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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇

146件の記事があります。

2016年12月13日日の出の雲海 日暮れの草原 【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 山口佳子

みなさん、こんにちは!

阿蘇は朝晩冷え込む季節となり、毎朝霜が降りるようになりました。

冬の早朝に出かけよう、と私が心待ちにしていたこと。

それは、『阿蘇の雲海』です。

夜霧が出ていた夜、地元の方が「明日は雲海が出るよ」と教えてくれました。

そこで次の日朝早く北外輪山へ向かい、出逢った景色がこちら~

(▲12月6日 朝7:30頃 二重の峠から撮影した雲海)

How beautiful...

金色に輝く太陽がカルデラ内を覆う雲海を照らし、五岳がシルエットで映し出されます。

一刻一刻と変わっていく雲海と陽の光。自然が作り出す幻想的な一期一会の景色です。

阿蘇に来て初めての雲海は忘れられない光景となりました。

朝からこのような美しい日の出をみたら、1日良いことがありそう~!

阿蘇の雲海が発生しやすいポイントは、寒暖差、放射冷却、風がない、晴れているなどです。

雨が降った次の日の晴れた朝なども、雲海で出逢える好条件のようですよ。

そして夕方。

草原のススキが光を受けて赤く染まり風に揺れています。

阿蘇に太陽が昇り、沈んでいく。

噴火や地震などを繰り返しながら、太古の昔から繰り返されてきた自然の営み。

阿蘇くじゅう国立公園に来られる方々の心を魅了しているこの草原は

千年もの間、人の手で草を刈り、野を焼くという大変な作業で守られてきました。

先人の方々と草原の深いつながりを感じながら、

感謝の思いで米塚の向こうにゆっくりと沈む太陽を見つめました。

http://aso-sougen.com/now/index.html ← 草原のことをもっと知りたい方はコチラ

阿蘇ではサイクリングツアーやナイトハイクなど楽しいレジャーがいろいろ!

体を動かした後は美味しい阿蘇の郷土料理や、草原で育ったあか牛グルメ、ゆったり温泉を堪能♫

そして、朝の雲海や草原の夕陽など阿蘇には絶景ポイントもたくさんあります!

ぜひぜひ、あなただけの阿蘇の楽しみ方を見つけてみてください!

草原にいる稀少な植物や動物に出逢えるかも!

そのときはそっと見て思い出だけ持ち帰ってくださいね!

※ご注意

太陽の光を直接見たりカメラのレンズを覗く際に、紫外線や熱線で目を傷つけてしまうことがあります。

太陽を見るときは遮光板を使うなど、安全に留意して行ってください。

阿蘇のレジャーはこちらにお問い合わせ

■阿蘇ネイチャーランド

http://www.aso.ne.jp/~natureland/

■アウトドアクラブ 南阿蘇knot

http://minamiaso-knot.jimdo.com/

阿蘇の情報(交通機関や火山火口規制等 最新情報をご確認ください)

■阿蘇地域アクセスルートマップ

http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/tecforce/pdf/asoaccess

■阿蘇火山火口規制情報

http://www.aso.ne.jp/~volcano/

■阿蘇山登山状況

http://www.pref.kumamoto.jp/kenhoku/kiji_10328.html

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2016年10月31日九州特産物リレー 10月 ~地トウキビ~【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 山口佳子

みなさん、こんにちは!

10月7日21時52分に中岳第1火口で噴火、8日1時46分には爆発的噴火が発生し

阿蘇山噴火規制レベルが3にひきあげられました。

今回の噴火で噴石や降灰の影響を受け、農業や観光に影響が出た地域も一部ありましたが、

噴火後も草千里まで行くことができ、変わらぬ美しい景色を魅せてくれています。

わたしも阿蘇で暮らしてから中岳からの煙を見るのが日課となっていますが、
実際に噴火を経験し活火山のパワフルさを肌で感じる貴重な体験となりました。
阿蘇はほんと、地球は生きている、ということを実感できる土地ですね。

