ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

RSS

やんばる

53件の記事があります。

2016年01月21日林道パトロール ~忘れて欲しくない忘れ物~【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

明けましておめでとうございます。

やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

2016年がスタートし、気持ち新たに頑張りたいと思います。

今年もよろしくお願い致します。

今日のタイトルは、「林道パトロール ~忘れて欲しくない忘れ物~」。

昨年は、森の中にはあって欲しくない"忘れ物"が例年よりも沢山ありました。

その写真の一つがこちらです。

昆虫トラップ1

これはいったい何でしょう?

正体は昆虫トラップです。

ストッキングに果物を入れて、クワガタやカブトムシなどを誘引するために主に使われます。

けれど、このトラップを見つけたのは昨年2015年12月14日です。もうクワガタやカブトムシは活動していません。中に入っている果物らしき物も黒く変色し、カピカピに乾燥していました。

よく見ると、オキナワヒラタクワガタのメスがストッキングの繊維に絡まって死んでいました。

ストッキングに絡まるヒラタクワガタ

おそらく、採集者がトラップを放置した後に絡まって死んでしまったのだと思います。

このようなトラップを放置すると、森のゴミになるだけでなく、他の生き物が誤って絡まり死んでしまうこともあります。

昆虫採集に使われるトラップはこれだけではありません。

昆虫トラップ2

電池式のライトを使ったトラップもありました。

光が漏れるので、林道から見えないように大木の陰に設置されていました。

このトラップは秋に見つけたものですが、金具のサビ具合や、落ち葉、雨水の溜まり具合を見ると、長い間放置されているようでした。

この場所は希少生物が多く生息する地域です。長時間放置すれば混獲され、死んでしまう可能性があります。ライトには単三電池が8本ほど使われており、このまま放置すれば土壌汚染にもつながります。

やんばる地域ではこのような事をふまえ、2011年度から地域の人たちと連携協力し、希少種の密猟・盗掘防止のための林道パトロールを実施しています。

パトロールのミーティングの様子

パトロールのミーティングの様子

「林道パトロール実施中!!」チラシ

http://www.ufugi-yambaru.com/shiryou/panfu.html

※過去の林道パトロールの紹介記事(ウフギー自然館HPニュースレターNo.22)

http://www.ufugi-yambaru.com/shiryou/documents/NL22.pdf

研究や調査目的で設置する器具には、必ず調査者の名前と連絡先のラベルを付けていただくようお願いします。

昨年の夏は、特にたくさんの採集者無記名の昆虫トラップが見つかりました。

パトロールでは他にも、姿や声が確認された生き物や、外来生物の情報などを記録しています。記録を重ねることにより、季節によってみられる自然の移り変わりや、その地域のどんな場所に生き物が生息しているかどうかが分かってきています。

ハロウェルアマガエルの抱接

パトロール中に見られたハロウェルアマガエルの抱接の様子

やんばる地域だけでなく、南西諸島の島々には世界中でそこにしかいない生きものたちが生息していますが、中には過剰に採取(密猟・盗掘)され、数を減らしているものもたくさんいます。

島の自然は地域の宝物です。

昆虫採集は自然に親しむ最もポピュラーな手法の一つですが、採集方法のマナーやモラルについて見直さなければいけないのかも知れません。

そしてどんな地域や場所でも、必ず自然と繋がりがあり、

たくさんの方々が身近な自然の素晴らしさや大切さに気づくことが、宝物を守る重要な鍵になります。

みなさんの地域にはどんな自然との出逢いがありますか?

