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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

崖っプチの愛・ハート岩(龍ヶ岳園地)【雲仙天草国立公園・天草地区】

2021年07月28日
天草 森俊夫

 天草上島の東端を約30キロにわたって縦断する山稜ラインは「観海アルプス」と呼ばれていますが、その南端に位置するのが標高470メートルの龍ヶ岳です。

 その山頂周辺は自然公園として整備され、山頂展望所、キャンプ場などの施設がありますが、山頂展望所からの海に浮かぶ島々の眺望と並ぶ自然景観として、「ハート岩」があります。

 「ハート岩」は、山頂付近の巨大な岩に自然にできたハート型のくぼみ(侵食)で、古代人がそのくぼみにお酒を満たして神々と通信する儀式を行っていたという伝説があります。また、形成されている位置が数百メートルの断崖絶壁の崖っぷちにあることから、「愛さえあれば何も怖くない」というフレーズで、愛と恐怖でドキドキの恋愛成就のパワースポットとしても紹介されています。

ハート岩を案内するプレート(2021年6月撮影) ここからハラハラ・ドキドキ体験が始まります。

 駐車場から徒歩5分くらいのところにあり、スニーカーでなくともヒールの低い靴であれば大丈夫ですが、ハートは大きな天然岩の崖側の端近くにあり、岩には小さな凹凸がありますので、念のためしっかりと手をつないで近づくことをおすすめします。

 この夏、あなたも龍ヶ岳でハラハラ・ドキドキ体験してみませんか。

山頂から見下ろした風景で、手前にハート型のくぼみがある巨大な岩、背景に、山の裾野と海が広がっている(2021年6月撮影) 逆向きハートの向こうには、数百メートルの断崖絶壁と天草の藍い海が広がっています。

巨大な岩のハート型のくぼみを真上から撮影したもので、岩の向こうには、数百メートル下の裾野が写っている(2021年6月撮影) 真上からのぞき込むと、きれいなハート型です。

 写真からもわかるように、現地では景観を保持するために手すりなどは設置されておりません。

 くぼみは、ほぼ真上から見たときが一番きれいなハート型に見えますが、くぼみの向こうは数百メートルの断崖絶壁となっていますので、くれぐれもそれ以上は崖側には近づかず、決して、くぼみの向こう側へは行かないでください。

画像の上下を入れ替えて、ハート型がわかりやすいようにしたもの

 携帯の待受画面にすると恋愛運アップ?

 待受画面用に、撮影した写真の上下を入れ替えて、角度を調節し、縦長に切り取りました。

 ハート岩のある龍ヶ岳山頂は、環境省が主催するスターウォッチング・ネットワークで、最も星空の観測に適した場所に認定されたこともあり、その立地を活かしてミューイ天文台が設置されています。(ミューイとは、天草地方の方言で「見よう」という意味です。)

 天体観測は日没後のみですが、昼間や夜間の天候不良で天体観測ができないときは、プラネタリウムも上映されています。(詳細は直接施設にお問い合わせください。)

龍ヶ岳山頂にある天文台の建物を撮影したもので、中央にレンガ色の門と入口、その右奥に天井が半球形の白い展望室が写っている(2021年6月撮影)環境省が制定した星空をイメージしたスターウォッチング・ネットワークのキャラクターとロゴ