阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
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2017年11月06日くじゅう紅葉シーズン 秋の深まり
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 小泉 敦
くじゅうの秋も深まり、紅葉シーズンもあと残りわずかになってきました。
今回は先週末に巡視に行った沓掛山と、本日の男池の紅葉を皆さんにお伝えします。
沓掛山は標高1503メートルで他のくじゅう連山の頂上より少し低いですが、紅葉の色づきは終わりに近づいています。
▲沓掛山のからの様子(H29.11.4)
本日の長者原周辺の様子です。
標高1000メートル位の長者原はまさに今が見頃です。
▲長者原付近の様子(H29.11.6)▲
次に標高850メートル位にある男池の紅葉の様子です。
今年は赤の色づきが少し薄い様ですが、地面にも紅葉した落ち葉が広がり、とても幻想的な世界になっています。
男池は黒岳の原生林がある登山道で、他とは違った景観を私達に見せてくれます。
▲男池遊歩道の紅葉と男池(H29.11.6)▲
現在見頃の紅葉も刻々と色が移り変わってゆきます。
まさに、今が見頃のくじゅうエリアの紅葉ですので、今しか見られない紅葉を楽しんで下さい。
2017年10月30日秋の長雨から紅葉シーズンへ
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 大島 将貴
今年もくじゅう地域紅葉のシーズンがやってまいりました。
例年、10月半ば頃から山頂付近で色づき始め、徐々に山頂から下降していきます。
秋の長雨といいますが、今年は雨が続き、さらに最後に台風もあり、山を見ながら待ちどおしい日々が続いていました。先週は天気に恵まれましたが、週末からまた雨が続き今年は中々天気に恵まれません。こちらは先週の大船山の様子です。
▲10月26日 大船山の御池の様子
▲登山者で賑わう大船山山頂
▲10月26日 入山公廊 色づいた葉と紅葉前の葉のコントラストがとてもキレイです
現在、大船山山頂の御池ではピークは過ぎてきています。また、今年は赤というより黄色みがかった紅葉が多いです。山頂付近はピークは過ぎましたが、山頂からの見下ろす景色はまだまだ楽しめます。
ここまでは、山頂付近の写真を紹介しましたが、ここからは紅葉は見たいけど山に登るのちょっと、、という方におすすめの場所を紹介します。
くじゅう連山の北東に位置する黒岳の麓、男池園地です。
黒岳はくじゅう連山で唯一、山頂までが原生林で覆われており、ブナやカエデ、ケヤキなどの素晴らしい広葉樹の森が残る場所です。
この黒岳山麓の男池園地には、日本名水百選にも選定されている男池湧水群があり、湧水は自由に飲むことが出来ます。
▲男池湧水群
また、男池園地周辺では散策路が整備されており、少し足を延ばせば名水の滝まで、紅葉の広がる森の中を散策することが出来ます。
▲名水の滝
マイナスイオンをたっぷりと感じることが出来る場所です。ここに来ると思わず深呼吸してしまいます。
男池園地入口に駐車場もありますので、車で来て散歩をしながら紅葉を楽しみたい方にもおすすめの散策路です。
いつ来ても決して同じ顔を見せない森の景色ですが、この紅葉シーズンは特に変化に富んだ素晴らしい時期だと思います。
男池園地ではまだ紅葉は始まったばかりでこれからピークを迎えます。ぜひくじゅうの秋を楽しみにお越し下さい。
2017年08月10日今年のくじゅう子どもパークレンジャーは「草原体験学習」 【くじゅう地域】
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 小泉 敦
皆様、こんにちは。
夏休みも後半になりましたが、毎日、暑い日が続きますね。
くじゅうでは7月末の夏休み前半に環境省主催の「くじゅう子どもパークレンジャー」として、
1泊2日のキャンプを久住(くじゅう)高原の沢水(そうみ)キャンプ場にて開催しました。