誰かに紹介したくなるような、素敵なところを探してみて下さい。

センダンの実を頬張るシロハラ

今月の一枚「センダンの実を頬張るシロハラ」

右下のシロハラの大きな口にご注目。

ページ先頭へ↑

2015年12月03日やんばる地区新ゆるキャラ 「くーやん」

やんばる 藤田雄

みなさん、はいさい(こんにちは)。

やんばる野生生物保護センターより、アクティブレンジャーの藤田です。

本日は皆さんに、9月17日(...917、つまりクイナ...に近い)に開かれる安波ダムクイナ祭りにて命名が行われた、ヤンバルクイナゆるキャラ界の超新星、くーやんを紹介いたします。

くーやん、キョンキョン、クイちゃんの三羽が並んでいる写真

▲くーやんの命名式にて。向かって一番左がくーやんです

くーやんは村公認の、リアルタイプのキョンキョンと対を成すバルーンタイプのゆるきゃらです。兼ねてから名前の募集がなされており、全195件の応募の中からこの「くーやん」という名前が選ばれました。"く"は国頭の"く"で、"やん"はヤンバルクイナの"やん"だそうです。

モチーフも勿論ヤンバルクイナ。その大きな頭とくりくりとした瞳が実に愛らしいですね。この命名式の時にも、その大きな瞳で子供達を見守っていました。

因みにくーやんという名前は、命名してくれた方が森の中で走るヤンバルクイナの姿を見たときに思いついたものだそうです。たくましく生きるヤンバルクイナの姿は、人のインスピレーションを刺激してくれるのかもしれません。

先輩ゆるキャラのクイちゃん、キョンキョンとの共演で、大きく注目を引くデビューを果たしたくーやん。今後の活躍からも目を離せません。最近では伊是名小学校にも訪れ、子供達と仲良く遊んでいたそうです。

......でも僕としては、クイちゃん(*写真の向かって一番右の環境省キャラクター)が一番かわいいかな?

それでは、やんばるより藤田でした。

ページ先頭へ↑

2015年09月24日沖縄県の県鳥、ノグチゲラ

やんばる 藤田雄

みなさん、はいさい(こんにちは)。

やんばる野生生物保護センターより、アクティブレンジャーの藤田です。

皆さんは沖縄県の県鳥をご存じですか? それは先に紹介したクイちゃんたちヤンバルクイナ......では、実はありません。

沖縄県の県鳥、それはノグチゲラです。

放鳥され、林の木に飛び移ったノグチゲラ(2015年8月21日撮影)

ノグチゲラはキツツキの一種で、オスと幼鳥は頭が赤いのが特徴です。まるで赤い帽子を被っているようですね。キツツキですので、当然木を突っついて巣穴を掘ります。また、やんばるの森で耳を澄ますと、彼らが木を叩く、ココココココココ......という音が聞こえてきます。これはドラミングです。キツツキは、縄張りを主張したり、求愛のためにこのドラミングをします。木を楽器にしてラブソングを奏でるわけです。

先月、そんなノグチゲラが民家の窓にぶつかってしまいました。住民の方が、そのノグチゲラが飛べない様子を見てやんばる野生生物保護センターまで搬送して下さり、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄で治療を行っていただきました。その結果何とか命を助けることが出来ました。上の写真はその個体を放鳥した時のものです。

退院して放鳥現場に運ぶときはもうすっかり元気になっていましたが、むしろ元気があり余っているといわんばかりで、搬送用の段ボールが突かれて穴だらけにされていました。

同様の事故は今年6月にも発生しています。窓ガラスは透明ですから、鳥たちは風景が映り込んでいると、窓ガラスがそこにある、ということが分からなくなってしまい、ぶつかってしまうと考えられています。

これを防ぐには窓ガラスに鳥を描いたシール(バードセーバー)などを張っておくことが有効です(ポスターなどでも効果があります)。もし事故などが起こりましたらやんばる野生生物保護センターへのご連絡をお願い致します。

それでは、やんばるより藤田でした。

ページ先頭へ↑

2015年08月03日やんばるの国立公園(仮称)指定に向けて【やんばる】

やんばる アクティブレンジャー上開地

みなさんこんにちは!

