阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう
179件の記事があります。
2011年08月15日坊ガツルにて、外来種駆除活動を行いました【くじゅう地域】
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原
8月9日(火)、ラムサール条約湿地に登録されている坊ガツル湿原にて、九州電力大分支社の方やOBの方々など総勢23名で、外来植物の駆除を行いました。
今回の駆除対象植物は、
・ヒメジョオン
・セイタカアワダチソウ
・アメリカセンダングサ
の3つです。

初めに私、指原が、外来種についてや坊ガツルに侵入している対象植物を手に取りながら、同定ポイントなどについて説明しました。
その後、グループに分かれて作業開始!
駆除の仕方は、外来種を1本1本抜いた後、ゴミ袋に入れて封をし、蒸し殺しに。
ヒメジョオンが花期を迎えており、結実する恐れがあるためです。
(蒸し殺した後は、野焼き前の準備作業である、9月中旬の“輪地焼き”の際に焼く予定です。)
約1時間後、90リットルのゴミ袋14袋分もの量が積み上がりました。
その重さ約140kg!
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(九州電力大分支社提供)
人が集まると、短時間でこんなにも成果が出ます。
坊ガツル湿原では、ここ5~6年、継続的な外来種駆除の活動をしており、アメリカセンダングサについては、数と範囲も減少しているのではないかということです。
来年、今回の活動場所がどうなっているかしっかり確認して、どうしていけばよいのか考えていく必要があると思いました。
*おまけ*
坊ガツルに咲いていた、コウライトモエソウ(絶滅危惧IB類[大分県])です。

(長者原VC種村氏提供)
黄色く光る大きな花びらが、とても華麗です。
今回の駆除対象植物は、
・ヒメジョオン
・セイタカアワダチソウ
・アメリカセンダングサ
の3つです。

初めに私、指原が、外来種についてや坊ガツルに侵入している対象植物を手に取りながら、同定ポイントなどについて説明しました。
その後、グループに分かれて作業開始!
駆除の仕方は、外来種を1本1本抜いた後、ゴミ袋に入れて封をし、蒸し殺しに。
ヒメジョオンが花期を迎えており、結実する恐れがあるためです。
(蒸し殺した後は、野焼き前の準備作業である、9月中旬の“輪地焼き”の際に焼く予定です。)
約1時間後、90リットルのゴミ袋14袋分もの量が積み上がりました。
その重さ約140kg!
(九州電力大分支社提供)
人が集まると、短時間でこんなにも成果が出ます。
坊ガツル湿原では、ここ5~6年、継続的な外来種駆除の活動をしており、アメリカセンダングサについては、数と範囲も減少しているのではないかということです。
来年、今回の活動場所がどうなっているかしっかり確認して、どうしていけばよいのか考えていく必要があると思いました。
*おまけ*
坊ガツルに咲いていた、コウライトモエソウ(絶滅危惧IB類[大分県])です。
(長者原VC種村氏提供)
黄色く光る大きな花びらが、とても華麗です。
2011年08月05日飛び出せ!子どもパークレンジャー!!【くじゅう地域】
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原
8月3日(水)、竹田市久住町周辺で、子どもパークレンジャー事業「学んで知って水遊び」を実施しました。
大分県民の飲み水を供給するくじゅう山系の源流域や湧水地を巡って水について理解を深め、川遊びの中で自然や生き物とふれあうことが目的です。
今年は様々な小学校から、1年生から6年生まで、総勢35名の子どもたちが参加しました。
子どもたちは、朝から元気いっぱい!
開会式では、国立公園のレンジャーの仕事を紹介した後、代表者に子どもパークレンジャー任命証が授与されました。

ちょっと緊張したかな。
この日は、朝から厚い雲に覆われ、小雨の降るあいにくのお天気。
山に登って源流部を見る予定を取りやめ、3つの湧水地を巡りました。
まず1つめ。
炭酸水が湧く白水(しらみず)鉱泉では、あまり飲み慣れない炭酸水の味に子どもたちもしかめっ面。でも、湧く場所によって異なる炭酸の濃度の違いを感じたり、「石の色が白っぽいのはなぜ?」など、自然の不思議さを感じているようでした。
続いて、500年前のお殿様も愛した納池(のいけ)公園で湧水探し。
湧水場所に生えていたクレソンの葉っぱをかじったり、湧水を飲んだりと、現場をきっちり確認!

