九州地域のアイコン

九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。

道路に「ヤマネコ注意」!

2024年06月13日
対馬 南優妃
 こんにちは。
対馬暮らしも3年目になりました南です。
今はヒメボタルとゲンジボタルの季節。
対馬はホタルの種類ごとに鑑賞スポットが幾つかあり、時期になると非常に賑わいを見せています。
 
 さて、今回はツシマヤマネコの交通事故対策のお話です。

ヤマネコ注意

▲昨年度新たに設置した道路標示。(厳原町内山)
 みなさんは、こんな道路標示を見たことはありますか?

 「児童注意」や「歩行者注意」の標示なら見たことのある人は多いかもしれませんね。
これは対馬にしかない「(ツシマ)ヤマネコ注意」の標示です!

 以前は上島・田ノ浜地区の市道1カ所にのみの設置でしたが、ヤマネコの交通事故の8割は国道・県道で発生しており、そちらには1つも設置されていませんでした。
そのため、昨年度に更なる交通事故防止の効果を期待して、昨年度に市と環境省で増設を検討し、現在は上島に7カ所と下島に4カ所の計11カ所に設置しています。
▲対馬の主要道路と道路標示の場所。
 対馬市には「ツシマヤマネコ基金」があり、寄付金はヤマネコのあらゆる保全活動に役立てられています。
(対馬市HP:https://www.city.tsushima.nagasaki.jp/gyousei/soshiki/nourin/shizenkyosei/yamaneko/724.html
この道路標示もツシマヤマネコ基金を活用し、対馬市によって設置されたものです。
ご寄付いただいた皆さん、本当に有難うございます。
 
 設置場所毎に選定理由があるのですが、

 ●ヤマネコ等野生動物の事故が起きている
 ●スピードが出やすい(坂道や広い道路など)
 ●ヤマネコの生息地域であり、ヤマネコが飛び出す可能性がある
 ●交通量が多く人目につきやすい

が選定の主なポイントになっています。

 これを見て、おっ!と気づいて減速し、安全運転で通行してもらうことが目的です。
もちろん設置した場所だけではなく、島内どこでも交通事故が発生する可能性はあるので気を付けていただきたいのですが、あまりいろんな場所に設置してしまうと見慣れることで効果が減少してしまう恐れがあるので限られた場所に設置しています。
 
 また、対馬独自の道路標示ということで、観光場所としての活用もできるのではないかと考えています。
対馬に訪れた際はぜひ探してみてくださいね!
(わき見、ながら運転はダメですよ!)
 ヤマネコの交通事故をゼロにするために今後も様々な対策を進めていきます。