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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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西表石垣国立公園

115件の記事があります。

2019年10月28日台風とサンゴ

西表石垣国立公園 神保彩葉

みなさん、こんにちは。

石垣自然保護官事務所の神保です。

今年は台風が多いですね。

台風被害に遭われた方、心よりお見舞い申し上げます。

さて、今回は9月末に石垣島に接近した台風18号とサンゴのお話です。

舞台は米原海岸。

米原海岸は、石垣島内で手軽に美しいサンゴ礁が観察できる場所として、

人気のスノーケリングスポットであり、国立公園に指定されています。

10月上旬、そんな米原海岸礁池内において、サンゴの白化現象が確認されました。

白化前 (9月17日撮影)

  

白化中

(10月2日撮影)  JELLY FISH 提供

 

(10月5日撮影)

 

今回の白化は、

○台風18号の影響で大雨が続いたこと

○大潮の干潮と重なったこと

によって、礁池内が一時的に淡水にさらされてしまったことが要因のひとつではと考えています。

地元関係者の人たちと、米原海岸の現地確認をしたところ、

今回白化した範囲は、以下のように、河口域に集中していることが分かりました。

また、別件の調査で米原海岸を泳いでいた地元関係者の方が、

白化直前、こんなものを撮影したそうです。

9月28日夕方撮影  提供:エコツアーふくみみ 大堀健司氏

この日、水面には、上の写真のような大量のぬるぬるとしたものが浮いていたそうです。

サンゴはストレスを受けると、自分の身を守るために、粘液を出すことがあります。

水面をただよっていたものは、サンゴたちが出した粘液ではないかと推測しています。

「台風は、海水をかき混ぜる効果があり、水温が下がってサンゴにとって良いこと」

という印象を持っている方も多いと思いますが、

サンゴの棲んでいる環境によっては、一概にそうとは言えないようです。

また、よく勘違いされがちですが、サンゴの白化=死亡ではありません。

今後の海の環境次第で、サンゴの体内に残った褐虫藻が復活し、健全な状態に戻ることもあります。

無事に元気な姿に復活しますように・・・。

今後も地元の人たちと協力しながら、サンゴたちの様子を随時、観察していきたいと思います。

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2019年10月23日与那国島の希少な動植物たち

西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 仲本

これから全国各地では、葉が色づき始め、紅葉シーズンが到来しますね。沖縄は年間を通して温暖な気候が続くため、紅葉を楽しむことはできないですが、ちょっとした秋の訪れを感じられる絶滅危惧種のイソマツの開花が与那国島の鳥獣保護区で観察することができました。

▲イソマツの開花〈環境省RDB:絶滅危惧Ⅱ類(VU)

▲海岸一面に開花したイソマツ

与那国島は、ヨナグニカラスバトやキンバトなどの希少な鳥類や動植物が生息し、野生動植物が生息しやすい環境を保全するため、国指定鳥獣保護区に指定されています。今回は、与那国鳥獣保護区を巡視し、また、国内希少野生動植物種(種の保存法)の自生地を確認してきましたので、与那国島の希少な動植物についてご紹介をしたいと思います。

まずは、ウスイロホウビシダと呼ばれるシダ植物。国内希少野生動植物種に指定され、採集や譲渡などは法律で禁止されています。国内で与那国島のみに分布し、石灰岩の岩上などに生えます。葉の平らな部分を葉身(ようしん)と呼び、ウスイロホウビシダの葉身は鳥の翼のような形なのが特徴的です。

▲ウスイロホウビシダ〈国内希少野生動植物種:平成29年指定〉

ヨナクニトキホコリは多年草で、与那国島と石垣島のみに分布し、国内希少野生動植物種に指定されています。うす暗い湿った環境を好みますが、近年の台風によって、林内が明るくなり、環境の悪化によって、生育する環境もかぎられ、絶滅が心配されています。

▲ヨナクニトキホコリ〈国内希少野生動植物種:平成29年指定〉

鳥獣保護区内にある東崎灯台付近からの景色は雄大です。岬は断崖絶壁で風が強く、度々大きな白波が岸壁を打ち付け迫力があります。岬は放牧地となっているため、子を連れた馬や牛がのんびりと草をむしゃむしゃと食べている姿は癒やされ、すてきな風景が広がっていました。