子どもパークレンジャーとは、小学生を対象に、国立公園の保護や管理、調査などをしている環境省の「レンジャー」の仕事を体験してもらい、自然保護や環境保全の大切さを伝える環境教育活動です。
毎年テーマを決めて実施しており、今年のテーマは「草原」。
阿蘇くじゅう国立公園の重要な要素の一つである草原について、子どもたちに体験してもらい、地元の草原の成り立ちや、そこに生きる生き物などを学習しました。
竹田市の4年生から6年生の18名が子どもパークレンジャーとし、普段はあまり入ることのない草原を歩いて、観察し、体験学習しました。
1日目は開会式後に早速、草原を歩きます。
一見、同じように見える草原も、実は管理のやり方や目的によって様々な種類があります。
歩いてみると3種類の草原があることがわかりました。
① 放牧地(牛が草を食べる事によって草原が保たれている)
② 牧草地 (畑の採草地で人工の草原)
③ 自然採草地 (1000年以上昔から続く採草地、野焼きを年1回と草の刈り取りを年1回する草原)
それらの草原を歩きながら、講師の先生から「今日歩いてきた草原は同じように見えて、実は色々な種類の違う草原なのだよ」という話に、子どもたちは興味深そうに聞き入っていました。
また草原近くの森を歩いた際には、その場所が以前は野焼きをしていて草原であったことや、現在は野焼きが行われなくなり森になってしまったことを学びました。
そもそも草原は野焼きをして、人が手を入れないと森になってしまいます。
阿蘇くじゅう国立公園の草原は人が毎年、野焼きをする事で存在していています。
くじゅうの草原は、長い間、人間によって維持されているのです。
▲放牧地の草原 ▲芝歩道を歩く
▲畑になっている採草地 ▲昔から続く自然の採草地
2日目の朝早くに、前日に子どもたちが仕掛けたセンサーカメラとシャーマン式トラップ(ネズミを生け捕りにするワナ)を回収しました。
残念ながら子どもたちが仕掛けたセンサーカメラには動物は何も写っていませんでしたが、1週間前にくじゅうの草原の様々な箇所にセンサーカメラを仕掛けておいた結果のデータを、子どもたちに紹介しました。カメラにはイノシシ・ウシ・キツネ・タネキ・アナグマ・シカ・キジ・アオサギなど多くの動物や鳥などが写っていました。
シャーマン式トラップでは、子どもたちは捕まえる事は出来ませんでしたが、講師の方が捕まえて、捕えたアカネズミを子ども達に見せてくれました。
また、講師の先生から、「くじゅうの草原に生きている生き物」というテーマで、生物は関連し合って生きているということの話がありました。子どもたちが熱心に学んでいたのが印象的でした。
子どもたちにとっては、自分達が生まれ育った地域の草原について、草原の成り立ちや動物の種類、そして生き物達が関連し合って生きているという事を学べた良い機会になったと思います。
最後に2日間頑張った子ども達に「子どもパークレンジャー認定証」が授与されました。
今回の子どもパークレンジャーでは「草原」をテーマに、地元地域の草原の成り立ちや種類、草原に生きる生き物などを学習しました。
子どもたちが、この2日間で自分達の地域の草原について、「くじゅうの草原について新しく知ることが出来た。このくじゅうの草原を大切に守りたい、またこの草原の事を知らない友達に伝えたい。」などの感想が発表されて、とても意義がある充実した子どもパークレンジャーだったと思います。
参加した子どもたちの中から、国立公園の自然を知って、守っていきたいと思える人、行動する人が一人でも多く出て来てきてくれたら、いいですね。
2017年08月10日オオハンゴンソウ駆除活動
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 大島 将貴
こんにちは。
今回はくじゅう地域で行われているオオハンゴンソウの駆除活動について紹介します。
オオハンゴンソウとは北アメリカ原産の植物です。
7月~9月頃大きな黄色い花を咲かせ、外来生物法により特定外来生物に指定されています。
最近よく耳にする「外来種」。
そもそもなぜこの外来種を駆除しなければいけないのでしょうか?
