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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

まぼろしの椿!?玉之浦椿発祥の地へ

2025年02月05日
五島 片山 美希
こんにちは!
自然保護官事務所の片山です。
 
以前アクティブ・レンジャー日記で椿について掲載しました。
過去の記事はこちらからご覧下さい。
 

赤色の花びらを白く縁取った「玉之浦」と名付けられている椿はヤブツバキの突然変異種です。
 
その突然変異で生まれた「玉之浦」椿はいったいどこで発見されたのでしょうか…?

実は西海国立公園に指定されている父ヶ岳の中腹で発見されました。
しかし、通常の父ヶ岳山頂までの登山ルートに「玉之浦」椿を見ることはできません。
調べた資料を参考にまぼろしの椿の地へ向かいました。
 
 
 
 
 
歩いて行くと川を見つけ、川を渡り…本当にこの道で合っているのか確認しながら歩いていきました。
歩き始めて約20分で玉之浦原生地点と書かれた看板があり、その上をもう少し進んでいくと「玉之浦椿発祥之地」を確認することができました!!
 
この掲載記事を読んでいる方は、写真をみてどれが「玉之浦」椿の原木なんだろう?…と思われているかと思います。
実は、すでに「玉之浦」椿の原木はここにありません。
例えば「この花がきれいだからこの椿が欲しい!」とその椿の種から育てても同じ花を咲かせるとは限らないそうです。そのため、「この花がきれいだ!」と思ったら挿し木や接ぎ木をして増やしていくそうです。
まぼろしの椿が世に知れ渡ってから、たくさんの人が原木の枝を折ったり、根を切ったりした結果、原木は枯れて死んでしまったようです。みんなきっと「あの花を咲かせたい」「自分も…」と思ったのかもしれませんね。
 
まぼろしの椿のあった場所とされる父ヶ岳は西海国立公園に指定されています。
国立公園においては優れた自然風景を保護するため、勝手に木竹を伐採したりすることは規制されています。
綺麗だと思っても勝手に持ち帰ることのないようよろしくお願いいたします。
 
「玉之浦椿発祥の地」へ行ってみたいと思われた方は、その場所へ行くまでに川を渡ったり、途中道が崩れているところもあったり、歩きにくい部分もあるため、行く場合にはケガのないよう十分ご注意ください。