ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう

179件の記事があります。

2015年08月06日子どもパークレンジャーinくじゅう

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 田中

例年より10日おそい梅雨明けのくじゅうから皆様こんにちは。くじゅうのただいまの気温は25℃前後ととても涼しいです。

先月末に環境省主催の「子どもパークレンジャー」として1泊2日のキャンプを久住(くじゅう)高原の沢水(そうみ)キャンプ場にて行いました。子どもパークレンジャーとは、小学生を対象に、国立公園の保護や管理、調査などをしている環境省の「レンジャー」の仕事を体験してもらい、自然保護や環境保全の大切さを伝える環境教育活動です。

今年は、21名の子どもパークレンジャーと一緒に、センサーカメラを使った国立公園内の生き物調査や、増水時にしか現れない幻の本山滝までハイキングをしたり、キャンプ場内にある大野川の源流部で生きもの探索をしたりと、2日にわたって様々な活動を通して自然と親しみました。

 1日目のアクティビティーとして、朝、センサーカメラを使った生き物調査をしてもらいました。設置場所を子供達で話し合ってもらい、カメラを設置し、翌日データを回収しましたが、残念ながら生き物は写っていませんでした。あらかじめ我々で仕掛けたセンサーカメラの映像を子供達に見せたところ、興味津々に、こんな動物がいたのかと驚いてくれました。生き物は6種類確認でき、身近な所でどんな動物がいるかを学べたと思います。

▲センサーカメラに写ったキツネとヤマドリ

 その後本山滝までハイキングをしました。突然の夕立に打たれましたが、子供達は元気に最後まで歩きとげ、幻の滝の下で涼んだ後、キャンプ場に戻り、夕飯作りをしてもらいました。夕飯の火起こしは火打ち石で行いました。火花を散らすのにコツがいりますが、みんな徐々にコツをつかんでようで何とか火を起こし、夕飯のカレーにありつけました。やっぱりみんなで協力しながらつくる野外料理は格別においしく感じますね!

   

  2日目は大野川の源流探検として水辺の生きもの調べを行いました。

くじゅう連山は、大分県の大河川である「大野川」の源流部に当たり、沢水(そうみ)もその一つです。森の中の小川は源流部の湧水が集まってできていて、水温が低くとてもひんやり。水の中に足を浸けると、鳥肌が立つほどの冷たさです。

水辺の生きものは、水がきれいか汚れているかの環境によって種類が変わることや、巣を持つトビケラの生態、切ったところから分裂するプラナリアなど、水生生物と水辺環境ならではの特徴について学んだ子どもたち。自分の地域の水辺にどんなものがいて、水質がどうなのか考えるよい機会になったのではないかと思います。

今回の子どもパークレンジャーでは、キャンプ場や草原の生きものと源流部の水辺の生きものに焦点を当てました。少しでも僕たちの仕事に興味を持ってくれて、この中から未来のレンジャーが生まれてくれると良いですね!

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2015年07月23日外来種駆除活動

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

皆様こんにちは。

梅雨明けぬくじゅうでは先日、タデ原湿原周辺の外来種の駆除作業が行われました。

タデ原に隣接する硫黄山道路沿いの一角に特定外来生物オオハンゴンソウが進入している場所があります。毎年九重の自然を守る会が主催するボランティアで、そこのオオハンゴンソウの駆除を行っています。

▲開花時期のオオハンゴンソウの様子

 オオハンゴンソウは繁殖力が非常に強く、たった2gの根から再生し花をつけるという報告もあり、根っこから引き抜くことが駆除方法として一番望ましいとされています。しかし広範囲に広がったオオハンゴンソウの根を1つ1つ掘り出して引き抜くには膨大な人手と労力が必要ですので、一度に全てのオオハンゴンソウを根っこから引き抜く作業をするのは現実的になかなか難しいところがあります。

今回の作業では主に種子散布を抑制することをメインに考え、咲く直前の蕾を採ってしまうことで花をつけさせない駆除方法を、根堀りと合わせて取りました。作業方法としては、タデ原湿原側から横一列に並び、道路側までオオハンゴンソウの花芽を摘んでいき、ゴミ袋に詰めていきました。

     

 

