アクティブ・レンジャー日記
よんなー(ゆっくり)よんなー(ゆっくり)運転は誰が為に?
2020年04月26日よんなー(ゆっくり)よんなー(ゆっくり)運転は誰が為に?【やんばる地域】
こんにちは。
やんばる自然保護官事務所アクティブレンジャーの佐藤です。
新型コロナウイルスの影響で我慢の日々が続きますね。
けれども自然の営みはいつも通り。
森の色が黄緑から少しずつ深くなりアカショウビンの声が響くようになりました。
みなさんにもぜひ、やんばるの森を体感してほしい!ところですが、今は我慢。
この事態が落ち着いたら、またやんばるの森を楽しみにいらしてくださいね。
さて、うりずんの季節も進みヤンバルクイナも子育てに一生懸命な時期。
道路脇でヒナを連れたり、食べものを探したりする姿が頻繁に確認される頃です。
愛らしいヒナや忙しそうに餌運びをする親鳥の姿に心和みますが、
ヤンバルクイナの交通事故が多く確認される時期でもあります。
【やんばる地域における野生動物交通事故確認情報】
2020年4月25日現在 *交通事故の確認情報は年単位で集計しています
ヤンバルクイナ 5件(交通事故防止重点区間内 1件)
ケナガネズミ 0件
昨年、2019年は同時期に9件(速報値)の交通事故が確認されています。
一見、昨年より交通事故が減っているように見えますが、
この確認数の考え方については以前の記事にありますので、ぜひご覧ください。
http://kyushu.env.go.jp/blog/2018/07/post-488.html
以前の記事にも書いていますが、交通事故が多く確認されるのは4月-9月で全体の80%~90%にもなります。
これから9月までの約半年、やんばる地域を通行されるみなさん!時速制限を守って、安全運転をどうぞお願いします。
ただ「安全運転!」と言われても、法定速度で走ることは大前提として、闇雲に気を張り詰めて運転をするのは運転者にとってとても大変ですよね。
そこで近年、特にヤンバルクイナとの交通事故が確認されている場所を図に示してみました。
やんばる地域を通行する際に参考にしてください。
図.ヤンバルクイナの交通事故が確認されているエリア
この地図は、2017~2019年のヤンバルクイナの交通事故データを用いて作成したものです。赤の色が濃いほど交通事故が確認されているエリア=「ヤンバルクイナの交通事故が起きやすいところ」になります。この結果から、県道2号線や県道70号線が特に注意が必要なエリアだと分かります。
ここで野生動物と交通事故を起こさないための心構えを。
●時間に余裕を持ち、よんな~(ゆっくり)(ゆっくり)よんな~(ゆっくり)(ゆっくり)運転をする
●道はヒトだけでなくヤンバルクイナをはじめ、さまざまな生きものが利用する場である
●「○○がいるかもしれない!」と常に心の片隅にとめておく
●安全運転は生きものたちだけでなく「あなた自身」「大切な人」の命を守ります!
こんな気持ちで運転するのがよいのかもしれません。
みなさんの生きものたちへの理解と、
ちょっとした配慮をどうぞよろしくお願いいたします!
【もし傷ついたり死んでしまったヤンバルクイナなどを見つけたら...】
・環境省やんばる野生生物保護センター(0980-50-1025)
・NPO法人動物たちの病院 沖縄(090-6857-8917)
までご連絡ください!
また、発見した時には以下についても教えていただけるととても助かります。
・見つけた個体の状態(怪我をしている、ぐったりしている、車でぶつかってしまったなど)
・見つけた場所(目印となる施設や建造物、道路名、kp(キロポスト)をお伝えいただくと迅速な対応につながります。)
県道70号線を横断するヤンバルクイナ