阿蘇くじゅう国立公園
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2019年12月04日ベルベットのような黄金色に包まれた阿蘇 【阿蘇地域】
阿蘇くじゅう国立公園 ウッド 亜也子
みなさん、この秋の紅葉狩りは楽しまれましたか?
阿蘇高岳の初冠雪も発表され、冬の足音が聞こえていますが、
まだまだ阿蘇らしい"紅葉"が見頃です。
阿蘇の秋といえば草原のキラキラした銀色ススキ野原が有名ですが、
ススキの時期が過ぎた今、草原にはネザサが黄金に色づいています。
遠くからみるとふわふわで柔らかいベルベットを羽織っているかのようです。
▲大観峰周辺の外輪山
【ネザサとは】
背の低い笹の一種で阿蘇の自然草地の中で最も広い面積を占めています。
ネザサは牛馬の飼料に活用され、牛たちは好んで食べます。
またネザサは火砕流大地に良く根を張り、阿蘇に適した植物です。(大澤・那須,1993, p19)
阿蘇の日本一広い草原ならではの紅葉風景です。
積雪で一面が白色に変わる前に是非阿蘇に足を運んでこの自然のベルベットを見に来ませんか!?
引用:大滝典雄・那須利八(1993). 北外輪山上におけるネザサの開花結実 BOTANY No.43 熊本記念植物採集,19.
2019年11月22日くじゅう連山(冬)の見所紹介します 【くじゅう地域】
阿蘇くじゅう国立公園 大島 将貴
こんにちは。
くじゅうでは秋の紅葉シーズンも終わりぐっと寒くなる日が増えて来ました。
冬山シーズンを前に、今回は冬のくじゅうの見所を紹介したいと思います。
冬のくじゅうで一番有名な景色といえば凍る御池
▲御池(初夏)
▲御池(冬)
冬の間は凍結した御池の上を歩く登山者が見られます。
こちらは毎年見られるものではありませんが、凍る暮雨の滝
▲暮雨の滝(初夏)
▲暮雨の滝(冬)
そして、最後が冬のくじゅう連山。
冬にしか見られないこの景色、是非、くじゅう連山で登山して体験してみて下さい。
また長者原園地駐車場では冬山シーズンを前に陥没箇所の修繕やラインの引直しを行いました。
▲BEFORE
▲AFTER
冬の登山の際には、寒さ対策の衣類やアイゼンなど、十分な装備も整えましょう。
また、しっかりと下調べを行い、余裕を持った計画をたてて、冬のくじゅう連山を楽しんで下さい。
↓冬のくじゅう連山情報はこちら↓
2019年08月30日Photo Exhibition at Mt. Aso Visitor Center ~Aso-Kuju National Park~
阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 ウッド 亜也子
Since opened in March 2019, Mt. Aso Visitor Center has been fully up and running. As of July 2019, over 150,000 people have already visited the center.
This center is used as a hub and first stop for visitors to gather up-to-date information about Aso. Also it is a perfect place to visit if you are looking for somewhere to go on a rainy day and when the access to Mt. Aso Nakadake crater is restricted.
In addition to existing permanent exhibitions, Ministry of the Environment Active Ranger Photo Exhibition is currently taking place here at Mt.Aso Visitor Center. All the photos are taken while Active Rangers are working in National Parks and conservation areas in Kyushu.
Hope you get to visit the exhibition and discover the beauty and diversity of nature in Kyushu.
Photo Exhibition Scheduled in Aso-Kuju National Park Area:
Place: Mt. Aso Visitor Center (within Aso Volcano Museum)
Dates: Now~ 16th September 2019
Place: Chojabaru Visitor Center, Kokonoe town, Oita Prefecture
Dates: 20th September 2019~20th November 2019
2019年08月30日来場者15万人達成!!!阿蘇山上ビジターセンター 【阿蘇地域】
阿蘇くじゅう国立公園 ウッド 亜也子
2019年3月にオープンし、7月21日には既に15万人の来場者を達成した阿蘇山上ビジターセンタ-。
山上や阿蘇広域の情報を提供する窓口としている当ビジターセンターは火口規制や雨の日にも阿蘇の自然を知るなど充実した時間を過ごすことが出来る場所となっています。
そんなホットな場所に、九州管内の環境省アクティブレンジャーが撮影した写真展を開催中。
(この展示は九州全体をまわっています。詳細:http://kyushu.env.go.jp/pre_2019/2019.html)
現場で活動する私たちの目線で撮った写真を通して、多様で希少な九州の自然を知ってもらい、九州の魅力を発見してもらえたらいいな~と思います。また自然保護にも興味をもっていただけたらと思います。 皆様のご来場をお待ちしています!
