アクティブ・レンジャー日記
九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、瀬戸内海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島、慶良間諸島、西表石垣国立公園、やんばる国立公園があります。
人とツルが共に安心して過ごせる場所に ~「みかた」を守って、みんなの味方~
2023年10月12日
出水
みなさん、こんにちは。出水自然保護官事務所の岡本です。
毎年10月中旬ごろから(※1)鹿児島県出水地域にツルが飛来し、その優雅な姿を見せてくれます。その数は1万羽を超え、世界有数の越冬地となっています。「出水ツルの越冬地」が2021年 ラムサール条約湿地に登録されました。また、出水市は2022年 ラムサール条約湿地自治体に認定されました(※2)。ツルにとって生息できる環境が継続して存在していることは、とても大事なことです。出水が1万羽を超えるツルの生息地であり続けているのは、地域に住んでいる方や農家の方、ツルを観察しに来られる方など生息地に関わるすべての方々のご理解とご協力のうえに成り立っています。もし、ご理解とご協力が無くなってしまえば、生息地として成り立たなくなってしまうと思います。
※1ツルの飛来が始まる時期は、年により多少変わることがあります。 ※2日本国内初
今回、人とツルが共に安心して過ごすための取り組みを2つご紹介します。
毎年10月中旬ごろから(※1)鹿児島県出水地域にツルが飛来し、その優雅な姿を見せてくれます。その数は1万羽を超え、世界有数の越冬地となっています。「出水ツルの越冬地」が2021年 ラムサール条約湿地に登録されました。また、出水市は2022年 ラムサール条約湿地自治体に認定されました(※2)。ツルにとって生息できる環境が継続して存在していることは、とても大事なことです。出水が1万羽を超えるツルの生息地であり続けているのは、地域に住んでいる方や農家の方、ツルを観察しに来られる方など生息地に関わるすべての方々のご理解とご協力のうえに成り立っています。もし、ご理解とご協力が無くなってしまえば、生息地として成り立たなくなってしまうと思います。
※1ツルの飛来が始まる時期は、年により多少変わることがあります。 ※2日本国内初
今回、人とツルが共に安心して過ごすための取り組みを2つご紹介します。
取り組み1 人とツルの距離を保つ「防護ネット」、ツルの「ねぐら」
ツルは非常に用心深く、人がむやみに近づけばストレスを強く感じます。人とツルが共に安心して過ごせるよう、近づき過ぎず距離を保てる防護ネットの設営と、ツルが眠る場所「ねぐら」を設営します。設営には地域農家の方々のご理解とご協力が欠かせません。
3メートル間隔の鉄製支柱をベースに高さ2メートルの防護ネットを張っています。防護ネットの延べ長さは約1800メートルです。このエリアを含むラムサール条約湿地「出水ツルの越冬地」は、人と車両とも原則進入禁止の規制が入り(出水市が指定する限られた道路・場所を除く)、監視所が設けられます(※3)。 ご注意をお願いします。
3メートル間隔の鉄製支柱をベースに高さ2メートルの防護ネットを張っています。防護ネットの延べ長さは約1800メートルです。このエリアを含むラムサール条約湿地「出水ツルの越冬地」は、人と車両とも原則進入禁止の規制が入り(出水市が指定する限られた道路・場所を除く)、監視所が設けられます(※3)。 ご注意をお願いします。
黒い防護ネット(左の写真)は透過性が低く、ツルの「ねぐら」付近で使用しています。青い防護ネット(右の写真)は観察可能な透過性が有ります。
天敵である哺乳類が進入しにくく、水面を伝わってくる波紋によって外敵が近づくのを知ることができるため、ツルは眠る場所に川や池の浅瀬などを好みます。地域農家の方々のご協力を得て、ツル飛来時期に合わせ一部の田に水を入れて「ねぐら」を設営します。 写真は昨年の様子です。
毎年、出水地域で1万羽を超えるツルが越冬し、ツルを観察できるのには、地域の方々の支えが不可欠です。ツルの観察を通じ、地域の方々の支えを感じていただけるきっかけになれば嬉しく思います。
取り組み2 「みかた」を守って、みんなの味方
人とツルが共に安心して過ごせるために欠かせないことがもう1つ有ります。それは、観察しに来られる方々のご理解とご協力です。ツルや地域の方々が安心して過ごせるように次の見方でツルを観察し(※3)、みんなの味方になっていただけたら嬉しく思います。
次の効果が期待できます。
・ツルが自然のまま落ち着いて過ごすことができます。
・鳥インフルエンザの感染を予防することができます。
・地域の方々の生活を守ることができます。
「ツルの見方」
・ツルが警戒しないよう、十分な距離を保って観察しましょう。
・大きな音(大声、車両のクラクション等)や、光(カメラのフラッシュ、車両のヘッドライト等)を出さないようにしましょう。
・鳥インフルエンザ感染対策として、消毒ポイントでは靴底や車両を消毒し、ウイルス等の拡散を防ぎましょう。
・通行の妨げになる車両の駐車・停車をしないようにしましょう。
・私有地や農地へ無断で立ち入らないようにしましょう。
・農作業を妨げないようにしましょう。
上記を記載したものを作成しています。(ツル飛来地の大まかなイラスト付き) ぜひ、お手元に携えて出水でのツル観察をお楽しみください!