今年のやんばるの梅雨は雨が少なく、期間もとても短く明けてしまったので、夏の水不足が心配でしたが、その後台風がいくつかやってきてかなりの降水量です。

じとじと湿度が高いのでカビ対策として我が家でも除湿器がフル稼働していますが、この湿度あってこそ維持されているのがやんばるの亜熱帯照葉樹林とそこに生息・生育する多種多様な動植物です。

↑長尾橋から望む雨の中の亜熱帯照葉樹林

↑長尾橋から望む雨の中の亜熱帯照葉樹林

さて、今日はやんばる地域の国立公園についてご報告です。

やんばるは、奄美・琉球世界自然遺産候補地の対象区域の一つに選定され、国立公園の指定と世界自然遺産の推薦について検討を行っています。7月16日、地元の国頭村・大宜味村・東村の3村長が環境省那覇自然環境事務所長に対して「国立公園素案に同意」という記事が地元紙に掲載されました。!!

3村からはそれぞれ「公園制度について引き続き丁寧な説明を行うこと。」や「エコツーリズム等の推進について村とともに取り組んでいくこと。」などといった意見も同時にいただきました。

国立公園の指定や世界自然遺産の登録に向けて解決すべき課題はまだまだ多いですが、地元の方たちによって守り育まれてきたやんばるの豊かな自然を、みんなの宝物として将来にわたって受け継いでいけるよう、地域の方々や関係者のみなさまにご協力いただきながら、より一層がんばっていきたいと思います!

↑渡嘉敷島とやんばる固有のホルストガエル

↑渡嘉敷島とやんばる固有のホルストガエル

ただ今繁殖の真っ盛り!

ページ先頭へ↑

2015年06月10日「国頭村奥区での鯉のぼり祭りと、ロードキル防止キャンペーン」

やんばる 藤田雄

みなさん、はじみてぃうがなびら(はじめまして)。

今年の4月からやんばる野生生物保護センターでヤンバルクイナの保護増殖事業を担当しています、藤田雄です。

ご挨拶が遅くなりましたが、今後ともよろしくお願いいたします。

早速ですが、やんばるには数多くの固有種......ここにしかいない生き物が住んでいることは、皆様ご存じのことと思います。私が担当するヤンバルクイナもその一種で、本日お伝えしたいのは、それらの生き物が、しばしば交通事故(ロードキル)に遭っているということです。

道路を移動するヤンバルクイナ

ヤンバルクイナについては5,6月には特に事故が多くなる傾向があるのですが、これは今がヤンバルクイナの繁殖期、つまり子育てのシーズンだからです。道路上に餌を採りにやってきて、車にぶつかることも多くなってしまうのです。

そのため、環境省では毎年ロードキル防止を訴えるキャンペーンを開催しています。今年は国頭村の奥区で行われた「奥ヤンバル鯉のぼり祭り」で、ロードキルについてのパネル展示やクリアファイルの配布などを行いました。反響は大きく、多くの来場者が興味を持って下さいました。何より活躍してくれたのはヤンバルクイナの「クイちゃん」です。

鯉のぼり祭りに参加したクイちゃん

クイちゃんはこのお祭りのためにやんばるの山から降りてきてくれ、3日間、舞台に上がってはお客さんに手を振って挨拶したり、自然保護官の話に相づちを打ったりと、アガチャー(ヤンバルクイナの別名。働き者、もしくは慌てん坊という意味)らしくせわしなく動き回っていました。

クイちゃんのかわいらしさのパワーか、今年のGWではなんと1件の事故も発生しませんでした。山に帰ったクイちゃんも、きっと喜んでいることでしょう。

しかし、残念なこともあります。GWでは1件の事故も発生しなかったのですが、5月の後半は事故が頻発していました。

5月を通して見ると16件のヤンバルクイナの死体が回収されました。

まだ原因が交通事故かどうか断定できない現段階でも、今年は15件の交通事故が確認されています。これではクイちゃんも悲しんでしまいます。

6月に入り、ヤンバルクイナのヒナも道路に出てくるようになります。やんばるの道を運転する際は気をつけて走行して下さい。特に国道58号線、県道2号線、70号線でヤンバルクイナの交通事故が増えています。また、昨年は東村でも初めて事故が確認されました。これまで事故が無かった地域でも、事故が発生する可能性がありますので十分注意をお願いします。