1日の作業を終えて駆除したオオハンゴンソウは48袋にもなりました。

外来種は放っておけばおくほど広がります。捨てられたゴミと同じで、見つけたら速やかに処理しないと、放置すればするほど増えてしまいます。様々なところで様々な団体がボランティアリーにこのような駆除活動を行っていることで、国立公園は保たれているんですね。

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2015年06月11日第63回くじゅう山開き

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

6月7日は第63回くじゅう山開きでした。

朝の牧ノ戸峠は登山者がたくさんおり、その中でくじゅう地区管理運営協議会による登山レクチャーが行われました。繁忙期は登山届提出ポストが混み合うことから、登山届を記入したり、登山ルートや持ち物の確認などができる用にブースを設け、ビジターセンター職員を中心に、役場、警察、環境省、他が安全登山の普及啓発を登山者に呼びかけました。

今年の山開き山頂祭は久住山の山頂で行われ、多くの人が本年の安全祈願や祝福をしました。梅雨時期という事もあり、天気を心配していましたが、この日は高曇りのまま持ちこたえ、絶好の登山日和となりました。

帰りに星生山までミヤマキリシマの開花状況を見に行きましたが、やはり虫害により、斜面は少ししか開花していませんでした。今年のくじゅう連山は、どこの山もミヤマキリシマの開花状況がいまいちな年となりました。

 梅雨の到来と共に夏がやってきます。登山者の方々は無理のない、安全登山を心がけて、山を楽しんでください。

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2015年05月25日九州いきものリレー ② ~生態系を支えるいきもの~

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 田中

みなさまこんにちは。くじゅうの田中です。

第二回目のいきものリレーで紹介するいきものは、こちら。

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和名: トノサマガエル

分類: 両生綱 無尾目 アカガエル科

分布: 本州(関東地方から仙台平野、信濃川流域を除く)、四国、九州と一部の周辺島

嶼(平戸,種子島など)、朝鮮半島、大陸中国。

形態: 体長雄55~80mm,雌60~90mと、日本のカエルの中では大型。(ヒキガエルと外来種のウシガエルを除くと日本最大)

背中に1本の縦すじがあり、緑色が雄、白・黄色が雌。

生態: 水辺で生活し、活動時期には水田や水路、ため池などで見られる。繁殖期は4~7月で、この時期になると雄が集まり「グルル...」という声で鳴く。肉食性で昆虫やクモ、ミミズ等、他のカエルをよく捕食し、小型のヘビを捕食することもある。

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「トノサマガエル」の名前の由来は、大きくて悠然としているので、殿様に例えたというのが有力説だそうです。

特徴はなんと言っても背中の一本すじ。これはオタマジャクシの時から見られる特徴でもあります。

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また、日本では古くからなじみの深い種で、あの『鳥獣人物戯画』に描かれているカエルも、トノサマガエルだと言われています。確かに背中に一本すじがありますね。

近年では全国的な圃場整備事業、開発等によって生息に適した水田環境が減少し、個体数が減少しています。そのため、近年トノサマガエルはIUCN、環境省レッドリストでは準絶滅危惧種、大分県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されました。

カエルは、自然界の食物連鎖の中で、昆虫などを食べる「捕食者」だけでなく、トビ、鳥類、小動物の餌としての「被食者」の役割も果たしており、生態系を支える「キーストーン種」であります。トノサマガエルは大型なカエルだけに、数が減ると生態系への影響も大きいということになりますね。

こういった普段はあまり意識しない生態系を支えている小さないのち、意識的に見てみるととても素敵で大切で、守っていかなければならないいきものだと私は思います。

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2015年05月25日くじゅうのミヤマキリシマ開花情報

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

皆様こんにちは。

くじゅうでは穏やかな陽気の中、麓ではポツポツとミヤマキリシマが咲いてきました。

ここで、くじゅう山間部のミヤマキリシマの開花状況をお知らせいたします。

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○ 扇ヶ鼻

日にち:5月17日

開花状況:つぼみ(※)

○ 段原~大船山

日にち:5月20日

開花状況:つぼみ

○ 段原~北大船山

日にち:5月20日

開花状況:咲き始め(1分咲き)

○ 大戸越し~平治岳中腹

日にち:5月20日

開花状況:つぼみ(※)

○ 平治岳山頂部

日にち:5月20日

開花状況:咲き始め(1分咲き)

