西表石垣国立公園 西表
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2015年06月10日西表島干潟観察会【西表地域】
西表石垣国立公園 西表 関東準之助
みなさま こんにちは。
5月31日に西表島干潟観察会~民謡のカニ「やぐじゃーま」へ会いに行こう~を開催しました。西表島の古見集落には「やくじゃーま節」という民謡が伝わっており、歌詞には数種類のカニが登場します。今回はこのカニたちを見に行く観察会です。
まずは、事前学習として八重山に伝わる民謡「やぐじゃーま節」を聞きました。この民謡は制作当時の人たちの苦しい生活を干潟にすむカニになぞらえて歌っているものです。八重山に伝わっている歌と西表島古見集落に伝わる「やくじゃーま節」とは少し歌詞が違っています。
次に干潟へ移動して、実際にカニやその他の生き物を探しました。少し歩けば、いろいろな生き物が見つかるため、なかなか前に進みません。それでは、発見したカニをいくつか紹介します。
カノコセビロガニ(背面と腹面)
よく似たカニでも種類が違います。(左:ミナミアシハラガニ・右:フジテガニ)
シオマネキの仲間も4種いました。(左:オキナワハクセンシオマネキ・右:ヒメシオマネキ)
写真で紹介したほかにもミナミコメツキガニの集団、ミナミトビハゼやシレナシジミなどさまざな生き物を観察することができました。
いよいよ、今回の目玉「やぐじゃーま」の生息地に到着しました。日中は岩の下などに隠れているため、これをひっくり返して探します。大きな岩をひっくり返しながら10匹以上を確認しました。
これが、やぐじゃーま(クマドリオウギガニ)です。クマドリオウギガニは、肉食性でほかのカニを襲って食べます。周囲の環境を見てみるとマングローブの落ち葉が堆積しており、これを食べる小型のカニが何種類も居ました。
やぐじゃーまの威嚇のスタイルは、歌舞伎役者のよう。でも、カニの威嚇スタイルってみんなこんな感じだったような気が・・・・。メスのおなかには卵も。満月が近かったので、ほかの種類のカニたちも同じように卵を抱えていました。
梅雨時期でしたが、よい天気に恵まれました。(翌日の西表は豪雨でした)
2015年05月19日2015年、愛鳥週間企画【西表地域】
西表石垣国立公園 西表 アクティブレンジャー 日名
5月10日から愛鳥週間がはじまりました。
愛鳥週間にあわせて、西表野生生物保護センターでは、特別展を開催しています。
【動画の上映】
「西表島の野生動物救護」と題しまして
・センター作成救護bookの展示、
・救護や世話を職員目線で撮影した動画、採餌や放鳥時の様子の動画を上映、
・間近でじっくり観察できる剥製と頭骨の展示、
・羽標本の展示、
などなど、規模は小さいですが西表島の傷病救護について展示しています。
【アカショウビン採餌】
なかでも特にオススメなのが、動画の上映です。
普段、職員がどのように傷病鳥獣を世話しているのかがわかります。
床敷きを交換、注射、強制給餌などなど、生き物の世話って大変なんです。
【ツミの採餌】
また、アカショウビンが魚を食べるときに、床に魚を打ち付けている様子は興味深いですし、オオコウモリやツミの採餌はかわいいです。
【ツミの放鳥】
放鳥の様子を見てもらえると、感動的なことは全くなく、あっさり飛び立っていくのがわかります。
お時間があれば、足を止めてぜひご覧ください。
【剥製と頭骨の展示】
2015年04月20日2015年、春の夜間注意喚起【西表地域】
西表石垣国立公園 西表 アクティブレンジャー 日名
4月13日19時から20時まで、美原集落前のパーキングスペースにて、ヤマネコ交通事故防止の夜間注意喚起を行いました。
【注意喚起の様子】
1時間で13台の通行がありました(西表島では普通か少し多いくらい...)。
ヤマネコの交通事故はほとんどが夜間に起きています。
夜間に運転をされるドライバーの方に、直接対面して安全運転を呼びかけることができるので、この取り組みは有効的だと考えています。
【協力いただいた具志堅巡査長(大原駐在所:左)と宮里巡査部長(上原駐在所:右)】
ちょうど平成27年春の交通安全県民運動の期間で、大原駐在の具志堅さんと上原駐在の宮里さんも、協力していただきました。
5月は、春の全国交通安全運動があります。
西表島東部だけでなく、西部でも同様の呼びかけを行うように計画しています。
【まーやの夢は夜ひらく】
人もヤマネコも交通事故ゼロを目指しましょう!
