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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

第16回 国場川水あしび

2010年12月20日
沖縄南部
12月18日(土)青く澄んだ空の下、漫湖周辺の大清掃『第16回国場川水あしび』が行われました。
漫湖は国指定鳥獣保護区であり、1999年にはラムサール条約湿地に登録されています。その漫湖に注ぎ込む国場川水系の7市町(那覇市・豊見城市・糸満市・南城市・南風原町・八重瀬町・与那原町)に今年度から環境省を加え8団体主催で行われました。
こどもエコクラブで活動する子どもたちや地域の方、協賛企業の社員の方など、たくさんの参加者が漫湖水鳥湿地センターに集結。


二日前の荒れたお天気からは全く想像がつかないほどの晴天に、
スタッフは皆、笑顔。やはりお天気は大事ですね。

午前中は4つのコースに分かれて清掃活動をしました。
環境省コースでは、湿地のゴミ拾いとマングローブの稚樹抜きを実施。
近年、漫湖では人為的に外から持ち込まれたマングローブ(主にメヒルギ)
が繁茂し、水鳥の休憩場や餌場である干潟が減少しつつあります。
稚樹抜きを実施した場所は、環境省が実施する漫湖鳥獣保護区保全事業で
一昨年、マングローブを伐採・除去して干潟と水鳥の飛来数の回復を試み
ている場所です。

しかし、ここ・・・湿地の清掃なので少し勝手が違います。
足下がしっかりしている場所は長靴を履いて歩くことができますが、
気を抜いて歩いていくと泥に足がとられ大変なことに・・・。
子供たちも楽しみながら泥と悪戦苦闘していました。


私は胴長を着て泥の深いところへ。
潟スキーを使いながら移動していくのですが、これがなかなか
体力を消耗します。経験豊富な先輩は道具も持たず、どんどん
先へ先へ進み、慣れた手つきで稚樹抜きをしていました(尊敬!)。
私は1時間半の間にゴミ袋3つ分を抜き取りました。
みんなが頑張ったあとの干潟はゴミもなくすっきりしていて、
とても気持ちがいいものでした。


作業のあとには、南風原(はえばる)豚のおいしい豚汁とおにぎりが振る舞われました。午後には、体験型ネイチャーゲームが3つのブースに分かれて行われ、子どもたちは水あしび(水遊び)を楽しんでいました。

20年ほど前、漫湖はひどい汚濁で悪臭を放ち、近隣の学校ではその日の風向きにより窓を閉めないと授業ができないほどであったと聞きました。
ところが今では公園を多くの市民が利用し、干潟は県内外の学校から体験学習に訪れるほどの貴重な場所になりました。
たくさんの方々に支えられて、今日の漫湖があります。
問題はまだまだありますが、このような地域ぐるみの清掃が行われ、子どもたちが関わっていけば、確実に漫湖はきれいになっていくと思います。
これからの漫湖が楽しみです。

漫湖の自然を守りながら、上手につきあっていこうということで、
漫湖の利活用や保全のあり方のルール整備をしようと
『漫湖の利活用のルール作り』が検討されています。
漫湖に関心のある方、ご意見をお持ちの方、
ワークショップに参加してみませんか。

●日 時 :平成23年1月15日(土)14:00~
●場 所 :奥武山公園武道館 1階 会議室
●参加費:無料(当日受付)
●主 催 :漫湖自然環境保全連絡協議会
●共 催 :那覇市環境保全課(事務局)098-951-3229