はてさて、お題の九州特産物リレーですが、バトンが霧島錦江湾国立公園から渡されましたので阿蘇から、在来種の地トウキビをご紹介したいと思います。

 

地トウキビは阿蘇で昔から食べられていたトウモロコシです。

軒先に吊して保存食として焼いて食べたり、粉にしてご飯と混ぜて炊いたりしていました。
スイートコーンのような甘さはなく、ほのかな甘さと実が固いのが特徴です。
噛むとじんわりうまみを感じる、素朴なおいしさの地トウキビ。
時代の移り変わりとともに、スイートコーンが主流となり、地トウキビを栽培する農家さんは少なくなりました。現在は、主に飼料用として一部の農家さんが育てています。

▼下の写真のように地トウキビの実を効率的に取る手動の機械も昔は使われていました。

参考写真:阿蘇地域世界農業遺産推進協会(http://www.giahs-aso.jp/

  

この地トウキビは今が旬を迎え10月22日(土)に阿蘇草原再生シール生産者の会(草原の再生を目的とし、野草堆肥を使ってお野菜を育てる農家さんの団体)が阿蘇地域世界農業遺産の助成を受け、

地トウキビ収穫農業体験を阿蘇市坂梨地区で開催しました。

 

阿蘇で繋がれてきた、貴重な在来種の地トウキビの種を7月にみんなで蒔き、すくすくと大きく育ち

たわわに実っていたのですが、、、

なんと!!!収穫前にイノシシにすべて食べられてしまいました!!!

 

広い畑に地トウキビが、、、なんにもない!!!

  

台風や噴火を乗り切り、農家さんが一本一本大切に育ててきた地トウキビ。

このように動物に全て食べられてしまいとてもとても残念でしたが、

農家の方の日頃の努力をまたひとつ知ることができる機会にもなりました。      

      

   (▲イノシシに食べられる数日前の畑。)   (▲イノシシに食べられた無残な姿の畑)

 

参加者の方たちと、イノシシに食べられた様子を見た後は、別の地トウキビ畑に移動して

美味しい地トウキビの見分け方を教わり収穫をし、その後炭火で地トウキビを焼いて食べました。

    

阿蘇の草原の野草を刈り取って堆肥にし、育てた採れたて野菜を使った阿蘇の郷土料理を

シールの会の農家の方たちが振る舞ってくれました。だご汁も野菜の天ぷらも大好評でした!
なかなか生産が少なくなってきている在来種の地トウキビ。
この日初めて口にした方も『おいしい』と笑顔いっぱいでした。

これからもつなげていきたい、魅力いっぱいの阿蘇の特産品です。 

機会がありましたら、ぜひ一度お試しください♫

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2016年09月28日阿蘇山登山道一部開通~!【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 山口佳子

みなさん、こんにちは!

阿蘇自然環境事務所の山口です。

阿蘇にうれしいニュースです。

熊本地震の影響で、不通になっていた阿蘇山登山道、坊中-草千里間(坊中-吉田線の一部)が

5ヶ月ぶりに開通致しました!

阿蘇駅前から草千里を通って山上広場(ロープウェー乗り場)まで行くことができます!

※中岳火口周囲1kmは火山活動活性化のため、立ち入り規制が続いています。

 

9月16日10:00 

この日を心待ちにしていた関係者の方々のあたたかいお出迎え。

『阿蘇山上に来てくれてありがとう』の想いと

来訪者の方々の『開通を待っていたよ~!』の想いが結ばれていきます。

(▲草千里駐車場前で歓迎のお出迎え。駐車場は現在無料開放中です。)

 

(▲みんなに大人気のあか牛くんもげんきいっぱい道路の開通をお祝い♫)

 

阿蘇山上に到着すると、目の前に広がる美しい眺めは草千里ヶ浜。

草千里ヶ浜は烏帽子岳の北麓に位置します。

中岳の噴煙を望み、大きな池や放牧中の馬たちの牧歌的風景をみることができる憩いの場所です。

※登山ルートは安全が確保されていないため、現在通行不可となっていますのでご注意ください。

 草千里ヶ浜内の駒立山には登れます。

(◀中岳の火口と大きな池も秋の風情です)

