湯湾岳の利用ルールについて
利用ルール
湯湾岳では、令和4年11月25日(金)から、以下のルールを試行開始しています。
(1)貴重な自然環境の保全
① 動植物をとらない、持ち帰らない
湯湾岳には固有で希少な動植物が数多く生息・生育している。こうした貴重な自然環境を保全するため、湯湾岳において動物の捕獲や植物の採取は行わない。
② 外来種等を持ち込まない、拡散しない
湯湾岳の固有で希少な動植物を保全するため、外来種の持込みや拡散を防止する必要がある。そのため、湯湾岳に入山するときは、衣服に付着した種子の確認や靴底の泥を十分落とすなど、外部から種子を持ち込まないよう配慮する。また、在来種であっても人為的な持込みは行わない。
③ 植物を踏まない、樹木の枝を折らない・切らない
湯湾岳には、歩道沿いにも希少な植物が生育しているため、歩道からそれて周辺の植物を踏まないよう注意する。また、祠広場周辺に生育する樹木の伐採や剪定は行わない。
④ 歩道や広場以外の場所に立ち入らない
湯湾岳の森林には、多くの希少な動植物が生息・生育している。そのため、自然環境へのインパクトを回避するため、歩道や広場を外れて脇道や林内に立ち入らない。
⑤ 山頂付近の保全ゾーンには立ち入らない
湯湾岳の山頂付近は、特に希少な植物が生育し、自然環境の保全上、最大限の配慮が求められる。また、歩道のぬかるみが多く見られることから、ぬかるみを避けようとすることによる歩道脇の植生の踏み荒らしが懸念されている。希少な植物等を厳正に保全するため、祠広場より奥の保全ゾーンには立ち入らない。
※学術研究、その他やむを得ない事情のうち事務局(環境省、林野庁、鹿児島県、大和村、宇検村)が必要と認めた理由(以下「学術研究等」と記載)で立ち入ることについては、事前申請の内容に応じて立ち入り可能とする。
申請にあたっては、奄美群島国立公園管理事務所(電話:0997-69-2280 メール:RO-AMAMI@env.go.jp )宛に事前相談の上、以下の様式に必要事項を記載して申請すること。
(2)持続可能な利用の推進
① 少人数利用等の推進
準保全ゾーンの宇検村登山口からの登山道は、湯湾岳の貴重な自然環境に対する利用のインパクトの軽減化や森の静寂性、厳かな雰囲気を損なうことがないよう、利用は1グループ8人程度以下を目標水準とした少人数による利用を心掛ける。
また、自然体験の質の向上や、自然環境への負荷を低減した適正な利用の推進のため、エコツアーガイド帯同を推奨する。
② 地元から神聖視される場所としての配慮
湯湾岳は奄美大島の始祖アマミコ・シニレクの降臨の地の伝説や、與湾大親の墓所の伝承が残り、地域の信仰の対象となっている。祠広場には、こうした石碑や祠が祭られていることから、厳かな雰囲気を損なうことのないように利用する。
利用ルールの適用範囲
本ルールは、湯湾岳登山道周辺を利用する者全てを対象とします(災害や火災、人命救助等緊急事態発生時の対応に従事する者、法令等による許認可や届出等に基づく行為を行う者は除く)。
湯湾岳の保全方針
湯湾岳登山道周辺の利用に当たっては、自然環境の厳正又は適正な保全が前提となります。湯湾岳の貴重な生物多様性や自然環境を将来にわたって引き継いでいくため、環境省、林野庁、鹿児島県、大和村、宇検村(以下「関係機関」と記載)が連携し、湯湾岳登山道周辺における保全方針を以下のとおり設定しています。
・自然環境の保全を推進するため、利用状況や施設整備の状況を踏まえて、湯湾岳登山道周辺のゾーニングを進める。
・今ある貴重な自然環境に対して人為による影響を可能な限り最小限に留め、希少な動植物の生息・生育地として、ゾーニングに応じて厳正又は適正に保全する。
・ここにしかない貴重な自然環境を保全するため、外来種の侵入を抑制するとともに、既に侵入している外来種の駆除を行う。
利用ルール設定の目的
湯湾岳には、アマミノクロウサギ、ケナガネズミ、アマミトゲネズミなど、世界的に希少な固有の動物が生息するとともに、アマミアセビやサツマオモトなど、世界的にも湯湾岳の中の限られた場所にしか生育しないような非常に希少な植物が生育しています。こうした貴重な自然環境を将来にわたって引き継いでいくためには、湯湾岳に関係する全ての人が、湯湾岳の自然環境の保全に努め、適切に利用することが求められます。
関係機関は、湯湾岳の「貴重な自然環境の保全」を前提として「持続可能な利用の推進」を図ることを目的に、湯湾岳に関係する多様な主体が連携・協働し、湯湾岳で利用者が守るべきルールを設定しています。
なお、本ルールは、地域の関係者の合意に基づいて設定する地域独自の自主ルールであり、順応的管理の一環として、運用状況を踏まえて適宜ルールの改善等を行っていく予定です。
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