ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2021年6月

4件の記事があります。

2021年06月30日子どもパークレンジャー・川平小中学校「マイクロプラスチック調査」【石垣地域】

西表石垣国立公園 江川博子

はじめまして。今年4月から石垣自然保護官事務所に着任しましたアクティブレンジャーの江川です。どうぞよろしくお願いします。

環境省では国立公園をフィールドとして、自然にふれあいながら環境について学ぶ機会を作るために子どもパークレンジャー事業(以下JPR)を行っています。

今回はJPRの一環として地元の小中学校向けに行っているサンゴ学習についてご紹介します。

川平小中学校の校舎からは美しいエメラールドグリーンの海が眺められ、サンゴ礁の海を身近に感じられます。神奈川県から来た私にとってはうらやましい限りですが、地元の子どもたちにとっては見慣れた景色なのかもしれません。それでも、意外と深くは知らないサンゴの世界。今年は総合学習の時間を5回使って、わくわくサンゴ石垣島の皆さんと一緒に楽しくサンゴについて学んでいく予定です。

第1回目は教室にて事前学習としてサンゴの基本的な生態についてゲームも交えながら授業を行いましたが、今回第2回目は実際にフィールドに出て行う授業です。今サンゴのすむ海はどうなっているのかを知るために、近くの海岸にて「マイクロプラスチック調査」を行いました。

まずは、マイクロプラスチックはどこからやってきて、どのようにできるのかについて考えていきます。

マイクロプラスチックとは 直径5mm以下の小さなプラスチックのことをいいます。ゴミとして人の手を離れたプラスチック製品は、風や川によって海岸へ流れていきます。すると、石垣島の近くを流れる大きな海流「黒潮」によって、さらに流されていきます。黒潮の秒速は1mから2m。ちょうど私たちが歩くスピードです。黒潮になったつもりで、ゴミを持って歩いてみます。

黒潮の幅は最大で100kmとも言われているので、あっという間に多くのゴミを運んでしまいます。その間に、紫外線にさらされたり、生き物にかじられたり、波によって砕かれたりして、プラスチックの劣化が進み段々と細かくなっていきます。

その後、海中を漂うマイクロプラスチックの一部は波によって砂浜へと打ち上げられます。

そして、いよいよ海岸へ向かいます。まだ梅雨明けしていない時期なので、時折通り雨が降ります。海岸に到着した頃、雨雲がすぐそこまで来ていました。

25cm四方の枠の中で、どれくらいのマイクロプラスチックがあるのか採集して調べます。

枠を基準にちりとりを使って砂をすくい、その中からなるべくマイクロプラスチックを取り出すために、5mmの目合いのふるいでこし、水に浮く性質を利用して海水をくんだバケツに入れ、浮いたものだけをすくって取り出します。

 

わかりやすいように、黒い布を敷いたトレイの上に取り出します。この一連の作業を、場所を変えて2回行います。

海岸の様子。潮が引いた後にできる波の跡に注目。マイクロプラスチックが溜まりやすいポイントです。

また、砂浜を近くで見るとこのような様子。貝殻やサンゴの骨格にまぎれて一見シーグラスのようなプラスチックもありました。

そして、教室に持ち帰りルーペやピンセット、指の触感を使って細かく分類していきます。

 

班ごとに採集する場所が違っていたので、マイクロプラスチックの量や種類に差がありました。プラスチックの原料となるレジンペレット、触ってみるとふかふかする発泡スチロール、カラフルなもの......。ルーペで見分けるには限界があるかもしれませんが、繊維のものもマイクロプラスチックである可能性があります。

さて、これらマイクロプラスチックは甲殻類の体内からも確認され、自然生態系への影響が懸念されています。今回の調査で行った採取では、区間が狭いとはいえ取り出すのに細やかな工程を要しました。これらが広大な海に漂っていると思うと、全てを回収するのは想像を絶する作業になるでしょう。

私たちが普段の生活で利用しているプラスチック製品は、私たちの手を離れた後どうなっていくのか、プラスチック製品にふれる機会があまりに多いので、いちいち考えることはないかもしれません。今回のサンゴ学習で、砂浜に混じっていたマイクロプラスチックの粒を改めて細かく見ることで、買い物の際になるべく過剰包装でないものを選ぶなど普段の生活を見つめ直すきっかけとなりました。

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2021年06月15日交通事故に遭ったカンムリワシ放鳥【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 仲本

今年3月下旬に交通事故に遭ったカンムリワシ(若鳥)を救護しました。野生復帰はかなり難しいと覚悟していましたが、順調に回復し、骨折した翼も完治。リハビリゲージ内でも翼を広げて旋回できるまで元気になったことから、5月26日(水)に救護場所近くのきび畑にて放鳥することができましたので、お伝えしたいと思います。

▲事故現場(緩やかな下り坂)

発見された際は、道路上でうずくまっていたそうですが、職員が救護現場に駆けつけると道路上にはおらず、道路脇の林の中で、うつ伏せの状態で発見されました。

▲救護時の様子

救護後、すぐに動物病院で診察と治療が行われ、右の翼の橈骨と尺骨(人で言うと手首と肘の間の骨)の開放骨折(骨折した際に皮膚が破れて、骨が外に露出する状態)が見つかり、皮膚の表面の損傷もかなり酷く、翼がねじれてしまい、雑菌による感染症を引き起こす可能性も高く、重傷な状態でした。

