ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2016年11月

11件の記事があります。

2016年11月30日九州特産物リレー11月 ~「椿」東の大島、西の五島~

西海国立公園 五島 竹下洋子

 こんにちは!五島自然保護官事務所の竹下です。毎月リレー形式で「その土地ならではの特産物」に関する日記を掲載していますが、11月の五島編では椿を紹介します。「東の大島・西の五島」といわれるほど五島列島は日本有数の椿の産地で、各地に椿の自生林や植林が多くみられます。椿の原始林は久賀島(ひさかじま)東岸の長浜にあり、広さ約1ヘクタールの長崎県指定天然記念物です。椿は長崎県の県木、新上五島町の町木・花、五島市の花木で、和名をヤブツバキといいます。花が散った後、椿実(五島ではカタシと呼びます)は9月初旬ごろまで成熟するため、1本の木に数個の口割れの実が出始める中旬過ぎから至る所で収穫風景を見かけます。


左:濃紅色が特徴のヤブツバキ

右:口割れした椿実に詰まった種

 かつて集落ごとにあった小さな製油所は機械等による効率化で集約され、現在 福江島には4つの製油所があります。製油所では圧搾機で搾油しますが、家庭にある器具でも手軽に椿油を作ることができます。修学旅行生や観光客等を対象とした椿油作り体験教室に私もスタッフとして参加しました。参加者は種を細かく砕くのにかなり時間を要しましたが、いくつかの工程を経た油が完成間際一気に白く変わった瞬間、ウォーッと歓喜の声があがりました!耐熱容器に注ぐ一番搾りのツバキ油は、黄金の雫のようにキラキラ輝いていました。この日の夕食は、五島の新鮮な魚介と椿油を使ったパエリアです。

  

初めて椿油作りを体験する子ども達。搾りたての椿油は炒ったナッツのような香りがしました。

 椿油は、昔から頭髪用・燈用・食用・石鹸原料・艶出し用・刃物錆止等さまざまな用途に使われてきました。椿油は、善玉コレステロールを減らすことなく悪玉コレステロールを減らす作用があるオレイン酸の含有量が85%とオリーブオイルを大きく上回ります。椿油を使った製品のうち、当地では遣唐使の時代に大陸から伝わったといわれる「五島手延べうどん」がお薦めです。五島手延べうどんは、五島列島特産の椿油で生地を延ばし島の良質な海塩を使い潮風による自然乾燥を行いますが、細く手延べしてもコシが強くつやがありのびないのが特徴です。上海テレビ祭のドキュメンタリー最高賞のマグノリア賞を受賞した「五島のトラさん」でも製造工程が紹介されたので、ご存知の方もいるかもしれませんね。


左:様々な用途に使われる椿製品

右:細くてコシのある五島手延べうどん

 西海国立公園鬼岳の中腹に位置する五島椿園には約3000本(約270種)のツバキが植林されているため、様々なツバキを花期に応じて長期にわたり鑑賞できます。椿の蜜を吸いにやってくるメジロも見られ、自然の豊かさを間近で感じることができます。ヤブツバキの中でも傑出して愛好家に好まれているのが、「玉之浦」という椿の種類です。玉之浦町の山中で発見されたこの椿は、ヤブツバキの突然変異で花弁に純白の縁取りがあり、深紅の花が満開の時期に潮風に吹かれて咲くさまは何ともいえない美しさがあります。以前は、幻の椿とまで言われてきましたが、今日では挿し木や接ぎ木でかなり普及するようになっています。

  


左:白く清楚な五島の銘花「久賀白(ひさかしろ)」

右:濃紅色に白覆輪のコントラストが美しい「玉之浦」

 ヨーロッパの教会ではバラの花が飾られますが、五島では教会のステンドグラス等に椿の花・葉・実があしらわれており、古くから島の人にとって生活や信仰の上で身近な植物だったことを教えてくれます。これからだんだんと気温が下がり冬らしい季節になってきますが、そんなときに凜とした赤い花を咲かせる椿を見ると、背筋がピンと伸びます。みなさんも、ツバキを五感で楽しんでみませんか!