▲東崎灯台付近からの眺め

今回は、国内希少野生動植物種に指定されているヨナグニマルバネクワガタの密猟防止合同パトロールも実施しました。ヨナグニマルバネクワガタは、法律で禁止する以前は、乱獲によって数が減少しましたが、最近では、度重なる台風の接近によって、立派に成長して大きくなった生息木が倒れるなどして、林内が明るくなり、林内の乾燥化が進み、生息環境の悪化が心配されています。

▲ヨナグニマルバネクワガタ(メス)

また、保護区内の小川には国内では与那国島のみに分布しているアオナガイトトンボを観察できました。春から秋にかけて観察することができます。オスは鮮やかなコバルトブルーの体色が特徴的です。メスの体色は、薄オレンジ色です。

▲アオナガイトトンボ〈環境省RDB:絶滅危惧Ⅱ類(VU)

与那国島は面積28.95㎢と大きな島ではないですが、世界にここだけの生き物がたくさん生息している自然豊かな島です。自然環境をおびやかす要因はさまざまですが、たくましく生息している希少な動植物を確認することができ、改めて与那国島の生物多様性の高さを感じ、これからも私たちみんなで生息地に目を向けて大切に守っていかなければならないと感じました。

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2019年09月09日今年のサンゴのモニタリング調査

西表石垣国立公園 神保彩葉

こんにちは。石垣自然保護官事務所の神保です。

6月~8月が一瞬で過ぎていきました。

もう9月という事実が信じがたいですが、石垣の夏はまだまだ続きそうです・・・。

さて、今年もサンゴのモニタリング調査を行っております。

コドラート内のサンゴを調べる調査員

今年は、どの地点も調査は長期戦。

なぜなら新しい小さなサンゴがたくさん加入しているからです。

とても嬉しいことですね。

ただ、1つのポイントを平均2時間以上、水中でじっとしていると、

さすがの夏場でも、体が冷えるようです。

ところで、サンゴも病気にかかるということを知っていますか?

近年、石西礁湖ではサンゴの病気が増えています。

病気にも様々なものがあり、詳しい原因は、未だ分かっていないのですが、

地球規模の環境悪化、それに伴うサンゴの免疫力の低下、

そして、私たち人間の活動とも無縁ではないと言われています。

(サンゴの病気:例)

  

病気①ホワイトシンドローム 

病気②腫瘍

病気③ブラックバンド

上の3つ以外にも、サンゴの病気はいくつかあり、いずれもまだまだ解明されていないことばかりです。

さて、調査中に真っ白な赤ちゃんサンゴを発見。

調査員に肩を叩かれ、指を指した岩場の裏をのぞいてみると、

真っ白サンゴのすぐ近くに、サンゴの天敵、オニヒトデを発見しました。

白かったのは、オニヒトデが食べた跡でした。

見つけたオニヒトデ

こんなに小さなサンゴも食べてしまうとは、恐れ入りました。

今年は台風も定期的にきているためか、海水温はさほど上がらず、

大規模な白化現象は起きていませんが、サンゴを脅かすものは、

単に白化現象だけではないようです。

八重山周辺の気になるサンゴの情報等がありましたら、

下記センターまで、是非お寄せ下さい。よろしくお願いします。

【国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター】

住所:沖縄県石垣市八島町2-27
TEL:0980-82-4902 FAX:0980-82-0279

Mail:coremoc@sirius.ocn.ne.jp

HP:http://kyushu.env.go.jp/naha/coremoc/index.html

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2019年08月22日第4回パークボランティア定期活動@白浜地区

西表石垣国立公園 光森 康祐

こんにちは。

西表自然保護官事務所の光森です。

西表島では、キセキレイやシギチの渡り、カンムリワシの幼鳥が見られるなど、秋の気配を感じられる様になりました。

なんとなく夏に置いて行かれてしまった気がしている光森です...。

今年度より、西表石垣国立公園パークボランティアで行っております、定期活動について8月10日に第4回活動を行いました。

6月、7月に引き続き、白浜地区のツルヒヨドリの駆除です。

ツルヒヨドリについては第2回の定期活動のAR日記に特徴を載せていますので、参考にしていただけたらと思います。(第2回活動のAR日記)

○過去2回の活動

6月、7月の過去2回の活動でこのようになりました。

6月の作業後と7月の作業前との写真を比較すると、ひと月で水路を覆いつくすほどの繁殖力がわかると思います。この驚異的な繁殖力によって再生してしまう前に、きちんと根まで除去する必要があります。

