2015年10月
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2015年10月07日縄文杉デッキの工事が始まりました【屋久島地域】
屋久島国立公園 アクティブレンジャー 菊地
最近涼しくなって秋を感じる屋久島から菊地です。
今年は7月下旬まで雨が多く、夏があっという間に終わってしまったように感じました。
先月の大型連休の前半は天気もよく、多くの観光客が屋久島を訪れました。
特に縄文杉には20日に800名以上、21日に1000名以上の登山客が訪れ、ゴールデンウィークを超えるにぎわいを見せました。
ウィルソン株や縄文杉といった目玉スポットでは、山の中とは思えない行列ができましたが、どこよりも長い行列ができたのはトイレでした。
トロッコ道を歩き終えた場所にある大株歩道入口のトイレ、縄文杉までだとここが最後のトイレになります。
再び戻ってくるまでの4、5時間、トイレがないとなれば、みんなここでしておきたいと思うもので、21日は最長30分近くの待ち時間が発生しました。
▲21日の大株歩道入口トイレの様子 ▲大王杉先にある携帯トイレブース
縄文杉までのルート上には既設のトイレ以外にも携帯トイレのブースが設置してあります。
携帯トイレを持っていれば利用できますので、ぜひ活用して下さい。
さて、本題の縄文杉デッキなのですが、3年前に縄文杉の大枝に腐朽がみられて以来、落枝が懸念されてきました。
大枝直下にあるデッキの立入禁止、ケーブリング、デッキの片側撤去といった関係機関による対策が講じられてきて、いよいよ今月から新しいデッキを整備する工事が始まりました。
▲既存デッキ ▲新デッキ設置場所から見た縄文杉
工事期間中は登山道の一部区間が立入禁止となり、工事の進行状況にしたがい立入禁止区間の変更がありますのでご了承下さい。
じゃあ、縄文杉を見ることができないの?といえば、そんなことはありません!
これまでどおり、既存のデッキからは縄文杉を見ることができますし、すぐ近くの水場も利用できます。
1995年に既存のデッキが作られてから20年、新デッキが完成すれば、これまでとは違ったアングルから縄文杉を眺められるようになり、縄文杉の印象も新しいものになるのではないかと思います。
工事期間中、登山者の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
2015年10月06日自然に親しむ集いを実施しました!【屋久島地域】
屋久島国立公園 屋久島 アクティブレンジャー 水川
みなさん、こんにちは!
屋久島自然保護官事務所の水川です。
ここ数日屋久島はカラッとした秋晴れが続いております。
山もとっても気持ちのいいシーズンです!!
(と、日記を書いていたら大粒の雨が降り出しました。みなさん、屋久島に来られる際は雨具をお忘れなく。突然の雨は、日常茶飯事なのです。。。)
さて、そんな最高のお天気に恵まれた10月4日、「自然に親しむ集い~トロッコ道を歩こう!小杉谷の歴史ツアー~」を開催しました!
小杉谷とは、かつてヤクスギなどの木材の伐採・搬出などで生計を営む人々が暮らしていた集落で、縄文杉に向かう登山道の途中にあります。標高660m程の深い山の中です。
小杉谷集落については下記バックナンバー「パークボランティア活動報告①!屋久島地域」をご覧ください♪
↓↓
http://kyushu.env.go.jp/blog/2015/04/23/
講師は、屋久島国立公園パークボランティアの会副会長で、子ども時代を小杉谷で暮らした若松昭男さんです。
活動では、縄文杉登山の入口である荒川登山口から小杉谷集落跡地までのトロッコ道を、片道1時間ほどかけて歩き、集落跡地を巡って、当時の暮らしや小杉谷の歴史について若松さんに語っていただきました!
左:荒川登山口に置かれているトロッコ。
右:当時は木材の運搬や生活物資の運搬、集落の人々の足として走っていたトロッコ。現在は山のトイレの管理等のために、たまにトロッコ道を走ることがあります。
左:トロッコ道の途中にある製材所跡。
右:トロッコの修理場跡。地面に開いた穴は、トロッコの底を修理するために人が入る場所。現在の自動車整備工場と同じような施設が当時の屋久島の山にあったんですね(゜∪゜)!!