 12月の特産物リレーは、屋久島の水川さん、野生生物課の古賀さんにバトンタッチです!

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2016年11月30日H28年度「イリオモテヤマネコと希少動物たちを守ろう 絵画コンクール」表彰式

西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 日名

今年も絵画コンクールを開催し、11月22日に入選作品の表彰式を行いました。

今年のテーマは、「人とヤマネコが共存できる町~守ろう!竹富町の野生動物~」でした。

【共催の(一社)沖縄県建設業協会八重山支部 支部長の祝辞】

竹富町の小中学校から28点の応募があり、14作品が入選しました。

応募いただいた皆さん、ありがとうございました。そして、入選した皆さん、おめでとうございます!

【絵に込めた思いの発表】

表彰式では、(一社)沖縄県建設業協会八重山支部より表彰状と副賞が、八重山地区交通安全協会西表島東部支部から記念品が贈られました。

最優秀・優秀賞の皆さんには、絵を描いたときの気持ちや願いなどを発表してもらいました。

【最優秀作品が貼られた大看板の前で記念撮影】

入選作品が、大原港ターミナルで11月21日から1月13日まで、全ての作品が西表野生生物保護センター視聴覚室で1月13日から1月31日まで展示されます。

個性豊かで思いのこもった力作をぜひ見に来てください。

【大原港ターミナルでの展示の様子】

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2016年11月29日九州特産物リレー11月 ~おいしい温泉の恵み~ 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

こんにちは。

くじゅうでは先週霧氷が観測され、霜も降りるようになり、すっかり冬です!

今回の特産物リレーでは、阿蘇くじゅう国立公園・くじゅう地域の、温泉が豊富なこの土地ならではの恵みについて紹介します。

みなさん、温泉料理といったら何を思い浮かべますか?

温泉卵?

温泉まんじゅう?

もちろんこの2つもおいしいのですが、実は江戸時代から行われている温泉を使った料理方法があります。その名も、地獄蒸し。

「地獄」といっても「あの世」のことではありません。火山地帯、温泉地などで噴煙や湯気が絶えず立ち上っている場所のことです。別府の地獄巡りは有名ですよね。

小松地獄(九重町)。地面から蒸気が出ています。卵を持って行けば蒸し卵が作れます。

地獄蒸しとはズバリ、地獄で蒸した料理のこと。

くじゅう地域には地獄蒸しのできるところがいくつかあるので、私も、家にあった食材で地獄蒸しを体験してみました!


別府・鉄輪温泉の蒸し場

今回利用したのは涌蓋山山麓の「岳の湯」という地域の共同蒸し場(熊本県小国町)。

この岳の湯、地面からもうもうと蒸気が上がっていて、地域一帯がゆけむりに包まれていました。大地のエネルギーを感じずにはいられない場所です。

岳の湯  そこかしこから湯気が吹き出ています

受付を済ませ、蒸すために必要な道具を借ります。蒸し場に食材を入れたカゴを置き、上にむしろで蓋をし、待つだけ・・・。


暖かい蒸気に当たりながらしばらく待っていると・・・・・・

10分後には蒸し卵が、30分後にはホックホクのふかしイモができました!!!

大分県特産のしいたけもぷりぷりに♪ イモはとっても柔らかくて最高でした!

手軽に体験できるのも魅力ですが、筋湯という地域(九重町)はこの地獄蒸し料理が有名です。「極楽温鶏(ごくらくおんけい)」といって、鶏まるごと一羽を地獄で蒸すのです。脂が落ち、水溶性ビタミンなどの栄養素はとじこめられるので、とってもヘルシー!

今回話を伺った方によると、筋湯では戦後の食料の少なかったときから、特別な日の「ごちそう」として食べられていたそうです。(ちなみに別府では地獄蒸しは江戸時代から食べられていたという記録があります)

極楽温鶏。鶏の中には野菜が詰まっている (写真提供:九重町)

特産「物」ではありませんでしたが、浸かるだけではない温泉の恵み、みなさんも味わってみてください!!