最後は老野(おいの)湧水へ。
水の冷たさに子どもたちから歓声が!
ここから湧きだした水は、すぐ下の大川という川につながっているので、湧水などが集まって川ができていることが分かります。ちゃんと理解できたかなぁ?

そして、午後。
天気も晴れて、大川へGO!
子どもたちが待ちに待った魚取りや水遊びの時間です。
●竹で作った特製の網と協力プレイで、見事アブラメ(別名タカハヤ)をゲット!
●水の流れに体をまかせて滝すべり!
などなど、子どもパークレンジャーたちは大自然の中で思う存分、水遊びを楽しんでいました。
最近は、私が子どもだったころとは違い、自然の中で自由に子どもたちが遊ぶのが難しい状況です。
この体験を機に、自然や生き物をもっと好きになって、将来、この中からレンジャーを目指す子どもが現れるといいな、と感じました。
大分県民の飲み水を供給するくじゅう山系の源流域や湧水地を巡って水について理解を深め、川遊びの中で自然や生き物とふれあうことが目的です。
今年は様々な小学校から、1年生から6年生まで、総勢35名の子どもたちが参加しました。
子どもたちは、朝から元気いっぱい!
開会式では、国立公園のレンジャーの仕事を紹介した後、代表者に子どもパークレンジャー任命証が授与されました。
ちょっと緊張したかな。
この日は、朝から厚い雲に覆われ、小雨の降るあいにくのお天気。
山に登って源流部を見る予定を取りやめ、3つの湧水地を巡りました。
まず1つめ。
炭酸水が湧く白水(しらみず)鉱泉では、あまり飲み慣れない炭酸水の味に子どもたちもしかめっ面。でも、湧く場所によって異なる炭酸の濃度の違いを感じたり、「石の色が白っぽいのはなぜ?」など、自然の不思議さを感じているようでした。
続いて、500年前のお殿様も愛した納池(のいけ)公園で湧水探し。
湧水場所に生えていたクレソンの葉っぱをかじったり、湧水を飲んだりと、現場をきっちり確認!
最後は老野(おいの)湧水へ。
水の冷たさに子どもたちから歓声が!
ここから湧きだした水は、すぐ下の大川という川につながっているので、湧水などが集まって川ができていることが分かります。ちゃんと理解できたかなぁ?
そして、午後。
天気も晴れて、大川へGO!
子どもたちが待ちに待った魚取りや水遊びの時間です。
●竹で作った特製の網と協力プレイで、見事アブラメ(別名タカハヤ)をゲット!
●水の流れに体をまかせて滝すべり!
などなど、子どもパークレンジャーたちは大自然の中で思う存分、水遊びを楽しんでいました。
最近は、私が子どもだったころとは違い、自然の中で自由に子どもたちが遊ぶのが難しい状況です。
この体験を機に、自然や生き物をもっと好きになって、将来、この中からレンジャーを目指す子どもが現れるといいな、と感じました。
2011年07月25日高原から離島&仏の里へ[国東半島・両子寺編] 【くじゅう地域】
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原
2011年07月25日高原から離島&仏の里へ[国東半島・中山仙境編] 【くじゅう地域】
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原
みなさん、こんにちは!
前回の姫島編に引き続き、今回は仏の里「国東半島(くにさきはんとう)」の巡視についてお伝えしたいと思います。

姫島から見た国東半島の山々
姫島巡視の翌日、秋の紅葉シーズンには県内外から多くの登山者が訪れる「中山仙境」(なかやませんきょう)に行ってきました。
出発は、トイレや駐車場が整備された場所からスタート。植林地の中を進んでいきます。
ジメジメした林内を進むともう一方の登山道とぶつかり、それからは岩場がメインになります。そして、いよいよ中山仙境の絶叫スポット(?)である「無明橋」に到着。橋の下は、深さ100mくらいの谷になっていて、落ちれば命はありません!

