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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

交通事故多発・カンムリワシ放鳥【石垣地域】

2013年06月03日
石垣
 沖縄は梅雨に入り、ジメジメした天気が続いています。私は数時間の外出ですぐに日焼けしてしまいました。これからの季節、外出時には皆さん日焼け対策や熱中症対策をしっかりしてお出かけください。
 さて現在、石垣島ではコウライキジ、インドクジャクなどによる農作物の被害が問題となっています。農家さんは農作物を守るために防鳥用のテグスを水田に設置して対策を行っていますが、残念なことに水田のカエル等を捕食するために降りたカンムリワシがテグスに絡まる事故が今年に入って石垣島で2件発生しました。幸い2件とも早急な発見と救護のおかげで、無事に放鳥することができましたので報告します。このような事故が再び起きないよう農家の皆さんは防鳥用ネットに蛍光テープやリボンを付けるなど、鳥がネットに近づかないような対策のご協力をお願いします。


今年1件目に水田のテグスに絡まったカンムリワシの放鳥時の様子

 先月、救護されたカンムリワシの放鳥に立ち会いました。今年1件目のカンムリワシは、今年3月下旬にテグスに絡まって動けなくなっているところを救護された幼鳥です。救護時は片翼を痛めていたため、県の事業で行っている「野生生物ドクター」によって治療を行い、野生復帰までの期間「保護飼養ボランティア」のご協力のもと、保護ゲージで様子を見ていました。その後、リハビリを受け元気になったことから5月13日(月)に救護場所近くの小学校グランドで児童が見守る中、放鳥しました。
 放鳥時、児童たちは間近で見るカンムリワシに「かわいい」と嬉しそうに興味津々で飛び立つまで見守っていました。雨が降る天候でしたが、カンムリワシは元気いっぱいに羽を広げて森へ飛び立っていきました。


今年2件目に水田のテグスに絡まった事故時のカンムリワシ

 今年2件目のカンムリワシは、4月17日(水)に救護され、目立った外傷もなく元気であったため、4月23日(火)には放鳥されました。

 また、今年はカンムリワシの交通事故も多発しています。石垣島での平成24年の交通事故件数は7件でしたが、平成25年に入ってから5月現在で交通事故件数は6件となっており、前年の1年間の件数に並ぶ勢いです。これから石垣島は夏本番を迎え、生き物の活動も活発になるほか、観光で訪れる方も多くなります。特に夜間や早朝に自動車やバイクを運転する際は、野生動物が道路上に急に飛び出してくることもありますので、カンムリワシをはじめ、野生動物に気を付けて安全運転を努めてもらいたいと思います。


カンムリワシ交通事故防止のため設置した看板(石垣市富野)


<カンムリワシの救護連絡先>
〇石垣島
環境省石垣自然保護官事務所 0980-82-4768
石垣市教育委員会文化課   0980-83-7269
〇西表島
西表野生生物保護センター  0980-85-5582

カンムリワシの救護情報はカンムリワシリサーチHPをご覧ください。
http://kanmuriwasi.web.fc2.com/