ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2016年09月15日続編:夏の渡り鳥「アジサシ」...子育てを終えて... 【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは。

やんばる自然保護官事務所の上開地です。

9月になり、真夏の強い日差しが少し和らいできましたが、まだまだ暑い日が続いています。

テレビや新聞を見ると、今年の夏は北日本や九州に大きな台風が上陸し、記録的大雨となって甚大な被害が出ていると聞いています。みなさんの地域は大丈夫でしたでしょうか。

沖縄はどうかというと、今年の夏は台風が来ませんでした。

沖縄の海にとっては台風が全く来ないのも困りもので、熱くなった表面の海水と下の冷たい海水をかき混ぜる役割を持つのが台風です。台風が来ないと海水温が熱くなりすぎて、サンゴが白化して長く続くと死んでしまいます。

今、沖縄のサンゴが至るところで白くなっているのがニュースなどで報じられていて、やんばる地域でも白いサンゴが見られています。

サンゴにとっては厳しい夏になりましたが、海の岩礁で繁殖する「アジサシ」にとっては良い年になりました。

20160601日の日記もご覧下さい。)

825日、今年最後の屋我地鳥獣保護区のアジサシ調査を行いました。

この時期、アジサシ達の子育ても後半に入り、巣立ちをした幼鳥が見られるようになります。今年は何羽巣立ってくれたのか...ドキドキしながら船に乗り込みます。調査日の海

▲調査日の海 

この日は遠い太平洋沖にある台風10号の余波で風が少し強い日でした。

風が強い日は、アジサシ達は橋桁の下などでよく休息しています。

 

古宇利大橋

▲古宇利大橋の下

 

アジサシ達はいるでしょうか...?

いました!ベニアジサシ、エリグロアジサシの成鳥です。端の下のベニアジサシとエリグロアジサシの成鳥

▲左2羽ベニアジサシ、右エリグロアジサシ

そしてその近くには、それぞれの幼鳥も確認出来ました。

エリグロアジサシの幼鳥 

▲エリグロアジサシ幼鳥

  

ベニアジサシ幼鳥

▲右:ベニアジサシ幼鳥

今年生まれの個体は、背中や翼にまだら模様があるので見分けられます。

 

他の岩礁でも両種の幼鳥がみられました。

ベニアジサシは全て巣立ちをしていますが、エリグロアジサシはまだヒナがいて子育て中の岩礁もありました。

釣りやレジャーで岩礁に行く際は、お気をつけください。

 

給餌をするベニアジサシ

▲給餌を受けるベニアジサシの幼鳥 

 巣立った後もしばらくは親鳥から小魚をもらいます。

 

小魚をもらうエリグロアジサシのヒナ

▲小魚をもらうエリグロアジサシのヒナ

 

今回の結果をまとめると、この日確認できた幼鳥の数は、

ベニアジサシ幼鳥19羽、エリグロアジサシ46羽でした。

この数は、調査を開始した2006年以来、最も多い数です!

 

今年の成功の要因は、

台風が来なかったことに加えて、釣り人の影響を最小限に抑えられたからだと思っています。

屋我地ひるぎ学園とおこなったデコイや看板の設置を、テレビや新聞などに沢山とりあげてもらったおかげで沢山の人に周知され、釣りやレジャーに来た人が協力してくれたのだと思います。

 

ベニアジサシのデコイ設置の結果は、残念ながらカラスの影響で繁殖を誘因する事は出来ませんでしたが、別の岩礁で繁殖を成功させてくれました。

これまでの活動のおかげで今後の課題も見えてきました。

 

今年、巣立った幼鳥たちは10月になると親鳥と共に越冬地へ帰っていき、繁殖するために戻って来るのは2年後です。

これからも、アジサシたちにとって安心して子育ての出来る屋我地であるように、地域の皆さんと活動していきたいと思います。

みなさんの住んでいる地域の海にも、子育てをする鳥たちがいるかも知れません。

遊びに行く際は、優しく見守ってもらえたらと思います。

 

アジサシたちで賑わう岩礁

今月の一枚「アジサシのにぎわう岩礁」

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2016年09月14日自然公園クリーンデー実施(7月31日)