橋の幅は約50cm、長さ約2m。
橋を下からのぞくと(写真左下)、石と石が互いに支え合ってつながっていますが、左右の石の基礎に当たる部分が陸と接している面積は思った以上に少なく、今にも崩壊しそうです。これを見てから渡るのは、かなり勇気がいるものでした。
国東半島には仏教信仰に関わる史跡や文化財が多く、一帯の山々は古来より修験者の修業の場であり、この無明橋もそのひとつに他なりません。

無明橋を過ぎ、登り下りする登山道、急な岩場を鎖を頼りに登ると、中山仙境の最高峰「夷耶馬(えびすやば)」山頂(標高316.9m)に着きます。
そこには国東半島の山々の特徴である奇岩奇峰を望む絶景が広がっていました。
そして、ここにもお地蔵さまが。登山者を見守っているような優しいお顔でした。
4月に鷲巣岳に登った時もそうでしたが、国東半島の山はくじゅう連山に比べ標高は低いものの、起伏の激しい地形がつくる登山道では、手足で岩にしがみついたり、バランスをとったり、自然に応じて自分の体を使うことが多く、とても楽しいです。
修験道として利用されている山ということで、神聖な場所であり、踏み入る以上は山への感謝、自然への感謝も必要だと思います。
利用する際は、マナーを守って安全に楽しんでください。
前回の姫島編に引き続き、今回は仏の里「国東半島(くにさきはんとう)」の巡視についてお伝えしたいと思います。

姫島から見た国東半島の山々
姫島巡視の翌日、秋の紅葉シーズンには県内外から多くの登山者が訪れる「中山仙境」(なかやませんきょう)に行ってきました。
出発は、トイレや駐車場が整備された場所からスタート。植林地の中を進んでいきます。
ジメジメした林内を進むともう一方の登山道とぶつかり、それからは岩場がメインになります。そして、いよいよ中山仙境の絶叫スポット(?)である「無明橋」に到着。橋の下は、深さ100mくらいの谷になっていて、落ちれば命はありません!

橋の幅は約50cm、長さ約2m。
橋を下からのぞくと(写真左下)、石と石が互いに支え合ってつながっていますが、左右の石の基礎に当たる部分が陸と接している面積は思った以上に少なく、今にも崩壊しそうです。これを見てから渡るのは、かなり勇気がいるものでした。
国東半島には仏教信仰に関わる史跡や文化財が多く、一帯の山々は古来より修験者の修業の場であり、この無明橋もそのひとつに他なりません。

無明橋を過ぎ、登り下りする登山道、急な岩場を鎖を頼りに登ると、中山仙境の最高峰「夷耶馬(えびすやば)」山頂(標高316.9m)に着きます。
そこには国東半島の山々の特徴である奇岩奇峰を望む絶景が広がっていました。
そして、ここにもお地蔵さまが。登山者を見守っているような優しいお顔でした。
4月に鷲巣岳に登った時もそうでしたが、国東半島の山はくじゅう連山に比べ標高は低いものの、起伏の激しい地形がつくる登山道では、手足で岩にしがみついたり、バランスをとったり、自然に応じて自分の体を使うことが多く、とても楽しいです。
修験道として利用されている山ということで、神聖な場所であり、踏み入る以上は山への感謝、自然への感謝も必要だと思います。
利用する際は、マナーを守って安全に楽しんでください。
2011年07月21日平治岳のミヤマキリシマを守れ!【くじゅう地域】
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原
こんにちは!
ミヤマキリシマの花の時季が終わり、平日のくじゅうの山は登山者も少なく、生き物たちがのびのびと自然の中で活動しているように感じます。
さて、以前、平治岳(ひいじだけ)のミヤマキリシマ保全計画についてお伝えしましたが、先日、九重・飯田高原観光協会と協力し、被圧木の除伐作業を行いました。
今回は、平治岳の山頂周辺で作業を行いました。

