ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

RSS

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう

179件の記事があります。

2011年06月09日くじゅう連山の山開き【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

大分県を含む九州北部地方が梅雨入りした、6月5日。
この日は、くじゅう連山の山開きでした。
週間天気予報では雨の可能性が高かったのに、前日の予報では
まさかの晴れマークが!

ゴールデンウィークにあった黒岳山開き、由布岳山開きに参加し、両日とも快晴だったこともあり、「山開きにいたってはAR指原は晴れ男だ」と事務所でそんな話題まで飛び出していました。

そして、期待を胸に迎えた山開き当日の朝。


雨 ・ ・ ・でした。。。



雨が降る中、牧ノ戸峠に着くと、すでに多くの登山者が登り始めていました。みなさん、この日を待ちに待っていたようです!

足元に気をつけながら山頂を目指すにつれて、雨脚は徐々に強くなる一方。残念ながら、梅雨入りにふさわしい日になりました。

しかし、山頂で行われた安全祈願祭では、雨をものともしないくじゅうの山を愛する登山者の方が、山開きを盛大に祝ってくれました。



山開きの主催者である九重観光連盟が用意した記念ペナントも、みるみるうちに登山者の手に。
みなさんの笑顔が印象的でした。

ところで、くじゅう山開きのメインイベントが終わり、牧ノ戸峠登山口へ下山途中、登山道を改めて見てみると、雨による浸食と踏圧でぐちょぐちょになっている箇所等が多く見受けられました。

このように、気象の影響と人間による環境への負荷が重なると、登山道の状況も加速度的に悪化していきます。

今後も、雨水による掘削を緩和させるため、雨水の逃げ道である「水道」を造成することや、掘削された溝に土嚢を積むことで土砂をため、登山道を修復する作業を中心に行っていく予定です。

場所にもよりますが、ミヤマキリシマが徐々に見ごろを迎えています。
みなさんも晴れた日、雨の日かかわらず登山されると思います。
花を愛でながらも登山道の様子も見て、くじゅうの山について考えてみてください。

ページ先頭へ↑

2011年05月30日飯田高原のお宝王になろう!【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

「飯田高原のお宝を探しに出発~!」

地元の小学生を対象に昨年度も行った「飯田高原お宝探検隊」。
今年度も飯田高原の自然や歴史、文化などを学ぶイベントを月1回、小学校3~5年生を対象に、九重町と地域サポーターの方や長者原ビジターセンター、九重ふるさと自然学校、そして環境省が連携して行っています。

ちょっと前の話になりますが、4月は長者原に伝わる「朝日長者七不思議ツアー」を実施しました。朝日長者が残した伝説の地を訪れ、その今昔物語とともに長者と関係が深い飯田高原周辺の「水」文化を学ぶ、大人も楽しい内容でした。
ツアー後は水の飲み比べクイズで味覚試し。子どもたちは舌の感覚を研ぎ澄ませ、ソムリエのような目つきで楽しそうに取り組んでいました。

そして、5月の「お宝探検隊」は…
「泉水山麓で生きものみ~っけ!!春のプチキャンプ」を実施しました。 野焼きが終わった泉水山は、草花たちの芽吹きの緑が鮮やかで、眺めているだけでうっとりします。そこに爽やかな風が駆け抜けると、最高に気持ちがいいですね~。

探検隊当日は快晴! ポカポカ陽気の下、事前に作っておいた「草原の生きものビンゴ」をしながら草原探検をしました。



みんなお目当ての生き物を見つけてビンゴが完成!

さてさて、草原探検の後はおいしい時間。昼食作りです。
マツやスギの枯れ葉を着火剤にして、まずは火起こしから。みんな経験者ということで、手こずることなくはんごうに火をかけることができました。

ジュジュッと水が溢れてきたら、火力を弱めて…しばし待つこと10分。はんごうを裏返して蒸らし、また10分。
ふっくらツヤツヤのごはんが炊けました~!