その理由の一つに、外来種が入ることで、そこに元々いた生物がいなくなってしまう可能性があげられます。特にこの特定外来生物に指定されているものは、繁殖力が強く、ほかの生物に対する影響が高いと考えられています。
そしてこのオオハンゴンソウ。
漢字で書くと「大反魂草」といかにも力強さを感じさせる様子ですが、
実際にその生命力は非常に強く、一株当たり1000個以上の種をつけ、主根が2グラム残るだけでそこから再生可能と言われています。
くじゅう地域でもタデ原湿原などで確認され駆除活動を続けています。
ところで、みなさんオオハンゴンソウの駆除と聞いてどんな活動を思い浮かべますか?
この時期、道路沿いのいたるところで、草刈り機を使って作業している光景を目にしますが、オオハンゴンソウの駆除は、ほとんどが手作業で行われています。前述したように生命力が強いため、草刈り機での切り取りだけでは駆除は難しく、手作業での抜き取り作業で根から取り除かなければなりません。
また、抜き取った後の運搬にも注意が必要です。特定外来生物の生きたままの運搬は禁止されており、運搬によって種を広げないためにも、しっかりと二重のビニール袋に入れて運搬します。
では、駆除作業の流れを紹介。
まずスコップで抜き取り作業を行います。
ここで根を切らないように注意!
次に土を落とす人へバトンタッチ。
根についた土を落とします。
最後に花と根を切って袋に入れます。
土を落とした根を袋に入れたところ。びっしり根が張っています。
それぞれの持ち場で連携して活動を行います。
7月に行った活動では、晴天で日差しも厳しい中、18名で合計46袋の駆除となりました。
今回はくじゅう地域の活動をご紹介しましたが、全国様々なところでオオハンゴンソウの駆除活動が行われており、駆除の方法など検討が進められています。
一度進入してしまうと根絶が難しいとされていますが、くじゅうの地域の自然を残していくためにも継続して活動を行っていく必要があります。
2017年07月07日くじゅう地域ヒゴタイ保護活動
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 大島 将貴
7月2日に、くじゅう地域のパークボランティアの方々と、ヒゴタイの周りの草刈りを行いました。
くじゅう地域では平成18年度から続けているヒゴタイ保護活動。
今回は、くじゅう地域のヒゴタイ保護活動について紹介したいと思います。
そもそもヒゴタイとはどんな植物なのでしょうか?
キク科ヒゴタイ属の多年生の植物。
花期は8月から9月。花茎が1~1.5m程度直立し、その先に直径5cm程の青い球形の瑠璃色の花が一株に複数咲く。花言葉は「実らぬ恋」。
葉はアザミに似ています。棘もあるので要注意です。
現在、ヒゴタイの数も減少し、環境省絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。
夏のくじゅう地域の高原を代表する花の一つで、毎年多くの方が、ヒゴタイの花を楽しみに訪れています。
さて、今回の活動目的ですが、事業者が道路整備を行う際に、誤って刈り取ってしまうのを防ぐことです。
そのためにヒゴタイの周りの草を刈り、ヒゴタイを目立たせます。
道路脇にあるヒゴタイを探しながら一本一本草を刈ります。
草刈り後のヒゴタイ
見落としてしまいそうな小さなヒゴタイも、これで切られることなく大きく育ってくれるはず。
道路整備の事業者に、ヒゴタイを認知いただくことも保護活動の一つです。
また盗掘による被害を防ぐため、注意喚起のチラシも配っています。
例年、開花時期の8-9月、観光客が車を止めて、ヒゴタイを観察している様子がよく見られます。しかし、中には花を切り取って持って帰る人がいます。
国立公園内での草花の採取は原則禁止されていますが、マナーを守らない人や採集禁止を知らずに持って帰る人も多いようです。
