ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2016年07月28日九州特産物リレー7月 ~夜光貝は見てよし、食べてよし~ 【屋久島地域】

屋久島国立公園 アクティブレンジャー 菊地

梅雨も明け、暑い日が続いている屋久島です。

特産物リレーの7月ということで、屋久島にゆかりのある貝をご紹介します。

 

その貝というのは、ヤコウガイ(夜光貝)です。

熱帯から亜熱帯の海に生息し、屋久島は分布の北限になります。

大きいものは20cmほどにもなる大型の貝です。

▲ヤコウガイ

 

ヤコウガイと屋久島の関係を記述した書物は、古くは平安時代のものになります。

当時のお偉いさんである右大臣へは、全国各地から贈り物が届けられていましたが、大隅国(現代でいう

大隅半島や種子島、屋久島など)からは、革類や木材や夜久貝を贈ったと記されています。

当時は屋久島を「夜久島」と書いていたようで、夜久島で採れる貝なので夜久貝と名付けられたようです。

この夜久貝の読みと漢字が変化して、現代の夜光貝という呼び名になったのです。

なので、夜に光るので夜光貝というわけではありませんし、そもそも自ら光ったりはしません。

 

ヤコウガイは南の島の貝なので、都(京都)に住む貴族には珍重されたようです。

ヤコウガイの殻は大型で、磨くと真珠層の美しい光沢が出るため、そのまま盃に使われたり、細かく割って

螺鈿(螺=貝を細かく散りばめた工芸品)に用いられたりしました。

今でもヤコウガイはアクセサリーなどに用いられ、屋久島のお店でもよく見かけます。

平安時代から、ヤコウガイの美しさは人々を魅了し続けているのですね。

▲磨かれたヤコウガイ

 

利用されるのは殻だけではありません。

ヤコウガイはサザエの仲間なので、身も美味しいのです。

刺身やバター炒めにするようで、屋久島では生きたヤコウガイは売られていませんが、奄美大島や沖縄では

生きたヤコウガイを売っていたりします。

同じ屋久島国立公園である口永良部島でもヤコウガイはよく採れ、民宿では定番のメニューのようです。

▲ヤコウガイの刺身

 

屋久島、口永良部島へお越しの際は、ぜひヤコウガイの美しさと美味しさを味わってみてください。

8月の特産物リレーは、雲仙の羽澄さん、五島の竹下さんにバトンタッチです!

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2016年07月26日スパルティナ属の生息状況確認に行ってきました!

九州地方環境事務所野生生物課 古賀いずみ

みなさんこんにちは。九州地方環境事務所、野生生物課アクティブレンジャーの古賀です。

 

こちら野生生物課では、主に九州内の希少野生動植物の保護、有明海沿岸の干潟の保全、セイヨウオオマルハナバチやツマアカスズメバチなどの外来種対策、動物愛護等に関して業務を行っています。

今年度から新たにアクティブレンジャーが配属され、特定の現場ではなく遠方のあらゆる現場に向かわなければならないという点で他の自然保護官事務所、自然環境事務所とは違いがあり、毎日手探りの状態で業務を進めています。

みなさんに最新の情報をお届けできるように頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します。

 

今回はこんなところへ行ってきました。

ここは熊本県宇城(うき)市を流れる大野川の河口です。

熊本市内から南に20㎞程離れたところにあります。海の向こうに見えるのは宇土半島で、この先には国立公園にも指定されている天草があります。

 

さて今回はここに何をしに来たのでしょうか。写真から分かりますか?

ボディーボードに乗り、干潟の上を緑の塊に向けて横切っている青年の姿、何とも面白かったです。

しかし決して遊んでいる訳ではありません。

とっても真剣な表情が伺えます。

実はこの青年、近畿大学農学部環境管理学科の学生さんで、この大野川の河口域に青々と勢いよく生育している植物の研究のためのサンプルを採取しているのでした。

この植物ですが、通称「ヒガタアシ」、学名では「スパルティナ属」と言い、特定外来生物に指定されています。日本では愛知県とここ熊本県の熊本市・宇城市の河口域のみで確認されています。侵入経路など不明な部分もあり、基礎知見の収集が行われています。

  

今回は昨今の豪雨のスパルティナ属への影響等を確認し、彼らのお手伝いもできればと思い、現地へやってきたのです。

この青々と茂った様子からどうやら豪雨の影響はなかったようです。豪雨でスパルティナ属が流されてなくなってしまえばよかったのにと思われる方もいるかと思いますが、下流へ流出すれば海岸部の干潟に分布域が拡大するということも考えられるので、その場に留まっていてくれてむしろ安心しています。