  

(▲草千里に咲く野花。凛と咲くリンドウ)  (▲広い草原のなかでそっと咲いているので

                        探しの気分です。可憐なサイヨウシャジン)

 

山上では、亀裂の入った道路を丁寧に舗装された跡が各所でみられます。

どれほど大きな揺れだったのか。地球の営みの大きさ、パワフルさを肌で感じる光景です。

こうして、たくさんの人の手でよみがえっていく阿蘇。復興の足取りをみつめながら、

この雄大な景色を見られるのもいまの阿蘇を感じる感動スポットのひとつです。

(▲草千里ヶ浜から山上広場へ向かう道)

  

山上で働く魅力あふれた笑顔をご紹介いたします。

現在、地震の影響で閉館中の【阿蘇火山博物館】。

館内の復旧に向けて、元気いっぱい作業されています。

再び、多くの方々に『生きている阿蘇』を知り、体験してもらいたい!という、

熱い情熱をもったスタッフのみなさんが力を合わせて再開を目指しています!

(▲復旧したらぜひ訪れたい阿蘇火山博物館。HPをご覧ください。http://www.asomuse.jp/) 

  

国立公園では、みなさまが安心して楽しく利用できるようたくさんの人々が携わり日々作業をしています。

現在、登山道は坊中-吉田線間の一部開通ですが、今後の復興に向けて現在も作業が進んでいます。

公園で働く人々の笑顔も阿蘇の魅力のひとつです。

(▲いつも国立公園内を気持ちよく過してほしいと整備している自然公園財団の方々)

   

阿蘇。

山に登って見渡すと、ここでしかみられない圧倒的な大自然に魅せられます。

どこまでも広がる草原には多様な植物や生物が生息し、

カルデラに暮らす阿蘇の人々の自然と共生した暮らしを垣間見ることができます。

ぜひ、秋の阿蘇へお越しください。

 

(▲勢いよく吹き上げる噴煙 中岳火口)     (▲絶景の中で放牧中のあか牛)

  

◇◆阿蘇山上情報◆◇  

(2016年9月29日時点の情報です。随時最新情報をご確認ください)

 

◆登山道開通情報(阿蘇市)◆

http://www.city.aso.kumamoto.jp/kumamoto_eq/traffic/asotozandoro

登山道通行可能時間 7:00~19:00

 

◆阿蘇山登山情報(熊本県)◆

阿蘇山系の各登山路は、平成28年4月16日の熊本地震や豪雨の影響により、崩落及びルート寸断が発生し

危険で現在通行できないルートがあります。詳細及び最新情報はHPをご確認ください。

http://www.pref.kumamoto.jp/kenhoku/kiji_10328.html

 

◆レストラン・お土産◆

草千里駐車場内 一部カフェ・売店が営業しています。

ロープウェイ駅舎 売店が営業中です。(映像エンターテイメント スーパーリングも上映中!)

 

◆道路情報◆ 

アクセスルートマップ

http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/tecforce/pdf/asoaccess

 

◆阿蘇駅ー草千里・阿蘇山上 阿蘇火口線 産交バス(復興特別ダイヤ)

http://www.kyusanko.co.jp/sankobus/aso_sen/

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2016年09月02日草原再生なるか!? 学生たちと植生調査【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 藤田

 こんにちは、阿蘇事務所の藤田です。8月末から一気に気温が下がり、ここちよい風が吹いてきました。

草原にはススキの穂が出始め、秋の風景に変わりつつあります。

 

 草原再生の一環として、阿蘇中央高校グリーン環境科の生徒たちが取り組んでいる植生調査に同行しました。野焼きや採草、放牧などの手入れをされず『放棄地』となっている草原を借りて、草刈りをし、植生の変化などを調査されており、今年で3年目になります。今回は2~3年生から10名の参加がありました。

 