花を切り取られたヒゴタイ
高原で見る瑠璃色の花は、とてもきれいで持ち帰りたくなりますが、持って帰ってしまうと、種を残すことが出来ず、数が減少していき、結果的にくじゅう地域でヒゴタイが見られなくなる可能性があります。
くじゅう地域にヒゴタイを残していくためにも、多くの人たちに保護の重要性を知ってもらい、ヒゴタイが咲き続けられる環境作りを行っていかなければなりません。
本日見られたヒゴタイが、夏にきれいな花を咲かせ、また来年もきれいな花が見られるようにボランティアの方々と協力して保護活動を続けていきます。
2017年05月24日牧ノ戸峠登山道整備清掃活動
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 小泉 敦
皆様、こんにちは。 5月20日に登山道の清掃整備活動を行ってきましたので紹介します。
くじゅう連山では6月にはミヤマキリシマが満開になるので、その前に登山者の方を気持ち良く受け入れられたらという思いもあり、九州電力八丁原発電所の主催で、牧ノ戸峠登山道の整備、清掃を毎年恒例で行っています。当日は多くのボランティアの方が参加されて、約70名で活動を行いました。
もちろん私達、アクティブ・レンジャー、レンジャー共々、参加しました。
↑登山道清掃整備活動に出発
活動内容は登山道のロープ張り替え、ゴミ拾い、杭の打ち直し、登山道の水切り等です。
参加者は四班に分かれて、それぞれ九州電力八丁原発電所の人達がリーダとなり、作業を行いました。
私が参加した三班は水切り(雨が降ると登山道がぬかるむ為、水を斜面の方へ流す)作業がメインでした。
↑作業風景 水切りを作っている
↑石などを置いて水切りが完成
私はこのような大勢の登山道整備の活動に参加するのは初めてだったので、色々な発見や驚きがありました。
一番印象に残った事は、普段何気なく歩いている登山道を、この様にして誰かが補修、清掃しているという当たり前の事でした。登山道では危ない箇所、急な登り下りの箇所などにロープが張ってあったり、案内板などの印があったりして、人間の手が入っている所が多いです。何も関心を持たずに登山をしてしまうと、つい見過ごしがちですが、この様にして登山者や山の自然が守られている事を再確認して、とても嬉しい気持ちと感謝の気持ちになりました。
2017年05月18日今年もミヤマキリシマシーズンへ
阿蘇くじゅう国立公園 大島 将貴
くじゅうでは、今年もミヤマキリシマのシーズンがせまってきました。
今回はシーズンの先頭を切って咲いていたミヤマキリシマの情報をお届けしたいと思います。
今回ミヤマキリシマが見られたのが、
「立中山」
こちら「たっちゅうさん」と読みます。
標高は1464.6mと平治岳や大船山など、くじゅう連山の主峰と比べると低いこともあり、所々で花を見ることができました。
開花を待つ、つぼみ達
そんなミヤマキリシマの足下にはイワカガミが咲いています。
ピークのシーズンはもう少し先ですが、開花を待つつぼみ達や足下に咲くイワカガミを楽しめるのも今だけですね。
さて、そんなミヤマキリシマ、今年はどんな顔を見せてくれるでしょうか。
ミヤマキリシマシーズン目前のくじゅうをお届けしました。
2017年05月02日H29年度パークボランティア活動初め
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 大島 将貴
くじゅう管理官事務所ARの大島です。
4月からくじゅう管理官事務所にて勤務することとなりました。
このAR日記を通して阿蘇くじゅう国立公園の様々な魅力を伝えていきたいと思います。
初めての記事となります今回は、4/23に行ったくじゅうのパークボランティアの活動について御紹介します。
そもそもパークボランティアってなに??
