ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2014年6月11日

2件の記事があります。

2014年06月11日平成新山の防災登山【雲仙地域】

雲仙天草国立公園 雲仙 アクティブレンジャー 瀬戸口

こんにちは!!雲仙事務所の瀬戸口です。
雲仙も梅雨に入りました。めっきり湿度も上がり、地獄のけむりと
霧が創り出す幻想的な雰囲気に癒されています。

さて、先月の22日、普賢岳の平成噴火で誕生した平成新山の
防災登山に参加してきました。
山頂周辺を中心に立入禁止の警戒区域に指定され、
通常は平成新山への登山はできません。
警戒区域内の現在の状況、そして危険性を把握する為に、
年に2回、防災関係機関による調査登山がおこなわれているの
です。

コースは、仁田峠からロープウェイで妙見岳へ向かい、
国見岳の脇を通って鬼人谷(きじんだに)へ下り、そこから
2年前に開通した普賢岳新登山道に入ります。
九州大学(地震火山観測研究センター)の清水教授の解説を
お聞きしながら新登山道を歩きましたが、平成噴火の際に
飛んできた噴石が多く見られ、噴火の威力を感じました。

新登山道から警戒区域内に入ると、景色は一変!
自分の身長以上の大きさの溶岩の破片が積み重なり、
ところどころから火山ガスが噴き出していました。
これまでも山のふもとから見上げる平成新山には
勇ましさを感じていましたが、緑を寄せ付けない、
まるで月面のような平成新山(山頂部)を目の前にして、
“迫力”とともに“破壊力”を感じました。



警戒区域内の登山は、まるでロッククライミングのようでした。
大きな溶岩の破片の間を、身体全体を使って踏ん張りながら
一歩一歩登るのですが、一歩踏み出して足を置いた石が
ゴロっと動いたりして、足がすくわれそうでした。
岩の間から火山ガスが噴き出す所があり、熱を感じられる
溶岩もありました。



緑を寄せ付けないかのような勇ましい風景の中にも、
ところどころ植物や昆虫を目にすることができました!
前回の日記でも紹介させていただいたミヤマキリシマですが、
平成新山のゴツゴツした岩場から美しい花を咲かせている姿に、
生命力とたくましさをより一層感じました。


    〔平成新山に咲くミヤマキリシマ〕

今回、警戒区域内の登山の危険性を身をもって体感しました。
平成新山への一般登山は今後もまだまだ難しい状況ですが、
平成新山に植物や昆虫が住み着きつつあるのを自分の目で
確かめることができ、いつか周囲の山々のように緑に覆われる
姿が楽しみになりました。

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2014年06月11日天空のお花畑!【屋久島地域】

屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 菊地

こんにちは!
屋久島は今月2日に梅雨入りとなり、天気が不安定な日が多くなりそうです。
そんな少し気分が落ち込んでしまう梅雨前に、綺麗に咲く花があります。
先月のアクティブレンジャー日記でも少しご紹介したヤクシマシャクナゲです。

シャクナゲは地域によって変種が多く、ヤクシマシャクナゲは屋久島の固有変種です。
屋久島の標高約1200m以上に生育するツツジ科の常緑低木で、葉の裏にはビロード状の毛がついています。
新しい葉では表面にも毛が生えていますが、表面の毛はやがて脱落するようです。
また、標高が高いところのシャクナゲほど毛が厚くなり、葉の大きさは小さくなる傾向があります。
花は枝先におよそ5~12個、房状に咲くのですが、数年周期で咲く為、シャクナゲの開花状況は毎年異なります。
そして、今年はなんと!20年に1度の当たり年と言われています。
これは見に行かなければ!と思い、梅雨入り前の最後の晴れ間と思われる5月31日にヤクシマシャクナゲを見に行ってきました。



↑ヤクシマシャクナゲ

淀川登山口を出発後、標高が上がるにつれ登山道脇に咲いているシャクナゲも徐々に多くなり、期待も膨らみます。
足を止めて写真を撮り、ゆっくりと眺めている登山者をよく見かけました。
そして、標高1680mの投石平に着いた時、皆さん感嘆の声を上げており、私も思わず叫んでしまいました。
これほどたくさんのシャクナゲは初めて見ました!
遠くから見ると、シャクナゲの花で山がピンクや白に染まっています。
近くで見ても、ブーケのようでとても綺麗です。



↑登山者とシャクナゲ

投石平からさらに進んだ先も、シャクナゲだらけでした。
これまで何度も歩いた登山道のはずなのに、全く別の道のように感じます。
感動して疲れも吹き飛んだ為か、宮之浦岳山頂まであっという間だった気がします。
今回はその先の永田岳にも登りましたが、シャクナゲの数は永田岳の周辺が1番多いように見えました。
登山中、写真を撮りながら「凄い」と「綺麗」という言葉しか出てきませんでした。
しかし、どれだけ写真を撮っても、自分の目で見なければ伝わらない景色が山にはたくさんあります。
だからこそ、多くの方が自分の足で山に登るのだと改めて感じました。



↑永田岳とシャクナゲ

今年のシャクナゲは評判通りでした!
たくさんのシャクナゲが咲き、島外の方のみならず、地元の方もシャクナゲの短い季節を楽しまれたようです。

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