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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

ヤマネコ、春の予感

2025年03月14日
対馬 南優妃
 こんにちは。悲歓離合で忙しい南です。
 
 春、ヤマネコ達は繁殖期を迎えています。まだ野生のヤマネコの繁殖確認ができていない(=仔猫が確認されていない)下島ですが、先日調査で回収してきた自動撮影カメラのデータに嬉しい画像がありました。

連れ添う(?)ヤマネコ

あ
 
 これは先日、事務所の近くの自動撮影カメラにて撮影されたヤマネコの姿です。よくよく見ると…2匹います!体格も良いカンジな成猫であることが分かります。
 
あ
 
あ
 
 後ろにいたヤマネコが柵の支柱に向かってグイッと尻尾を上げました。これは「スプレー」をしていると思われます。スプレーとは、繁殖期の時の行動の1つで、濃いめのおしっこを吹きかけてマーキングをしています。ここにはフェロモンも含まれていて、異性にアピールする意味もあるのです。


 
あ
 
 そしてちょうど2時間後…また映りました。さっきと同じ2匹組でしょうか。もしそうなら、結構長い事連れ添って行動しています。随分盛り上がったのでしょうか…

ヤマネコの1年

 ヤマネコは冬~春にかけて繁殖期を迎え、約2ヶ月間の妊娠を経て、秋~冬には若いヤマネコが親元を離れ独り立ちしていく…というサイクルになっています。成猫は基本単独行動をするのですが、この時期に2匹でいるということは、ひょっとしたらカップルかもしれません。(画像では雌雄が分からないので確実とは言えませんが…)
 このまま上手くいけば、事務所の近くで仔猫の初確認なるか…?期待に胸が膨らみます。

 春、出会いがあれば別れもあり。私は対馬を離れます。この記事が上がる頃には既に新天地でしょう…
 長い道のりのヤマネコ保全を考えれば3年はごく短い時間ですが、状況は常に変化していて、ここ最近でヤマネコの確認場所が随分増えました。(前回▶ツシマヤマネコ生息情報パネルを更新しました! | 九州地方環境事務所 | 環境省)そんな時期にアクティブ・レンジャーとして関わることができて幸せでしたし、こうして発信することで一人でも多くの人にヤマネコをはじめとした対馬の自然に興味を持っていただけたのなら嬉しいです。 

益々のヤマネコ達の発展を願って…
あ