◆◇◆調査の様子◆◇◆

 専門家の方に教わりながら、1m×1mの調査区の中にある植物を探します。はじめは見分けや違いなどが分からないようでしたが、丁寧に教えてもらいコツを掴むと次々に見つけられるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

群落の平均の高さを図っています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

群落の密度を測っています

 

 

 ◆◇◆見られた植物◆◇◆

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲンノショウコ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クルマバナ

  

  

 その他に、コオニユリやナデシコ、ネジバナなども見られ、草原性の植物も増えており、「3年で植生が変わってきた!」と歓喜の声が聞かれました。成果が見られたことで、これからも続けて行くことが大事なんだと気づきが芽生えた生徒もいたようです。

 生徒たちは、輪地切りや野焼き、野草堆肥づくりなど経年で学んでいます。真剣に取り組む姿を見て、とても頼もしく感じました。

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2016年08月23日地とうきびタネまき農業体験イベント開催!【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 山口佳子

今年度から阿蘇自然環境事務所のアクティブレンジャーになりました山口です。

4ヶ月経っての初投稿です。勢いにのって連投めざします!

おつきあいのほどよろしくお願い致します。

 

熊本地震で被災し、6月の豪雨でも追い打ちをかけるようにダメージを受けた阿蘇ですが、

『復興』の思いでひとつにつながる農業体験イベントが7/23(土)に開催されました。

阿蘇の草原の野草を刈り取り、野草堆肥でお野菜を育てている

阿蘇草原再生シール生産者の会の市原会長の畑をお借りして、

広い畑にみんなで一斉にまいたのは、阿蘇で受け継がれてきた、地とうきびのタネ!

品種改良されていない在来種で、収獲しては一部を残して保管し、まいてはまた保管、を繰り返しながら

長い年月阿蘇の農家さんに守られてきた貴重なタネを使わせて頂くことができました。

   

(▲10日間畑に泊まり込み、イノシシに食べられてしまわないよう見守ってこの日を迎え、

  今回のイベントで使用させて頂いた地とうきびのタネです。)

  

 

(▲(左)地とうきびのタネまき & (右)お土産のスイートコーンを収獲したようす

     34名の方が参加されました。福岡県や大分県からもご参加いただきました。

     農業体験初めての方が多く暑い中慣れない作業でしたが、みなさん楽しそうな表情です!)

 

まいたタネの間に堆肥をかけていきます。

草原で刈り取った野草を発酵させて3年間熟成させた堆肥です!

美味しいお野菜を届けたい!という農家さんの想いがた~っぷり詰まっています。

この堆肥が、土をふかふかにして、土壌内の善玉菌が野菜の病気を抑え、

安全でおいし~~~~~~~~~お野菜にしてくれるのです♫

 

    

(▲(左)使用した野草堆肥 &(右)開催にご協力いただいた阿蘇地域世界農業遺産のロゴマーク)

 

阿蘇の草原を刈り取り、野草堆肥の活用が進むことで、

刈り取られた草原の大地まで太陽の光が届くようになり、

草原景観や地下水保全につながっていきます。

阿蘇の草原、人、動植物、農業、文化の循環がひとつの環となる阿蘇の営みがここにあります。

参加者のみなさんが、暑い中での農作業でキラキラと汗を光らせている間に

阿蘇草原再生シール生産者の会の女性陣がおにぎりを作ったり、

バーベキューの準備をしてくださいました。

 

  

(▲(左)あか牛や阿蘇で採れたお野菜 & (右)シールの会の安心採れたて野菜販売会も大好評!)

 

阿蘇のめぐみでバーベキュー!ヘルシーでおいしーあか牛や

なんといっても、阿蘇草原再生シールの会の野草堆肥で育ったお野菜が

新鮮で甘くてジューシーでおいしいのです!

こどもたちも「おいしー!」とお野菜をパクパク食べる姿に、

参加者のお母さんもびっくりニッコリ。

 

 

今回まいた地とうきびは、秋に収穫を迎えます。

次回の農業体験は10/22(土)となります。

実った地とうきびを収穫してお天気が良ければ草原のなかで調理していただきます!

