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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

東の大島、西の五島

2025年01月24日
五島 片山 美希
みなさんこんにちは!!
五島自然保護官事務所の片山です。
 
皆さん突然ですが問題です。
「東の大島、西の五島」と言われるぐらい五島は○○○が有名です。
○○○は一体なんでしょうか…?
 
 
 
正解は…つばきです!!
 
椿は古文書にも載っており、古事記は「都婆伎」、日本書紀は「海石榴」、出雲風土記は「椿」と記載されており、当時日本から渤海国に派遣した外交のための人(遣渤海使)が「海石榴(椿油と推定される)」を所望されたと記録にあります。
椿が大陸との架け橋になっていたと思うとロマンを感じますね!!
 
そして福江島の椿と言ったらやっぱり「玉之浦」です。
 

江戸時代の中期(約300年前)に720種のツバキを絵にした『椿花図譜』2巻は宮内庁書陵部に所蔵されています。
この中に描かれていた『縁白』と名付けられた濃色紅の弁に白覆輪の椿はその後見出されることはありませんでした。


しかし、昭和20年初頭に炭焼業者に知られていた珍しい椿が昭和48年全国椿展に出品され「まぼろしの椿」の発見と評判を呼びました。
江戸時代に途絶えたとされていた椿が福江島で発見されたというこの奇跡は当時大変な騒ぎだったと地域の方から聞いたことがあります。

現在玉之浦の椿は福江島の商店街の街路樹にもなっているため、商店街を歩くのも楽しみの1つです。

 
そんな椿の開花まで少し早いようですが、2月頃からたくさんの椿の花を見ることができます。
もし色々な品種の椿を見たいという方は、西海国立公園の鬼岳の中腹に位置する「五島椿園」へ行くことをおすすめします。
五島椿園では、259品種、約2,800本の椿を見ることができます。
先日開花状況が気になり五島椿園へ行きました。やはりまだ早かったようですが、一部咲いている椿もありました。

 
 
 
 
 
五島椿森林公園(五島椿園・鬼岳樹木園)は2010年に国際ツバキ協会から国際優秀椿園に認定されました。
 
2月22日(土)、23日(日)には第35回全国椿サミット五島大会と2月22日(土)~3月2日(日)は第31回五島椿まつりが開催されますので気になる方は五島市のホームページをご確認ください。
参考文献:まぼろしの椿玉之浦-五島の椿の発見と将来-