皆様、子供のために餌を集めるヤンバルクイナの親や可愛いヒナたちを、どうかそっと見守ってあげてください。よんな~(ゆっくり)安全運転でお願い致します。

それでは、やんばるから藤田でした。

ページ先頭へ↑

2014年08月07日いきものゆんたく会

やんばる アクティブレンジャー比嘉

みなさん、はいさーい!(こんにちは!)
やんばる野生生物保護センターの比嘉です。

今回は、当センターで現在行っている、地元の方との「いきものゆんたく会」の様子についてご紹介します。
「ゆんたく」とは沖縄の方言で、数人でおしゃべりをする、という意味です。
これまでに当センターで行ってきた、ヤンバルクイナの保護の取り組みや、調査から分かってきた生態についての紹介と、地元の方と“ゆんたく”しながらヤンバルクイナについて改めて考えてみよう!というのが今回のゆんたく会の主旨です。


配布チラシ


6月に国頭村の宜名真区、7月に同村の安波区でこの会を開催しました。
2区がどういう場所かと申しますと…
宜名真区は西海岸に面しており、目の前は海、裏手には山があり、自然豊かな集落です。
安波区は東海岸に面し、安波節(沖縄では、三線の古典音楽の入門曲とされてます。)の歌でも有名ですね。山の斜面や川沿いに家があり、どこか懐かしい風景が広がります。
文章では、集落の魅力をなかなかお伝えしきれませんが、国頭村には20の集落がありそれぞれに素敵な特徴があります。
宜名真区と安波区は、ヤンバルクイナの生息数が少しづつ回復してきた地域です。早朝や夕暮れ時にはヤンバルクイナが活発に鳴き交わし、集落内ではその声がこだまします。地元の方は、集落内で姿をみることもあるそうです。

ゆんたく会の様子

宜名真区

安波区


ゆんたく会の当日は、地元の子供達がたくさん集まってくれました。会の最後の感想では、「いつも、声をよく聞いたり、姿をよく見るヤンバルクイナが、初めてこういう生態だと分かった」、「ヤンバルクイナの生態にもっと興味がわいた」などの声があがりました。
おじぃやおばぁからは、昔体験したヤンバルクイナのエピソードなども…!また、現在行っている取り組みについて、「さらにこんなことも行ってはどうか」などの提案もいただき、私達にとっても貴重なお話を聞ける場となり、また励みになりました。
参加していただいた皆さん、ありがとうございました!!

やんばるには、ヤンバルクイナだけではなく、様々な生き物が生息しています。これらの生き物や自然を遠い将来にまで残していけるよう、これからも地元の方と一緒に取り組んでいければと、この会を終えて改めて強く感じました。
今後も色々な集落を回り、ゆんたく会を開催したいと思います。「ぜひ、開催して欲しい!」という声がありましたら伺いたいと思いますので、センターまでご連絡をお願いします。


そして、最後に当センターからのお知らせです!!
今年もヤンバルクイナの交通事故が多発しています。交通事故の注意を呼びかけるため、今年も6月1日から安全運転宣言キャンペーンを実施中です。キャンペーンにご協力いただいた方には、オリジナルマグネットを差し上げています。
詳細は当センターのHP↓をご確認下さい。
http://www.ufugi-yambaru.com/news/whatsnew26.html#news140603
(8月11日現在、マグネットは残りケナガネズミのみとなっており、無くなり次第終了とさせていただきますのでご了承下さい。)

それでは、やんばるから比嘉でした。

ページ先頭へ↑

2014年03月04日新緑は何色??【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは!
やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

全国の天気予報を見ていると、まだまだ冬のような寒さが続く地域が多いようですが、
やんばるでは一足早く、春が訪れようとしています。
今回はやんばるの春の一部を紹介します。


やんばるの春の森の様子と言えば、イタジイの新緑で輝く森が印象的です。


イタジイの森はモコモコしていて「ブロッコリーの森」と言われることもあります。

明るい黄緑色。まさに新緑色ですね。

しかし!
皆さん、「新緑=黄緑色」だと思っていませんか?