小杉谷小中学校跡地の手前には神社があり、急峻な石段を上ると社殿があります。当時は部活動の練習でこの階段を何往復もダッシュしたらしい...(゜Д゜;)
若松さんが、当時小杉谷中学校の校門につけられていた看板(※本物です)を持ってきてくださったのです!!小杉谷が閉山となった時、若松さんのお父さんが譲り受けたそうで、大変貴重な品の登場に参加者のみなさん、スタッフからは「お~!!」と歓声が上がりました。今も残る校門の看板がつけられていた箇所(型)に当ててみるとピッタリ!
学校跡地も説明を聞きながら見学しました。
左:校舎跡。
右:小杉谷小中学校の石碑。校歌が刻まれているそうですが、コケが覆い尽くして見えなくなっていました。
下の写真は給食室跡です。
左:かまど。
中央:かまど全体像。側面に薪をくべるための口があるのが分かります。
右:流し台。
ここでパンは焼けなかったらしく、里で焼いたコッペパンを、トロッコで小杉谷に運んでいたそうです。
小杉谷集落の最盛期は昭和35年頃で、その頃すでに多くの家庭にはテレビや冷蔵庫、電気風呂といった電化製品があったそうです。(テレビが全国の一般家庭に普及し始めたのは昭和34年頃。)
屋久島の深い山の中に最先端で裕福な暮らしがあったんですね!
他にもたくさんの小杉谷秘話を聞くことができました!
参加者のみなさんは屋久島の歴史をちょこっと深く知り、屋久島の魅力を再発見できたのではないでしょうか(^∪^)
貴重なお話を、どうもありがとうございました!
次回の自然に親しむ集いは...
「アサギマダラマーキング会」
日時:平成27年11月9日(月)9:00~12:00
参加費:200円
活動場所:尾之間、原地区周辺
申込期間:平成27年10月9日~10月30日
申込先:屋久島自然保護官事務所
TEL:0997-46-2992/FAX:0997-46-2977/E-mail: RO-YAKUSHIMA@env.go.jp
皆様のご参加をお待ちしておりまーす(^∇^)☆
2015年10月02日子どもパークレンジャー!平久保サガリバナ群落ボランティア作業【石垣地域】
西表石垣国立公園 神保彩葉
みなさまこんにちは!石垣自然保護官事務所の神保です。
石垣島北部地域子どもパークレンジャー事業第4回目として、9月26日(土)に平久保サガリバナ群落のボランティア作業を行ってきました!
現地に到着するなり、元気いっぱい木に登って遊んでいる子どもたち。
さすが自然に囲まれて育っているだけありますね~(^^)
▲木に登る子どもたち
当日の作業は、平久保サガリバナ保存会のみなさまの説明やサポートを頂きながら、みんなで古くなったり、虫に食べられたりしている葉の剪定を行いました。作業が始まるとみんな夢中になり、葉を落とす「パチッ、パチッ」という音が響いていました。
▲葉の剪定作業中のようす
作業の後は軽食タイムです。
この日の軽食は・・石垣島のソウルフード「からそば」。
※からそばとは、八重山そばとサバの缶詰等を混ぜ合わせたものです。
ただし!この日のからそばは特別仕様で、大皿はバショウの葉、取り皿はゲットウの葉、お箸はススキの茎を切り、自分たちで作成しました。
全て自然のものなので、ゴミが出ず環境に優しい&自然が豊かな場所ならではのアイディアですよね。屋外でみんなと一緒に食べるご飯は格別なようで、大盛りだったからそばを、おなかいっぱいになるまで食べていました。
▲MY箸作成中
▲オリジナル「からそば」出来上がり
▲食事のようす
食事の後はサガリバナの観賞を行いました。
サガリバナの花は夜に咲くため、日没前と日没後とではまた違った姿を見せてくれます。
さっきまでつぼみだった花が、日が暮れるにつれて開いていく様子をみんなで観賞しました。
▲日没前のサガリバナ
▲日没後のサガリバナ
あたりが暗くなると、昼間にはなかなか見られない生き物たちも出てきてくれます。
この日はなんとヤシガニも姿を見せてくれました。
▲見つけたヤシガニ
きれいな月夜の中、サガリバナの観賞と格別な軽食、そしてサガリバナ群落内を冒険するなど、盛りだくさんでとても贅沢な一日でした。
当日ご協力いただいた平久保サガリバナ保存会のみなさま、本当にありがとうございました!