2015年03月25日古見小学校の卒業式【西表地域】
西表石垣国立公園 西表 アクティブレンジャー 日名
古見小学校の卒業式
西表野生生物保護センターは、西表島の古見という集落にあります。
この古見集落には、古見小学校があります。
全校生徒あわせて14名の小規模な学校ですが、地域の人に見守られながら西表島の大自然に抱かれて元気に小学校生活を送っています。
野生生物保護センターの観察会に積極的に参加したり、長年チョウの観察を続けていたりして、西表島の自然に関心の高いみなさんです。
この長年続けてきたチョウの観察が評価されて、全国野生生物保護実践発表大会で林野庁長官賞や全国こども科学映像祭で特別賞を受賞しています。
さらに、ヤマネコの交通事故対策にも協力的で、毎年12月末1週間朝の通勤時間帯に、交通安全を呼びかける活動をまーやと一緒にやっています。
【卒業生による「鷲の鳥節」】
そして先日6年生3名の卒業式があり、ご招待いただき出席してきました。
人数が多い学校は順番に卒業証書をもらって終わりですが、
古見小学校は卒業生が3人なので、卒業証書をもらったあとそれぞれが感謝の気持ちや将来の夢などを壇上から発表したり、それぞれの保護者の挨拶、思い出スライドショー、踊り(鷲の鳥節)の披露、くす玉割り、マーチングバンドに続いて校門までお見送りなど、内容盛りだくさん、地域の皆さんも出席してとてもハートフルな卒業式でした。
最高です!!
【くす玉割】
中学校にいっても、元気に頑張ってください!!
【交通安全運動の様子】
【2014年の流行語「いいじゃないの~」「だめよ~だめだめ」】
【2013年の流行語「倍返し」も・・・】
2015年02月20日交通事故からの初めて野生に帰ったイリオモテヤマネコW171(調査結果)
西表石垣国立公園 西表 アクティブレンジャー 日名
昨年9月3日に交通事故から初めて野生に帰ったイリオモテヤマネコW171のラジオトラッキングの調査結果をお知らせします。
保護の経緯などは、過去の西表野生生物保護センターのブログ※1をご覧ください。
【これまでのW171の位置】
放獣場所は、事故現場から500mほど南東の放牧場そばの林でした。
W171は、放獣直後から1日まで、放獣場所付近に留まっていました。
その後、W171は、事故現場でもあり以前から目撃のあった付近へ戻ってきました。54日までは、レストランたかなから、パイヌマヤホテル、エコヴィレッジ、パイヌマヤホテル社員寮の付近にいました。
55日以後は、レストランたかなよりも西に、パイヌマヤ社員寮よりも東にいるようになり、行動範囲を広げています。
最も西の位置は1月15日10時39分におカンムリ直線の西側で、最も東の位置は1月10日11時27分にリサイクルセンターへの分岐付近でした。
これまでの結果から、リサイクルセンター辺りからユツン辺りまでW171が移動していますので、付近を通行する際はくれぐれもご注意ください。
※1:http://iwcc.seesaa.net/archives/201409-1.html
【調査中の福田自然保護官】
2015年01月19日H26年度「イリオモテヤマネコと希少動物たちを守ろう 絵画コンクール」表彰式
西表石垣国立公園 アクティブレンジャー 日名
少し前になりますが、12月2日に西表島大原港で、絵画コンクールの最優秀賞・優秀賞・佳作の入選者の表彰式を開催しました。
今年も竹富町の小中学校から32点の応募作品がありました。
応募いただいた皆さん、ありがとうございました。そして、入選した皆さん、おめでとうございます!
(社)沖縄県建設業協会八重山支部より表彰状と副賞が、八重山地区交通安全協会西表島東部支部から記念品が贈られました。
イリオモテヤマネコのまーやも表彰式に参加して、表彰状授与のお手伝いもしました。
優秀者の皆さんからは、絵を描いたときの気持ちや願いなどを発表してもらいました。
入選作品が大原港で12月1日から1月13日まで展示されていました。
どの作品も見ていてホッコリするすばらしいものでした。
2014年08月30日島の動物 ふしぎ発見!
西表石垣国立公園 西表 アクティブレンジャー 日名
“島の動物 ふしぎ発見! ~動物の骨や標本からいろいろな動物のふしぎにせまろう~”
と題して、西表島内のこどもたち11人に骨をトピックにお話しました。
骨の役割や、骨のある動物ない動物、生活や食べ物により骨に特徴が表れることなど。小学校低学年の参加者には、少し難しいお話しだったかもしれません。
そこで、難しい話は置いといて・・・
骨クーイズ!だれの骨でしょうか??
骨クイズ!(写真提供:西表島エコツーリズム協会)
そして、その動物の骨の特徴を解説しましょう!
骨の解説
西表島(近海)に住んでいる動物の骨だったので、ほとんどの骨はすぐに正解が出てきました。しかし、クジラの骨はすぐにはわからずでしたね~
「お父さんがイノシシ猟をするから、イノシシの骨はすぐにわかる!」なんて参加者も。
触ってみよう!