繁殖勢力が強く、成長速度が速いのがこの植物の特徴で、平成23年度から、関係者が連携し、人力、重機による駆除活動を開始しています。

このような植物をこのまま放置すると、草地化が進みまた堆積物が溜まりやすくなるなどの影響で、水辺の生きものの生息地や水鳥の餌場を奪ってしまうことになります。

今のところスパルティナ属の影響は少ないようで、水辺の生き物は元気です。その様子をご紹介します。

 

スパルティナ属の群落そばの干潟を辛抱強くじっと見つめていると、何とも愛くるしい生き物の写真を撮ることができました。

 

それぞれ何か分かりますか?

そうです、上の写真がトビハゼで、下の写真がムツゴロウです。飛び出た目が私のお気に入りです。産卵の時期なのでしょう。体色をピンク色に変えたトビハゼの姿もありました。

 

チゴガニも求愛ダンスを頑張ってました。3匹見つけられますか?

 

学生さんは泥だらけになりながらもこのようなことを言っていました。

「こんなに大きな干潟を見たのは初めてです。干潟って楽しいです!」と。

 

今日は、業務でやってきたのですが、水辺の生き物の生き生きとした様子と、現代っ子には珍しく無邪気な学生さんの姿に心和んだ一日でした。このような風景を残していくためにも外来種の駆除が必要なのです。

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2016年07月26日高浜海水浴場 海開き祈願祭と清掃活動

西海国立公園五島 竹下洋子

 こんにちは!五島自然保護官事務所の竹下です。7月16日(土曜)の午前中、高浜海水浴場で開催された海開き祈願祭と清掃活動に参加しました。祈願祭の後、消防署による海水浴で波にさらわれる主な原因である離岸流に関する説明と水難救助の実技指導を受けました。心肺蘇生法やAEDの使い方は過去にも受講した経験がありますが、実際そのような場面に遭遇した時、冷静に対応できるか多少不安です。そのためにも、定期的にこのような指導を受け体で覚えることも大切なのではと思いました。

  

 

左:シーズン中の安全を祈願する参加者

右:消防署による心肺蘇生法の実技指導

  

 最後に、50名を超える参加者全員で清掃活動を行ないました。広い砂浜には漁網や流木などの漂着ゴミが多く、全員で手分けして回収していきます。地元の小学生も慣れた手つきで作業を進めています。1年生のときから毎年清掃活動にきているよ!と元気に話す子供たちの笑顔を見ると、高浜海水浴場が美しい環境を保てる理由が自ずと分かります。

  

  

 回収して搬出したゴミの総量は軽トラック3台分になりました。きれいになった砂浜を背景に参加した皆さんと記念写真を撮りました。

 

 

左:ボランティアグループ「万葉の風」の皆さん

右:毎年参加している地元の浜窄小学校の生徒さん

  

 砂浜の背後にはハマオモトの自生群が広がり、白い花が、海と空の青色に映えていました。また、ハイビスカスの仲間で秋の花といわれる淡紅色のサキシマフヨウが早くも咲き始めていました。

  

  

左:種が波に乗って遠くまで運ばれて育つハマオモト

右:夏の日差しに負けないほど、大きな花を咲かせるサキシマフヨウ

  

 高浜海水浴場は、西海国立公園内にあり遠浅の白い貝殻が砂になったビーチで、「日本の渚百選」や「快水浴場百選」に選ばれています。波打ち際から水色・青色・藍色と変わる海の色は、息をのむほどの美しさです。海水浴の期間は、8月28日(日曜)までです。五島の海で夏休みの思い出をつくりませんか!

  

高浜海水浴場(手前)と嵯峨島(中央奥)

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2016年07月16日屋久島の自然を学び、体感!出前授業【屋久島地域】

屋久島国立公園屋久島 アクティブレンジャー 水川

みなさん、こんにちは!