【くじゅうへお越しの方へ】

標高約1000mの長者原ではすでに霜が降りるようになり、天候によっては路面が凍結する季節となりました。運転の際には事前に道路情報を確認し、チェーン等の準備をお忘れなく。また登山の際はアイゼン(軽アイゼン)を忘れずに!

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2016年11月17日島の小学校で出前授業!【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

今年島内の3つの小学校で合計11回の出前授業を実施し、小学生のみなさんに国立公園や世界遺産、屋久島の自然について学んでもらいました。

今回の日記は、今年実施した出前授業(野外)についての報告です!

 

教室授業の様子はコチラ↓(7月16日のアクティブレンジャー日記)

http://kyushu.env.go.jp/blog/2016/07/post-214.html

 

今年の野外授業は、田代海岸や栗生海岸、西部地域へ行きました。

どこも屋久島国立公園で、西部地域は世界自然遺産地域でもあります。

 

田代海岸では、自然に親しむゲームをしました。

流木やサンゴなど、海岸に落ちている自然のものを集めてまっすぐつなげて長さを競うゲームです。

 

流木やサンゴをまっすぐつなげて長さを競っている様子

▲ゲームの様子。長いものを集めた方が有利になるゲームですが、どんなゲームをするのかは秘密にして集めてもらったので、集まったものは大小様々。

貝殻や小さなサンゴを集めた班は短くなってしまい、まっすぐにつなげるのにも苦労していました(^^;

集めたものは、ゲーム終了後に元の場所に戻してもらいました。

   

田代海岸には屋久島町の天然記念物になっている枕状溶岩があります。

この枕状溶岩は、はるか昔海底で噴出したもので、プレートにのって運ばれてきたと考えられています。

枕状溶岩の観察を通して、屋久島の地形や地質の面白さを学びました。

  

枕状溶岩の説明をメモする様子

▲枕状溶岩の説明をメモする様子。

 

またレンジャーのお仕事体験として、海岸調査やゴミ拾い、看板清掃をしてもらいました。

 

看板清掃をする様子

▲看板清掃の様子。手の届かないところは肩車をして隅々まで磨いてくれました!

 

浜で貝殻を採集し、標本作りにも挑戦しました。

 

完成した貝の標本

▲完成した貝の標本。色んな種類の貝があり、屋久島の海の豊かさを実感しました。

 

西部地域では、動植物を観察しました。

林内や林道にはたくさんのサルやシカがいて、じっくり観察することができました。

 

林内のサルの群れを観察する児童の様子

 

林道にいたサルの群れと小学生を乗せたバス

▲林内と林道にいたサルの群れ。バス車内からも観察できました。

 

また、落ちているサルとシカの糞を拾って沢で洗い、内容物を比べてみました。

サルの糞からは植物の種子がたくさん出てきて、シカの糞からは葉の繊維や少量の種子が出てきました。

「サルは木に登ることができるからシカよりたくさん実を食べられるんだ!」と、子ども達なりに糞の違いについて考えていました。また、植物は動物に実を食べてもらうことで種子を遠くまで運んでもらい、動物は植物から栄養をもらっていることにも気づきました。

 

フンの中身を観察する様子

▲糞の中身を観察する様子。

 

西部地域は、世界自然遺産になった理由の一つ、植生の垂直分布が残っている地域です。亜熱帯の海から冷温帯の山の上まで、植物が途切れることなく生えている様子を観察しました。

 

植生の垂直分布を観察する様子

▲植生の垂直分布を観察する様子。

 

西部地域で起きているシカの問題についても学びました。

 

植生保護柵内で林床植生を観察する様子

▲植生保護柵の中と外の違いは歴然!?柵の外には下層植生がありません。

これは、増えすぎたシカが植物を食べてしまっていることが原因です。

 