第4回活動は、前日まで台風9号の影響で実施できるか定かではありませんでしたが、被害も少なく、なんとか実施することができました。

これまでと同様、駆除のための木酢液を散布できない水路での作業となります。

水路に繁茂しているツルヒヨドリはゴミ袋へ、水路の底に溜まっている泥は水路から出して除去しました。


今回の作業でおおかたの水路で生育しているツルヒヨドリを駆除し、根が堆積している泥を除去することができました。

この場所でのツルヒヨドリ除去はひとまずひと段落つきそうです。

なんとか花がつく時期の前に終わらせることができてよかったと思います。

今回の作業で水路に生育するツルヒヨドリはすべて除去できましたが、水路には土砂が堆積している場所があり、埋土種子や残った根茎から再生する恐れがあります。

今後、この土砂の除去と定期的なモニタリングが必要です。

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2019年08月07日希少種の持ち出しに関する普及啓発活動

西表石垣国立公園 関東準之助

みなさん こんにちは 西表自然保護官事務所の関東です。

 8月6日に関係機関と合同で希少種の密猟や盗掘などを防止するため、西表島の玄関口である大原地区と上原地区にある港、島の最高峰古見岳へ登るための登山口、仲間川沿いにある遊歩道でチラシ配布とパトロールの普及啓発活動を行いました。希少な野生動植物は、その種自体であったり保護地域であったりと様々な法令にわたって保護されています。今回は観光客や採集者による無意識の持ち出しや密猟、盗掘を防止するため、どのような規制をかけているのか分かるように配布物へ各機関のホームページを閲覧できるようQRコードを示しています。

 台風接近中でしたが、入島してくる観光客はまだ多く両港でチラシ300枚程度を配布できました。また、仲間川沿いの遊歩道には昆虫を採集するためのトラップ(F.I.Trap)が放置されていました。設置型のトラップは回収を怠ると壊れるまでの長い時間無用な殺生を続けてしまいます。島内では未回収の放置トラップが目に付くため持ち込んだものは持ち帰るという最低限のマナーは守りましょう。国立公園の特別地域内に工作物を設置する場合は許可申請が必須です。

 今回、配布したチラシにも環境省の国立公園の範囲、林野庁の森林生態系保護地域の範囲を示してありますので、来島される方は参考にしてください。

港での配布の様子

F.I.Trap

遊歩道に放置されていた昆虫採集用のトラップ

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2019年08月05日中学生のお仕事体験【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本

最近の石垣地域は、晴れ間が続き、真夏の到来といった感じでさわやかな青空が広がっています。子どもたちは、夏休みに突入。今回は、地元中学校の生徒がお仕事体験にやってきたので、その様子をご紹介したいと思います。

2016年の夏にアメリカザリガニが石垣島の某所の池で確認され、駆除対策などを実施し、最近まで確認されることはなかったのですが、再び同じ池でアメリカザリガニが確認されるようになり、現在、池の水を抜くなどして駆除対策を実施しています。

以前、アメリカザリガニが初確認された際に投稿したAR日記はこちら↓

http://kyushu.env.go.jp/blog/2016/08/post-229.html


今回も池の水を抜き、池の水は枯渇しましたが、池の流出口の沈殿槽に水がまだ溜まっており、そこで残存個体のアメリカザリガニを発見!!お仕事体験の中学生と捕獲作業を行い、中学生に1個体のアメリカザリガニを捕獲して頂きました。


▲中学校生の捕獲作業の様子


▲池内で捕獲したアメリカザリガニ

再び池で確認された経緯はわかりませんが、また誰かが逃がした可能性も考えられるため、アメリカザリガニが確認された池の入口付近などに野外にアメリカザリガニを逃がさないように呼びかける注意看板を作成して設置しています。


▲アメリカザリガニの注意看板

また、その池の下流には、ダムがあります。そこには生態系被害防止外来種リストの総合対策外来種に選定されているマダラロリカリア(呼称:プレコ)が生息しているという情報があり、ザリガニの捕獲作業後に、その現場を確認してきました。橋の上からダムの放流口を確認すると、全長40cm程の大型のプレコが数匹悠々と泳いでいました。

マダラロリカリアとは・・・

日本では、1989年に沖縄本島の牧港川で増えているのが初確認され、現在では沖縄本島の各地の川で増えてしまっている外来種。ペットとして飼われていた個体が放流されて野生化して増えたと考えられています。汚れた川でも生息できることや鎧(よろい)のような堅い鱗(うろこ)があり、天敵となる生き物がいないことなど、繁殖力が強いため、在来種の魚類と争ったりして生態系へ悪影響を与える恐れがあると懸念されています。