と思われた方も多いと思います。
パークボランティアとは国立公園の様々なことをお手伝いしてくれるボランティアさんのことです。パークボランティアとして環境省に登録し、様々なことをお手伝いしてもらっています。
今回の活動は、男池の登山口から黒岳、平治岳に向かう途中にある「かくし水」という水場の竹桶を新しいものに取り替てきました。
本日の作業メンバーはパークボランティア(以下PV )5名、くじゅう管理官事務所2名の計7名。
天気は日本晴れといってもいいほどの快晴です。きれいな青空をバックに生命力みなぎる木々達。
いざ出発。
今回の活動は竹桶の修繕ですが、くじゅうPVの方たちは、ただ山に行き修理して帰るだけでは終わりません。
くじゅうPVの方々は山の楽しみ方を知る達人といっても過言ではありません。
みなさん大変植物に詳しい方揃い。詳しいだけではなく、本当に気持ちよく自然とふれ合います。
そんなメンバーでの道中は、誰ともなく植物の観察会が始まります。
私はというと、野菜や、花屋さんで売られている花、道に咲いているのは「雑草」という程度の植物の知識。
でも本当は「雑草」なんて一つも無いんですね。
野に咲く一つ一つの花を紹介し、匂いや色を楽しみ、山での遊び方を教えてくれます。
私には色や形、香りでしか見えていない風景が、みなさんにはたくさんの個性や、友達の様に見えているのでしょう。
ちなみにこちらはキツネノカミソリといってお盆頃に花を咲かせるそうです。
いつか私にも今とは違った景色に見える日を楽しみにしながら少しだけ今回出会った草花をご紹介します。
No.1ヒトリシズカ
花言葉は「静謐(静かで安らかなこと)」「隠された美」。
見ているだけで安らかな気持ちになります。この葉に包まれながら花が見える様子などまさに隠された美ですね。名前がヒトリシズカなので一人静かに咲いているのかなと思っていたのですが、花穂が一本立っている様からきたようです。しかし、ひとりで咲かずとも静かな美しさを見せてくれます。
No.2 タチツボスミレ
スミレはたくさんの種類があり見分けるの大変ですが、葉がハート型なのが特徴の一つです。
淡紫色が綺麗。
No3シロバナエンレイソウ
綺麗な花も魅力ですが、根茎は中国では胃腸薬としても使われています。
No4アミガサタケの仲間
こちらは花ではないですが、変わった形のキノコを発見しました。この仲間は日本ではほとんど食用の歴史はないのですが、ミネソタ州(アメリカ)では州のきのこになるほどポピュラーなきのこで、ヨーロッパでは食用として人気があるようです。
植物観察会をしながら歩いているとあっという間にかくし水に到着。
現状ではコケが生えこれも風情はありますが、桶から水が流れてきません。
早速、水の取り口を決め準備した竹と交換。
中々勾配がつかずうまく流れてくれません。そこで苔を使い上手く水を誘導し、水の流れを作ります。昔はログハウスを建てる際に木と木の間を埋める際にも使われていた苔ですが、今回も大活躍です。
まだ水量が足りないので奥からもう一本渡します。交差部分を加工し完成。
BEFORE
AFTER
しっかりと水が流れています。登山者の方も早速利用されていて笑顔がこぼれます。
お昼ご飯には、新緑の春の景色の中で、お手製のイタドリやタケノコの煮物など春の食をいただきました。季節の山野草を食べる楽しみは一手間かかることが多いですが、旬のものは本当に心も体も元気にしてくれます。
下山後、登山口ではヤマブキが迎えてくれました。
私の好きなヤマブキ色のヤマブキを人生で初めて見ることができ思わず夢中でシャッターを切ります。
色の美しさもさることながら、春の山は生命力に満ちていて素晴らしい活動となりました。
最後はヤマザクラに見送られ本日の活動終了。
今日はPVの方と共に山を歩き、自然と遊ぶということは、小さき声に耳や目を傾けることから始まるのかなと思いました。何か人生にも通ずるようですね。
また来年も山のあちこちで綺麗な花を咲かせてくれるように、今回は野焼きと重なり参加できなかったPVの方も含め、みなさんと活動内容協議しながら今年度も様々な活動を実施していきたいと思います。
2017年04月24日初めての野焼き
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 小泉 敦
はじめまして、こんにちは。
今年の4月から大分県の阿蘇くじゅう国立公園くじゅう管理官事務所に配属されましたアクティブ・レンジャーの小泉です。
去年から大分県に移住しまして、以前は埼玉県在住でした。
この阿蘇・くじゅう地域では野焼きを毎年3月~4月に行っていて、アクティブ・レンジャーとして初めての大きな外での仕事でした。
4月14日にくじゅう管理官事務所から車で5分位の所にある、やまなみハイウェイ近くの飯田高原で行われました。
野焼きをすると言葉を聞いて皆さんはどの様な事を想像しますか?