阿蘇くじゅう国立公園内での写真展スケジュール
場所:阿蘇山上ビジターセンター 熊本県阿蘇市赤水1930-1(火山博物館1F)
期間: 現在~2019年9月16日
場所:長者原ビジターセンター 大分県九重町田野255-33
期間:2019年9月20日~2019年11月20日
2019年07月10日国立公園オフィシャルパートナーシッププログラム 「親子で行く!!くまもと水と森の恵み体感ツアー(清流の森編)」【阿蘇地域】
阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 藤田
国立公園オフィシャルパートナーシッププログラム(※)の一環として、『サントリーホールディングス(株)』と連携して、熊本県内の小学生以上のお子さんと保護者さんを対象に筑後川源流域の南小国町にある『清流の森』にて観察会を実施しました。
このプログラムは、昨年秋にも行い好評だったため、今年度も実施することができました。
清流の森周辺は、阿蘇くじゅう国立公園内で、自然公園法で守られ利用されている園地のひとつで、クヌギやモミジなどの原生林の奥には草原が広がります。すぐ側には何本もの湧水が流れる、九州一の全長と流域面積を誇る筑後川の源流域の1つです。
今回のイベントには、抽選で約40名のお子さんと保護者の参加がありました。
熊本市内からバスで2時間ほど、当日は濃霧の中の移動でしたが、『草原カレンダー(環境省作)』などを用いて阿蘇についての豆知識やクイズなど、サントリーの認定ガイドの方々が楽しく説明され、私たちは、阿蘇くじゅう国立公園についての紹介や阿蘇の特徴・自然環境の多様性と魅力を、クイズを交えながら紙芝居形式で紹介しました。
新緑の原生林の中で五感のアクティビティでは、風の音、ふかふかの土や渓流の水などを楽しみました。
目を閉じて耳を澄ませると、落ち葉を踏みしめる音、土の感覚、鳥のさえずり、風の音が聞こえてきます。五感を使ったプログラムは学ぶことが多いです。
ふと横を見ると、笹の花を発見!数十年に一度花が咲くそうで、とってもめずらしいとのことです。(花の写真は、興奮しすぎたのかブレブレでした(^_^;))
源流の水に触れてみました。リーダーが分かりやすく説明されるので理解も深まります。
サワガニやアカガエルも発見!
移動中は小雨が降っていましたが、活動中は、太陽も出てきてとても気持ちがよく、マイナスイオンもたっぷり浴びた気がしました。
アンケートでは、100%の方が楽しかったとの回答があり、森と水のつながりも100%の方が理解されていました。また、阿蘇が九州の水源地であることは37%の方が初めて知ったとのことでした。
★☆★☆★ 参加者の声を、一部抜粋してご紹介します。 ★☆★☆★
・ずっと熊本市に住んでいますが、こんなきれいな森があることを全く知りませんでした。夏や紅葉の時期に また行ってみたいと思います。
・自然とふれあいながら、いろいろなことを発見できてとても楽しかったです。緑と清流、普段の生活で触れることのない大自然に心がいやされました。
・たくさんのスタッフの方が同行されていて、安心して参加できました。
今回は、筑後川源流域での活動でしたが、阿蘇地域には、九州の主要6大河川の源流域があり、約230万人の産業や生活用水として利用されています。今回、ご協力いただいたサントリーホールディングス(株)でも、熊本工場は阿蘇の外輪山の裾野にあり、南外輪山の伏流水を利用されています。
湧水を阿蘇の恵みと捉えて、体験を通して、水を育む環境やその保全について体感する機会を今後も提供していけたらと思います。
次は、白川流域での活動を報告します。
***** 国立公園オフィシャルパートナーシップについてはこちら *****
http://www.env.go.jp/press/103297.html
環境省とサントリーが、平成29年11月「国立公園オフィシャルパートナーシップ」を締結したことにより開催される活動で、阿蘇くじゅう国立公園の魅力を発信し、国内外の利用者の拡大を図る"プログラム"。
この活動を通じて、人々の自然環境への理解を深めることを目的に、官民協力して国立公園を盛り上げていきたいですね。
2019年06月05日パークボランティアで登山道沿いの草刈りを行いました 【くじゅう地域】
阿蘇くじゅう国立公園 大島 将貴
ミヤマキリシマが見頃を迎え、多くの登山者が賑わうくじゅうですが、先日くじゅう地区パークボランティアの会で登山道沿いの草刈りを行いました。
くじゅう地区パークボランティアの会では、事前に主担当と下見をし、活動場所や活動時の注意事項等確認、また関係機関との調整を行った上で活動を実施しています
。
▲下見を行った日は、登山口付近で27度を記録しており、活動当日も熱中症が心配されたのですが当日は曇り空
活動当日は、作業前に主担当の会員より鎌を使用する際の注意点、登山者が通行する際の声かけ、移動時には必ず鎌をケースに入れて持ち運ぶ等説明があり、作業を行いました。
▲主担当より説明
▲作業風景
▲下見の際の登山道 ▲作業後の登山道
笹に覆われてわからなくなっていた登山道がはっきりと認識出来るようになりました。
最後に今日の振り返りを行い、無事活動を終えることが出来ました。
現在、くじゅう連山ではミヤマキリシマのシーズンを迎えています。道路、駐車場等混み合っておりますので十分に注意して安全に登山を楽しんで下さい!