屋久島自然保護官事務所の水川です。

7月に入り屋久島は真夏のような晴れが続き梅雨明けかと心躍っていたのもつかの間、また雨が続いています。

先週の金曜から日曜にかけては大雨警報が出るほどの大荒れで、縄文杉登山バスの運休、白谷雲水峡やヤクスギランドの閉園、登山口までの県道や西部林道の通行止めなど、山へのアクセスが断たれました。

そんな時は里地観光!屋久島世界遺産センターは大賑わいでした。

屋久島世界遺産センターでは、80インチの大型液晶モニターで美しい屋久島の自然のハイビジョン映像をお楽しみ頂けます。また、屋久島の自然の成り立ちやどうして世界遺産になったのかなど、屋久島の自然環境について詳しく学ぶことができます。

雨の日はもちろん、ぜひ登山の前にもお立ち寄りください♪

屋久島の山歩きが数倍おもしろくなると思いますよ☆

【屋久島世界遺産センターHP】

https://www.env.go.jp/park/yakushima/ywhcc/index.htm

 

さて、屋久島自然保護官事務所では、屋久島の子供たちに屋久島の自然環境の素晴らしさや大切さを知ってもらうため、町内の学校で出前授業を行っています。

先日授業を行ったのは、屋久島町立八幡小学校の3、4年生の皆さん。

八幡小学校では平成20年から毎年出前授業を実施しています。

 

第1回目の授業は6月21日、国立公園や世界遺産について勉強しました。

事前学習で国立公園や世界遺産を調べたというクラスの皆さん。

○×クイズをすると正解の連続で、しっかり予習ができていて驚きました!

 

教室でマルバツクイズをする様子

▲授業の様子。

 

第2回目の授業は6月23日、レンジャーの仕事や屋久島で起きている問題について勉強しました。

屋久島で起きている問題の一つとして、観光客の増加によるウミガメ産卵や子ガメふ化への影響が挙げられます。3回目の授業ではウミガメの上陸・産卵跡の観察も予定していたので、この授業ではウミガメの生態についても紹介することにしました。

 

アカウミガメの頭骨標本を披露する様子

▲アカウミガメの頭骨標本を披露!

「でかい!」「くちばしがある!」「何食べるの?」と、皆さん興味津々でした。

 

アカウミガメの実物大パズルに挑戦する様子

▲アカウミガメのパズルにも挑戦!

甲羅や足や頭など、全部パーツが分かれていて難解でした(^^;

完成すると実物大のアカウミガメが現れます!(写真右)

 

6月29日に第3回目の授業を実施しました。

この日はパークレンジャー体験。屋久島国立公園区域である栗生(くりお)海岸に出かけて、国立公園の豊かな自然を体感するとともにレンジャーの仕事を体験することで自然を守る取り組みについて理解を深めてもらいました。

 

栗生海岸でビンゴゲームをする様子

▲ビンゴゲームをしながら海岸の生き物探しに挑戦!

 

海岸ビンゴシート

▲ビンゴゲームシート。

 

ビンゴゲームで見つけた生き物

▲魚や磯に住むカニ、砂浜に住むスナガニや巣穴、オカヤドカリなど様々な生き物を見つけました。写真は全て児童の皆さんが撮影したもの。上手に撮れています!

 

海岸清掃の様子

▲レンジャーの仕事体験ということで、海岸のゴミ拾いにも協力してもらいました。

 

ウミガメの上陸跡を見学する様子

▲ウミガメの上陸・産卵跡も観察しました。タヌキ(屋久島では外来種)かイヌによって卵が掘り起こされた跡があり、それを見た児童が、「ウミガメが大きくなるのは奇跡なんだ。」と言葉にしました。

子ガメが無事に海に帰り、大きく成長することの難しさを実感したようでした。

 

教室に戻り、貝の標本作りやスケッチをしている様子

▲教室では浜で採集した貝殻の名前調べと標本作り、貝のスケッチをしました。

貝大好き菊地アクティブレンジャーによる標本作り体験は毎年恒例となりましたが、今年も皆さんに大好評でした。

 

班ごとに作成した栗生海岸マップ

▲最後は栗生海岸マップを作成して発表しました。「生命マップ」や「ひみつマップ」など、班ごとに素敵なマップが完成しました(^^)

 

コンクリートによる海岸の埋め固めや消波ブロックの設置など、人の手が加わった人工海岸は生き物たちの住む場所が少ないです。

一方で、人の手が加わっていない自然海岸の砂浜では、ウミガメが卵を産んだりスナガニなどが穴を掘って棲家にしたり様々な海岸植物が生育します。

複雑な地形の磯は魚やサンゴやカニたちの隠れ家となって多くの種が生息できます。

屋久島の海岸の90%は人の手が加えられていない自然海岸です。

そこでは多種多様な生き物が育まれています。

児童の皆さんは授業の最後に、ビンゴゲームでの生き物探しや貝拾いを通して栗生海岸の豊かな自然を知ることができてよかったと話してくれました。

今後も、自分達が暮らす屋久島の自然の豊かさや大切さを実感できるような授業に取り組んでいけたらと思います。

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