2021年4月
4件の記事があります。
2021年04月13日トビカズラの島 トコイ島へ(その2)【平戸・九十九島地域】
西海国立公園 溝口恵美
こんにちは!佐世保自然保護官事務所の溝口です。
前回グリーンワーカー事業でトコイ島のトビカズラ調査のお話しをしました。
今回は、生きもの観察と海岸清掃についてお話しします。
九十九島の会の皆さんは、海の植物や生きものが大好きな人の集まり。
自然に海の生きもの観察も始まりました。
まず初めに発見されたのは"ヒカリウミウシ"。
行きたい方向がわからず、じたばた体をくねらせているように見えてとても可愛らしい!
海がどんどん満ちてきていたので、クラゲやゴマハゼなどの生きものたちもすぐ近くで
観察でき、夢中になっていました。
▲ゴマハゼ(絶滅危惧種Ⅱ類に指定)
全長2センチ程度で日本最小クラスの脊椎動物。
そんな中、突然珍客が!!!
アカエイです!
集まってきている生きものを狙ってか,すぐ近くまで寄ってきて
優雅に泳ぐ姿を見せてくれました。
最後に漂着物などの海岸清掃を行いました。
ほとんどが燃えるゴミで、プラスチックや発泡スチロールなどの軽いものでしたが、
35口の54.97キログラムのゴミを30分程で集めました。
九十九島の会が行う、当グリーンワーカー事業では、調査の後必ず海岸清掃作業を行います。
九十九島の美しい海や多くの生きものたちを守るために、自分に出来ることは何か考え、
今後も環境保全活動に取り組んでいきたいと思います。
2021年04月12日サンゴSHOWでおうちカフェ ~サンゴと歩んだ20年~【石垣地域】
西表石垣国立公園 田村彰帆
アクティブレンジャー日記をご覧の皆様、こんにちは。
石垣自然保護官事務所の田村彰帆です。
地域の皆様から「サンゴセンター」と親しんで頂いている国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターが開所20年の節目を迎えたことを記念し、3月6日(土)、「サンゴSHOWでおうちカフェ ~サンゴと歩んだ20年~」と題し、サンゴ礁の価値や重要性、保全の必要性を考えるきっかけとなるようイベントをWEB配信にて開催しました。
サンゴSHOWでおうちカフェの様子をご紹介します。
◯看板お披露目
イベントの前日である3月5日(サンゴの日!)に、地元小学校の児童がサンゴの破片や、貝殻、シーグラスを使ってサンゴセンターの表札看板をリニューアルしてくれました。
サンゴを慎重に運び作った看板は、どんな看板に仕上がったのでしょうか。
「1、2、サンゴ!!!」の掛け声とともに看板のお披露目をしました。
この看板がサンゴセンターの新しい顔になります。
↓以前の看板とはまた違った、個性あふれる看板ができました。
国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター20周年記念WEB配信イベントのお知らせ【石垣地域】
◯トークセッション第1部「サンゴってなに?」
サンゴに詳しい琉球大学名誉教授の土屋先生が、サンゴ・サポーターである石垣島の大人気アーティスト「きいやま商店」からの質問に答える形式で、写真で説明しながらサンゴの基本的なことについておさらいしました。
◯トークセッション第2部「サンゴと歩んだ20年」
土屋先生と石垣自然保護官事務所職員が、サンゴセンターを拠点に行われてきた石西礁湖再生事業を中心としたサンゴ礁に関する情報の収集・整理・提供や海外支援活動、普及啓発活動などの20年の取組みを、八重山でのできごとをまとめた年表と一緒に振り返り、達成できたことやこれからの課題についてのトークを繰り広げました。
◯講演「サンゴは魚とお友だち!?~サンゴと生き物のつながり~」
サンゴにちなんだ講演として、水産総合技術研究所の名波さんを講師にお迎えし、サンゴ礁を住処とし、サンゴをエサとする魚の生態についてお話くださいました。
魚の種類によって食べるサンゴの部位や食べ方が違うことなど、動画を交えた説明は子どもにも分かりやすく、サンゴの重要性を、サンゴそのものだけでなくサンゴと関係のある生き物の視点からも考えるきっかけになりました。
◯ミニライブ「サンゴSHOW TIME」
最後に、サンゴ・サポーター「きいやま商店」によるミニライブが行われました。
「画面の向こう!盛り上がってますか~!?」
サンゴ礁保全再生応援ソング「1、2、サンゴー!」や、他の曲も「サンゴ保全」と歌詞を替えて歌ってくださり、サンゴを守ろうという強いメッセージを届けてくださいました。
初の試みであるWEB配信イベントを通して、サンゴ礁やサンゴセンターに親しみを持ってもらい、少しでもサンゴ礁のためにできることを考えるきっかけになっていただけたら嬉しいです。
八重山の、日本の、世界のサンゴ礁を守るため、これからも多くの方とともに一歩一歩進んで行けたらと思いますので、よろしくお願いします。
みなさまのご視聴ありがとうございました!!