▲平治岳より5/27撮影
2019年05月17日春の清掃活動 【阿蘇地域】
阿蘇くじゅう国立公園 大津 花
こんにちは!
4月に行ったゴミ拾い活動の報告をします。
阿蘇北外輪山にある城山展望所を拠点に、
通称「やまなみハイウェイ」のごみ拾い活動を行いました。
17名の阿蘇地区パークボランティアさんが参加されました!
阿蘇とくじゅうをつなぎ、草原を見渡せる眺めの良さが人気の道路です。
そんな心地の良い場所ですが、残念ながらゴミはありました。
例えば、
展望デッキの柵の割れ目に、タバコの吸い殻がありました。
割り箸で丁寧に取り除きました。
草原に咲くキスミレのそばにも、ペットボトル片がありました。
美しい自然の中にゴミがあると気が滅入ります。
わずか1時間の活動でしたが、
カン・ビン・ペットボトルがこれほど(上写真参照)、
さらに他の粗大ごみも集まりました。
阿蘇地区パークボランティアでは年間3回程度ゴミ拾い活動を行います。
しかし広い国立公園は、様々な団体が清掃してくださっても常にゴミゼロにはできません。
軽い気持ちで窓からゴミを投げたりせず、ゴミ箱へ入れていただくかまたはお持ち帰りいただけるようお願いいたします。
2019年05月14日大地の息吹 【阿蘇地域】
阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇 ウッド 亜也子
4月16日に阿蘇山噴火が緊急報道で流れ、
阿蘇を訪れても大丈夫だろうか?通行規制はあるのだろうか?と思っている方もいるでしょう?!
現在、噴火警戒レベル2で、立ち入り規制は火口より1キロです。登山道の中岳ルート、砂千里ルート、仙酔峡ロープウェイ跡ルート、仙酔峡尾根ルート、行儀松ルートが規制内に入ります。
しかし、火口より2キロ外にある、草千里ヶ浜からは烏帽子岳や杵島岳へのトレッキングができ、大地の息吹そして壮大なカルデラを体感することができます。今からはミヤマキリシマも咲き誇り火山と共存する花々も見ることができます。
▲烏帽子岳より2018年5月15日撮影
2019年05月14日阿蘇からの初夏便り 【阿蘇地域】
阿蘇くじゅう国立公園 ウッド 亜也子
今年の大型連休はどのように過ごしましたか?
阿蘇くじゅう国立公園は沢山の訪問者で賑わっていましたよ!
今回は、野焼き後の黒から新緑で覆われてきたこの時期に見られる風景を紹介します。
さっそくですが、質問です!
下の写真に写っている斜面の模様は何でしょう?
答えは「牛道」です。これは急斜面を牛が水平に移動しながら上り下りする道。
最大傾斜は21~27度もあるとも言われています。
牛たちは草を食べながらを1日3キロくらい軽く歩くんですよ~。
場所によって牛道の模様が違い、まさに自然の、いや牛のアート!
阿蘇を訪れる際にぜひ観察してみてください。
国立公園に隣接する飯田高原の九重町立飯田小学校では、子供たちが自然のことについて学ぶ機会が多くあり、年間を通して様々な活動をしています。
チームタデ原
↑長者原のタデ原について学び、発信することを目的に結成された団体。
お宝探検隊
↑飯田小学校の1~6年生が加入している団体、飯田高原の自然・歴史・文化について学ぶ。
先月、飯田小学校の生徒さんから鳥獣害の話をして欲しいと依頼があり、出前授業を行いました。
その生徒さんは、田んぼを荒らしているイノシシを見たらしく、何故そのような行動をするのか教えてほしいと大人顔負けの質問がありました。
阿蘇くじゅう国立公園の周りでも、希少植物がシカに食べられて個体数が減少したり、イノシシが田んぼや畑を荒らしたりして農業被害が出たりするなど鳥獣害が多くなっています。
授業では、初めにくじゅう地域に生息する野生動物の写真を見せて生態や、どのような被害が出ているかを話しました。
後半では、何故そのような行動をするのか勉強しながら、被害が出ないためにどういった対策が必要か話し合いました。
私からは、野生動物は悪さをしようとして来てるのではなく、生きるために食べるものを求めて来てるに過ぎないとも説明しました。
生徒さんたちからは、今まで畑や田んぼを荒らす野生動物に対しての悪いイメージがあったが、それがなくなったという意見が出ました。
くじゅう地域では、昔は野生動物が生息する森と人が住む集落の間には、広大な草原があり、草原では隠れる場所がないため移動しにくい環境でした。しかし、草原が野焼きされなくなり、草原が籔に覆われ、野生動物が集落に来やすい環境になったため、被害が多くなったと思います。
今回の出前授業で野生動物の被害対策について話し合ったことを糧として、今後もくじゅう地域の自然について理解を深めてもらえればと思います。