やんばるの森の中にはイタジイ以外にも様々な樹種の木が生えていて、新緑の色も様々です。

たとえば…

①赤色

ハマセンダンの新緑


左上から時計回りに、イジュ、アデク、タブノキ、アカメガシワの新緑や新芽

まるで紅葉しているみたいです。(※やんばるの森は照葉樹林なので、紅葉する樹種はごくわずか。1年中緑の森です。)

②白色

シロダモの新芽
細かな毛でおおわれていて、ビロードのような手触りです。

③紫色

実は、これもイタジイの若葉。強い光が当たらない林内の根元から伸びる枝の新芽はこんな色をしている事があります。


どうでしょう?
新緑のイメージが少し変わったのではないでしょうか。

様々な色をした新緑ですが、これらも日に当たるうちに、だんだんと明るい黄緑色へと変化していき、やんばるの眩しい森の一部となります。

冬芽の殻から出てきたばかりのほやほやの新緑の色は、春の初めにしか味わえません。
皆さんの周りの新緑はどんな色をしていますか?
暖かくなって来たら、新たな新緑の色を発見してみてください。

ページ先頭へ↑

2013年10月30日清掃活動でストップ!ロードキル

やんばる アクティブレンジャー比嘉

 みなさん、はいさーい!(こんにちは!) 
 去年の9月からやんばる野生生物保護センターで主に交通事故対策やヤンバルクイナの保全事業を担当しています、比嘉瑞希です。ご挨拶が遅くなりましたが、ゆたしくうにげーさびら!!(よろしくお願いします!!)



 さて早速ですが、やんばるでは希少な生き物たちが交通事故にあっていることをご存じですか?昨年(2012年)のヤンバルクイナの交通事故確認件数は過去最悪の47件を記録してしまい、今年はすでに34件の事故が確認されています。



重点区間に設置している交通事故看板





 そこで、やんばる地域ロードキル発生防止に関する連絡会議では『ストップ!ロードキル運動』を実施しており、その活動の一つとして、餌(ミミズやカタツムリなど)を食べに道路上に出没するヤンバルクイナを減らすために、餌の発生源である側溝や路肩の腐葉土などの堆積物の除去と、ドライバーの視界確保を目的とした、道路周辺の清掃活動を行っております。この清掃は年に6回程度、連絡会議のメンバー(自然保全や道路の管理、利用に関連する行政機関と関係機関で構成)と地元の協力者などで、ヤンバルクイナの交通事故の多発地域(重点区間)において実施しています。


 今回は、10月17日に実施した清掃活動の様子をお伝えしたいと思います。この日も20名の協力の下、2時間みっちり清掃し、約1kmの範囲を清掃しました。台風後であったため側溝内には枝や枯葉などが堆積しており、それらの除去を中心に清掃しました。



写真上:草刈りと側溝内の堆積物除去作業
写真下:作業で出た草や堆積物をトラックへ積む作業





最近だいぶ涼しくなってきましたが、2時間作業をすると汗がびっちょり!






当日参加し、いっぱい作業を手伝ってくれたN君(重い堆積物を片手で持って、得意気です。)





 作業後、道路周辺は綺麗になり、職員が帰る頃ヤンバルクイナが一鳴き。「キョキョキョキョキョー」何かを伝えているような鳴き方でした。


 ストップ!ロードキル運動では清掃活動だけでなく、ゴールデンウィーク前に普及啓発用のチラシ配りや、夏休みの*安全運転宣言キャンペーンなどを実施し、野生生物の交通事故対策に努めています。







 やんばるにはヤンバルクイナだけでなく、ここだけにしかいない希少な生き物が多く生息しています。とくに夜間活動する、ケナガネズミも今年13件の事故を確認し、これから活動が活発になる冬から春にかけ、さらなる注意が必要です。夜間は昼間より視界が悪くなるため、運転する際は気をつけて走行して下さい。









