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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

奄美大島産メダカの水槽展示 【奄美地域】

2012年10月09日
奄美
 8月末からほぼ2週間おきに3つの大きな台風が襲来し、特に台風17号は雨風ともに強く、多くの林道ががけ崩れや倒木により通行不可となっています。ただ10月に入ってからは最低気温が20度を下回る日もでてきて奄美大島もすっかり秋らしくなってきました。

 7月から奄美野生生物保護センターでは保護活動と普及啓発を兼ねたメダカの水槽展示を行っています。かつては身近な水辺を代表する魚でしたが、今では絶滅が心配され日本各地で生息数が減少しています。まずはメダカについておさらいしておきましょう。

・学 名:Oryzias latipes
・分 類:硬骨魚網 ダツ目 メダカ亜目 メダカ科
・分 布:北海道を除く全国、中国など
・全 長:オス30ミリ前後、メス35ミリ前後

 1980年代位から野生のメダカが各地で減少し始めました。その理由として、①環境の悪化(農薬や生活排水)、②緩やかな小川の減少(護岸工事や水路の整備)、③外来種(カダヤシやブルーギル)が挙げられています。こうしたことから、現在では環境省のレッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。

 学名のOryzias latipesとは『稲の周りにいる足(ヒレ)の広い』という意味だそうです。また、海外の水族館ではメダカという名前の他にジャパニーズライスフィッシュと呼ばれることもあるようです。




 展示水槽のメダカは、奄美大島で長年メダカの保護活動をされている奄美マングースバスターズの重康統さんより譲っていただきました。重さんが10年以上前に龍郷町の小川で採取し、現在まで世代交代を繰り返しながら絶やすことなく飼育してきた大事な奄美大島産の「メダカ」です。これからも大事に育てていきます!

 先日、早くも第二世代が生まれすくすくと順調に育っていますので、来館時には是非ご覧になって下さい。




【今日の一枚】




・「リュウキュウスズカケ」
・ゴマノハグサ科 本種は一時期絶滅種に指定されましたが、調査の結果奄美大島での自生が確認、環境省レッドデータブックでは絶滅危惧IA類(CR)に指定されています。