参加ご希望の方は、メールもしくはFAXにて事前にお申し込みください。

 

▷▷▷お申し込み先◁◁◁

●阿蘇自然環境事務所(阿蘇草原再生シール生産者の会事務局 山口)

 mail: NCO-ASO@env.go.jp   fax: 0967-34-2082

○阿蘇草原再生シール生産者の会

http://www.aso-sougen.com/producer/index.html

○阿蘇地域世界農業遺産推進協会

http://www.giahs-aso.jp/

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2016年04月14日野の花たちのめざめ♪【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 アクティブレンジャー 藤田

 こんにちは、阿蘇事務所の藤田です。新年度が始まり、自然保護官とアクティブレンジャーの2名が新しく事務所に仲間入りしましたので、一念発起して事務所内のレイアウト変更をして、ン年分の溜まったゴミも片付けました。

スッキリきれいになって、きっと業務も捗るはず!(^_^;)

  

 先月、田上さんが草原の芽吹きを報告してくれましたが、野焼きで真っ黒になった草原に、春の訪れを告げる「キスミレ」が咲いていました。ハルリンドウ、アマネ、オキナグサ、ネコノメソウ等も見られました。ひとつ見つけるとあっちにもこっちにも・・・。歓声と共にウキウキしながら写真を撮りました。

 

 

 焦げたススキの根元に咲くキスミレ

 

 可憐なピンク色のショウジョウバカマ

 

 うつむきかげんのオキナグサ

 

 チューリップに似ているアマナ

 

  

 オキナグサは、成長課程で容姿が変わっていくめずらしい植物です。花が終わるとおじいさんのひげみたいな果穂が出てきます。

 スミレやウマノアシガタ、サクラソウなど色とりどりの花がこれから咲き始めるので楽しみです。

 

 春の野の花に興味を持たれた方は、外観や館内(一部)をリニューアルした南阿蘇ビジターセンターに隣接する『野草園』にて見られます。観察会を4月29日(金・祝)に開催予定です。新緑が出はじめる阿蘇の山々もキレイなので、ぜひ足をお運びください。

【4月21日追記:この度の熊本地震を受け、観察会は中止となりました。】

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2016年03月30日この岩、よ~く見ると・・・・・!?【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 田上

阿蘇事務所の窓から見える桜の木も、枝先のつぼみも大きく膨らみ、ぽつりぽつりと開き始めています。

満開はいつ頃かなぁ~♪

H28.3.29事務所近くの桜(西巌殿寺)

 

さて、以前くじゅう地域の田中ARが『おもしろい形をした岩シリーズ』を投稿していましたね。阿蘇にも『○○に見える岩』があるんですよ、ご紹介します!

 

この写真のどこかに、『顔』があるような・・

  

こちらです

 

 

そう真ん中に!面長のすまし顔で、口をぐっとつぐんだようなクールな横顔。たぶん男性でしょうか。

これは野焼き後の写真なので、髪(前髪)は黒っぽく見えます。

そして、約2か月後の彼の姿はというと・・

髪を緑に染め、前髪にはピンクのミヤマキリシマを乗っけ、もみあげもモリモリに!なんともおちゃめな姿に(^.^) だけど顔はすましたままなので、なんだか笑えます。・・真夏には緑のさらさらロン毛でしょうかね!?

この岩、根子岳や高岳を遠くから見守っているような感じで、阿蘇市と高森町を結ぶ国道265号線沿いにあるんです!近くには言い伝えのある「箱石」という重箱のような大きな岩もあるので、ドライブしながら探してみてください♪ ※カーブが多いので車の運転にはお気を付け下さい!