おかずは、スタッフが収穫してきた山菜の天ぷらの盛り合わせ。
コシアブラにウド、セリ、イタドリ、フジの花、クレソン、タンポポの花など、飯田高原の自然の恵みがたくさん!
大盛かき揚げ丼をつくる子どももいて、なんとも贅沢な昼ご飯になりました。



草原探検と春の味覚を満喫して、子どもたちも飯田高原の自然についてちょっと理解を深めてくれた様子。



子どもたちが飯田高原のお宝王になれるよう、また地元の国立公園を知ってもらえるよう、私もクルーの一人として活動を支えていきたいと思います!

ページ先頭へ↑

2011年05月20日登山者カウンターについて【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

くじゅう地域では、現在、長者原と牧ノ戸峠の2か所に登山者カウンターを設置しています。
先日、カウンターデータの回収に行ってきました。

ところが、長者原にてデータを回収しようとカウンターに目をやると…

配線が切断されていました。

登山者カウンターは、くじゅう地域の登山道利用者の動向を把握し、登山道を含めた自然環境について計画的に保全していくための非常に大切なものです。

皆さんも一緒にこのカウンターを見守っていただき、通過する際に少し気にかけていただけると助かります。

よろしくお願いします。

ページ先頭へ↑

2011年05月17日記念撮影がもっと楽しく!【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

先日、平治岳山頂にて、平治岳の土地所有者である九州電力(大分支店)の社員さんなど数人で、山頂標柱の設置を行いました。


大戸越から撮影。まだ平治岳山頂は見えません。


今回の山頂標柱設置で雄大な三俣山をバックに写真撮影できるようになりました。


平治岳にお越しの際は、新たな思い出の一枚をどうぞ。

ページ先頭へ↑

2011年05月10日2011年、登山シーズン開幕!【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

みなさんゴールデンウィークはいかがでしたか?
私は、期間中に黒岳と由布岳の「山開き祭」に参加してきました!




黒岳はシャクナゲの花、由布岳は目が覚めるような鮮やかな新緑を楽しめるとあって、多くの人で賑わっていました。
例年、山開きを境に、子どもから年配の方まで幅広い層の方が山を訪れています。


黒岳のシャクナゲ(写真左)と由布岳の新緑(写真右)

くじゅう地域の山々はもっとも高い所で約1800mと日本アルプスのような標高はありません。しかし、低いからといって軽装での登山は危険です。山の天気は変わりやすく、怪我の危険性も増します。また、地図やコンパスなしで山に入ることは、遭難を招く原因にもなります。

登山される時は念入りな登山計画と、装備をきちんと整えてから楽しんでください。
もちろん、入山時の登山届もお忘れなく。

ページ先頭へ↑

2011年04月28日枯れ木にご注意ください!【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

いよいよゴールデンウィークですね!
くじゅうの山々に登ろうと計画を立てている方も多いと思います。
みなさん、自分のペースで無理をせず登山を楽しんでください。

安全で楽しい登山が一番ですが、その一方で危険も潜んでいます。


4月22日(金)に、長者原~雨ヶ池間において、登山道に落下の恐れのある枯れ木や枯れ枝の除去作業を行いました。

高い場所のものなど、すべては除去できなかったため、危険な箇所には看板を設置しています。



他にも危険な枯れ木があるかもしれませんので、みなさん足元だけでなく頭上にも注意してください。



◆久住分れ避難小屋横の「トイレ」についておしらせ◆
4月28日現在、男子トイレは使用できますが、女子トイレについては、凍結による水タンク破損のため、1つしか使用できず現在復旧中です。
ゴールデンウィーク中はトイレ渋滞も予想されます。
ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。

ページ先頭へ↑

2011年04月20日登山道の現状を見て 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

みなさん、最近すっかり暖かくなりましたね。
くじゅうも日中はポカポカ陽気の日が多くなってきました。
と思ったら、19日にまた雪が。
しかし、野焼きの終わったタデ原にはサクラソウの花が咲きはじめ、いよいよ花の季節が始まりを迎えています。