やんばる路はよんな~よんな~(ゆっくり)安全運転で走って下さいね。



 それでは、やんばるから比嘉でした。









*安全運転宣言キャンペーン
 ストップ!ロードキル運動の一つとして、毎年交通量が増える夏休み時期にドライブで訪れる方に向けて普及啓発するため、キャンペーンを実施しています。内容としては、やんばる野生生物保護センターの連絡先の登録と安全運転宣言をすると、当センターあるいは国頭村の楚洲共同売店にてオリジナルマグネットがもらえる、というキャンペーンになっています。9月いっぱいまでの予定でしたが、ヤンバルクイナとケナガネズミ共に事故が確認されており期間を延長し、12月まで実施予定ですので、まだ手に入れていない方は早めにお越し下さい。(ケナガネズミのマグネットは残りわずかとなっていますので、無くなり次第終了とさせていただきます。)





ページ先頭へ↑

2013年06月20日夏の海の渡り鳥 アジサシが飛来しています。【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

こんにちは。
やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの上開地です。

沖縄は今年6月14日に梅雨が明け、熱い太陽が肌を射す日々が続いています。
沖縄に住む女性にとって、日焼け対策はとても大変な事だと思います。
(ちなみに私は日々日焼け対策を怠っているので、梅雨明け前から黒くなり始め、今も順調に日焼け進行中です。)

熱い日差しの合間にカタブイ(沖縄地方独特の通り雨の事)して、綺麗な虹が見れたりと夏らしい気候になってきました。

山からは様々なセミの大合唱が聞こえ、事務所の中からでも夏を感じさせてくれます。
そして海へ出かければ、青空を背景に、夏の渡り鳥であるアジサシ達の姿を見る事が出来ます。

エリグロアジサシ(2013年6月)

沖縄にやってくるアジサシの仲間のほとんどは、夏になると繁殖のために南の国からやってくる渡り鳥です。美しい流線型の体の形をしており、海上から小魚を狙ってダイブし、エサを獲ります。
やんばる地域では主に、エリグロアジサシとベニアジサシを見る事が出来ます。

ポットで休息するベニアジサシ(2012年7月)

5月頃から少数が飛来し始め、梅雨が明ける頃には本隊も到着し、海辺の岩礁で営巣します。
親鳥は岩礁のくぼみや草の上に卵を産み、日差しで卵が熱くならないように抱いて守ります。親鳥が卵を抱かないと、卵の温度が高くなり、中の雛が死んでしまうのです。

やんばる自然保護官事務所では、国指定屋我地鳥獣保護区においてアジサシ類の繁殖状況調査を行っています。
(国指定屋我地鳥獣保護区についてはセンターホームページをご覧下さい。http://www.ufugi-yambaru.com/torikumi/hogo_yakati.html

昨年はエリグロアジサシ約100羽、ベニアジサシ約120羽の飛来を確認しています。しかし、これらの中から繁殖に成功し、無事に雛が巣立てる数はごくわずかです。ベニアジサシについては過去2年間、巣立ち雛の確認がありませんでした。

これから沖縄は台風が来る季節。
岩礁で繁殖するアジサシたちは、風雨や荒波に耐えなければいけません。

厳しい自然環境を生き抜いているアジサシですが、夏は私達人間の夏のレジャーが盛んな時期でもあります。
ジェットスキーや釣りなどで、人が岩礁に近づいたり上陸してしまうと、親鳥が巣から離れてしまいます。そのまま親鳥が巣に戻れず、長い時間卵が太陽にさらされてしまうと、卵が焼け死んでしまうこともあります。

ここ数年のセンターの調査では、観察されたアジサシの飛来数に大きな変化は見られないものの、
昔の海を知る方に話を聞くと、もっと沢山のアジサシたちが訪れていたそうです。(群れの向こう側の景色が見えないくらい!)

