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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

徳之島希少動植物調査 【奄美地域】

2012年08月02日
奄美
 7月9日~11日まで徳之島にて希少動植物の調査を行ってきました。6月に奄美自然保護官事務所徳之島事務室が開設したので、これから月に1回程度、自然保護官やアクティブレンジャーが徳之島に渡り、各種調査や打合せなどを行うことになります。
 生息数の減少が危惧されているアマミノクロウサギ等の希少な動植物の分布位置情報をGPSで記録し、生物情報として蓄積していくのが主な目的です。蓄積されたデータは、生息数の推定や分布域の見直しなどに使用していきます。今回は、初日と二日目は島北部の沢、最終日は天城岳山頂付近で調査を行いました。
 6月末に梅雨は明けたので晴れて暑い中の調査だろうと思っていましたが、なぜかこの3日間は前線が南下し雨続きでした。



 初日の夜間センサスで出会った、徳之島にのみ生息する【オビトカゲモドキ】。ちょっと目つきは悪い?ですが、とってもかわいいヤモリの仲間です。鹿児島県の「天然記念物」と「希少野生動植物」に指定され、捕獲・殺傷が禁止されています。
 また、南部の山中ではアマミノクロウサギにも出会えました。



 天城岳登山道入り口付近の山中です。比較的なだらかで、道もはっきりしていたので登りやすかったです。徳之島町側の林道山クビリ線から山頂までの標高差約230メートル。往復約2時間の行程でした。
 今回の調査は徳之島のNPO法人「徳之島虹の会」の方に同行していただきました。



 山頂付近に咲いていた「ノシラン」。関東地方以南に分布するユリ科の草本です。

 今回の調査ではツルランやカゴメラン、その他の希少な植物にも出会えました。同行して下さった「徳之島虹の会」の皆様、有難うございました。

【今日の一枚】


・「天城岳山頂からの眺め」
・頂上付近は雲が掛かり視界は良くなく、山頂からの写真は諦めていました。しかし、一瞬雲の切れ間から太平洋側の山(サン)集落が見えました。