湯湾岳について
湯湾岳とは
湯湾岳は、奄美大島西部の大和村及び宇検村の村境界に位置する標高約694mの奄美群島最高峰です。固有で希少な動植物の保護のため、ほぼ全域が奄美群島国立公園の特別保護地区(厳正な保護を図る核心的地域)に指定されており、動植物の捕獲等や開発行為等が厳しく制限されています。また宇検村側の国有林は国指定天然記念物「神屋・湯湾岳」に指定されているほか、「特定動物生息地保護林」にも設定されています。
貴重な自然環境があるだけでなく、文化的にも重要な山で、奄美大島の開祖といわれるシニレク、アマミコが降り立ったといわれる霊山です。
湯湾岳の自然環境
湯湾岳の山頂付近には樹齢100年生以上の高齢照葉樹林と風衝低木林があり、一年を通じて豊富な降水量と限られた日射量により、空中湿度の高い雲霧帯となっています。
湯湾岳周辺には、哺乳類ではアマミノクロウサギ、ケナガネズミ、アマミトゲネズミなど、鳥類ではルリカケス、カラスバト、オオトラツグミ、オーストンオオアカゲラ、アマミヤマシギなど、両生類ではアマミハナサキガエル、オットンガエル、アマミイシカワガエルなど、爬虫類ではアカマタ、ヒメハブなど、昆虫類ではマルダイコクコガネやアマミナガゴミムシなど、植物ではアマミアセビ、アマミヒイラギモチ、コゴメキノエラン、サツマオモト、アマミイワウチワなど固有で希少な動植物が多く生息・生育しています。なお、利用に際して注意を要するハブについては目撃例が少ないものの、山中には大きな個体が生息している可能性があります。
アマミノクロウサギ | ケナガネズミ | ルリカケス | オオトラツグミ |
アマミヤマシギ | アマミイシカワガエル | ヒメハブ | アマミイワウチワ |
また、湯湾岳にて外来種の侵入を確認された方は奄美野生生物保護センターまでご連絡ください。注意すべき外来種はこちら
湯湾岳と周辺利用施設
登山道
湯湾岳には、大和村側と宇検村側の2つの登山道があります。
大和村側の登山道はボードウォーク(木道)となっており、15分程度で山頂付近に辿り着くことができます。歩きやすい道ながら鬱蒼とした雲霧林を楽しむことができる、おすすめの登山道です。
宇検村側の登山道は湯湾岳展望公園内に入口があり、1時間程度で山頂付近まで辿り着くことができます。未舗装の道で険しいため、ガイドの同行を推奨します。
どちらの登山道入口も車で行くことができ、付近に駐車場が整備されています。
湯湾岳展望公園
湯湾岳展望公園からは焼内湾を一望することができます。公園には展望台もあり、素晴らしい眺望を手軽に楽しむことができます。
休憩用の東屋やトイレも整備されています。
湯湾岳山頂展望台(令和4年11月竣工予定)
湯湾岳登山道の終着点であり、山頂付近の眺望を楽しむことができます。また、湯湾岳の自然や伝承を紹介する看板も設置されています。なお、湯湾岳山頂付近は霧がかかることが多く、眺望がない場合もありますが、これが湯湾岳の特徴の一つとなっています。
祠広場における施設整備について
湯湾岳における施設整備方針
施設整備に当たっては、湯湾岳周辺の貴重な自然環境の保全を大前提としつつ、奄美大島の森林地域の核心部の一つである湯湾岳登山のための歩道として、奄美大島の森林地域の自然を堪能・学習できるよう、動植物の生息・生育環境の保護等に留意して整備・維持管理を図ります。
祠広場における施設整備の目的
湯湾岳における自然保護及び利用者満足度の向上を実現するために、適切なゾーニングを達成する必要があります。祠広場は、「自然体験ゾーン」と「保全ゾーン」との結節点であり、この祠広場における施設整備を行うことで、利用者に自然や文化についての解説と眺望を提供し、湯湾岳の利用ルールと合わせて、適切なゾーニングを達成することを目的とします。
利用ルール検討の経緯
2015.7 整備に係る環境影響調査
2015.11 環境に配慮した公園等整備検討会
2019.12 有識者ヒアリング
2020.2 第1回湯湾岳の利用ルールに関する意見交換会
2020.3 名音集落説明会
2020.6 第2回湯湾岳の利用ルールに関する意見交換会(書面開催)
2022.3 関係者意見照会
2022.11 利用ルール運用開始
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