チェーンソー班と手ノコ班に分かれて、ミヤマキリシマを覆っているノリウツギを伐っていきます。
上の下部の写真は、被圧木を伐る前と伐った後の状況です。
散髪した後のようなすっきり感がありますが、覆われていた範囲のミヤマキリシマが枯れていることが分かります。
ここで一枚の写真を見てください。

な、なんと!
以前、被圧木を伐った場所で、一度は枯れたように見えていたミヤマキリシマから新芽が出ていました!
これを見て、ミヤマキリシマの生命力の強さにホッとしましたが、一方で夏前に除伐されたノリウツギを見てみると…

なんという萌芽力でしょうか! ひこ生えがミヤマキリシマを覆い尽くしています。
そして、雑草のような成長力! 驚愕です!!
これではミヤマキリシマを守ろうと除伐しても、ノリウツギの「雑木魂」の返り討ちにあってしまいます。
まさに、継続的かつ効果的な保全が必要ですね。
人間が自然を支配することはとてもできないと実感しました。
ミヤマキリシマの花の時季が終わり、平日のくじゅうの山は登山者も少なく、生き物たちがのびのびと自然の中で活動しているように感じます。
さて、以前、平治岳(ひいじだけ)のミヤマキリシマ保全計画についてお伝えしましたが、先日、九重・飯田高原観光協会と協力し、被圧木の除伐作業を行いました。
今回は、平治岳の山頂周辺で作業を行いました。

チェーンソー班と手ノコ班に分かれて、ミヤマキリシマを覆っているノリウツギを伐っていきます。
上の下部の写真は、被圧木を伐る前と伐った後の状況です。
散髪した後のようなすっきり感がありますが、覆われていた範囲のミヤマキリシマが枯れていることが分かります。
ここで一枚の写真を見てください。
な、なんと!
以前、被圧木を伐った場所で、一度は枯れたように見えていたミヤマキリシマから新芽が出ていました!
これを見て、ミヤマキリシマの生命力の強さにホッとしましたが、一方で夏前に除伐されたノリウツギを見てみると…
なんという萌芽力でしょうか! ひこ生えがミヤマキリシマを覆い尽くしています。
そして、雑草のような成長力! 驚愕です!!
これではミヤマキリシマを守ろうと除伐しても、ノリウツギの「雑木魂」の返り討ちにあってしまいます。
まさに、継続的かつ効果的な保全が必要ですね。
人間が自然を支配することはとてもできないと実感しました。
2011年07月14日高原から離島&仏の里へ[姫島編]【くじゅう地域】
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原
こんにちは!
梅雨も明け、夏本番という感じになってきました。
さて、7月7日(木)・8日(金)の2日間、くじゅうを離れて、瀬戸内海国立公園の国東(くにさき)半島の方へ巡視に行ってきました。
国東半島へは、4月に行って以来、約3カ月ぶりです。
ただ、今回は船に乗り、国東半島の北に浮かぶ離島、「姫島」にも行ってきました!
姫島は国東半島の伊美港の北6kmにあり、車エビやカレイなどの新鮮な魚介類が名産であり、伝統文化では姫島盆踊り(キツネ踊りなど)が有名です。
そして、旅するチョウ「アサギマダラ」の休息地として重要な場所であり、初夏と秋には多くの個体が飛来します。
そのアサギマダラの休息地を確保するため、島の方たちがスナビキソウとフジバカマの植栽地を設けて休息地保全をしていました。姫島には年2回飛来するのですが、初夏はスナビキソウ、秋はフジバカマの花期に当たり、それぞれの花の蜜を求めて辺り一帯を乱舞します。

[写真左上から時計回りに、アサギマダラ・フジバカマ植栽地・スナビキソウ植栽地・スナビキソウの花]
姫島の魅力といえば、美味しい魚介やチョウなどがありますが、独特の海岸地形もその一つです。
なかでも国立公園内にある「観音崎」という場所が個人的に気に入りました。

