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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

出前授業を実施しました! 【屋久島地域】

2018年07月19日
屋久島国立公園 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

 

6月と7月に屋久島町立八幡小学校で出前授業を実施しました。

 

八幡小学校では平成20年から毎年4年生を対象に授業を実施していますが、一昨年3、4年生が複式学級で3年生も授業を受けたため、その子ども達が4年生になった昨年は授業がありませんでした。

そのため2年ぶりの授業でした。

 

1回目と2回目は教室で国立公園や世界遺産、レンジャーの仕事や屋久島が抱えている問題などをお話ししました。

○×クイズや中身当てゲームをしたり、ヤクスギやウミガメの標本を見てもらうなどして、楽しみながら学んでもらいました。

 

教室で授業する様子

▲教室授業の様子。

お話し好きな子が多く、授業の途中でも「あれ知ってるよ!」「これは○○なんだよ!」と児童自ら話し始めてしまうことが多々あり進行に苦労しましたが、全員参加型の授業ということで私も楽しみました♪

 

3回目は屋久島国立公園でもある栗生塚崎海岸に出かけて、海の生き物探しやレンジャーの仕事体験をしてもらいました。

この日は梅雨明けが発表された日でカンカン照りの猛暑でしたが、皆元気にザブザブ海に入って夢中で生き物を探しました。

 

タイドプールで生き物採集をする様子

▲タイドプール(潮だまり)で生き物探しをする様子。ズボンが濡れても気にしない!

 

ビンゴゲームをしながら生き物探しをする様子

▲生き物探しはビンゴゲーム形式で、ビンゴシートに書かれた生き物を班で探してもらいました。

魚、ヒトデ、ナマコ、貝、カメノテ、オカヤドカリ、カニなど、沢山の生き物を見つけることができました。

 

ウミガメ産卵シーズンということで、上陸、産卵跡も見てもらうことができました。

 

ウミガメが掘った穴を観察する様子

▲ウミガメが卵を産むために掘った穴を見学する様子。大きな穴に皆びっくりしていました。

浜のどんな所に卵を産んでいるか児童に問いかけると、波打ち際から一番遠い場所を選んで産んでいることに気付きました。

どうしてこんな場所に産むのかな?

ここでふ化した子ガメは海に帰る時どんな試練があるだろう?

産卵環境を実際に見ることで、色々な考察ができました。

 

またレンジャーの仕事体験として、海岸の入口にある環境省の看板を清掃してもらいました。

 

看板清掃をする様子

▲看板清掃の様子。雑巾でゴシゴシ磨いてもらいました。

「レンジャーはこんな仕事もするんだね!」と驚いていました。

 

教室に戻ってから、浜で採集した貝殻の標本作りをしました。

 

教室で貝の標本作りをする様子

▲標本の作り方を説明する様子。

 

最後は海岸で見つけた生き物や海岸の魅力をマップにしてもらいました。

 

海岸マップをつくる様子

▲海岸マップ作りの様子。

マップ作りを通して活動をふりかえることで、栗生塚崎海岸は沢山の生き物が暮らす自然のままの美しい海岸であることに気付きました。

そして、もし砂浜がコンクリートで固められたら...、タイドプールが埋め立てられたら...、今日見つけた生き物達はどうなってしまうだろう?オカヤドカリやスナガニは生きていけるかな?ウミガメは卵を産めるかな?サンゴは?カメノテは?

と、考えを発展させることもできました。

 

最後に一人ずつ子どもレンジャー認定証を授与しました。

今後は子どもレンジャーとしてもっともっと屋久島の自然について知り、自然を守るために何ができるか考えて、行動に移してもらいたいと思います。

 

次回は秋、最終授業です。