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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

徳之島希少動植物調査② 【奄美地域】

2013年01月07日
奄美
 みなさま、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 昨年末に徳之島で希少動植物の調査を行ってきました。昨年の8月から9月にかけて南西諸島を3つの大きな台風が通過しましたが、2か月以上経過した調査時点でもガケ崩れや倒木などが島内随所で確認され、被害の深刻さを物語っています。
 前回の7月の調査時とは打って変わって、今回は天気に恵まれ、沢調査や林道調査などすべて予定通りに進みました。アマミノクロウサギにも2回出会え(しかも北部の生息確認エリア外でした)、とても充実した5日間でした。

 今回は調査で出会った生き物たちを紹介しようと思います。



 2日目の沢調査で出会った【オキナワテイショウソウ】です。10メートルほどの滝を迂回して登り、沢に戻ったところで5株ほど、ひっそりと咲いていました。奄美大島から沖縄にかけて分布するキク科モミジハグマ属の多年草。別名マルバハグマとも呼ぶそうです。白い風車のような可憐な花が印象的です。



 こちらは徳之島の固有種【チリメンマイマイ】です。沢沿いの笹の葉っぱに付いていました。比較的大型のカタツムリで、殻に縮緬状の突起があることからこの名前が付いたようです。あやうく見逃すところでした。



 こちらは【アマミアカガエル】です。2011年にリュウキュウアカガエルだったものが、別種ということで新種記載されました。奄美大島・加計呂麻島・徳之島に分布します。昨年の8月に公表された環境省の第4次レッドリストでは、準絶滅危惧(NT)に指定されています。


【今日の一枚】



・天城町当部の「オキナワウラジロガシ」
・板根と呼ばれている根が特徴的なブナ科コナラ属の常緑高木です。果実は日本最大のドングリ(直径2.5㍉~4㍉)として有名です。奄美野生生物保護センターがある大和村には国指定の天然記念物のオキナワウラジロガシがあります(2008年3月28日指定)。