2015年4月 3日
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2015年04月03日阿蘇の風物詩「野焼き」が行われました【阿蘇地域】
阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 アクティブレンジャー 藤田
阿蘇の草原は2,200haあり、そのうちの1,600haの草原で、毎年2月下旬~3月にかけて、草原に火を入れ枯れ草を焼く「野焼き」が行われます。
野焼きをすることで芽吹きを助け、採草や放牧に適した新しい草が生えてきます。また草原の森林化や草刈りの時の妨げになる低木類の抑圧にもなるため、ヤブ化を防ぐことにも繫がります。
北外輪山で3月8日に一斉野焼きが行われました。当日は、風もなく晴天に恵まれたのですが、前々日は雪が降り、前日は曇り空だったため草が乾いておらず、なかなか火がつきません。お昼近くになり、ようやくあちこちで狼煙のように煙が昇りはじめました。
バチバチと草を弾く音をたて、勢いよくあがる炎
北外輪山は牧野同士が隣接しているため、ひとつの牧野が野焼きをしなくなると、その周辺の牧野も火を入れられなくなるそうです。そのため、「野焼きを途絶えさせるわけにはいかない」と、どの牧野の方も責任感をもって取り組まれています。
火引き役を受け継ぐ!
特に、火引きの役目は重要で、ただ火をつければいいのではありません。天候や風の具合、草の状態、人の配置など様々な事に目を配り判断しなければなりません。熟練の技が必要で、高齢の方が火引きをされていることが多いようです。今後、火引きの育成も大きな課題になりそうです。
草が焼け、尾根の線がハッキリ見えます。真っ黒になった草原は、春の訪れを心待ちにしているかのようです。
2015年04月03日黒から黄色へ・・そして緑へ【阿蘇地域】
阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 アクティブレンジャー 田上
全国各地から桜の開花・満開が毎日のように伝えられていますね!阿蘇地域でもあちこちで桜が咲き出し、阿蘇市内牧の道路沿いはほぼ満開です!
4月2日 撮影
さて、2月中旬から始まった草原の野焼きもほぼ終わりを迎え、野焼き後の黒々としていた草原では、幾度かの雨や気温の上昇を受け、少しずつ緑草(あおくさ:ススキの芽立ちなど)が伸びてきました。みるみる生長し、あっという間に青々とした草原に包まれます。
緑草が伸びはじめたこの時期、よ~く草原を見てみると、小さな黄色がキラリと光ります。キスミレです!
4月2日 撮影
まだまだ咲き出したばかりですが、しばらくすると絨毯を広げたように一面キスミレに覆われ、とても阿蘇らしい風景になります。
この少しの期間を逃すと、緑草がキスミレの背丈を追い越してしまい、絨毯は緑になってしまうので今がチャンス!
桜でもなく、菜の花でもなく、キスミレで春を感じてみてはいかがでしょうか♪
皆様こんにちは。くじゅうでは冬が静かに過ぎ去り、春の日差しがようやく訪れ始めました。
そんな春先のくじゅうでは先日、おめでたいことがありました。
平成9年の改築オープン以来、人々にくじゅうの自然情報を提供してきた長者原ビジターセンターが、本平成27年3月28日にリニューアルオープンをいたしました。
リニューアルの目玉としては、2階入口、正面の吹き抜け部分に巨大シンボルバナーを取り付けたことです。片側からは平治岳から見たくじゅう連山、もう片側からは久住高原から見たくじゅう連山の写真が入っており、まるでそこにいるかのような圧倒的な自然の壮観を体感できるようになっています。
また、1階部分では、元あったくじゅう連山のジオラマの替わりに、直径6mの衛星写真を床に取り付け、周辺の見所を検索できる情報検索システム「くじゅうナビ」を4箇所に配置し、どなたでも気軽にわかりやすく登山道や周辺施設の情報を検索できるようになっています。
オープンに際して、同日10:00~11:00に長者原ビジターセンターリニューアルオープン式典を執り行いました。テープカットは、衛藤征士郎-衆議院議員、坂本和昭-九重町長、野田良輔-竹田市副市長、渡邊格雄-九重の自然を守る会理事長に加えて、主催者代表として環境省九州地方環境事務所から杉田高行-統括自然保護企画官が行いました。
館内の見学でも、多数の方々から「広くなった、綺麗になった、わかりやすくなった」等の高評価を頂きました。
これからくじゅうでは野焼きの後の植物が芽吹き、初夏にはミヤマキリシマが山を覆い、多くの観光客で賑わう事でしょう。
皆様もくじゅうにお越しの際は是非とも新しくなった長者原ビジターセンターにお立ち寄りください!