西表島に住む生き物や自然に対して、興味や愛情を深めてもらうきっかけになったらいいな~、と思っています。
※西表島エコツーリズム協会:
http://iriomote-ea.com/
(ひな)
2014年07月14日【祝】オオクイナ(白浜)・キンバト(大原)放鳥
西表石垣国立公園 西表 アクティブレンジャー 日名
幸いたいした怪我も無く、元気があったので、保護から2日後に白浜の皆さんに見守られながら放鳥出来ました※1。
放鳥前に、イエネコの室内飼育をお願いしました
元気になった姿を見てもらいました
ネコのためにも、野生動物のためにも、ネコは室内で飼うように、よろしくお願いいたします。
キンバトは、大原小学校の窓ガラスに衝突したところを保護されました。
放鳥前にセンターの活動の説明
2羽同時に衝突して、オスとメスでした。おそらくつがいだったのでしょう。
メスの方は、残念ながら死んでしまいました。オスの方は、頭と喉の皮膚が切れていました。
メスが先にぶつかり、それに気付いたオスは、直前にスピードを緩めることが出来て軽傷で済んだのかなと、想像しています。
元気になった姿を見てもらいました
切れていた皮膚は獣医さん※2に縫ってもらい、元気があったので、10日後に大原小学校の生徒たちに見守られながら放鳥出来ました。
センターでは、防鳥ネットを張ったり※3、紫外線フィルム※4を貼ったりして、野鳥の窓ガラス衝突を防ぐ活動を行っています。
元気に飛んでいきました
※1 海人の家(白浜公民館)日記:
http://uminchuya.exblog.jp/20821120/
※2 NPO法人どうぶつたちの病院沖縄:
http://iriomote-pj.seesaa.net/
※3 防鳥ネット:
http://iwcc2.seesaa.net/article/221852246.html
※4 紫外線防止フィルム:
http://iwcc2.seesaa.net/article/389415482.html
(ひな)
2014年06月09日西表島干潟観察会
西表石垣国立公園 西表 アクティブレンジャー 日名
干潟の生き物の観察・解説を通して、干潟の役割や重要性、人間と干潟の繋がりなどの理解を深めてもらう取り組みです。
今回は干潟のスペシャリスト小菅丈治氏(石垣青少年の家)を講師に迎え、「貝」をテーマにして、センター近くの後良川河口マングローブと干潟を歩きました。
マングローブ内はぬかるんだ一本道。観察した貝の名前を全体に伝えるのはとても大変です。
ですので、地形の不利を逆に使用して、伝言ゲームをしました。
先頭で先生が見つけた貝を後の人に渡し、貝の名前も順々に伝えていく。
マングローブの一本道で伝言ゲーム
ちゃんと伝わるかな~
ヘナタリがヒナタリ、
カワアイがカワイ、
マングローブアマガイがマングローブアナガイ、
惜しい!!少しずつ違っていますね~
伝言ゲームの答え合わせ
小菅先生に貝の名前を尋ねる
また、観察できた生き物を携帯のカメラで撮影しメールでセンターに送って、まとめてリスト(図鑑)にしてプリントアウトし、観察後の振り返りで参加者に渡す、
という取り組みを行いました。
これがあれば、家に帰ってからも自分で復習できるし、個人的に干潟を歩くときにも使うことが出来ますね。
熱心に図鑑を見る参加者
途中で大雨が降ってきて、観察が切り上げになりました。
みなさん雨に濡れてしまいましたが、それでも楽しんでもらえたと思います。
最近は後良川で西表島干潟観察会を行っていますが、別の場所でもやってみて、違いをみてみるのもおもしろいと思いました。今後もご期待下さい。
ふりかえりの様子
講師の小菅さま、西表石垣国立公園パークボランティア連絡会の皆さまご協力ありがとうございました。
※1西表石垣国立公園パークボランティア連絡会:
http://jun-kikui.s372.xrea.com/PV-HP/index.html
(ひな)
5月25日に新城島でカツオドリが衰弱により保護されました。
電話で保護の報告を受けたのですが、その後すぐに死亡してしまいました。
【死亡したカツオドリ】
嘴から太い釣り糸が出ており、レントゲンを撮影してみると約5cmの釣り針を飲み込んでいました。
【嘴から出た太い釣り糸】
体重は約950gで目立っては痩せておらず、釣り針でエサが食べられなくなり死んでしまったというよりは、釣り針が血管を傷つけて出血多量で死んでしまったのでしょうか。
・
・死因などの詳細は解剖して判明すると思います。
【レントゲン写真】
このように釣り針・釣り糸が原因で、傷つき死んでしまう野鳥がいます。
釣り針・釣り糸を放置せずに、マナーを守って釣りを楽しんでください。