▲ダムの放流口に生息しているマダラロリカリア

ペットとして持ち込まれた生き物が野外で増えて、侵略的外来種となることがあります。興味本位でペットを飼うのではなく、ペットを飼う前には、しっかりとその生き物のことをよく知り考え、ペットは最後まで責任を持って飼う心構えがとても大切です。

西表石垣国立公園の第3種特別地域になっている屋良部岳(標高:216m)の巡視に中学生と行ってきました。屋良部岳は西表石垣国立公園の主要な展望地になっています。林道から入れる登山道を利用すれば、片道約15分で頂上に着き、八重山のすばらしい景観を一望できる人気スポットです。


▲八重山の景観を眺める中学生

▲屋良部岳頂上の眺め

屋良部岳の頂上には、突き出た岩があり、そこからの眺めは最高です!石垣島を訪れた際には、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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2019年07月25日【石垣地域】石垣島北部地域子どもパークレンジャー第1回~第3回

西表石垣国立公園 山田 駿

アクティブレンジャー日記をご覧の皆様、こんにちは。

今回は石垣島北部地域子どもパークレンジャー活動の第1回~第3回の様子をお伝えしていきます!

地元ガイドさんと共に行っているこの事業は、石垣島北部に住んでいる子ども達を対象に、国立公園の自然の中で親しむ機会をつくり、自然を守っていく大切さを伝えようと行われています。

今年度第1回の活動の舞台は、石垣島野底地域に位置する「吹通川(ふきどおがわ)」です!

ここには広大なマングローブ林が広がり、西表石垣国立公園に指定されているだけでなく、天然記念物として石垣市の文化財に指定されている場所です。

第1回の活動のタイトルは「吹通川たんけん隊」。

カヌーで川を上り、途中から歩いてゴールである滝を目指します。

カヌーを漕ぐこと自体初めての子も多いので、まずはガイドさんからカヌーの漕ぎ方のレクチャーを受けます。

マングローブ林が広がる川を、二人で息を合わせて進んでいきます。

最初はうまく進めない子ども達も、段々と慣れてきて乗りこなせるようになりました。

浅くなってきた奥地のマングローブ林でカヌーから降りて、この場所のマングローブ林の特徴や、立ち枯れの原因、それに伴い植樹をしたことなどの説明を受けます。

ここからは更に上流を目指して歩いていきます。

歩いている途中から少し川の雰囲気が変わり、岩場となります。

約2㎞という短い間にも川の環境が変わっていくのが、吹通川の特徴でもあります。

そしてようやく滝に到着!

歩いてほてった身体を冷やすようにみんな滝に打たれていました。

滝の下にてみんなで記念撮影!

無事に全員でケガなく到着できて良かったです。

さて、第2回の活動の舞台は、これまた野底地域にある野底林道が舞台です。

第2回の活動のタイトルは「アコークローの生き物調査」です。

アコークローとは、沖縄の方言で「明るい暗い」の意を指し、夕暮れ時の時間帯の事を言うそうです。

その夕暮れ時は昼行性の生き物の活動が収まっていき、夜行性の生き物が活動をし始める時間帯で、様々な生き物の様子を観察することができます。               ↑活動開始前国立公園看板にて記念写真

そこで2班に分かれて、見えた生き物や聞こえた生き物の声を記録していき、時間による生き物の移り変わりを実感してもらいます。

           ↑シートに見えたり聞こえたりした生き物を記録していきます。

普段、夜に出歩く事はなかなか少ないので、子ども達は少し興奮気味にどんどん先へと進んでいってしまいます。そこでときおり見かける夜の生き物に注意を向けてもらい、昼間との活動の違いや、夜にしか見られない生きものの姿などを観察して貰いました。

              ↑リュウキュウコノハズクを観察している様子

              ↑リュウキュウクマゼミの羽化の様子を観察

カエルだけでも5種確認するなど、多くの生き物を観察することができ、貴重な経験になったことと思います。

第3回の舞台は石垣島北部平久保半島の西側に位置する久宇良の海です。

タイトルは「サバニに乗って、サンゴ礁スノーケリング」。

沖縄の伝統的な小型船であるサバニに乗ってポイントまで行き、スノーケリングをしてサンゴ礁に生息する生き物を観察して貰おうというものです。

活動日の近日に台風が通過しており、実施できるか心配していましたが、風も波も強くなく、無事に活動を実行できる運びとなりました。

当日は大小3艇の船に分かれて乗船しました。

いざ行かん!サンゴ礁ポイントへ!と帆をあげると一気にテンションが高まります。

風の力を受けぐいぐい進み、漕ぐ力をほとんど必要にしてないようにも思える程でした。

15分ほど船を走らせ、サンゴ礁のポイントにつきました。

そこには、とても生き生きとしたサンゴたちが広がっていました。その様子を、スノーケルを用いて観察して貰います。

時にはクマノミも観察することができました。            ↑カクレクマノミ(他にもハマクマノミが確認できました)