さらに、今年は出前授業を実施した1校から授業参観の講師に呼んでいただきました。

授業参観前の出前授業で栗生海岸へ行き、様々な生きものを見つけて海岸マップを作ったので、授業参観ではそのマップを使うことにしました。

テーマは「生きものどうしのつながり」です。

海岸マップの生きもの達が何を食べるか考え、エサになる生きものに糸を引いてもらいました。

 

生きものの絵にピンを刺し、糸をつなげる様子

▲生きものの絵にさしたピンに、糸を結んでつなげていきました。

 

完成した生きもののつながり

完成した生きものどうしのつながり

完成した生きものどうしのつながり

▲完成した生きものどうしのつながり。海岸で見つけた生きもの達は、複雑につながり合っていることがよく分かりました。

最後は、地球上から生きものが一種いなくなったらと仮定し、生きもののピンを一つ外してみました。

すると、それをエサにしていた生きものにつながり、その生きものもいなくなって...と、ほとんど全ての生きものがつながり合っていて、ピンが抜けていなくなってしまいました。

 

ピンを抜く様子

▲ピンが抜けていく様子。生きものどうしのつながりを知り、たくさんの種類の生きものがいることの大事さやそれらの生きものが生きていける自然環境の大切さを学びました。

 

授業を通して、屋久島の自然について知り、豊かな自然を体感してもらえたと思います。

レンジャーの仕事体験から、自然を守る取り組みについても理解が深まったのではないでしょうか。授業の最後に「環境省の職員になるにはどうすればいいですか?」と聞く児童もいて嬉しかったです!

今後も島の子ども達に屋久島の自然を大切にしたいと思ってもらえるような授業をしていきたいと思います。

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2016年11月17日パークボランティア活動報告!【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

11月中旬になりましたが、昼間は24度ほどで朝晩も20度前後あり、まだ暖かい屋久島です。

そんなぽかぽか陽気の中、屋久島国立公園パークボランティアの会でヤクスギランドの看板清掃をしました。

ヤクスギランドの散策コース内には、植物説明看板やコース案内看板など大小様々な看板がいたるところに設置されています。

全コースの看板を綺麗にするため、3班に分かれて班ごとに担当するコースの看板を一つ一つ丁寧に磨いていきました。

 

清掃前の看板と清掃後の看板

清掃前の看板と清掃後の看板

▲大きな看板は2~3人で太刀打ち!コケが落ちた看板は真っ白で、森の中でもよく目立つようになりました。

 

小さな看板を清掃する様子

▲小さな看板も抜かりなく!

 

川でお弁当を食べる様子

▲作業後は3班揃ってお弁当♪美しい自然の中で食べるご飯は格別でした。

ヤクスギランドに行かれる方は、ぜひ看板にも注目してみてくださいね♪

 

2016年のパークボランティアの清掃活動は今回で終わりです。

今年は雨天等で中止になってしまう活動が多かったですが、最後は気持ちのいい天気の中で活動できたのでよかったです!

今年度の活動は来年3月の外来種駆除活動でラストです!

次回もよろしくお願いします。

みなさん、お疲れ様でした(^^)

 

集合写真

▲最後にみんなでハイ、チーズ!

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2016年11月17日西海国立公園平戸・九十九島地域子どもパークレンジャー

西海国立公園 佐世保 佐伯信吾

西海国立公園平戸・九十九島地域子どもパークレンジャー

「九十九島あそびたい」実施

10月14日(金)、環境省子どもパークレンジャー事業の一環として赤崎小学校3年生の児童を対象に、総合的な学習の時間を活用し長尾半島で自然で遊ぶ会(あそびたい)を実施しました。

レベルブックに添付された長尾半島の地図

長尾半島は、西海国立公園の表玄関、鹿子前集団施設地区の一角にある無人の半島です。また、赤崎小学校は、児童の縄張りにあります。地域の豊かな自然とそこに棲息する動植物と友達になり、自分達の遊び場が国立公園であることを認識して西海国立公園を故郷自慢にすることを目的として実施しました。