サンゴセンターでは、常設展示も行っております。
是非遊びにお越しください!
2021年04月08日トビカズラの島 トコイ島(その1)【平戸・九十九島地域】
西海国立公園 溝口恵美
こんにちは!佐世保自然保護官事務所の溝口です。
皆さん、トビカズラという植物をご存じですか?
4月から5月上旬に花を咲かせる植物で、濃い紫色の特徴的な形をしている、ツル性の植物です。
実はこのトビカズラ、国内で4カ所のみで自生しているとされているのですが、
この貴重な花が、九十九島のトコイ島でも生育しているのです!!
先日このトコイ島へ、グリーンワーカー事業として九十九島の会の皆さんとトビカズラの生育状況のモニタリングと海岸清掃へ行ってきました。
昨年の台風の影響で、葉っぱがダメージを受け枯れている場所があるという情報があり、少し心配でもありましたので、現在の状況の確認も含めての調査になります。
▼瀬渡し船でトコイ島へ渡ります。
▼トコイ島が見えてきました。
▼よく見るとトビカズラの葉が茂っているように見えています。
(赤い線で囲んでいる部分)
お!!これは期待できるかも!!と胸を躍らせ、いざ上陸!
海沿いと高い場所の二手に分かれ、調査開始!!私は、高い場所の調査に行きました。
険しい森の中を15分ほど登ると、トビカズラが観測できるエリアに到着しました。
見上げると、期待通りに葉もたくさん茂り、花も開花していました。
台風の影響は一安心。
海岸沿いでは、台風の影響を直に受けたためか、残念ながら開花の確認はできなかったようです。
トビカズラは、日本にはいないフルーツバットのような蜜を食性としたコウモリなどによって受粉します。
トコイ島では自然に受粉することはありません。人工授粉すると結実して、長い大きな実をつけます。
▲人工授粉によって結実したトビカズラ
九十九島トコイ島のトビカズラ。なぜここに自生しているのか詳しいことはわかっていないようです。
そんなに珍しい植物、長崎県ではトビカズラは島に渡らないとみれないの??と思ったそこのあなた!!
実は佐世保には手軽に観察できる場所が、あります!!
自生ではないですが、九十九島ビジターセンターの対岸にある長尾半島でも楽しむことができるのです。
5月上旬まではトビカズラの花や独特な香りを楽しむことができると思いますので、
是非足をお運びください。
阿蘇くじゅう国立公園管理事務所の姥原です。
4月18日(日)阿蘇市の大観峰(だいかんぼう)周辺で阿蘇地区パークボランティアに協力いただき、春の清掃活動を行いました。
大観峰(だいかんぼう)は、阿蘇カルデラや阿蘇五岳を一望することができる展望所で、
多くの観光客が訪れる場所であるため、残念なことに周辺の道路沿いではポイ捨てが少なくありません。
風が強く寒い中での清掃活動でした。
拾ったゴミは、種類ごとに分別します。ビンや、あき缶、弁当ガラなどが多くありました。
1時間半ほどかけて、約30kgのゴミを回収することができ、大観峰に訪れる人が快適に過ごせる場所になったと思います。
パークボランティアの皆さま、本当に有難うございました。