子どもたちに自分の生まれ育った北部地域を好きになってもらい、将来は自然を守る発信者となってくれたら・・と願っております。
2015年10月02日台風13、15、21号の被害【石垣地域】
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本
こんにちは。石垣自然保護官事務所の仲本です。最近の石垣島は良い天気が続いています。少し夜も涼しくなり、もう真夏の時期も終わりかなと感じる今日この頃です。
今年の石垣島は台風の当たり年で、数回台風が接近しました。中でも台風13号と15号は大型で被害が大きく、甚大な被害を与え過ぎ去っていきました。
8月7日の台風13号では、石垣島の観光名所になっている御神崎の、事務所が設置した案内標識も被害にあってしまいました。被害状況は以下の写真のとおりです。案内標識の赤瓦が強風で、はがれ落ちていました。台風で瓦屋根がはがれてしまった家も多く、石垣島の瓦屋は台風後、瓦の修理に追われ、忙しくしていました。現在は、案内標識の赤瓦を修繕し、元通りになっています。
赤瓦がはがれ落ちた案内標識
台風15号は8月23日に石垣島を直撃し、最大瞬間風速71mと過去の記録を更新しました。私が台風15号で目にした被害は、船の転覆、暴風による自動車の横転、自動車の窓ガラスが割れている、電柱が折れているといった被害です。被害を目にし、最接近時は相当な暴風が吹き荒れていたんだと実感しました。最接近時は私もこれまで経験したことのない暴風で家が揺れ、家の中に居てもこわいほどでした。
また、台風15号の被害は市街地だけはなく、石垣島北部にある米原ヤエヤマヤシ群落(国指定の天然記念物)の環境省で整備している展望台デッキや遊歩道でも起こりました。遊歩道にはかかり木となり、倒木したヤシの木が数本倒れていました。強風のため根が浮き、ヤシの幹には亀裂が入り、いつ倒れてもおかしくない状況のヤシの木を確認しました。
9月28日の台風21号では、倒木の可能性のあったヤシの木が台風の強風で倒れ、展望デッキを直撃し、デッキ板が破損してしまいました。現在、復旧作業を行っているため、展望デッキの立ち入りを禁止し、歩道の途中まで通行止めの立ち入り制限を行っています。
台風15号で幹に亀裂が入っていたヤシの木(倒木前)
台風21号で展望台デッキに倒木したヤシの木(倒木後)
今年の石垣島は台風の直撃が数回あり、これから秋にかけても台風が襲来するおそれがあるので、今後も台風による被害が心配です。現在も近年ないペースで台風が発生しているため、皆さんも引き続き気象情報に注意しながら、お過ごしください。
みなさん、こんにちは!
屋久島自然保護官事務所の水川です。
屋久島自然保護官事務所では、毎年屋久島町立八幡小学校の4年生を対象に、国立公園や世界遺産、屋久島の自然についての出前授業を実施していますが、今年から新たに別の小学校でも授業をさせて頂くことになりました(^^)
今回新たに出前授業をスタートしたのは屋久島町立小瀬田小学校の5・6年生。
屋久島の自然や文化などについて学び、屋久島を守り発信していく一員として成長するための、ESD(持続可能な開発のための教育)の観点を持った授業プログラムの一環として、全3回の授業を実施します。
10月8日、記念すべき第1回目の授業を行ってきました!
▲授業の様子。
第1回目は屋久島国立公園と屋久島世界自然遺産について勉強しました。
▲国立公園の○×クイズ。
屋久島世界自然遺産の話の中では、樹齢1000年を超えるスギ、"ヤクスギ"についても説明しました。
1000年を超えてもなお大地に立ち続けるカギとなっているのは年輪と樹脂です。
栄養が少ない屋久島の土壌に生えるスギは成長が遅く、年輪がとても密になり、折れにくく、倒れにくい丈夫なスギとなります。
さらに、ヤクスギの樹脂の量は普通のスギの約6倍!樹脂が多いと腐りにくく虫にも強いのです。
今回の授業では、ヤクスギと普通のスギの板を持参して、年輪がどれだけ違うか見比べてもらいました。
▲ヤクスギと普通のスギをじっくり見比べる児童。真剣です!
学校が違うと児童の雰囲気も全然違ってとても新鮮でした。
今回新たに授業をスタートした小瀬田小学校でも、屋久島の自然や抱える問題など、たくさんのことを知ってもらえるように、あと2回の授業を精一杯進めていきますよ☆
授業の続報をお楽しみに~(≧∇≦)