○ 沓掛山

日にち:5月23日

開花状況:場所によって開花中(1分咲き)

(※)虫害によって被害が大きい箇所

扇ヶ鼻、大戸越し~平治岳中腹の2箇所については虫害で株全体が茶色く変色しています。

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くじゅうのミヤマキリシマは毎年虫害問題に悩まされている現状です。食害する種類としては「キシタエダシャク」、「クジュウフユシャク」というシャクガの幼虫です。食草は主にアセビやツツジ。年によって大量発生することがあり、ミヤマキリシマの葉を食べ尽くし開花に大打撃を与えます。つまるところミヤマキリシマの開花状況はこの虫たちの発生数次第で大きく変化すると考えて良いと思います。

 

 

 

客観的に見て、今年は去年よりもこの虫たちの発生数が多いように思えます。あっちの株を見てもシャクガ。こっちの株を見てもシャクガ。登山等を歩けばズボンにシャクガ。

これだけ多いとシャクに触りますね。

満開時期は例年通り6月の10日前後と思います。

ミヤマキリシマが虫害に負けずに咲き誇るように願っています。

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2015年04月24日九州自然歩道

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

皆様こんにちは。

くじゅうでは今週初めに野焼きが終わり、キスミレなどの植物がもう花を咲かせ始めています。来週頃からゴールデンウィークにかけて、いろんな花が湿原や山々を覆い尽くすことと思います。

 さて今日はくじゅうを縦断する九州自然歩道について紹介します。九州自然歩道とは九州本土を1周する長距離自然歩道です。全長は2937km、手軽なハイキングコースから本格的な山岳地帯まで、多様な自然を楽しむことができます。

 この一部がくじゅう連山を縦断する形で通っており、今回はこのうち、坊ガツルから久住町までのコースの魅力について紹介します。

 まず、くじゅう連山に囲まれた坊ガツル湿原はラムサール条約登録湿地として古くから地元の方の手や野焼きによって維持されています。季節の湿原性の花や高原性の花が数多く見られるのも大きな魅力です。

九州自然歩道に入り、30分ほど歩くと鉾立峠に出ます。150年ほど前、鉾立峠には、木製の「鉾(ほこ)」 (矛ではなく)、が立っていたそうです。この峠を境に北は朽網郷の領地、南は岡領になっていました。法華院のある南側岡領は、この鉾立峠を境に殺生禁断の土地だったという歴史があったそうです。

そこからさらに30分ほどで佐渡窪に出ます。雨天時、湿地帯になる佐渡窪は、その昔は地面が低く木道も高かったそうですが、白口岳からの土石流で今では案内板も支柱の中ほどまで地面に埋まってしまっています。季節にはマンサクやヤマアザミが綺麗です。

佐渡窪を抜けると鍋割坂に出ます。鍋割坂は、昔久住町から法華院へ物資を運ぶために馬を利用していた時代、鍋を運んでいたときに、道が悪く、運んでいる鍋が次々と割れたことから名前がついたそうです。

鍋割坂を抜けると朽網分かれ付近にあるヤマザクラ園が見えてきます。その数おおよそ4500本。数年前までその存在も藪に覆われていたものを、地元環境保全団体が下草刈りを行い、今年、ここまで綺麗に生まれ変われました。

ヤマザクラで気持ちを清められながら九州自然歩道の出口にさしかかると、そこでは久住高原の壮大な草原景観が出迎えてくれ、心地良い風に包まれながら、坊ガツルからの約3時間のコースを終えられます。

もともとこの九州自然歩道(久住町~坊ガツル)は、昔の人が坊ガツル湿原にある法華院温泉へ生活物資を運搬するための道だったそうです。そのなごりで、今でも道中には祠や地蔵、石畳など歴史を感じられるものが点在しているわけですね。

久住の歴史と自然に触れながらあなたも九州自然歩道を散歩してみませんか?

