アクティブ・レンジャー日記
アジサシの季節がやって来ました!【やんばる地域】
2017年06月02日こんにちは。
やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。
沖縄・奄美地域は5月13日に梅雨入りしましたが、やんばる地域ではあまり雨が降りません。
晴れの日が長く続いたあと、集中豪雨のように短時間で降るという変わった天気です。
その梅雨入り前日に屋我地島周辺で今年最初のエリグロアジサシが観察されました。
最近ではベニアジサシも来ているとの情報を聞いています。
◀今年のエリグロアジサシ(撮影:真壁さん)
綺麗な写真の提供ありがとうございます!
さぁ、今年も"アジサシ"の季節がやって来ました!
私が書く日記のテーマはアジサシがダントツ一位です。
2013年06月20日 夏の海の渡り鳥 アジサシが飛来しています。
2016年06月01日 夏の渡り鳥「アジサシ」の子育てを守るために
2016年09月15日 続編:夏の渡り鳥「アジサシ」...子育てを終えて...
そして、アジサシたちの一大繁殖地の1つになっているのが屋我地鳥獣保護区。
この鳥獣保護区内にある屋我地ひるぎ学園とは、昨年からアジサシの繁殖注意看板を設置しています。
なぜ、看板を設置しているかといいますと、アジサシの繁殖失敗の原因の1つに、
私たち人間が関わっているからです。
釣りやレジャーで繁殖している岩礁に上ってしまうと親鳥が飛び去ってしまい、ヒナや卵が夏の強い日差しで熱せられ死んでしまったり、親鳥が繁殖を放棄してしまうことがあり、アジサシの飛来数が減少しています。
間違って人が上らないように、繁殖する可能性が高い岩礁に看板を設置をしています。
今日の日記は、今年も看板を無事に設置できましたので、そのご報告です。
最初の設置予定日は5/9でした。雨は降っていなかったのですが雷注意報が出てしまったので、教室での「屋我地に来るアジサシのお話」に変更になりました。
子ども達は設置を楽しみにしていたので、延期になってがっかりしていましたが、アジサシの話を始めるとみんな真剣に聞いてくれました。
私から屋我地島のアジサシたちの繁殖する様子や、数が減っている原因を説明して、どうして看板を設置するのかをより詳しく知ってもらいました。
「アジサシの体重はどれくらい?」「ベニアジサシはオーストラリアから何日かけて沖縄に来るの?」
などいろいろな質問が出てきました。
◀鳥獣保護区調査員の渡久地さんが質問に答えてくれました。
「ベニアジサシは体重100gしかない小さな体でオーストラリアから6,000キロを旅して来るんだよ。」
「詳しいことはまだ分からないけど、予想は1週間ぐらいかな。これから調査が進んで分かるかも知れないね。」と優しく教えてくれました。
そして延期した翌週も雷注意報が出てしまい、さらに延期...。
3度目の正直で5/22にやっと看板の設置が出来ました。
◀繁殖する可能性が高い岩礁に設置します。
◀ぐるっと回したトラロープに注意看板を付けます。
◀今年の看板は昨年度の5年生が心を込めて書いてくれたイラスト付き!
◀どの看板も素敵な絵に仕上がっています。
◀看板を設置した岩礁の1つ
夏のような日差しの中、無事に看板設置が出来ました。
(日焼け止めを塗らなかったので半袖の日焼け跡がついてしまいました...。)
6月後半にはアジサシたちが岩礁におりて子育てをはじめるはずです。
海へ釣りやレジャーで遊びに行く方は、もしアジサシたちが繁殖していたらそっと
その場を離れてあげてください。
最近の2年間は良い繁殖結果が続いています。
今年もみなさんに良いお知らせが出来るように、アジサシたちを見守りたいと思います。
アジサシについて興味を持たれた方は、ウフギー自然館HPにパンフレットを掲載しています。
是非読んでみてください。
ウフギー自然館HP 各種資料
・沖縄のアジサシ ・アジサシが繁殖に来ています
http://www.ufugi-yambaru.com/shiryou/panfu.html
今月の一枚 「今年もたくさん繁殖してくれますように!」