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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

真夏の宮之浦岳【屋久島地域】

2015年08月05日
屋久島国立公園 アクティブレンジャー 菊地

7月31日、屋久島最高峰の宮之浦岳へ巡視に行ってきました。

この日は朝から快晴、長い梅雨と台風後で久しぶりの宮之浦岳とあって、気合いを入れて登山にのぞみました。

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この時期、屋久島の山岳部ではいろいろな花が咲いています。

▲ヤクシマニガナ        ▲ヤクシマコオトギリ      ▲ヤクシマショウマ

  (固有種)            (固有変種)          (固有変種)

▲ヤクシマママコナ       ▲イッスンキンカ        ▲ヒメコナスビ

  (固有種)            (固有変種)          (固有変種)

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屋久島のみに生育する固有種、種は同じでも屋久島の環境にあわせて形態を変化させた固有変種、その数をあわせると90種類以上にもなります。

屋久島の高地で報告されている固有変種の多くは、他地域に比べて小型化(矮小化)しており、花崗岩からなる栄養の乏しい土壌、強風、積雪といった環境に適応するためと考えられています。

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花だけではなく、いろいろな動物にも出会うことができました。

▲ヤクシカの親子        ▲ヤクシマザル         ▲ニホンヒキガエル

▲ツマグロヒョウモン      ▲ヒョウモンエダシャク     ▲ミヤマカラスアゲハ

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大雨と台風で荒れていないか心配だった登山道は、目立った異常もなく、一安心でした。

雄大な景観とあわせて、動植物もたくさん見られるこの時期の登山はとても楽しいものですが、

標高1600mを越えてくると日差しを遮るものがなく、暑さと日射が容赦なく襲ってきます。

熱中症や脱水症にもなりやすいので、こまめな水分補給を心がけ、休憩する際はできるだけ日陰を選ぶと良いでしょう。

水分だけでなくミネラルや糖分も補給できるようにスポーツドリンクの粉末、日焼け対策に帽子やサングラスを準備し、日焼け止めも塗って登山にのぞんで下さい。

楽しい登山にするため、万全の準備を忘れずに!

▲翁岳周辺                   ▲平石岩屋周辺