1時間ほどスノーケリングをして、また船に乗り、浜へと戻ります。

反対方向となりましたが、うまく風の力を利用して行きよりもスピードが出ているように思えました。

時には海賊船のように向かいあってふざけあったり(笑)

伝統的なサバニの文化を実体験してもらい、身近な海の中のサンゴの広がりを観察することができ、夏休みに入ったばかりの日曜日にとても良い夏のスタートがきれたのではないかと思います。

どの活動もケガ無く、それぞれ全く違った北部地域の自然を楽しんで貰う事ができました!

これからも地元の自然を知り、普段から国立公園の素晴らしい自然に親しみを持って貰いたいと思います。

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2019年07月22日【石垣地域】米原海岸利用ルール試験運用開始!!

西表石垣国立公園 山田 駿

アクティブレンジャー日記をご覧の皆様、こんにちは。

今回は米原海岸の利用ルールについて紹介させて貰います。

米原海岸は西表石垣国立公園石垣地域の北部に位置している自然海岸で、良好な自然環境を保っていることから、陸域海域ともに国立公園に指定されています。

特に海域は、砂浜からすぐ近くの礁地内にサンゴ群集が高い被度で広がっており、様々なサンゴ礁生態系が見られる上、多様な魚が生息している環境となっています。

そのため、スノーケリング等による自然観察が手軽に楽しめる海岸として、多くの観光客が訪れています。

                    ↑米原海中景観

また、米原海岸には隣接して石垣市が管理しているキャンプ場があり、キャンプ場利用客と、海岸の利用客が数多く訪れる石垣島有数の観光地となっています。

しかし、多くの人が手軽に訪れるあまりに、規制されている熱帯魚などの採取や、踏みつけによるサンゴの損傷など、自然公園法に反した利用客が後を絶ちません。

                                  ↑利用客の持参したたも網

               ↑頻繁に採取されているカクレクマノミ

また、米原海岸は石垣市の指定海水浴場ではなく、海上監視員が常駐していない上、時にはリーフカレント(リーフの内側から外側に流れる強い流れのこと。離岸流とも呼ばれる)が起こる場所でもあり、安全上のトラブルも度々起こっています。

こうした課題・経緯を踏まえて、環境省の『サンゴ礁生態系保全行動計画2016-2020』の重要課題の一つ「サンゴ礁生態系における持続可能なツーリズムの推進」を念頭に置いたモデル事業として米原海岸の利用ルールづくりが選定されました。

多くの観光客が訪れる米原地域が主体となり、適正な利用ルールが運用されることを目指しています。

その利用ルールの内容及び運用体制を決めるために、2016年から環境省、沖縄県、石垣市、消防本部、海上保安部、地元のガイド団体、地元の関係者、環境保護団体など多くの関係者と共に協議を重ねてきました。

今年度は4年目を迎え、昨年度作成された利用ルールの試験運用を7月13日の3連休から開始しました。

その利用ルールの周知のために、以下のチラシ及びポスターを作成しました。

利用ルールのチラシとポスターを米原海岸周辺の施設や駐車場に掲示し、3連休の人が多く訪れる時間帯に周知活動としてチラシ配布及びお声がけを行いました。

                   ↑7月14日午後の海岸の様子

                 ↑キャンプ場内に設置したポスター

まだまだ、この利用ルールの周知活動は始まったばかりです。

課題の多い中で試行錯誤し、多くの関係者や地域住民の方々のご協力を得ながら、利用ルールの運用の定着を目指していきます。

米原海岸を訪れる人達にこの利用ルールが少しでも伝わって欲しいと思いますし、米原地域を含む石垣島の人々が米原海岸にはこういうルールがあるんだと当たり前に認識することができたらと思っています。

米原海岸に訪れる人たちや米原海岸に携わる人たちに、この利用ルールが広がるよう拡散して頂ければ幸いです。

この取り組みは米原海岸をモデル地域としていますが、この様な取り組みを必要としている地域は他にもあると思います。

この利用ルールが定着し安全かつ豊かなサンゴ礁生態系が保全される米原海岸を目指し、ひいては他地域のサンゴ礁生態系を有する観光地でもこの取り組みをモデルに持続可能なツーリズムが定着しサンゴ礁生態系の保全に繋がることを切に願います。