私は野焼きをすると聞いた時に山を一つ焼いてしまうのかな?
すごく危険な事をするのではないかな?
などを考えていて、どのように行うのかドキドキしながらの参加でした。
当日、実際に現場に行ってみると25名位の人達が集まっていました。
野焼きのやり方を少し説明すると、火入れ役が1~2名で残りの全員は火消し役になります。
火入れ役はバーナーで次々と火を入れていき、火消し役はジェットシューターを背負って後についてゆくという形になります。もちろん、火入れ役の人はベテランの経験豊富の方が担当し、風向きなどを考えながら火をつけていきます。 火消し役の人達は火が飛んで燃やしてはいけない所を注意しながら動いていきます。
ジェットシューターを背負って配置について、しばらくすると火が瞬く間に広がってゆきました。
火の早さに緊張しながらも、ほとんどの場合、火は自然に草の生えていない歩道や道路近くで消えてしまうので、ジェットシューターを使う機会があまりないのが印象的でした。
野焼きに参加する前まで、私は消防隊の様に休みなくジェットシューターを使って火を消したりしないと大変な事になってしまうと思っていたので、少し拍子抜けした様な気持ちになっていました。
しかし、風の強さによっては一気に火は広がり、高さ5メートルを超える火柱を作りながら進んでゆきます。
私は初めての経験というのもあって、圧倒されて改めて火の凄さを体で体感しました。
火がつくるバチバチッという音も凄まじく、体感温度も顔を背けたくなるような熱さでした。
当日は皆様の協力で怪我もなく無事に終わることができ、その一員として、この野焼きに参加出来た事は、とても良い体験でした。
現在、野焼きをする団体も高齢化が進み、継続してゆくことが困難な所も多いというお話を聞きました。
私はアクティブ・レンジャーとして野焼きが未来も継続してゆくにはどうしたら良いかという事を考えさせて頂く貴重な一日ともなりました。
先ず、この様なアクティブ・レンジャー日記を通して多くの人々に野焼きを知ってもらう事も、野焼きを未来に継続してゆく一つのきっかけになるのではないかと思いました。
こんにちは。
寒い日が続いていますね。
先週は過去最大級の寒波が日本を包みました。
くじゅう地域もマイナス4度~5度位の気温が続き、雪景色のまま、雪が溶けそうな気配がありません。
先週の木曜日に私達くじゅう管理官事務所の2人のアクティブレンジャーは、晴れ間を狙って、くじゅう連山にパトロールに行きました。
雪が積もったくじゅう連山は、息をのむほど綺麗にその姿を我々に見せてくれます。
◀雪で真っ白に被われたくじゅう連山
◀霧氷も綺麗に見られます
冬の山は登山者の数は極端に減りますが、冬にしか見られない山からの景色があり、それはとても素晴らしいです。
是非、くじゅう連山に登山して、実際に体験してみて下さい。
なお、くじゅう分かれのトイレは現在閉鎖になっております。(12月~3月まで)
登山口でトイレを済ませ、必要とあれば、携帯トイレを携行するようにお願いいたします。
また、くじゅう分かれでは晴れていてもマイナス10度以下になることはしばしばで、風が吹いたり、天候が悪いと体感温度はさらに下がります。
雪は深く積もった場所では、30センチ程あります。
冬の登山の際には、寒さ対策の衣類やアイゼンなど、十分な装備も整えましょう。
しっかりと下調べを行い、余裕を持った計画をたてて、冬のくじゅう連山を楽しんで下さい。