植物は、シャリンバイ、ツクシハギ、ネジキ、ホルトノキ、クスノキ、カノコユリ(佐世保市の花)等が自生する他、北九十九島を自然分布北限とする稀少なハマジンチョウやハカマカズラ、ハマオモト、ハマボウ、ハマゴウ等の当地の海岸植物があります。

長尾半島に自生している佐世保市花のカノコユリ

観察会は、児童達にできるだけ考えさせるという手法で進められました。

集合場所の駐車場では、落ちているドングリを手に取り表面の小さな穴を見つけさせ、この仕業は昆虫のオトシブミ科のハイイロチョッキリだということを教えて中を見せると児童達は自分で幼虫を探すため歯で実を割り中身を確認していました。早速、この日環境省からプレゼントされたユポ紙のレベルブック(水に濡れても字が書ける特別なフィールドノートで長尾半島の地図や図鑑付き)にメモやドングリの絵を描いていました。

濡れても字が書けるレベルブックを環境省が児童にプレゼントレベルブックに長尾半島の植物図鑑を添付歩き始めるとヌルデの虫こぶ発見、虫こぶは何が変化したものかと児童に尋ねると「葉っぱ」と元気よく答えが返ってきました。虫こぶが出来る原因は、アブラムシの一種の仕業。虫こぶの粉と鉄錆を混ぜてお歯黒の原料にしていたことなどの話もしました。(お歯黒:平安時代貴族の間で男女共に歯を黒く染める風習で成人を意味するものであったらしいです。また、歯に塗布することで虫歯の予防等の効果もあったとのこと)

ヌルデミミフシの中身ヌルデミミフシを手に持って説明海岸では、絶滅危惧種のドロアワモチを発見。児童達は手のひらに置き、奇妙な生き物に関心をよせていました。ドロアワモチについて、殼は持っていないが貝の仲間、干潮の時に干潟に出てきて潮が満ちて来ると肺呼吸のため潮の来ない岩陰に潜む、干潟の表面を泥ごと食べて栄養分を吸収し他は排出する、だから移動の跡に見られる線状のものは糞、この生き物も絶滅が心配されていること等の説明にびっくりしました。

干潟を移動するドロアワモチ(手前がおしりで先が頭)歩道法面に15センチ位の大きなヤマナメクジも登場。児童達に講師が天敵はと尋ねると「マイマイカブリ」と直ぐ児童の一人が答えたのには誰もが感心していました。手にとって体の表面を覆っている粘膜に触れさせると粘着力に驚き、接着剤のようだとビックリしていました。(ヤマナメクジ:カタツムリと同じく陸産貝類の一種。)このような体験をできることが、野外学習の最大メリット。シナリオに無い生き物達の出現に一喜一憂しました。

大きなヤマナメクジチガヤの葉を使って草笛も鳴らしました。各々が違う音色を出したりまた全く出せない児童は葉っぱを持ち替えたり取り替えたりと試行錯誤しながら手作りの楽器を楽しんでいました。

また、展望台から見える景色を通して佐世保の今の地形の成り立ちを講師が描く絵を見ながら確かめてもらいました。

終盤、半島内のネムノキをクラスの木として決めたもので、今後この木の幹周

りを定期的に計測したりすることで半島への愛着も更に深めてもらいたいです。

今回、児童達にふるさとの自然の大切さ等を学ぶまたとない機会を提供できたと思います。

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2016年11月16日九州百名山~七ッ岳登山にチャレンジしよう!~

西海国立公園 五島 竹下洋子

 こんにちは!五島自然保護官事務所の竹下です。10月30日(日曜)、ふれあい事業として毎年実施している七ッ岳(ななつだけ431.1m)登山に私もスタッフとして参加しました。開催の数日前、安全確認のため登山ルートを事前調査し、台風等の影響による倒木等の処理を行いました。

左:登山道を遮る倒木の処理

右:登山道の急峻な岩場

 九州百名山に選定されている七ッ岳は、7つの岩峰が連なる鋸歯状の山で、荒川方面から七嶽神社へ向かう九州自然歩道からもその美しい姿を見ることができます。標高はあまり高くないものの山頂に近づくにつれアップダウンが多い登山道には急峻な岩場もあります。そのため、出発地の七嶽神社で参加者に対し、岩場での基本姿勢である三点支持等自然保護官から注意事項を説明しました。