断崖絶壁の観音崎の先端には、姫島七不思議のひとつである「千人堂」という小さなお堂があります。その広さなんと2坪!
なんでも、鬼に追われた善人を千人かくまうことができるそうです。
伝説ってすごいです。ほんとか嘘か、夢がありますね。
もっとお伝えしたいことは色々あるのですが、ここに書ききれないので、ぜひ一度、姫島を訪れてみてください。夏に必須なビーチもありますよ。

国東半島の宗教文化を象徴する仁王様も姫島に居ました!
やはり文化的なつながりはあるようです。
梅雨も明け、夏本番という感じになってきました。
さて、7月7日(木)・8日(金)の2日間、くじゅうを離れて、瀬戸内海国立公園の国東(くにさき)半島の方へ巡視に行ってきました。
国東半島へは、4月に行って以来、約3カ月ぶりです。
ただ、今回は船に乗り、国東半島の北に浮かぶ離島、「姫島」にも行ってきました!
姫島は国東半島の伊美港の北6kmにあり、車エビやカレイなどの新鮮な魚介類が名産であり、伝統文化では姫島盆踊り(キツネ踊りなど)が有名です。
そして、旅するチョウ「アサギマダラ」の休息地として重要な場所であり、初夏と秋には多くの個体が飛来します。
そのアサギマダラの休息地を確保するため、島の方たちがスナビキソウとフジバカマの植栽地を設けて休息地保全をしていました。姫島には年2回飛来するのですが、初夏はスナビキソウ、秋はフジバカマの花期に当たり、それぞれの花の蜜を求めて辺り一帯を乱舞します。

[写真左上から時計回りに、アサギマダラ・フジバカマ植栽地・スナビキソウ植栽地・スナビキソウの花]
姫島の魅力といえば、美味しい魚介やチョウなどがありますが、独特の海岸地形もその一つです。
なかでも国立公園内にある「観音崎」という場所が個人的に気に入りました。

断崖絶壁の観音崎の先端には、姫島七不思議のひとつである「千人堂」という小さなお堂があります。その広さなんと2坪!
なんでも、鬼に追われた善人を千人かくまうことができるそうです。
伝説ってすごいです。ほんとか嘘か、夢がありますね。
もっとお伝えしたいことは色々あるのですが、ここに書ききれないので、ぜひ一度、姫島を訪れてみてください。夏に必須なビーチもありますよ。

国東半島の宗教文化を象徴する仁王様も姫島に居ました!
やはり文化的なつながりはあるようです。
2011年07月04日荒廃した登山道の植生回復を願って【くじゅう地域】
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原
みなさん、こんにちは!
なかなか太陽の姿を見ることができない、今日この頃ですが、タデ原を歩いてみると、ノハナショウブやキスゲが咲き始めています。
注目の夏の花たちはまた今度、詳しく情報をお伝えしたいと思います。少々お待ちを。
さて、ミヤマキリシマの花も終わりを迎えているくじゅうですが、雨の中、ミヤマキリシマを見に行かれた方も多いと思います。長者原登山口から坊ガツルを目指すと、その途中に「雨ヶ池」という場所があります。そこでいま、浸食されてしまった旧登山道の植生を回復させようと、ボランティアの方と作業をしています。
実は、6月の上旬に「九重の自然を守る会」の方たちと、土嚢袋を使い作業しました。水気を含んだ土の入った土嚢袋は重く、結構ハードでした。
そして、何回か雨が降った後、現地に確認へ。
その結果は…


効果が出ていました!
一部の土嚢袋は、雨水の流れの力に負けてしまい、無残な姿で発見されましたが、これは今後の課題として、設置の方法を工夫していきたいと思います。
土がたまったら新たに土嚢を積み、そこにもたまったらまた土嚢を積み…。
継続的に作業を行って、浸食されてしまった登山道の植生回復を促していきたいものです。
*おまけ*
先週の木曜日に指山(ゆびやま)へ巡視に行った時に見つけた「ヤマアジサイ」(ユキノシタ科)。