▲救護したばかりの放鳥個体

今回のようなケースで野生復帰できるのは、かなり稀なケースです。これも速やかな通報により迅速な救護対応ができこと、動物病院の獣医師さんの懸命な治療、リハビリを行って頂いている方等の連携がうまくできたおかげです。今回、放鳥を行うことができ、本当にうれしい限りです。

▲放鳥場所(写真中央、野底岳)

▲元気に羽ばたき、林内に向かう「のそこ」

放鳥した個体には、左脚に緑のNと刻印された足環を装着し、野底(のそこ)地域で救護されたことから、愛称は「のそこ」と名付けられました。かなり臆病な性格で、なかなか飛び立とうとしなかったのですが、しばらくして元気に飛び立っていきました。

令和3年(2021年)のカンムリワシの救護件数は、石垣島で2件、西表島で3件、合計5件です。その内5件すべてが交通事故で救護されています。もし、交通事故にあったり、衰弱して弱っているカンムリワシを発見しましたら、下記の連絡先までご連絡をお願いいたします。

<カンムリワシの救護連絡先>

○石垣島

 環境省石垣自然保護官事務所 0980-82-4768

 石垣市教育委員会文化財課  0980-83-7269

○西表島

 西表野生生物保護センター  0980-85-5581

<足環の付いた放鳥個体の目撃情報の連絡先>

○カンムリワシリサーチ

 ウェブサイト : "http://kanmuriwasi.web.fc2.com/"

 E-mailアドレス: yonnayonna470(a)gmail.com 

          ※(a)を@に置き換えてお送りください。

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2021年06月04日空飛ぶ猟師!ミサゴの子育て【平戸・九十九島地域】

西海国立公園 溝口恵美

 こんにちは!佐世保自然保護官事務所の溝口です。

 今回は「空飛ぶ猟師!」とも言われている、九十九島の野鳥についてお話しします。

  ※一部の写真は、九十九島ビジターセンター提供。

 数多くの野鳥が生息している九十九島。その中に、準絶滅危惧種の猛禽類(もうきんるい)「ミサゴ」が生息しています。

「空飛ぶ猟師!」と呼ばれており、その名の通り、主食は魚で、ホバリング(空中停止)しながら魚を探し、獲物を見つけると、両足を突き出すようにして勢いよく海に飛び込み、足でつかみ捕獲します。

 生息数が少なく、準絶滅危惧種となっていますが、九十九島では、数多く見られ、毎年子育てをする様子も確認されます。

▼漁に成功したミサゴ

ミサゴ調査

そして、今九十九島では、繁殖期を迎えたミサゴが子育ての真っ最中なんです!!

 先日ビジターセンターのミサゴ調査に同行し、観察を行ってきました。

 ミサゴが巣を作る場所は、人の少ない海岸の岩の上や、水辺に近い木の上など高い場所。九十九島では、ほとんどの巣は海面から高さ10メートル程の場所に作られています。

 まだ小さいヒナがいる巣から、親鳥と変わらない程大きく成長したものまで、しっかり観察することが出来ました。

▼小さいヒナがいる巣                ▼大きく成長した2羽のヒナ

ミサゴ

  

 しかも、ヒナと言うにはたくましく成長した幼鳥の、とても貴重な瞬間に出会うことが出来ました。

 風が吹くと、翼を大きく広げ羽ばたく練習をしていたのです。

ミサゴ調査

ミサゴ調査

 親鳥は、巣のそばから一時も離れず、じっと外敵が来ないか目を光らせているのです!トビやカラスなどの鳥が近づくと、ピーと鳴き、子に合図を送ります。すると、ヒナはそそくさと巣の中へ。安全が確認できると、また巣の外へ出て練習を始めるのです。巣立ちの日もそう遠くはなさそうですね。

 是非とも、無事に巣立っていく姿を見守っていたい!!と親心が芽生えてしまいました。笑

 島々が点在する九十九島は、ミサゴのように野鳥が必要とする繁殖場所や格好の給餌場所があり、とても良い生息環境なんだなと改めて感じることが出来ました。

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2021年06月02日パークボランティアとオオキンケイギクの駆除活動を行いました!

阿蘇くじゅう国立公園 姥原悠

阿蘇くじゅう国立公園管理事務所の姥原です。

例年6月に行っているオオキンケイギク駆除活動を今年も実施しました。

オオキンケイギクは北アメリカ原産の多年草で、とても繁殖力が強く、在来植物の生育に影響を及ぼすおそれがあるため、特定外来生物に指定されています。

阿蘇地域では、草原で繁殖しないよう、積極的に駆除活動を行っています。

詳しくは、以下リンクから確認してください。

(参考リンク:九州地方環境事務所 外来生物-オオキンケイギクについて

http://kyushu.env.go.jp/wildlife/mat/m_2_3.html

綺麗な花ですが、繁殖力が強いため根気よく駆除を行なわなければなりません。