左:荒川方面から望む七ッ岳

右:出発前の注意点事項説明

 旧七嶽神社奥殿へ続く参道は、石段を登るほどに間隔や奥行が狭くなるため1段1段足元を確かめながら進みます。父ヶ岳登山道との分岐点から七ッ岳山頂方向へ暫く登ると左右が樹林に覆われた比較的歩きやすい道が続きます。単調な道ですが、地面や岩肌をよく見ると見逃してしまいそうなくらい小さなシダ類・ラン類等の葉が見つかることもあります。今では九州百名山に選ばれたこともあり登山者も多くなりましたが、昔はミサゴの巣を山頂に近い岩壁で確認できたそうです。


左:旧七嶽神社奥殿への石段

右:登山道で見かけたウンゼンカンアオイ

 七ッ岳は、岩場登りや稜線歩きが中腹あたりから続きます。ここ最近少しずつ朝晩の気温が下がるものの日中は秋らしい清々しい日差しも射すため、登り道では羽織っていた上着を一枚脱いだり、袖をまくったりと衣類で調整しながら進みます。樹林に覆われた登山道から急に木々に隠れていた前方が開け、目指す山頂方向や玉之浦湾を見渡すことができ、参加者の中には初めて見る景色に歓喜の声をあげていました。


左:樹林に覆われた登山道を進む参加者

右:山頂付近より望む玉之浦湾

 七ッ岳山頂からは、東に福江島の米どころ山内盆地、西に五島列島の代表的な国立公園区域である玉之浦湾の大パノラマを眼下に見渡すことができます。

 参加者の方から、枝の幹半分がまるで白いペンキが剥げかけたように何かが白く付着した不思議な枝を拾ったと見せてもらいました。おそらくカビか地衣類が枝についたものと思いますが、ご存知の方はいらっしゃいますか。


左:山頂での昼食は最高!

右:白い何かが付着した枝

 下山後に参加者に行ったアンケートでは、「登山に興味はあるが1人では不安なので、このイベントに参加して七ッ岳の魅力を体験できて良かった。」等の声を聞くことができました。山に花が咲き始める春ごろ、一味違う景色を楽しめるかもしれません。みなさんも「七ッ岳登山」にチャレンジしませんか!

七ッ岳山頂で記念撮影(後方は山内盆地)

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2016年11月13日開聞岳

霧島・錦江湾国立公園 鹿児島 前平理恵

開聞岳登山道の巡視に行ってきました。

9月の台風の影響で倒木がたくさん見られましたが、地元の方々の御努力のおかげで、登山道もだいぶ歩きやすくなっていました。

フォトフレームのような根っこの輪っかを見つけました 鮮やかなカラタチバナの実に元気づけられます。

【根っこのフォトフレーム見つけました】    【鮮やかなカラタチバナの赤い実に元気づけられます】

開聞岳はきれいな円錐の形をした、一見とんがり帽子のような山ですが、2回の噴火を経て現在の形になった2段式火山です。1回目の噴火が約4000年前。2回目の噴火が約1000年前。よく見ると8合目付近にボコッとした境目があり、麓の方と山頂では地質も異なります。

            山の上に山が乗っかっている2段式火山

                 【山の上に山が乗っかっている2段式火山】

   麓付近はボロボロした地質 山頂付近はゴロゴロした岩場

         【麓付近のボロボロした地質】        【山頂付近のゴロゴロした岩場】

また、開聞岳の登山道は山をぐるっと旋回しているので、海を横目に歩くことができます。

山から見る海は、空の青と海の青で気分爽快です♪

このまま飛び込んでしまいたいさわやかさ♪【このまま飛び込んでしまいたいさわやかさ♪】

山頂には鳥居があります。開聞岳はこの地域の山岳信仰の御神体とされ、麓にはこの鳥居を奥宮とした神社があります。「枚聞(ひらきき)神社」という神社ですが、開聞岳も元々は「ひらききだけ」と呼ばれていたそうです。