鋭い爪もくちばしも持たないアジサシたちは、厳しい環境ではありますが、外敵の少ない岩礁で営巣します。また、群れで営巣する事で、カラスなどの外敵から巣を守ります。集団が大きくなれば巣を守る力もきっと強くなることでしょう。

夏と冬で、長距離を移動するアジサシ。
沖縄に来るベニアジサシはオーストラリア北部から渡ってきている事がわかっていますが、エリグロアジサシについては、どこで越冬しているのかわかっていません。

アジサシ達の数が過去に比べて少なくなってしまった原因も詳しいことは分かっていませんが、
今後も、営巣状況をモニタリングし、人間にとってもアジサシたちにとっても住み良い海(環境)でいられるように、いろいろな方と協力していきたいと思います。

私達一人一人が出来る事から実行していきたいですね。
海のレジャーの際には、アジサシだけで無く、他の海の生き物への配慮もよろしくお願いします!

ご協力よろしくお願いします。

ページ先頭へ↑

2011年10月07日身近な生き物展示in クイナ(917)の日まつり!【やんばる地域】

やんばる アクティブレンジャー上開地

10月に入り、昼はまだまだ日差しが厳しいやんばるですが、明け方は暖かい毛布が欲しくなるほど涼しくなってきました。
内地で夏を過ごしたアサギマダラやキセキレイ、サシバも続々とやってきています。
やんばるもいよいよ秋です。

10/6の國吉アクティブレンジャーの記事の続編(追加)になりますが、
9月17日は国頭村議会が2004年に宣言したヤンバルクイナ(917)の日です。
今年はヤンバルクイナ発見(新種認定)30周年という事で、「クイナ(917)の日まつり」が国頭村やんばる学びの森で9月17日(土)に行われる予定でした。

が、台風15号接近の予報のため、10月1日に延期となってしまいました。
今年の台風はどれも週末を狙ってやってくるので「週末台風」と皆さん呼んでいます。

待ちに待ったお祭り当日。
早朝、外にはどしゃ降りの雨音が鳴り響き、私はこのまま中止になってしまうのではと、ドキドキ心配していましたが、開催準備の時には雨も上がり、雲のおかげでほどよく涼しいお天気となりました。

今回の私のメインの担当はウフギー自然館でも行っている『身近な生き物展示』です。
ヤンバルクイナも多く生息しているやんばる学びの森は、とても豊かな自然にかこまれており、ウフギー自然館周辺とはまた違う生き物たちが沢山見られます。
前々日から生き物を採取して準備したところ、オキナワキノボリトカゲ・シリケンイモリ・リュウキュウカジカガエル・ナナフシ3種・ヤンバルクロギリス・クチキゴキブリ・ナナホシキンカメムシ・ヤンバルマイマイなど全部で約40種類の生き物を展示することができました。


すべて生きている物を展示しましたのでお客さま達は手に取ったり、動いている所を眺めたり、とても興味をもっていただきました。

特に人気があったのはオキナワキノボリトカゲです。
初めてオキナワキノボリトカゲを見る子供達は、
最初はおそるおそるさわっていましたがすぐに慣れて一緒に遊んでいました。


そんな楽しい雰囲気にヤンバルクイナの「クイちゃん」もやってきてくれました。
クイちゃんは環境省のロードキル防止キャンペーンキャラクターで、
クイナの日まつりのために特別出演です。
身近な生き物たち以上に人気いっぱいのクイちゃんでした。

お祭りは他にもウフギー自然館でおこなった、やんばる写真展2011の作品の展示や
國吉さん担当のクイズラリー、マングース探索犬のデモンストレーションなどのイベントや野生生物と共存していくための取り組みの紹介など盛りだくさんで、
お客さんからは「来て良かった。楽しかったよ。」という嬉しい言葉を沢山いただきました。

今回、『身近な生き物展示』で紹介した約40種類の生き物たちは、やんばるに生きる生物たちのほんの一部分に過ぎません。
やんばるの森の面積は狭いですが、様々な野生生物の宝庫です。そんな森にヤンバルクイナや、やんばるの人々は暮らし、自然の恵みをもらっています。

皆さんも来年の9月17日はヤンバルクイナを思いながら自然に親しんでみてはいかがですか?

ページ先頭へ↑

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。

ページ先頭へ