 

ちなみに、阿蘇では昔から「阿蘇谷に七鼻八石(ななはなやいし)あり」と言われ、「鼻」は外輪山から谷内側に突き出ている部分を表し、「八石」は伝説や言い伝えが残る奇石(箱石も含む)のことです。

残念ながら「八石」の中に"彼"は入っていません・・。

 大観峰(遠見が鼻)からの風景

展望がよく、観光客に人気の「大観峰」も実は鼻の一つなのです。

 

阿蘇の山を歩いてみると、七鼻八石以外にも阿蘇火山の活動によって作られたいろんな形の巨石を目にすることがあり、○○に似てるな~と心の中でつぶやいてしまいます。

これからトレッキングに最適な時期になるので、ぜひ『○○岩』見つけてみてください!

・・・野焼き後の草原では緑鮮やかな新芽が伸び始めています。新たなシーズンの始まりですね!

 

今回の投稿をもって私のAR日記は終了します。「日記見てるよ~!」と声をかけて下さる方もいらっしゃいました、ありがとうございました☆引き続き藤田AR、後任ARの日記は続きますので、のぞいてみて下さい♪

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2016年02月24日春のはかなきものたち【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 田上

 

この時期、林床からニョキニョキニョキ・・・このつぼみ、なんの花が咲くでしょうか??

 

フクジュソウ(ミチノクウフクジュソウ)のつぼみでした♪

高森町にある「阿蘇野草園」では今月の中旬頃から、少しずつ咲きだしています。

春を感じますね(^^)・・というのも、戦略的に早春に咲いているんですよ!

 

広葉樹の林の下によく見られますが、広葉樹が芽吹く前に花を咲かせることで、地面まで届く太陽をたっぷり浴びて光合成を行い、地下茎に栄養を蓄えるのです。そして、林の葉が生い茂る初夏には、地上から姿を消し、次の春までじーっと待ちます。

このようなサイクルを持つ植物は「スプリングエフェメラル」と呼ばれ、直訳すると「春のはかなきものたち」。カタクリ、キスミレ、イチリンソウ、セツブンソウ・・・どれも花は小さく華奢なイメージ。

 

そして、そして、フクジュソウはヒマワリのように、太陽の方向を向いて咲くんです!

花の内側はつやつやした質感で、太陽から受けた熱を花の中心に集める仕組みになっているそうです。まだまだ寒い時期に咲きますが、花の中心あたりは集まった熱で暖かいので、昆虫も暖を求めて集まってきて、ついでに花粉を運んでくれるのです!・・・賢すぎるっ(ω゚ノ)ノ!

 

・・・この日はあいにくの小雨、花は開いていませんでした。残念。(咲いたら右上の雰囲気)

 

阿蘇は今、野焼きの真っ只中!天気の良い週末には、どこかで煙が上がっています。

草原も春の準備です♪

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2016年01月29日野草堆肥にチューモク!! 【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 田上

今回は阿蘇の草原と野菜のオイシイはなしを紹介したいと思います。

 

阿蘇地域にある直売所には観光客だけでなく地元の方も地域の野菜などを求めてたくさんの方が訪れています。野菜売り場では、阿蘇の野菜はおいしいかよね!甘みが強かもん!丸々太っとる!などとオイシイほめ言葉が飛びかっています。嬉しいですね♪

 

その「おいしさ」にはヒミツがあったことが、この度、判明したのです!

それが『野草堆肥(やそうたいひ)』の存在です。阿蘇地域で農業に携わる方はご存じと思いますが・・・野草堆肥は、阿蘇の草原の野草(ススキなど)を原料として作られた堆肥のことで、阿蘇地域の農家の多くは昔から野菜づくりに使っています。

 

農家の方に野草堆肥のことを聞いてみると「野草堆肥ば使うと土がフカフカする」「根の張りが違う」「ミミズが増えるとばい」「化学肥料はいらん」と教えてくれます。経験的に野草堆肥の"なにか"を感じているのです。そして、この"なにか"を科学的に裏付ける研究結果が最近発表されました!!

野草堆肥をつくっている様子

 

どんな結果かというと、野草堆肥に大量の善玉菌(拮抗菌(きっこうきん))が含まれていることが判明し、土の中で病気を抑えたり、作物にとって重要なカリウムや窒素などの成分を土中に保つ働きがあるといいます。菌は2種みつかっていて、そのうちの1種は新種の可能性もあるようです!