 山頂の御嶽神社 後ろに開聞岳の頭が見える枚聞神社

    【山頂の御嶽神社】           【後ろに開聞岳の頭が見える枚聞神社】

今回、木道やロープの補修を数カ所行いましたが、はしごの補強という次回の課題も見つけました。

これから空気の澄むシーズン。次はパキッと澄んだ頂上からの景色をお届けしますね。

山頂はかすんでいましたが、空気の層がきれいでした。 【山頂はかすんでいましたが、空気の層がきれいでした】

山頂から見る池田湖【山頂から見る池田湖】

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2016年11月10日出水にツルがやってきました!

出水 本多孝成

 みなさんこんにちは!

 出水自然保護官事務所のアクティブレンジャー、本多が今の出水の様子をお伝えします。

 ここ、出水市は薩摩半島の北部に位置し、ツルの集団越冬地として毎年10月から翌年3月にかけて、合計1万羽を超えるナベヅル・マナヅルが飛来してきます。もう既にニュース等でご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、今季も無事、10月20日(木)に9羽のナベヅルが初飛来しました。また、11月1日にはツル観察センターがオープンし、出水のツルシーズンの本番を迎えたところです。

 今回は、ツルの飛来地である出水平野の様子を、簡単ではありますが紹介いたします。

ナベヅルの家族の写真 荒崎上空を舞うツルたち

※左:ナベヅルの家族(左の個体は幼鳥)

 右:上空を飛行するナベヅルたち

 出水平野で一番個体数が多いのがナベヅルです。ナベヅルは、体の灰黒色が鍋の底のススを想起させることから、「ナベ」ヅルと呼ばれるようになったそうです。現在は飛来数も増加し、出水平野のあらゆる場所でみられるようになってきました。

 左の写真のように基本的には家族単位で行動し、3,4羽程の群れの中に2羽の成鳥と1,2羽の幼鳥で家族群を構成しています。

居残りマナヅル マナヅル第一陣 

※左:東干拓にいる越夏したマナヅル

 右:今季の第一陣マナヅルたち

 ナベヅルの次に個体数の多いものがマナヅルです。マナヅルより一回りほど大きいツルです。左の写真は、昨シーズンに飛来してきたマナヅルですが、翼の一部を痛めてしまったようで、北帰行できずに1羽で越夏しました。

 東干拓の風景 特別保護地区を舞うツル※左:ツルが飛来する出水平野の風景(東干拓)

 右:特別保護地区の上空を飛ぶツルたち

 次に、出水・高尾野鳥獣保護区内(842ha)にある特別保護地区(54ha)がどのように管理されているかを紹介したいと思います。特別保護地区は出水・高尾野鳥獣保護区の東に位置する東干拓にあります。

 特別保護地区では3から10月まで稲作が行われていますが、毎年、ツル類の越冬を迎える11月より環境省がツル休遊地として農家さんから土地を借りています。また、鹿児島県ツル保護会の監視員や巡視員の方々によって毎日ツルのパトロールが行われています。

特別保護地区ネットはりつけ作業 特別保護地区ネットはりつけ作業2 

※左・右:防鳥ネットを張る作業の様子

 毎年10月になるとツル越冬の準備が始まり、特別保護区内にある休遊地に人が立ち入らないよう防鳥ネットが張られます。こうしたネットを張る作業も、地元の人たちが主体となって行っています。私もお手伝いさせて頂きましたが(左の写真)、竹で出来た格子に防鳥ネットを針金で結びつける作業が延々と続き、これを毎年やるのはかなりの労力だと思いました。

 こうした地元の方々の協力があるからこそ、ツルも安心して出水で越冬出来るのだと実感しました。

監視小屋設置 監視小屋 

※左:監視小屋設置の様子

 右:監視小屋に集まる人々

 また、ツル監視の拠点としてこの監視小屋が東干拓に設置されます。地元の方や県外から訪れるバードウォッチャー(ツル・ウォッチャー?)が集まるため、良い情報交換の場にもなっているようです。