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2015年04月03日祝・長者原ビジターセンターリニューアルオープン

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

皆様こんにちは。くじゅうでは冬が静かに過ぎ去り、春の日差しがようやく訪れ始めました。

そんな春先のくじゅうでは先日、おめでたいことがありました。

平成9年の改築オープン以来、人々にくじゅうの自然情報を提供してきた長者原ビジターセンターが、本平成27年3月28日にリニューアルオープンをいたしました。

リニューアルの目玉としては、2階入口、正面の吹き抜け部分に巨大シンボルバナーを取り付けたことです。片側からは平治岳から見たくじゅう連山、もう片側からは久住高原から見たくじゅう連山の写真が入っており、まるでそこにいるかのような圧倒的な自然の壮観を体感できるようになっています。

 

また、1階部分では、元あったくじゅう連山のジオラマの替わりに、直径6mの衛星写真を床に取り付け、周辺の見所を検索できる情報検索システム「くじゅうナビ」を4箇所に配置し、どなたでも気軽にわかりやすく登山道や周辺施設の情報を検索できるようになっています。

オープンに際して、同日10:00~11:00に長者原ビジターセンターリニューアルオープン式典を執り行いました。テープカットは、衛藤征士郎-衆議院議員、坂本和昭-九重町長、野田良輔-竹田市副市長、渡邊格雄-九重の自然を守る会理事長に加えて、主催者代表として環境省九州地方環境事務所から杉田高行-統括自然保護企画官が行いました。

 

 

 

 

館内の見学でも、多数の方々から「広くなった、綺麗になった、わかりやすくなった」等の高評価を頂きました。

これからくじゅうでは野焼きの後の植物が芽吹き、初夏にはミヤマキリシマが山を覆い、多くの観光客で賑わう事でしょう。

皆様もくじゅうにお越しの際は是非とも新しくなった長者原ビジターセンターにお立ち寄りください!

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2015年02月17日白銀に染まるくじゅう連山

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 田中

皆様こんにちは。

先週末、中岳ふもとにある御池(みいけ)へと行って参りました。

ちなみに大船さんにあるのが御池(おいけ)、中岳にあるのが(みいけ)です。ややこしいですね。

前日に降り出した雪は溶けること無く、山に残っていて、場所によっては数十センチも積もっている所もありました。軽アイゼンをつけて牧ノ戸峠を登り始めた朝9時半の気温は-7℃。風が吹けば体感温度は軽く-10℃...

寒いです。

しばらく登り始めると霧氷が目に止まります。やはりくじゅうの山を彩るものは、「雪」と「霧氷」ですね。

前回も書きましたが霧氷は湿気、風、氷点下との条件が揃い、初めて見ることができるものです。条件が良いと木の枝に白く濁った霧氷が付き、晴れ間がさすと表面が溶け始め、きらきらと輝き始めます。一面の霧氷を上から見ると、まるで珊瑚礁のように見えてとても綺麗です。

この日はあいにくの曇りだったため、その光景は見れませんでした。残念。

しかし、凍り付くような風と寒さを耐えながら御池にたどり着いた瞬間、雲が晴れ、凍った御池がその姿を現してくれました。

ただの雪の積もったひらけた場所のように見えますが、立派な池なんです。

所々氷が露出していますね。この時期になると池が凍り、その上を歩けるようになります。

季節に応じて様々な姿を楽しませてくれるくじゅう連山。霧氷に囲まれ銀色に輝く中岳の御池は冬のくじゅうの一押し名物です。

冬山登山を行うときは十分に注意をしてからお楽しみください。装備、準備、計画、判断だけはしっかりと行って、安全に楽しんでください。

ぜひ、みなさんも冬のくじゅうを見に来て下さいね!

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2015年02月03日祝! 長者原ビジターセンター入館者100万人突破

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

皆様こんにちは。くじゅうは寒い日が続いております。くじゅうの山々では今、霧氷が綺麗に見れます。標高の高い山では必ず見られるものではなく、湿気、風、氷点下との条件が揃い、初めて見ることができるものです。試しに見に来てみてはいかがでしょうか?

