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九州地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記

空飛ぶ猟師!ミサゴの子育て【平戸・九十九島地域】

2021年06月04日
佐世保 溝口恵美

 こんにちは!佐世保自然保護官事務所の溝口です。

 今回は「空飛ぶ猟師!」とも言われている、九十九島の野鳥についてお話しします。

  ※一部の写真は、九十九島ビジターセンター提供。

 数多くの野鳥が生息している九十九島。その中に、準絶滅危惧種の猛禽類(もうきんるい)「ミサゴ」が生息しています。

「空飛ぶ猟師!」と呼ばれており、その名の通り、主食は魚で、ホバリング(空中停止)しながら魚を探し、獲物を見つけると、両足を突き出すようにして勢いよく海に飛び込み、足でつかみ捕獲します。

 生息数が少なく、準絶滅危惧種となっていますが、九十九島では、数多く見られ、毎年子育てをする様子も確認されます。

▼漁に成功したミサゴ

ミサゴ調査

そして、今九十九島では、繁殖期を迎えたミサゴが子育ての真っ最中なんです!!

 先日ビジターセンターのミサゴ調査に同行し、観察を行ってきました。

 ミサゴが巣を作る場所は、人の少ない海岸の岩の上や、水辺に近い木の上など高い場所。九十九島では、ほとんどの巣は海面から高さ10メートル程の場所に作られています。

 まだ小さいヒナがいる巣から、親鳥と変わらない程大きく成長したものまで、しっかり観察することが出来ました。

▼小さいヒナがいる巣                ▼大きく成長した2羽のヒナ

ミサゴ

  

 しかも、ヒナと言うにはたくましく成長した幼鳥の、とても貴重な瞬間に出会うことが出来ました。

 風が吹くと、翼を大きく広げ羽ばたく練習をしていたのです。

ミサゴ調査

ミサゴ調査

 親鳥は、巣のそばから一時も離れず、じっと外敵が来ないか目を光らせているのです!トビやカラスなどの鳥が近づくと、ピーと鳴き、子に合図を送ります。すると、ヒナはそそくさと巣の中へ。安全が確認できると、また巣の外へ出て練習を始めるのです。巣立ちの日もそう遠くはなさそうですね。

 是非とも、無事に巣立っていく姿を見守っていたい!!と親心が芽生えてしまいました。笑

 島々が点在する九十九島は、ミサゴのように野鳥が必要とする繁殖場所や格好の給餌場所があり、とても良い生息環境なんだなと改めて感じることが出来ました。