打ち上げ花火のようでキレイです。
なかなか太陽の姿を見ることができない、今日この頃ですが、タデ原を歩いてみると、ノハナショウブやキスゲが咲き始めています。
注目の夏の花たちはまた今度、詳しく情報をお伝えしたいと思います。少々お待ちを。
さて、ミヤマキリシマの花も終わりを迎えているくじゅうですが、雨の中、ミヤマキリシマを見に行かれた方も多いと思います。長者原登山口から坊ガツルを目指すと、その途中に「雨ヶ池」という場所があります。そこでいま、浸食されてしまった旧登山道の植生を回復させようと、ボランティアの方と作業をしています。
実は、6月の上旬に「九重の自然を守る会」の方たちと、土嚢袋を使い作業しました。水気を含んだ土の入った土嚢袋は重く、結構ハードでした。
そして、何回か雨が降った後、現地に確認へ。
その結果は…


効果が出ていました!
一部の土嚢袋は、雨水の流れの力に負けてしまい、無残な姿で発見されましたが、これは今後の課題として、設置の方法を工夫していきたいと思います。
土がたまったら新たに土嚢を積み、そこにもたまったらまた土嚢を積み…。
継続的に作業を行って、浸食されてしまった登山道の植生回復を促していきたいものです。
*おまけ*
先週の木曜日に指山(ゆびやま)へ巡視に行った時に見つけた「ヤマアジサイ」(ユキノシタ科)。
打ち上げ花火のようでキレイです。
2011年06月27日三俣山に巡視に行ってきました【くじゅう地域】
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原
みなさん、こんにちは!
先週の24日(金)に、三俣山(みまたやま)に巡視に行ってきました。

三俣山は、保護官事務所のある長者原に訪れると、タデ原から真正面に見えます。三つの頂がありますが、これで一つの山なのです。
三俣山の本峰を目指して登山道を歩いていると、こちらでもミヤマキリシマが見ごろを迎えていました。


(写真上)硫黄山の噴煙とミヤマキリシマ。
季節の移ろいとともに植物が花を咲かせ、そして、大地が呼吸するように噴煙を上げ続ける活火山。
人間も自然の中に生かされている、そんな気持ちになりました。
*三俣山の登山道についておしらせ*
三俣山の登山ルートは、諏蛾守越~本峰です。
本峰~北峰~南峰~本峰(お鉢巡りコース)は、危険な箇所もあり、通行をご遠慮いただいております。
また、雨ケ池~三俣山小鍋についても植生保護、事故防止のため通行をご遠慮いただいています。
ご協力、よろしくお願いします。
先週の24日(金)に、三俣山(みまたやま)に巡視に行ってきました。

三俣山は、保護官事務所のある長者原に訪れると、タデ原から真正面に見えます。三つの頂がありますが、これで一つの山なのです。
三俣山の本峰を目指して登山道を歩いていると、こちらでもミヤマキリシマが見ごろを迎えていました。


(写真上)硫黄山の噴煙とミヤマキリシマ。
季節の移ろいとともに植物が花を咲かせ、そして、大地が呼吸するように噴煙を上げ続ける活火山。
人間も自然の中に生かされている、そんな気持ちになりました。
*三俣山の登山道についておしらせ*
三俣山の登山ルートは、諏蛾守越~本峰です。
本峰~北峰~南峰~本峰(お鉢巡りコース)は、危険な箇所もあり、通行をご遠慮いただいております。
また、雨ケ池~三俣山小鍋についても植生保護、事故防止のため通行をご遠慮いただいています。
ご協力、よろしくお願いします。
2011年06月17日平治岳ミヤマキリシマレポート【くじゅう地域】
阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 指原
みなさん、こんにちは。
ここ数日のくじゅうは連日の雨模様。
傘をさす意味がない横殴りの雨が降る長者原ではカッパは必需品です。
そんな雨続きの中で、束の間のお天気に恵まれた6月14日(火)。
この時季に多くの登山者で賑わうミヤマキリシマの群生地、平治岳に巡視に行ってきました。