やっぱり、オイシイことにはヒミツがあったんだ!農家の方の自信にもなります。

野草堆肥で育ったアイコトマト

 

阿蘇の草原の重要な管理として「草刈り(採草)」があります。刈った草は家畜のエサや畜舎の敷床、野草堆肥、古くは茅葺き屋根や燃料にも使われてきました。また、草を刈り短くすることで野焼きを安全に行うことにも繋がります。いきものにとっても、地表まで太陽が届くことでたくさんの草花が咲き誇り、チョウも舞う草原になります。

しかし、時代とともに草を刈る量(使う量)は減り、今では草は刈らずに野焼きのみしか行わない草原もたくさんあり、貴重な植物も減ってきています。

 

そんな中で「善玉菌」のニュースは、野草堆肥の再評価につながり、野草の利用促進が期待されます!

野菜だけでなく、お花や果樹の栽培にもイイそうです。農家さんの畑にはもちろん、家庭菜園にも!

土づくり、野菜づくりに興味のある方はぜひのぞいてみて下さい。↓↓

【野草堆肥利用マニュアル】http://aso-sougen.com/pamphlet/index.html

 

私自身、野草堆肥を使っている農家さんと関わることが多いので、この研究結果がなんと元旦の新聞1面に掲載されていたことには嬉しい驚きでした!

野草堆肥が広がる1年になると良いなと感じています☆

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2016年01月28日いきものリレー⑧『コミミズク』【阿蘇地域】

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 田上

寒波の到来で、あまり雪が降らない九州の平地にも雪が降りました。沖縄本島では観測史上初の降雪だとか!・・時を同じくして八重山の島めぐりをしていた私なのですが、出会ったおばぁが「寒すぎて生きていけないよ」と嘆いていました(o;) 初雪を降らす程の寒波だったので、おばぁももちろん初めての寒さだったのでしょう。

もちろん阿蘇山も雪景色ですよー!

 

さて、今回のいきものリレーでは、冬の阿蘇の草原にやってくる猛禽 コミミズクを紹介します。

この寒さをむしろ「暖かい!」と感じて、遠く北の大陸から越冬のために飛来してくるフクロウの仲間で、漢字で書くと『小耳木菟』と書くようです。漢字から想像してみると、小さい耳があるような・・「菟」はウサギを表す字で、木に棲んでいる?・・なんとなく姿が想像できるような、できないような(「木菟」と書いて羽角(耳のように見える部分)を持つミミズクを表すようです)。

実際の姿はコレです↓↓

 撮影:井上欣勇様

あまり目立ちませんが、頭のてっぺんくらいに左右に羽角があるのです。

顔には白い縁取りがあり、顔面がハッキリと見えすぎていてちょっとユニーク♪

 

 撮影:有馬宏幸様

羽を広げると1mにもなり、飛んでいる姿は「丸太をぶった切ったような」とよく表現されます!うん、確かにそう見えるっ!

阿蘇では日が傾く15時頃から飛び始めて、ネズミを狩る様子が見られるようです。

・・・どうしても本物を見たくて、昨年の冬、今冬とチャレンジしていますが・・私はまだ見れていません(+_+)なので写真は、お借りしました。

2月、3月もあるので、まだまだ希望は捨てずにチャレンジしたいと思います!

 

そうそう、阿蘇ではフクロウをモチーフにしたクラフト作りがあるんですよ(^^)しかも、草原のススキやドングリの帽子など阿蘇の素材です。

秋頃に子ども達への草原学習などで、みんなで作ったりします。ふわふわでかわいいでしょ☆

冬の阿蘇だからこそ観察することができるいきものの姿がたくさんあります。特に冬鳥はたくさんいますよ~!暖かい格好で阿蘇へおいで下さい♪

☆観察する時は、近づき過ぎないように。そして、草原の木柵やゲートを越えないようにお願いします。

 

次回のいきものリレーは対馬の山口アクティブレンジャーです♪お楽しみに~☆

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