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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2015年4月24日

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2015年04月24日九州自然歩道

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

皆様こんにちは。

くじゅうでは今週初めに野焼きが終わり、キスミレなどの植物がもう花を咲かせ始めています。来週頃からゴールデンウィークにかけて、いろんな花が湿原や山々を覆い尽くすことと思います。

 さて今日はくじゅうを縦断する九州自然歩道について紹介します。九州自然歩道とは九州本土を1周する長距離自然歩道です。全長は2937km、手軽なハイキングコースから本格的な山岳地帯まで、多様な自然を楽しむことができます。

 この一部がくじゅう連山を縦断する形で通っており、今回はこのうち、坊ガツルから久住町までのコースの魅力について紹介します。

 まず、くじゅう連山に囲まれた坊ガツル湿原はラムサール条約登録湿地として古くから地元の方の手や野焼きによって維持されています。季節の湿原性の花や高原性の花が数多く見られるのも大きな魅力です。

九州自然歩道に入り、30分ほど歩くと鉾立峠に出ます。150年ほど前、鉾立峠には、木製の「鉾(ほこ)」 (矛ではなく)、が立っていたそうです。この峠を境に北は朽網郷の領地、南は岡領になっていました。法華院のある南側岡領は、この鉾立峠を境に殺生禁断の土地だったという歴史があったそうです。

そこからさらに30分ほどで佐渡窪に出ます。雨天時、湿地帯になる佐渡窪は、その昔は地面が低く木道も高かったそうですが、白口岳からの土石流で今では案内板も支柱の中ほどまで地面に埋まってしまっています。季節にはマンサクやヤマアザミが綺麗です。

佐渡窪を抜けると鍋割坂に出ます。鍋割坂は、昔久住町から法華院へ物資を運ぶために馬を利用していた時代、鍋を運んでいたときに、道が悪く、運んでいる鍋が次々と割れたことから名前がついたそうです。

鍋割坂を抜けると朽網分かれ付近にあるヤマザクラ園が見えてきます。その数おおよそ4500本。数年前までその存在も藪に覆われていたものを、地元環境保全団体が下草刈りを行い、今年、ここまで綺麗に生まれ変われました。

ヤマザクラで気持ちを清められながら九州自然歩道の出口にさしかかると、そこでは久住高原の壮大な草原景観が出迎えてくれ、心地良い風に包まれながら、坊ガツルからの約3時間のコースを終えられます。

もともとこの九州自然歩道(久住町~坊ガツル)は、昔の人が坊ガツル湿原にある法華院温泉へ生活物資を運搬するための道だったそうです。そのなごりで、今でも道中には祠や地蔵、石畳など歴史を感じられるものが点在しているわけですね。

久住の歴史と自然に触れながらあなたも九州自然歩道を散歩してみませんか?

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