                  ↑米原の稚サンゴ

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2019年07月01日この夏、ピナイサーラの滝で携帯トイレの試験運用を実施します。

西表石垣国立公園 西表 光森 康祐

こんにちは。西表自然保護官事務所の光森です。

6月29日に沖縄地方の梅雨明けが発表され、西表島でもカーチバイ(夏至南風)が吹いて、いよいよ本格的な夏が始まったな~と感じます。

環境省西表自然保護官事務所では、7月1日から8月31日までピナイサーラの滝において、西表島カヌー組合と協力して携帯トイレの試験運用を実施します。

西表石垣国立公園(西表地区)ピナイサーラの滝周辺での携帯トイレの試験実施について(環境省HP)

○ピナイサーラの滝とは

ピナイサーラの滝は、ピナイ=「顎ひげ」、サーラ=「下がったもの」の名前の通り、遠くから見ると白ひげが垂れ下がっているように見えます。

▲船浦海中道路から見たピナイサーラの滝

落差55mと沖縄県最高落差の滝で、滝そのものの景観はもちろん、カヌーでアクセスするとマングローブ干潟、湿地、亜熱帯照葉樹林帯、渓流域の連続した自然環境をコンパクトに見ることができるため、西表島で最も人気のある景勝地のひとつです。


しかし、ピナイサーラの滝や駐車場には公衆トイレはなく、滝周辺では「し尿」の影響によって、悪臭やティッシュのごみなど環境への影響が懸念されています。

今回、ピナイサーラの滝の環境保全のため、西表島カヌー組合に所属するガイド事業者ののツアー参加の希望者に、携帯トイレを無料配布しているほか、今までトイレ場として使われていたピナイサーラの滝の滝下、滝上の二か所に携帯トイレスペースを、上流のカヌー係留所に携帯トイレブースを設置しています。どうしても山の中でトイレに行きたくなってしまった方は、ガイドさんにお声かけください。

▲滝下トイレスペース

▲滝上トイレスペース

 

▲係留所トイレブース

使用済み携帯トイレは使用者自身が「使用済み携帯トイレ回収BOX」まで運搬します。

回収BOXはマーレー川駐車場、海中道路に設置しており、どちらもピナイサーラの滝へカヌーで行く際の拠点となります。

また、今後の携帯トイレの活用のため、アンケートの記入をお願いしています。

 
▲マーレー川駐車場回収BOX          ▲海中道路駐車場回収BOX

携帯トイレの在庫がなくなり次第終了となりますが、携帯トイレの確保や使用済み携帯トイレの廃棄など、維持管理体制が構築された場合は引き続き実施することもあります。

携帯トイレはあくまで補助的なものです。なるべくツアー参加前に公衆トイレなどで済ませておきましょう。

(オマケ)

▲滝下トイレスペースより。

日本一景色の良いトイレかもしれません。

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2019年06月11日第2回パークボランティア定期活動@白浜集落

西表石垣国立公園 光森 康祐

こんにちは。西表自然保護官事務所の光森です。

今年度より、西表石垣国立公園パークボランティアでは、毎月第二土曜日に定期活動として西表島で、野生動物の交通事故防止のための県道の草刈り作業や外来生物の駆除作業、海岸清掃などを行っています。

その活動の第2回目として、今年1月に西表島の白浜集落で確認された特定外来生物の「ツルヒヨドリ」の駆除作業を6月8日(土)に実施しました。

「ツルヒヨドリ」とは、北アメリカ、南アメリカの熱帯地域原産のつる性の植物で、"つる"で巻きつきながら1日で10㎝ほどの猛烈な勢いで広がっていきます。折れたりちぎれたりした"つる"が地面に触れていると、そこから根を出して増えていき、1つの株は1年間で25m四方に広がります。ツルヒヨドリは他の植物を覆いながら生長するため、覆われた植物は光が当たらなくなり、枯れてしまいます。そのため、西表島在来の植物をはじめとする生態系に大きな影響を与える可能性があり、すぐに防除する必要があります。

まさに特定外来生物のお手本のような植物です。

▲ツルヒヨドリの葉の特徴

作業した場所は、林野庁で木酢液を散布して駆除試験をしています。

今回の活動は、主に木酢液を散布することができない水路に繁茂しているツルヒヨドリを駆除しました。