを熱心に考えていることが伝わってきました。
▲発表会の様子。所内全員で参加しました。
<環境省インターンシップ制度>
インターンシップ制度について詳しくお知りになりたい方は以下のページをご参照ください。
http://www.env.go.jp/info/internship/
問い合わせ先:環境省大臣官房秘書課
(連絡先電話番号:環境省代表3581-3351)