さて、先日、久住山への主要ルートである牧ノ戸峠から久住山方面へ巡視に行ってきました。

登山道は雪解けの後でドロドロの場所もありましたが、踏圧や雨水の掘削で樹木の根が丸裸になっているような場所が多くあり、山へのダメージの深刻さを目の当たりにしました。
このままでは、生き物たちのすみかが奪われ、私たちも野草や樹木の花々を将来的に楽しめなくなる恐れもあります。


今回は、雨水による土壌の流出と登山道の崩壊が懸念される場所で水切りを造成しました。


今年度もあと1カ月半で本格的な登山期がスタート。

自然への影響を軽減し、自然回復を促す保全を登山シーズンを前にすすめていきたいと思います。

ページ先頭へ↑

2011年04月14日国東半島の魅力発見!【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

4月12日(火)、仏の里として有名な国東(くにさき)半島の北部にある鷲巣岳へ巡視に行ってきました。
ここでちょっと「?」と思いませんか。
なぜ、くじゅうのアクティブ・レンジャーが国東へ行ったのか。

実は鷲巣岳周辺は、瀬戸内海国立公園であり、大分県内の国立公園はくじゅう自然保護官事務所が担当しているのです。
当日は、鷲巣岳の登山道の確認をしました。


登山道は道幅も広く、勾配も緩やかなので、非常に登りやすいです。
周囲を見渡すと、ヒサカキの小さくて可愛らしい花が盛りを迎えていました。


登山口から約30分ほどで到着する山頂付近には、巨石や仏の里の名の通り、石仏などがあり、背筋が自然と伸びるような厳かな空気が漂っています。

そして、山頂を通り過ぎ、少し進んだその先に…
素晴らしい絶景が待っていました!


断崖絶壁の上にせり出した岩からの眺めです。

くじゅうとはまた違った、起伏の激しい山々の斜面に山桜がパッチ状に咲いています。
しばらくこの景色に感動し、その美しさに魅せられていました。

往復1時間の間に、森の新鮮な空気を感じ、神仏文化に触れ、絶景を楽しめる。
国東半島の山の魅力に心を射抜かれた、そんな巡視になりました。

ページ先頭へ↑

2011年04月13日くじゅうの春の衣替え 【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原

4月からくじゅうのアクティブ・レンジャーに着任した指原(さしはら)です。これから、くじゅうの新鮮な情報を皆々様にお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いします!

さて、アクティブ・レンジャーに着任早々、人生初の野焼きに参加してきました。
3月末には坊ガツルで野焼きが行われましたが、今回、私が担当したのは、ラムサール条約に登録されているタデ原、泉水山、そして一目山の3か所です。

私は、延焼を防ぐ「ジェットシューター部隊」=水かけ部隊として活動しました(写真左)。みんな水袋を背負っています。
飛び火を防ぐため、防火帯(歩いている箇所)に沿って配置します。
防火帯は、野焼きでは非常に重要なもので、輪地切りと呼ばれる草刈と、刈った場所に火を入れる輪地焼きをして出来上がります。
これを造るのが重労働で大変な作業だそうです。

そして、火入れです。
地形を把握し、風をよみ、火の動きを熟知した火入れ係が次々と枯れ草に火をつけていきます。(写真右)
すると…

ゴォーゴォーという轟音と自分の身長をはるかに超える火柱が辺り一面に上がり、一帯はまるで戦場と化します。

野焼きは草原が森林になるのを防ぎ、草原を好む生き物たちのすみかを守るために行われます。また、草原景観を楽しんだり、牧草地としての機能、山火事が起きた場合の防火帯として私たちの身を守る役割もあるそうです。

初めて野焼きを体験して、改めて野焼きの文化を未来につなげていく必要があると感じました。


野焼き前と野焼き後の写真です。
上の2枚はタデ原、下の分は一目山です。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