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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

加計呂麻島における自動撮影カメラ調査 【奄美地域】

2015年04月27日
奄美 アクティブレンジャー 牧野

うがみんしょ~らん!(こんにちは!)奄美野生生物保護センターの松田です。例年、GW前には夏鳥のアカショウビンが渡ってきます。「キョロロロロー」という特徴のある鳴き声とその姿から、島民に馴染み深く、奄美大島では「クッカル」という名前で呼ばれています。

奄美野生生物保護センターでは、アマミヤマシギの生息状況を把握するため、加計呂麻島での自動撮影カメラによる調査を平成25年9月より行っています。現在、同島内に20か所自動撮影カメラを設置し、アマミヤマシギを始めとする野生生物の情報の収集に努めています。カメラは地元の民間団体に委託し、維持管理を行っています。今回は撮影された画像の一部を紹介します。

アマミヤマシギは18地点で105回撮影されました。年に2回行っている夜間センサス(時速10km程度で走行し、生き物をカウントする調査)で本種の確認の少ないエリアでも撮影があり、自動撮影カメラによる調査の有効性が示唆されています。

こちらはアカヒゲです。この自動撮影カメラ設置地点では、1年を通して、オスだけでなくメスのアカヒゲも繰り返し撮影されています。

鹿児島県の県鳥で国の天然記念物であるルリカケスです。奄美大島と加計呂麻島、請島にのみ分布しています。過去には帽子の羽根飾りを目的とした乱獲などで、個体数が減少しました。その後、天然記念物の指定などにより個体数が増加し、2008年に国内希少野生動植物種の指定が解除されました。

一番多く撮影されているのが、リュウキュウイノシシです。なんと、19地点で972回も撮影されています。

 この他にも、オシドリやキビタキ、カラスバトなどの撮影があり、ぞくぞくと情報の蓄積が進んでいます。アマミヤマシギなどの希少種に関しては1年を通した調査結果を取りまとめ、「奄美希少野生生物保護増殖検討会」で報告しています。

 今後も引き続き調査を継続し、加計呂麻島における野生生物の情報の収集と蓄積に尽力していきます。同島における初記録種などが確認され次第、また報告いたします。