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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

ドライバーに光る視線

2024年07月24日
対馬 千原 悠斗
こんにちは!対馬厳原事務室(ツシマヤマネコ野生順化ステーション)の千原です。
 
「島」というものを思い浮かべると、こじんまりといったイメージをもたれる方が多いと思いますが、対馬島は例外で、島の南部から北部まで車で移動するのに2時間もかかるほど縦に長く、島の面積はあの奄美大島に次ぐ大きさです。
 
この広大な対馬を縦貫するように国道が走っており、四方に通う県道と合わさって対馬島内を一周できるような造りとなっています。
 
これらの主要な道路は交通量が多く、ヤマネコの交通事故発生リスクも高いです。
そのため、国道や県道沿いには、ヤマネコの事故多発エリアを伝える道路標識やヤマネコの飛び出しを注意喚起する看板など様々な交通事故対策物が設置されています。
(こちらで路面標示について紹介されていますので、合わせてご覧ください! 道路に「ヤマネコ注意」! | 九州地方環境事務所 | 環境省 (env.go.jp)))
 
今回は交通事故対策物の1つを紹介したいと思います。
 

STOP!ヤマネコの交通事故


 
 
対馬に住んでいる方にはおなじみのものかもしれません。
こちらはツシマヤマネコの交通事故対策物の1つ、「ヤマネコ型看板」です!
 
今にも道路上に飛び出してきそうなヤマネコがデザインされており、ヤマネコ型看板を見たドライバーに「ヤマネコかも」と思わせ、車の減速効果を得るのがねらいです。

ヤマネコデザインの縁を覆うように貼られている黄色いテープは光を反射します。夜間に車が通ると、車のライトを受けて反射し、ヤマネコのデザインが暗闇の中で浮かび上がるため、ヤマネコが動きが活発になる夜間においてもドライバーにヤマネコ型看板の存在を認知させることができます。
また、ヤマネコの目の部分にも同様に反射材が貼られています。
 
車のライトを受けて反射するヤマネコ型看板
車のライトを反射して光る目は本物のネコのようです。
このように、ヤマネコ型看板の効果はお昼だけでなく、ヤマネコの行動時間である夜間にも得ることができます。
 
また、看板に描かれたヤマネコのデザインですが、主に地域の小学生などに、ヤマネコについて学ぶ一環で、看板の色塗りやドライバーへのメッセージの作成をお願いしています。
看板のデザインは多種多様で、ヤマネコの特徴を捉えたデザインのものやインパクトのある派手なカラーリングのもの、作成者のヤマネコへの熱いメッセージが書かれたものもあります。
 
 
                          昨年度小学校で作成された看板の一部

ヤマネコ看板それぞれに看板をデザインした方の思いが込められていますので、ヤマネコ型看板を見かけた際にはぜひ安全運転にご協力お願いします。