
アクティブ・レンジャー日記
九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。追跡調査を行っていたツシマヤマネコについて
2026年04月30日
対馬
久しぶりのAR日記の投稿になりました。
対馬自然保護官事務所 厳原事務室の仲田です。
新年度対馬で一発目の投稿です。
3月に投稿しましたように、対馬の下島で保護し、野生に返した成獣オスのツシマヤマネコ「龍馬」の追跡調査を実施していましたが、残念ながらその後死亡を確認しました。
今回は「龍馬」の追跡調査の結果を報告いたします。
対馬自然保護官事務所 厳原事務室の仲田です。
新年度対馬で一発目の投稿です。
3月に投稿しましたように、対馬の下島で保護し、野生に返した成獣オスのツシマヤマネコ「龍馬」の追跡調査を実施していましたが、残念ながらその後死亡を確認しました。
今回は「龍馬」の追跡調査の結果を報告いたします。
「龍馬」の行動(1回捕獲・検査まで)
1月6日に洲藻で放獣してから「龍馬」は大きく移動し、対馬の最南端の半島(神崎)までたどり着きました。半島に到着するまでの一日の移動距離は3、4kmほどあり、毎日職員がシフト制で調査をしていたのですが、日々どこに行くのかハラハラドキドキでした。神崎に入ってからは10日ほど動きが小さくなり、定住をしたのか、あるいはメスと出会ったのかと思っていたのですが、また突如となく北上し、厳原事務室を通り過ぎて西側の集落付近(久根田舎)に留まりました。
第1回捕獲調査
今回の放獣は追跡調査だけでなく、捕獲も行いました。ほとんどの場合、捕獲は放獣後一か月を目途に行われます。捕獲は個体の状態を確認するために行われます。ケガはないか、痩せてはいないか、健康状態に異常はないかなどを検査します。
最初の捕獲作業は神崎に留まっていた時に行いました。まず、わなに慣れてもらうために、トリガーが作動しないよう固定したわなを設置します。わなの中にエサを入れ、自動撮影カメラを設置し、個体が確実にわなの中に入るようになってから、わなを稼働させます。この時はわなへの訪問はできたものの、わな内のエサを食べてくれず捕獲はできませんでした。
最初の捕獲作業は神崎に留まっていた時に行いました。まず、わなに慣れてもらうために、トリガーが作動しないよう固定したわなを設置します。わなの中にエサを入れ、自動撮影カメラを設置し、個体が確実にわなの中に入るようになってから、わなを稼働させます。この時はわなへの訪問はできたものの、わな内のエサを食べてくれず捕獲はできませんでした。
その後、「龍馬」は神崎から移動し、久根田舎で8日ほど留まったため、ここで再び捕獲作業を行いました。久根田舎では何回かわな内に入るものの、警戒してわなが作動する奥までは入ってくれず、空振りの日が続きました。連日の捕獲作業で職員もくたくたになってきたころ、2月11日に何とか捕まえることができました。
第1回検査
捕獲後は対馬野生生物保護センターに運び、獣医さんに診ていただきました。検査の結果、放獣直前の体重より減少していましたが、それ以外は特に問題は見られませんでした。センターでしばらく飼育して様子を見た後、放獣に支障はないと判断されました。
2回目の放獣(死亡まで)
2回目の放獣は捕獲した久根田舎で2月27日に行われました。初回の放獣後とは違い、なかなか動かず、同じような場所に二晩いることも何度かありました。死亡の3日前ほどからほぼ動きがなく、発見日の前日と全く同じ場所で定位したことから現場を捜索し、死亡した「龍馬」を発見しました。再放獣から22日目でした。
「龍馬」の死亡と死因
「龍馬」の死亡は3月20日に判明しました。19日と同じ定位場所であることから前日から死んでいた可能性もありますが、18日の夜の定位地点からは動いており18日までは生きていたと考えられます。
「龍馬」の死因は衰弱死でした。検査の結果、削痩、貧血、低栄養状態だったということがわかりました。胃の内容物もなく、エサをほとんど捕ることができなかったようです。
下島での救護個体の放獣・追跡は、今回の「龍馬」が初めての事例となりました。近年、下島ではヤマネコの生息域が大幅に拡大しており、ヤマネコにとって住みやすい環境が整いつつある状況と考えられますが、各個体の生死については様々な要因や運も絡むと思われ、今回は残念な結果となりました。また、死亡前の移動の違和感からどう調査内容を変えるかや、エサを取ることができているかの判断はとても難しいことだと身をもって実感しました。下島での救護がこれから増えることも見越し、今回の経験を次の調査に活かしたいと思います。
「龍馬」の死因は衰弱死でした。検査の結果、削痩、貧血、低栄養状態だったということがわかりました。胃の内容物もなく、エサをほとんど捕ることができなかったようです。
下島での救護個体の放獣・追跡は、今回の「龍馬」が初めての事例となりました。近年、下島ではヤマネコの生息域が大幅に拡大しており、ヤマネコにとって住みやすい環境が整いつつある状況と考えられますが、各個体の生死については様々な要因や運も絡むと思われ、今回は残念な結果となりました。また、死亡前の移動の違和感からどう調査内容を変えるかや、エサを取ることができているかの判断はとても難しいことだと身をもって実感しました。下島での救護がこれから増えることも見越し、今回の経験を次の調査に活かしたいと思います。