佐伯信吾

7月31日(日)、8時30分から関係団体の方達と佐世保市烏帽子岳西の森登山口周辺の草刈りとゴミ拾いを行いこの終了後登山道の一部の巡視を行いましたので報告をします。国、地方公共団体等においては、毎年8月第1日曜日を「自然公園クリーンデー」とし、市民、事業者、行政が一体となって、自然公園内においてゴミの持ち帰りを呼びかけるとともに、一斉清掃等の他、地域の特性に応じて創意工夫を凝らした美化清掃運動を実施するものとしています。この一環として、九州地方環境事務所管内の国立公園(西海国立公園平戸・九十九島地区)においても、公園利用者の美化意識の向上等を目的とした「自然公園クリーンデー」を、県北振興局総務課、佐世保市公園緑地課の協力も得て開催致しました。

          ※人の背丈位のびていました日中をできるだけ避けた方が良いだろうと言うことで、8時30分からのスタートでしたが、やっぱり汗だくの作業で大変でした。草丈もかなり伸びて登山道が藪こぎの状態でしたが、「西の森登山道」の標識が現れてすっきりしました。また、ゴミも散乱していたのでこの回収もおこないました。作業中も数台の車が上がってきましたが我々にどの位の関心をもたれたのでしょう。

協力して頂いた方々暑い中ありがとうございました。参加者は環境省合わせて14名でした。

           ※現れた道標

現れた道標          ※除草前

清掃前          ※除草後

清掃後

          ※参加者集合写真

集合写真

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2016年09月12日春の野焼きに向けて ~その② 輪地焼き~

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

みなさんこんにちは!

タデ原や坊ガツル湿原は青々とした夏の色だったのが、アシやススキが穂を伸ばし、だんだんと秋色に染まっています。

つい先日、こんな光景を目にしました。

や、山際から煙が・・・。

「アクティブ・レンジャー!大至急、消火のため坊ガツルへ急行せよ!!


なんてことはなく、むしろ火をつけるために坊ガツルへ行ってきました。

そう、春の野焼きに向けた準備その②、「輪地焼き」です。

輪地とは、防火帯のことです。前回(その①)は輪地を作るために草刈りを行いました。今回はそのときに刈った草を燃やしました。春の野焼き本番で余計なものに飛び火して燃え広がらないために、先に今の時期に燃やしてしまおう、というものです。今の時期というのがポイント!夏の終わりだとまだ草が青く、湿原内に火が飛び移っても簡単には燃え広がらないので、消火が簡単なのです。









晴れの日が続いていたため、前回刈った草は乾いていてよく燃えそう。火付け役が火をつけていき、熊手やジェットシューター(水を噴射する道具。最大で18L入ります)を持った人たちが草を寄せたり、変なところに燃え移らないように水をかけたりして、草が燃えていくのを見守っていました。




















本焼き(野焼き本番)ほどではなかったけれど、やっぱり炎の近くは熱かったし、火を扱うので緊張感がありました。

数時間で坊ガツル湿原周囲約4kmの輪地が完成しました。








(左)輪地焼き前
(右)輪地焼き後

春の野焼きはしばらく先。

その前にススキがきれいな季節、そして紅葉がきれいな季節がやってきます。坊ガツルのススキももうそろそろ見頃。今はアケボノソウ、シラヒゲソウといった秋の花が見頃ですよ♪

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2016年09月02日草原再生なるか!? 学生たちと植生調査【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 藤田

 こんにちは、阿蘇事務所の藤田です。8月末から一気に気温が下がり、ここちよい風が吹いてきました。

草原にはススキの穂が出始め、秋の風景に変わりつつあります。

 

 草原再生の一環として、阿蘇中央高校グリーン環境科の生徒たちが取り組んでいる植生調査に同行しました。野焼きや採草、放牧などの手入れをされず『放棄地』となっている草原を借りて、草刈りをし、植生の変化などを調査されており、今年で3年目になります。今回は2~3年生から10名の参加がありました。

 

◆◇◆調査の様子◆◇◆

 専門家の方に教わりながら、1m×1mの調査区の中にある植物を探します。はじめは見分けや違いなどが分からないようでしたが、丁寧に教えてもらいコツを掴むと次々に見つけられるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

群落の平均の高さを図っています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

群落の密度を測っています

 

 

 ◆◇◆見られた植物◆◇◆

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲンノショウコ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クルマバナ

  

  

 その他に、コオニユリやナデシコ、ネジバナなども見られ、草原性の植物も増えており、「3年で植生が変わってきた!」と歓喜の声が聞かれました。成果が見られたことで、これからも続けて行くことが大事なんだと気づきが芽生えた生徒もいたようです。

 生徒たちは、輪地切りや野焼き、野草堆肥づくりなど経年で学んでいます。真剣に取り組む姿を見て、とても頼もしく感じました。

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