奄美のカエル鳴き声図鑑

奄美群島に生息する在来種のカエル9種類に加えて、特定外来生物シロアゴガエルの特徴も掲載しています。シロアゴガエルは2013年に与論島で発見、蔓延してしまいました。
2023年5月には徳之島への侵入も明らかになり、根絶を目指した防除に取り組んでいます。
シロアゴガエルが他の島々にも侵入しないように監視する必要があります。

在来カエル類の鳴き声や特徴を覚えて、シロアゴガエルなどの外来カエル類の侵入・拡大を防ぎましょう。

万が一外来カエル類を発見した場合は、直ちに奄美野生生物保護センター(0997-55-8620)まで連絡してください。

番号 名前 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
01 ハロウエルアマガエル
02 アマミアカガエル
03 アマミイシカワガエル
04 アマミハナサキガエル
05 オットンガエル
06 ヌマガエル
07 アマミアオガエル
08 リュウキュウカジカガエル
09 ヒメアマガエル
10 シロアゴガエル

カエルの名前をクリックすると、それぞれのカエルの写真と解説へ


ハロウエルアマガエル(在来種)

鳴き声:ギー、ギー、ギー

分布する島:喜界島、奄美大島、加計呂麻島、徳之島、沖永良部島、与論島

特徴:体長3~4㎝程度の小型のカエル。畑や田んぼ、集落周辺など平地の水場に多い。体色が緑色でアマミアオガエルに似るが、鼻はとがらない。3~9月の暖かい時期に産卵する。

卵は黒く、透明なゼリー状の膜につつまれる。

アマミアカガエル(在来種)

鳴き声:キュキュキュ

分布する島:奄美大島、加計呂麻島、徳之島

特徴:全長3~4㎝程度の小型のカエル。全身が茶色く、鼻から頬の後ろにかけてこげ茶色の太くはっきりしたラインが入るのが特徴。11~4月の寒い時期に道のくぼみや木のうろなど、様々な場所にできた水たまりに産卵する。卵は黒く、ゼリー状の膜につつまれる。

アマミイシカワガエル(在来種)

鳴き声:ヒョー! ヒョー!

分布する島:奄美大島

特徴:全長8~13㎝程度の大型のカエル。黄緑色に、茶色く縁どられた金色の斑点があるのが特徴。吻が短く、鼻はあまりとがらない。1~5月にかけて渓流の岩のすき間で産卵する。卵は白く、透明なゼリー状の膜につつまれる。

アマミハナサキガエル(在来種)

鳴き声:ピヨ!ピヨ!ピキュ!

奄美大島、徳之島

特徴:全長5~10㎝程度の大型のカエル。体色は、茶色、緑色、茶色と緑のまだら模様などさまざま。鼻はとがる。10~5月にかけて渓流で産卵する。卵は白く、ゼリー状の膜につつまれる。

オットンガエル(在来種)

鳴き声:グフォン!クゥ、クゥ、クゥ

分布する島:奄美大島、加計呂麻島

特徴:全長10~14㎝程度と大きな体格をしており、オスの前足はとくに太い。4~10月にかけて沢などの水辺に直径30センチほどの浅いくぼみを掘りそこに産卵するが、集水マスのような水深の深い人工構造物でも産卵する。卵は黒く、ゼリー状の膜でおおわれる。

ヌマガエル(在来種)

鳴き声:キャウキャウキャウ!

分布する島:喜界島、奄美大島、加計呂麻島、徳之島、沖永良部島、与論島

特徴:全長3~5㎝程度の小型のカエル。体の表面に小さな突起がたくさんある。5~8月にかけて田んぼや湿地などの水場に産卵する。卵は黒く、ゼリー状の膜でつつまれ、水面に浮かぶか水草に絡みつけるように産卵する。

アマミアオガエル (在来種)

鳴き声:キャラララ、キャラララ

分布する島:奄美大島、加計呂麻島、徳之島

特徴:全長4~8㎝程度の中型のカエル。体は緑色だが、地面の近くにいるときなどに茶色に変色することもある。1~5月にかけて水辺の草や石のすき間、水面の上にある木の枝などに白いメレンゲ状の泡につつまれた泡巣を産卵する。水の溜まった人工物にも産卵する。

リュウキュウカジカガエル (在来種)

鳴き声:リッ、リッ、リッ、リリリリリィ!

分布する島:喜界島、奄美大島、加計呂麻島、徳之島、沖永良部島、与論島

特徴:全長3㎝程度の小型のカエル。体は茶色、黄土色、赤褐色など様々で、繁殖期のオスは鮮やかな黄色に変色する。背中にアルファベットのXのような模様が入ることがある。4~9月にかけて緩やかな渓流や水の溜まった側溝、路上の水たまりなどで産卵する。卵は黒く、ゼリー状の膜につつまれる。。

ヒメアマガエル (在来種)

鳴鳴き声:ガァァァ! ガァァァ!

分布する島:喜界島、奄美大島、加計呂麻島、徳之島、沖永良部島、与論島

特徴:全長2㎝程度の小型のカエル。体に対して頭が小さく、ずんぐりとしたひし形の体型をしている。体は茶色。3~9月にかけて田んぼや水たまり、側溝、水の溜まった人工物などで産卵する。卵は黒く、ゼリー状の膜につつまれる。

シロアゴガエル (特定外来生物)

鳴き声:ギィ、グィ

分布する島:徳之島、与論島

特徴:全長5~7㎝程度の中型のカエル。体は茶色く、背中に数本のこげ茶色のスジ が入る。アマミアオガエルや、茶色いアマミハナサキガエルと見間違える可能性があるので注意が必要。鳴き声はハロウエルアマガエルに似るが、本種のほうが短く低い声で鳴く。4~10月にかけて田んぼや池、水たまり、側溝、水の溜まった人工物など止水の水面上にある木の枝やコンクリートの壁面などで産卵する。卵は白く、メレンゲ状の泡につつまれる泡巣である点もアマミアオガエルに似ている。


制作協力:奄美海洋生物研究会

環境省
奄美野生生物保護センター

郵便番号 894-3104
鹿児島県大島郡大和村思勝551

電話: 0997-55-8620
FAX: 0997-55-8621
e-mail:RO-AMAMI@env.go.jp

【開館時間】
     9:30 ~ 16:30

【休館日】 
     毎週月曜日(祝日の場合、翌日)
     年末年始(12月29日~1月3日)

【入館料】
     無料