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さて、話が変わりまして、1月28日(水)に阿蘇くじゅう国立公園くじゅう地域の長者原ビジターセンターが、平成9年にリニューアルオープンしてからの入館者が100万人を突破いたしました。これに際して、長者原ビジターセンター館内展望室で入館者100万人突破記念セレモニーが行われました。

この日は天候が雪、外気温が氷点下だったこともあり、朝から来館者が全くありませんでした。スタッフの不安と期待うずまく中、午前9時過ぎに、待ちに待った100万人目の入館者が訪れ、無事10時よりセレモニーが開始されました。

 セレモニーの内容としては、まず100万人目の入館者の発表とご紹介をした後、坂本和昭九重町長と受賞者によるくす玉割りが行われました。その後九重町キャンペーンレディより花束贈呈、記念撮影、記念品贈呈を行いました。記念品は以下の通りです。

・長者原ビジターセンター詰め合わせ(くじゅう地区管理運営協議会より)

・九重・飯田高原ペア宿泊券(九重・飯田高原観光協会より)

・飯田高原特産品セット(JA九重町飯田より)

・久住高原物産品セット(久住高原観光協会より)

・法華院山荘オリジナルグッズ(法華院温泉山荘より)

すごく豪華ですね!

つづいて、今回は100万人の前後賞の方々の発表と記念品贈呈も、あわせて行いました。

100万人目の入館者となった矢次ひかるさんは、福岡県からお越しで、くじゅうにはよく登山をしにいらっしゃり、長者原ビジターセンターにも毎回立ち寄ってくださっているとのことでした。また、前後賞のお2人も県外在住で、よく長者原ビジターセンターに足を

こうして県外からくじゅうにたくさん足を運んでくださり、長者原ビジターセンター、そして阿蘇くじゅう国立公園を楽しんで利用してくださっている方々が記念すべき9,999,999人目~10,000,001人目の入館者に輝いたことは、現場の私たちとしてはとても嬉しい気持ちです。皆様、本当におめでとうございます!

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2014年11月28日河川環境学習in湯布院【くじゅう地域】

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

くじゅう地域には湯布院という地区があり、そこでは公益財団法人ゆふいん財団という団体が地域の子ども達を対象に、河川について様々な環境教育を行っています。先日11月16日、この人財育成ゆふいん財団の主催する「大分川河川環境学習会in湯布院」に参加してきました。
今回のテーマは「外来種」。
外来種とは、もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物のことを指します。有名な生きものとしては、
・ウシガエル(昔食用として外国から持ち込まれたものが野生化)
・アライグマ(動物園の飼育個体やペットとして外国から持ち込まれたものが野生化)
・オオハンゴンソウ(観賞用植物として外国から持ち込まれてきたものが野生化)
上のように生活の上で人間の手によって持ち込まれた生物も、輸入品等に紛れて非人為的に入ってきてしまった生きものも、すべて外来種といいます。これらの外来種が引き起こす問題はつぎのようなものです。
①在来種との交雑による遺伝子汚染
②在来種を捕食し排除・減少させてしまう
③在来種の生育環境を奪い、競争的に排除・減少させてしまう
④農産物被害といった産業被害
⑤攻撃・毒といった人間への直接的被害
このように生態系や経済に重大な影響を与えることがあり、環境問題の大きな項目として扱われています。
 現在、湯布院の有名な観光スポットである金鱗湖とその周辺の河川には、ティラピアなどの外来生物が増えており、在来生物への影響が懸念されています。
外来種が入ると、池や川の生き物たちはどうなるかということを子ども達に体で学んでもらうために、押し相撲のような簡単なゲームを行いました。参加者の子どもや保護者が在来魚役になり、外来魚のティラピアが金鱗湖に侵入したらどうなるかという想定です。その名も「外来種ゲーム」。
3つの陣地を作り、1つの陣地の中に4匹の在来種を配置し、各陣地に1匹のティラピアが入り込み、在来種は陣地から押し出されないようにするというゲームです。在来種外来種ともに移動は片足ケンケン、また外来生物の生存力や繁殖力の強さを考えて、外来種は両手で在来種を押しだし、在来種は片手で押し出されないようにするというもの。全員が円から押し出され、外来種に陣地内を制圧されたら在来種の負けという1ゲーム3分のルールです。


もちろん外来種役には新田レンジャーと私-田中も加わりました。在来魚がすべて陣地外に追い出されるまで3分もかからずにゲーム終了。
子どもたちは、外来種の恐ろしさと、本気になった大人をなめてはいけないという事をその肌で実感してくれたと思います。
その後は大分川にはどのような生きものが生息しているのかを生体展示や釣りを通して在来種や外来種、水環境について学んでもらいました。参加した子ども達はもちろん、主催した大人達にとっても、大分川や外来生物について考える機会になりました。
楽しいひとときをありがとうございました!




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