次の効果が期待できます。
・ツルが自然のまま落ち着いて過ごすことができます。
・鳥インフルエンザの感染を予防することができます。
・地域の方々の生活を守ることができます。
「ツルの見方」
・ツルが警戒しないよう、十分な距離を保って観察しましょう。
・大きな音(大声、車両のクラクション等)や、光(カメラのフラッシュ、車両のヘッドライト等)を出さないようにしましょう。
・鳥インフルエンザ感染対策として、消毒ポイントでは靴底や車両を消毒し、ウイルス等の拡散を防ぎましょう。
・通行の妨げになる車両の駐車・停車をしないようにしましょう。
・私有地や農地へ無断で立ち入らないようにしましょう。
・農作業を妨げないようにしましょう。
上記を記載したものを作成しています。(ツル飛来地の大まかなイラスト付き) ぜひ、お手元に携えて出水でのツル観察をお楽しみください!
※3 出水市では、「ツルへの配慮」「住民と来訪者との共生」「鳥インフルエンザへの防疫体制の強化」の観点から、「出水ツルの越冬地」への入域ルートの指定などを行い、より積極的な保全・管理を目指す「越冬地利用調整」を実施されます。今年度の実施期間は2023年11月1日(水)~ 2024年3月10日(日)。ラムサール条約湿地「出水ツルの越冬地」へ来られる際は、ご注意をお願いします。詳しくは出水市の以下Webページでご確認をお願いします。令和5年度ツル越冬地利用調整について|出水ラムサールナビ
<ツルのことをもっと知りたい方へ>
・もっと学びたい方へ:
出水市「ツル博物館クレインパークいずみ」では、ツルをはじめとする出水の豊かな自然を学ぶことができます。詳しくはホームページでご確認をお願いします。クレインパークいずみ|出水市
出水市「ツル博物館クレインパークいずみ」では、ツルをはじめとする出水の豊かな自然を学ぶことができます。詳しくはホームページでご確認をお願いします。クレインパークいずみ|出水市
・もっと観察したい方へ:
出水市「ツル観察センター」では、ツルの飛び立つ姿や、ねぐらに帰ってくる群れなど、間近でツルの生態を観察できる施設です。詳しくはホームページでご確認をお願いします。出水市ツル観察センター|出水ナビ
今後のアクティブレンジャー日記でも地域の取り組みをご紹介していきたいと思っています。
ツル観察と合わせて出水をお楽しみください! 深まっていく秋を彩る出水市観光イベント「いずみマチ・テラス」のご紹介
5万本以上の竹灯籠でまちを照らす「いずみマチ・テラス」が開催されます。今年で9回目を迎えるそうです。長い竹製ランタンの列・大きい竹製ランタン・巨大ドラゴンランタンや、竹灯籠で出水麓武家屋敷群などをほのかに照らすなど注目を集めるものが数多く用意される予定です。深まっていく秋を竹灯籠がステキに魅せてくれそうです。【イベント予定期間】2023年10月28日(土)~11月5日(日)、【展示予定期間】2023年10月28日(土)~11月25日(土)。 詳しくは出水市観光ポータルサイトでご確認ください。いずみマチ・テラス~竹灯籠でつなぐ光の祭典~|出水ナビ ご参考:いずみマチ・テラスFecebook:いずみマチ・テラス|facebook
以上