大戸越(うとんごし)の広場は人!人!人!でごった返しています。
ちょっと、山の風景じゃない気がしますね。
そして、ミヤマキリシマの開花状況ですが

7~8分咲きといったところです。
雨と風の影響で花が飛ばされた個体もぼちぼち見受けられましたが、モザイク状にピンクとグリーンで彩られた斜面はまさに芸術!
目を奪われるような美しさでした。
登山者が全国からこれを見たさにやって来る理由も頷けます。
ところが、そんなミヤマキリシマも近年では危機的状況に。
生長したノリウツギやヤシャブシなど他の木々の被圧により、生息環境を奪われて衰退しています。

枯死したミヤマキリシマ(被圧木除伐後の写真)
これはくじゅう連山一帯で言えることなのですが、特に随一の群生地である平治岳はそれが顕著です。
そこで、今年度から平治岳の土地所有者である九州電力(株)の協力のもと、ミヤマキリシマ保護計画が遂行されています。
5月には大戸越にて、草刈やノリウツギの除伐作業を行いました。
今後も、九州電力はじめ環境省や九重の自然を守る会ほか関係団体が協力し合い、計画的に保護活動を行っていきます。
くじゅうの草原に並ぶ、この素晴らしい景観を、後世に残していきたいですね。
ここ数日のくじゅうは連日の雨模様。
傘をさす意味がない横殴りの雨が降る長者原ではカッパは必需品です。
そんな雨続きの中で、束の間のお天気に恵まれた6月14日(火)。
この時季に多くの登山者で賑わうミヤマキリシマの群生地、平治岳に巡視に行ってきました。
大戸越(うとんごし)の広場は人!人!人!でごった返しています。
ちょっと、山の風景じゃない気がしますね。
そして、ミヤマキリシマの開花状況ですが

7~8分咲きといったところです。
雨と風の影響で花が飛ばされた個体もぼちぼち見受けられましたが、モザイク状にピンクとグリーンで彩られた斜面はまさに芸術!
目を奪われるような美しさでした。
登山者が全国からこれを見たさにやって来る理由も頷けます。
ところが、そんなミヤマキリシマも近年では危機的状況に。
生長したノリウツギやヤシャブシなど他の木々の被圧により、生息環境を奪われて衰退しています。
枯死したミヤマキリシマ(被圧木除伐後の写真)
これはくじゅう連山一帯で言えることなのですが、特に随一の群生地である平治岳はそれが顕著です。
そこで、今年度から平治岳の土地所有者である九州電力(株)の協力のもと、ミヤマキリシマ保護計画が遂行されています。
5月には大戸越にて、草刈やノリウツギの除伐作業を行いました。
今後も、九州電力はじめ環境省や九重の自然を守る会ほか関係団体が協力し合い、計画的に保護活動を行っていきます。
くじゅうの草原に並ぶ、この素晴らしい景観を、後世に残していきたいですね。
福岡大学は2年前から、登山道の補修作業や外来種駆除作業を行っており、今年で3回目の取り組みになります。
16日(火)に作業を行った坊ガツル~大戸越間の登山道は、大雨が降ると土石流が起きやすく、登山道も複線化したりと、全体的に浸食スピードが速いルートです。
当日はまず、湿原を横切るズブズブの登山道に石を投じる「一石運動」を行いました。ここは、雨の後、登山靴の半分が埋まるくらいひどい状況です。
学生パワーのおかげで、歩きやすくなりました。
その後は、森の中の登山道をグループに分かれて補修しました。
時折雨の降るあいにくのお天気でしたが、水道(水切り)を造ったり、土嚢や集めてきた石を組み合わせて浸食箇所の植生回復を促したり、鉄杭と木板でツルツルの斜面に階段を造ったりと、1時間半、一生懸命、補修活動に取り組んでいただきました。
作業後は他のグループの補修場所を見て、「すごい!道ができてる」とか、「歩きやすくなったね~」など、学生たち自身も達成感を感じていたようです。
当日の作業に引き続き、福岡大学は今夏だけでも4回に渡り、登山道の補修作業等に協力いただくことになっています。
合計約400名の学生さんのパワー、期待しています。
よろしくお願いします!