 地元の方やバードウォッチャーのお話はとても興味深いです。例えば、飛来当初は警戒心が強く人から離れた場所で過ごしますが、越冬後期になると警戒心が次第に薄れ、人や車の近くでも採餌するという、出水で越冬するツルの特徴的な行動パターンであったり、ツルの撮影に最適な時間帯や機材であったり、様々なことを教えてくれます。図鑑には載っていない現場ならではの知識を得ることが出来、とても勉強になります。

観察センター 開所式餅まきの様子

 ※左:ツル観察センターの外観

  右:開所式の様子

 ところで、今季も11月1日にツル観察センターの開所式が催され、多くの方々で賑わいました。

ツル慰霊式の様子 オープニングセレモニーの様子

※左:ツル慰霊祭の様子

 右:オープニングセレモニーの様子

 開所式では、まずは、ケガや衰弱などで命を落としてしまったツルたちの慰霊祭が行われました。その後、ツル観察センターオープニングセレモニーが行われました。オープニングセレモニーでは出水とツルをテーマにした楽曲や、園児たちによる太鼓のパフォーマンスが披露されたほか、企業から給餌用小麦の寄付や、地元の中学生が実施しているツル羽数調査のための防寒コートが贈呈されました。式典中はツルたちの声が絶えず響き渡り、時折上空を舞う姿を見られたのが印象に残っています。天候にも恵まれ、とても気持ちの良い一日となりました。

 さて、出水では現在「万羽鶴」が見られるようになり、今後もたくさんのツルたちを目にすることができます。皆さんも是非、ツルを見に出水までお越しください。ツルの生態や今季の飛来状況については、出水市ツル博物館(クレインパークいずみ)HP(http://www.city.izumi.kagoshima.jp/cranepark/)にて公開されていますので、こちらも是非チェックしてみてください。

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2016年11月10日大原小学校3年生の保護センター見学

西表石垣国立公園 西表 アクティブレンジャー 日名

10月27日に地元の竹富町立大原小学校の3年生8名が、西表島野生生物保護センターの見学にきてくれました。

総合学習の一環で、西表島の自然を勉強しているそうです。事前学習として、イリオモテヤマネコやオオコウモリ、ミナミコメツキガニなどを調べてきてくれました。

【海で生活するカメと陸で生活するカメ】

前半は野生生物保護センター内を案内して、西表島の自然や生きものについて説明しました。

保護センターに何度も来てくれている子もいて、ヤマネコ検定上級を3回も合格しているそうです。

【スイッチを押すとヤマネコの鳴き声が聞こえてきます】

重さを実感できる水牛の頭骨、ヤマネコや野鳥の鳴き声が聞けるスイッチ、フンの内容を見る顕微鏡など、実際に触れることができる展示が人気でした。

【ヤマネコは何を食べるでしょうか?】

後半は、西表野生生物保護センターのお仕事やヤマネコの交通事故についてお話しをしました。

イリオモテヤマネコの交通事故を防ぐため、目撃情報の多い場所に注意看板を置いたりと、様々な取り組みをいろいろな機関と協力しながらおこなっています。

しかしながら、今年は交通事故が6件も起きています。

そこで新たな取り組みとして、ヤマネコ型の注意看板を置き始めました。

大原小学校3年生のみなさんに、このヤマネコ型看板に色を塗ってもらって、交通事故防止に協力してもらいました。

【ヤマネコ型看板の色塗り作業】

午前中の時間内に色塗りが終わらなかったので、持ち帰って5,6校時の時間も使って完成させてくれました。

とっても出来が良かったので、参観日まで学校に展示してもらうことになりました。

そのあと、看板はヤマネコの目撃が多い場所に設置します。

個性豊かでかわいい看板をながめながら、ゆっくり安全運転でお願いします。

【完成した看板】

※竹富町立大原小学校:

http://www.taketomicho-boe.jp/05/

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